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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その16 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/17(木) 23:46:54.40 ID:N4RrjH6o
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
    幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、五つ目の属性を求める召喚士…。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊と冒険を続けていく。
結成から一年余り…。彼らに待ち受ける新たな試練とは…?


◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(絵の支援など大変ありがたいそうです!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その15)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/

◆過去ログ(その1〜14)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:25:32.15 ID:AXEyEh6o
>>1乙!
もう16か…最初から見てたけど、もうそんなに…
100まであと84スレ!頑張ってください!
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:33:30.67 ID:FGZmbwSO
>>1乙!
いつも楽しく読ませて貰ってます。
新スレおめでとうございます!
そして書籍化マダ〜?
お体大事にして下さいね!
あっちの更新も楽しみにしています!
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:33:59.53 ID:S8yak7Uo
                           ,,,,,,_
                     ,,,,,iiiilllllllllllllliii,,,,
          ,,,,,_   .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll丶
          ゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙
           ゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜
              ゙!lllllll!!l゙゙’   .,,illlllllllllllllll!!゙゜
             ^     .,,illllllllllllllll!!゙゜
                  ,,illlllllllllllll!゙°
                 ,,illlllllllllll!l゙゜
                  ,,illllllllllll!l゙゜
                 ,,illllllllll!!゙゜.
                ,,illllllllll!゙゜            liiii,,
             ,,illllllll!゙゜                'llllllli,,
            ,,illllllll!゙                  lllllllllli,,
           ,illlllllll゙                  ,lllllllllllllii,
           llllllllllli,_             ,,,,illlllllllllllllllli,
           !llllllllllllllliiiiiiiiiiiii,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiiiiiiiiiillllllllllllllllllllllllllllll
            ゙゙!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
              ゙゙゙゙!!!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!!!l゙゙゙゜
                    ̄”””””” ̄ ̄


これやるのも久しぶりだな
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:34:30.56 ID:Sa1hdcSO
>>1乙!
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:47:30.30 ID:XSWZQBo0
>>1

愛してる
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 01:00:13.05 ID:29r48qQo
いちおつ
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 05:06:35.75 ID:92KAOUSO
>>1乙〜
>>1に書かれてる前回までのあらすじ変わってる事に今気づいたwwwwいつからだったんだろうwwwwww
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 06:27:05.31 ID:WSeG6oDO
>>1乙っす〜
10 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:50:09.12 ID:F70mJNgo
ゴソッ…

戦士「……ん、もう夜明けか」

漁師「おう、起こしてしまったかの…?」

戦士「おはようっす…。……それ、なんすか?」

漁師「漁に使う網じゃよ。出る前に最終確認しておかないと…っな!」

そう話しながら、漁師は網の端を力強く引っ張る。

漁師「はぁー、近頃はめっきり力も衰えて……」

戦士「どれ、貸してみ。……ふんっ!」

グイッ

漁師「おぉ、流石じゃの!」

戦士「これぐらい朝飯前……」

グキュルルウウゥゥ…

戦士「お…っと…」

漁師「わはははっ!確かに朝飯前じゃったな!食べるとするか!」

戦士「……お言葉に甘えて!」
11 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:50:46.04 ID:F70mJNgo


戦士「…うっめぇ!!」

漁師「獲れたてはもっと美味いぞ?」

戦士「マジすか!?やっぱ新鮮な魚はいいわぁ…!」

漁師「じゃろ…?漁師になれば毎日食えるぞい?」

戦士「うーん…。それもいいかもなぁ……」

漁師「…そうじゃそうじゃ!」

戦士「でも、すまんな…。まだちょーっとやる事あんだわ」

漁師「そうか……。それは残念じゃの…」

戦士「……ごっそさん。美味かったっす!」

漁師「そいつは何より…。おっと、もうこんな時間か…」

戦士「そろそろ……」

漁師「うむ。漁に出るぞい」

戦士「おっす!準備は出来てるぜっ!!」

ニンマリと笑顔を見せ、二人は子供のように笑う。
12 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:51:30.28 ID:F70mJNgo
テクテクテク…

漁師「この船じゃ。ボロですまんのぉ…」

戦士「そうか?いい船じゃねーか…!」

漁師「お世辞でも嬉しいのぅ…。さぁて、出航じゃ!」

戦士「俺が漕ぐぜ…任しておきなっ!」

戦士は櫂を勢いよく海中へ突き刺し、、目一杯に船を漕ぐ。

漁師「まずはこのまま潮の流れにのって西進じゃ!」

戦士「おう!」

漁師は網を勢いよく海面へ放り、それを船の後方へ結びつける。

漁師「流れに乗ったら帆を張るぞい!」

戦士「了解っ!!それまでは…しっかり漕ぐぜ!」

漁師「頼もしいわいっ!わっははは!!」

戦士「体力だけには自信があるからなっ!」

漁師「頑張れ頑張れ!その意気じゃ!わははは!」

笑い声とともに、船はゆっくりとその進路を西へと進める。
13 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:52:23.95 ID:F70mJNgo
〜本国〜

路地裏の小さなホテルの前、青年兵が人を避けるように立っている。

テクテク…タッタッタ…

ウィッチ「おはようございます」

青年兵「おはようございます。…これを」

青年兵は顔をフード付のローブをウィッチへ手渡す。

青年兵「フードを被れば顔が隠せる…。念のために…」

ウィッチ「は、はいでございます!」

ゴソゴソッ…ズボッ

青年兵「よし…行こう!」

ウィッチ「は、はいでございます!」

タッタッタッタッタ…

ウィッチ「あの…昨日はどちらへ?」

青年兵「買い出しと…自分の家へ戻ってたけど…何で?」

ウィッチ「いえ…っ、ちょっと心配で……」
14 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:52:57.47 ID:F70mJNgo
青年兵「…ありがとう。大丈夫だから」

ウィッチ「……」

青年兵「君は何も気にする事はないから。信じて」

ウィッチ「はいでございます…!」

青年兵「ここを曲がれば…王宮の裏口……」

タッタッタッタッタ

青年兵「ご苦労様です!」

門兵「おう。…ん?誰だ?」

青年兵「殿下へ推薦しようかと思いまして…」

門兵「ああ…。例の本国召喚隊を新設ってアレか…?」

青年兵「はい!」

門兵「そいつはご苦労さん。頑張れよ!」

青年兵「ありがとうございます!…さぁ、こちらです」

ウィッチ「ありがとうございます」

門兵「……女…?」
15 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:53:28.79 ID:F70mJNgo
〜王宮内〜

青年兵「もう大丈夫。脱いでいいよ」

ウィッチ「はいでございます…!」

ヌギヌギッ…

青年兵「お父上は経済機関だったよね?」

ウィッチ「ええ…でございます」

青年兵「王宮で顔を会わせる事はなさそうだな…」

ウィッチ「そ、そうでございますね…」

青年兵「それに…この時間なら人も少な……」

テクテクテク…

エリート「……ん?」

青年兵「…!?」

通路の正面より資料を読みふけりながら歩いてくるエリート。

その姿を見て青年兵は声も上げず目を丸くする。

エリート「どうしたんだ…?こんな時間……」
16 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:54:08.06 ID:F70mJNgo
通路の正面より女性を連れて歩いてきた青年兵。

その姿を見てエリートは言葉途中に目を丸くする。

青年兵「エリート様っ!こ、こちらへ…!」

青年兵は慌てて横の備品室へエリートとウィッチを押し込める。



エリート「……成程。事情は把握した」

青年兵「何とか…なりませんかね?」

エリート「まぁ、彼の今までの功績や…背景を考えれば……」

ウィッチ「……」

エリート「免罪とまではいかなくとも…。しかし……」

エリートはウィッチの顔をちらりと見る。

エリート「お父上は確か…経済機関の次官…だよね?」

ウィッチ「そう…でございます」

青年兵「次官!?」

エリート「……ちょっと…骨が折れるかもしれないね…」
17 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:54:56.52 ID:F70mJNgo
〜国王の寝室〜

右大臣「……」

皇太子「では、私の一存で構わない、という事で良いのですね?」

国王「ああ……。そちに任せる」

皇太子「…畏まりました」

国王「頼むぞ…ごほっ…ごほ!」

皇太子「はっ」

コンコン…

右大臣「何だ?」

親衛隊「殿下、エリート様がお越しになられました」

皇太子「分かった。私の部屋で待て、と伝えてくれ」

親衛隊「ははっ!!」

皇太子「それでは…失礼致します」

カツカツカツ…

国王「……」
18 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:56:22.63 ID:F70mJNgo
ガチャッ…

皇太子「やぁ、おはよう。待たせてしまったかな?」

エリート「いえ、大丈夫です」

青年兵「……」

エリートと青年兵に続き、ウィッチも慌てて敬礼する。

皇太子「おや…?青年兵も一緒か。それで…そちらの方は?」

エリート「経済次官の次女であらせられます」

皇太子「おぉ、そうであったか」

ウィッチ「ウィッチ…と申しますでございますっ」

皇太子「これはご丁寧に…。それで…何かあるんだろう?」

青年兵「はっ。実は…ですね……」

青年兵は経緯を事細かに、殿下へと伝える。

皇太子「……それはまた…厄介だね」

青年兵「はい…」

ウィッチ「あ、あのっ…戦士様は悪くないのでございます!」
19 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:57:22.01 ID:F70mJNgo
皇太子「まぁそれは分かるのだが…手を出してしまったのはなぁ…」

エリート「無罪…というわけにはいかないでしょう…」

ウィッチ「罪なら私が受けるでございます!どうか戦士様を…っ!」

青年兵「…いかが致しましょう?」

皇太子「それで…今、彼はどこに?」

青年兵「ひとまずは西方に……」

エリート「西方!?」

皇太子「……そうか」

青年兵「あの…何か…?」

エリート「ちょっと話を変えるよ。実は今…西方との同盟に動いておるのだ」

青年兵「な、なんと…!?」

皇太子「ところが厄介な事になっててね…。はは…」

エリート「西方からの条件が厳しいんだ…」

青年兵「あの…それって一体……」

皇太子「三日月島をよこせ、と言ってきている…」
20 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:58:04.27 ID:F70mJNgo
青年兵「…!!」

エリ−ト「三日月島には西方司令もあるし…何より……」

皇太子「今後の魔王討伐における重要拠点の一つだからね…」

エリート「どうするおつもりですか…?」

皇太子「父上にも確認は取ったが、私に一存するそうだ」

エリート「…と、言う事は…!?」

皇太子「ああ。当初の予定通り…北半分を明け渡す、という事でいく」

エリート「後は西方が納得するかどうか……」

皇太子「なに、納得させるさ。何が何でもな…」

エリート「戦士氏の件は一度預かるとしよう。しばし待て」

青年兵「はっ!お願い致します!」

皇太子「丁度いい機会だ。君らも同行するといい」

青年兵「……?」

エリート「近いうちに三日月島へ向かう」

皇太子「国軍本部へは既に護衛の依頼を出してある。整い次第出発するぞ!」
21 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:58:51.71 ID:F70mJNgo
〜海峡〜

召喚士「おはようございます」

隊長「おーう。体調はどうだ?」

召喚士「お陰様で…もう問題ありません」

副隊長「それは良かったです…。ははっ…!」

将軍「夜間中も警備に当たっていたが…特に動きはなかったな」

女隊員「やっぱり森の中以外は襲ってこないんスかね?」

サモナー「その事について…宜しいでしょうか?」

隊長「…あん?」

召喚士「召喚獣を呼んで、昨日の状況を伺ってみようかと…」

男隊員「おぉ!そりゃいいなっ!ギャハハ!!」

召喚士「それでは早速、外へ……」

テクテクテク…

魔道士「おはようございますっ!」

盗賊「……タイミング…悪かった?」
22 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 17:59:42.22 ID:F70mJNgo


召喚士「俺一人で大丈夫ですから」

サモナー「……すまない」

召喚士「…行けっ!コカトリス!!」

シュイィン…

女隊員「おぉ!凄いッス!!」

副隊長「これが…朱雀先生の…コカトリスか…!」

召喚士「コカトリス…昨日は…」

コカトリス「…召喚士」

召喚士「まさか一撃とはね…ははっ。もっと精進しないとね…」

コカトリス「いや…お主の魔力はなかなかのものであった。しかし…」

盗賊「……」

コカトリス「相手がそれ以上に…強かった」

サモナー「…ええ」

召喚士「相手は何者…?」
23 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 18:00:57.97 ID:F70mJNgo
コカトリス「初見だ。見た事もない…」

隊長「一撃だったのか?」

コカトリス「ああ。私とした事が剣で一閃さ」

副隊長「……やはり相当のものですね」

将軍「……ふぅむ」

タッタッタッタッタ…

伝令「本部より急ぎ申し伝えます!!」

将軍「伝令…?何事か?」

伝令「特殊遊撃強襲隊、任務完了次第…至急、戻られるようにと!」

男隊員「はぁ!?」

女隊員「また任務ッスかぁ?」

隊長「お次は何だい?」

伝令「皇太子殿下、三日月島への護衛であります!」

将軍「殿下が…!?」

召喚士「……」
24 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 18:06:06.65 ID:F70mJNgo
隊長「あーくそっ!人使い荒れぇな!!」

副隊長「まぁまぁ、仕方ないですよ…」

女隊員「それじゃあ戻るッスか?」

隊長「1時間だ」

男隊員「げっ!」

召喚士「……?」

隊長「1時間で支度しろ!んで、ここに集合!いいな!」

魔道士「わ、私達もですか…?」

隊長「当ったり前だろ!!おら、早くしろよ!」

テクテクテク…

女隊員「うへぇ…参ったッスね……」

将軍「こちらは急ぎ、馬を用意しておこう」

召喚士「俺らも…行きましょうか…」

盗賊「…うん」

一同は苦笑し、足早に自室へと戻っていった。
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 18:08:57.11 ID:xNPTdlQo
なるほど、3箇所同時進行かと思ったらここで合流させるんだ
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/18(金) 18:14:57.27 ID:F70mJNgo
こんばんは!前スレにチョロっとオマケも投下しました!
たまに短編書くと息抜きになりますね!感謝です!

週末で明日も早起きじゃないから、今日はこの後も投下出来そうです!
同一IDも…それでは失礼します!ありがとうございました!ノシ
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 18:17:37.73 ID:xNPTdlQo
誰も前スレの1000とらないのなwwwwwwww
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 18:45:30.62 ID:qjcfBdIP
しかしだ、人類社会の存亡に関わるというのに同盟の条件に
自国の益にしかならないような領土問題を持ち出す国主が信用されると思うのかねぇ?

これは王子の失点じゃね?
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 19:00:10.79 ID:xNPTdlQo
>>28
西側からしたら自国の益になりまくりじゃん
上に立つ者は広く長い目で見る必要があるしね

魔王を封印した後、島の領土があるなしでは格段に経済水域などなどに差が出るしね
また、両国の関係をイーブンに保つこともできる

結局どちらも同盟を組むつもりなんだから、どこまで好条件をひっぱれるかが腕の見せ所
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 19:09:06.30 ID:qjcfBdIP
いや、西側のことを言ってるわけよ
好条件を出させたはいいけど、そんな条件を出すような国を
土壇場で信じられるか?ってこと

王子を若いけど強かなヤツと印象付けられたかもしれないけど
同時に油断のならないヤツとも思わせた

三日月島に住民が居るのかどうかでまた変わってくるけど
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 19:32:07.20 ID:.iQlJYDO
>>1乙!
新スレおめでとう!

そしておまけの投下ありがとう!
K大好きなので読みながらウルッとしてしまった…
ホーリーナイトにもお疲れ様と言ってあげたい
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 20:24:22.74 ID:sHybUIAO
>>1前スレ乙


あの世のリクエスト書いてくれてありがとうございます
魔導師ちゃんと同じくらい>>1も愛してます
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 20:29:23.40 ID:KF9CJ6AO
>>32
スレ一発目の魔導師いただきましたー
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 21:02:06.78 ID:t1lBcYso
隊長コカトリスと普通に会話してたけど
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 00:08:04.81 ID:Rcr6NADO
>>34
今さら何を言っている?
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 00:44:12.07 ID:V0U2.ESO
特殊遊撃強襲隊だし
それに召喚獣と話せる事は色んな事件を通じて周知されたんじゃね?
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 01:11:11.85 ID:iU36yEAO
バンプのKの話よかったわ
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 01:47:18.14 ID:okLrp1s0
>>1乙!
毎日楽しませてくれてありがとう!
支援
39 : ◆1otsuV0WFc :2010/06/19(土) 02:43:26.37 ID:lMGEZHgo
〜西方、海上〜

漁師「さてと……」

戦士「ん…?」

漁師「これか?見ての通りじゃよ」

戦士「竿…。釣りか」

漁師「そうじゃ。イキのいい大物はコイツで釣り上げるに限る!」

戦士「ほほう」

漁師「お前さんもやってるかね?」

戦士「いいのか!?……是非!」

漁師「どれ…勝負といこうかのぉ…!」

戦士「望むところだ!!」

漁師の差し出す竿を受け取り、戦士はそれを一気に振り上げる。

ヒュッ………チャポッ

漁師「お手並み拝見じゃ…!」

戦士「へっへっへ!」
40 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 02:43:55.64 ID:lMGEZHgo


戦士「…………」

漁師「……むんっ!」

グイッ……バシャッ!!

漁師「ひょっ!これで四匹目…!!」

戦士「……ぬぅ」

漁師「お前さんは……まだ釣れてないのか?」

戦士「…うるさい!これからだ!」

漁師「わっははは!期待しようかのぉ…!」

ピクッ

戦士「きたああぁぁ!!」

グイッ…ザバァ……

戦士「……長靴。これまたベタな……っ」

漁師「わははは!大物大物っ!」

戦士「ぐ…っ!」
41 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 02:45:26.62 ID:lMGEZHgo


戦士「ジーサン、あれは何だい?」

戦士は対岸を指差し、漁師に問いかける。

漁師「ありゃあ三日月島じゃな…」

戦士「三日月島……」

漁師「古くはなーんにもあい無人島じゃったが、今は国軍の要塞がある」

戦士「ほう…!」

漁師「資源が豊富なんじゃと…。まぁワシらには関係のない話じゃ…」

戦士「……そっか」

漁師「そろそろ潮の流れが変わる。帆を張って北上するぞい」

戦士「おっしゃ!」

漁師「北へ登れば…直接西国じゃ」

戦士「おぉ…!」

漁師「さぁ…もう一息頑張ろうかの」

戦士「おっす!」
42 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 02:46:05.05 ID:lMGEZHgo
〜海峡〜

将軍「では、君らも気を付けてな」

召喚士「はい。ありがとうございます」

サモナー「……また…来ます」

魔道士「サモナーさん……」

盗賊「……」

隊長「おら、行くぞ?」

召喚士「はいっ!」

女隊員「途中の駅で馬を変えて…思いっきりすっ飛ばすッスよぉ」

男隊員「強行軍かよ…たまんねぇな!ヒャハハ!」

副隊長「決して油断は出来ませんので…。くれぐれもお気をつけて…」

将軍「うむ…分かっておる」

隊長「おっし…そんじゃあ出発!目標は本国…!」

魔道士「はいっ!」

召喚士「……三日月島…か」
43 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 02:47:06.22 ID:lMGEZHgo
〜西国〜

漁師「ほれっ、見えてきたぞ!西国じゃ…!」

戦士「おぉ…っ、本当に着いた……!」

漁師「さてここでお別れじゃな…」

戦士「ジーサン…本当にありがとう!」

漁師「なぁに…こっちこそ助か……」

グイッ…グイッ…

漁師「お前さんの竿…!?引いておるぞ!?」

戦士「…!?本当だ…!このやろっ!!」

ググッ……ザバアアァァッ!!

戦士「お……おおぉぉ!?」

漁師「コイツは……とんだ大物じゃ…っ!!」

戦士「…やった…っ!最後の最後で…!!」

漁師「…わっはは!ワシの負けじゃ…いい手土産を貰ったわい!」

戦士「はははっ!!恩返し出来て良かったぜ!!」
44 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 02:49:05.62 ID:lMGEZHgo
テクテク…ストッ…

戦士「じゃあ…元気で…!」

漁師「お前さんもな、頑張ってな」

戦士「おうっ!長生きしてくれよっ?」

漁師「もちろんじゃ…!またの…!」

漁師は手を振り、船をゆっくりと漕ぎ出す。

戦士「また…必ず!」

戦士は小さくなる船をじっと見つめ、やがてその背を向け、歩きだした。

ザッザッザ…

戦士「さーて…話が分かりそうなのは…と」

門兵「……?」

戦士「えーと…。神官さんを……」

門兵「…戦士…先生でいらっしゃいますか…?」

戦士「先生…?いや、まぁ…いかにも戦士だが…」

門兵「…や、やはり!!」
45 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 02:56:36.42 ID:lMGEZHgo
門兵は紅潮した顔で王宮内へと走り去っていく。

タッタッタッタッタ…

戦士「……何だ?」

タッタッタッタッタ…

戦士「あ、帰ってきた…」

門兵「さぁ、どうぞ!!」

戦士「……は、はぁ」

テクテクテク…

剣兵「おぉ…戦士さんだぞっ!」

衛兵「戦士先生!ご無沙汰しております!!」

門兵「以前稽古をつけて頂いた時から、我らにとっては先生なのですよっ!」

戦士「教えたっつっても…そんなたかが半日程度…」

門兵「いえいえっ!それでも内容は十二分に濃密なものでしたから…!」

戦士「そっか……」

戦士は照れ臭そうに頬を掻いた。
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:03:08.48 ID:XeGvvaE0
こんな時間に更新の>>1
前スレの970まではログ取ってあったんだが落ちたのかオマケを見逃してしまったよ
まさか制作板で落ちるなんて思っても見なかったぜ
みんなの感想見て余計気になって寝れない…
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:10:52.86 ID:Ix3BC.co
>>46
埋まった後も見れるはずだが
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:12:26.84 ID:gd723.DO
>>46
1000いくとけっこうすぐ落ちるからな、みんなには1000とらないでほしいわ(笑)
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:13:48.45 ID:cGWXWxso
>>46
これ?

982 名前: ◆1otsuV0WFc[sage saga] 投稿日:2010/06/18(金) 14:11:22.98 ID:F70mJNgo [12/17]
デュラハン「……!!」

デュラハンの胸元が光り輝く。その光は全身に広がり、その甲冑を覆い包む。

黒猫「へ…へへ…っ。どうだ……!」

黒猫の伸びた右腕。その手に握られた結界石がその光の主。

悲鳴を上げる事こそないが、デュラハンはいかにも苦しそうに身悶える。

やがてその体は、光とともにこの世から消滅したのであった。

黒猫「……へ…っ」

ググッ…

黒猫「や……った…ぜ……」

突き上げた右拳。その手に握られた結界石が零れ落ちると同時に、

黒猫もその役目を終えたように、静かに目を閉じ、笑った…。

カチャッ……

女「……っ!!」

静寂が蘇る村の外。それを察して人々が屋内より姿を見せる。

真っ先に駆け寄った女は、手紙を握り締めたまま黒猫の顔へ涙の粒を落とした。
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:15:11.68 ID:ybUlh3UP
今度は竿士になるフラグか・・・おのれ戦士!
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:15:58.32 ID:cGWXWxso
>>50
竿士ってなんかエロいな…
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:25:44.17 ID:sQ4sh5ko
見れない言ってる人はブラウザで見てみろ
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/19(土) 03:41:13.13 ID:lMGEZHgo
あれ…見れないですか?多分html化されてて見れると思いますよ!

>>28-30
それぞれの思惑は多々あると思うのですが、
一番は魔王討伐に対しての価値観ですかね…
本国としては数年以内にケリをつけたいので何が何でも他国の協力を得たい。
しかし西国としては軽視しており、そこまでの重要性を感じていない。
なぜなら魔王は討伐せずとも、現在において存亡までの危機がないからです
もし魔王が人類を滅ぼそうとしいているなら、既にしているのではないか、と…

もっと厳密な話になると…・
本国から見た西方は、小国連合から成り立つ弱小の存在であったが、
近年では西国が台頭し、徐々に力を付け大国と化している。
ようやく足りえる存在が出来たので、何としても協力を得たい。

西国から見れば、ようやく本国と対等の立場に並べる国力を付けてきた。
しかしここで下手に出ては今までと何ら立場が変わる事はない。
あくまで対等かそれ以上の付加を持たせる同盟でなければ意味がない。

多分政治的な背景はこんな感じかと…
その上で神官や皇太子、大軍師や司令官の思惑が左右ているのかなぁ
まぁメインは王子のワガママかと思いますが…

>>34
隊長はあんな感じの性格なので、国軍の中でも異質な部類の人だと思います

長々とすみません。でも色々な意見を頂けると大変ありがたいです!感謝!
54 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 03:45:17.83 ID:lMGEZHgo
〜王の間〜

戦士「……」

スッスッスッ…

女王「戦士様…よくぞお越し下さいました」

王女「召喚士様達とは別行動をなされているとお聞き致しまして…」

戦士「ええ…。ちょっと事情がありまして……」

女王「お会いできて何よりですわ。さぁおもてなしを…」

戦士「い、いえっ!なにぶん急用で…。あの…神官さんは?」

女王「ええ…。もう間もなく見えると思うのですが……」

カツカツカツ…

神官「お待たせ致しました」

戦士「…ご無沙汰してます!」

神官「戦士殿、お元気そうで何より…」

戦士「実はまず、許可を頂きたく……」

神官「……?」
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 03:47:58.42 ID:cGWXWxso
解説ありがとー!!!
56 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 03:48:45.02 ID:lMGEZHgo


神官「成程…。正規の入国ではない…と」

戦士「ええ」

神官「容易い事です。問題ありませんよ」

戦士「良かった…っ!」

神官「この国の為に戦って頂いた英雄です、無碍には出来ません」

戦士「ありがとうございます」

神官「召喚士殿より話は伺いました。お父上のご様子は…?」

戦士「ええ…実はもうバッチリ!!」

女王「それは何よりでございますわ」

戦士「王子は元気でやってらっしゃいますか?」

神官「まぁ……元気すぎるとでも言いますか…」

戦士「ははっ!王子らしい」

神官「先日もちょっと色々とありましてね……」

戦士「……?」
57 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 03:54:04.03 ID:lMGEZHgo
神官「本国より同盟の話がありました」

戦士「同盟!?……それはまた急な事だな」

神官「ええ。なにやら彼ら、あと3年程度で魔王討伐に出るとか…」

戦士「……らしいな」

神官「まぁ、もちろん協力は致しますが…時期尚早な気もします…」

戦士「まぁ…そうかもしれないっすね…」

神官「おっと…。戦士殿に愚痴を申しても仕方のない事ですね…」

戦士「ははっ、全くです…」

神官「三日月島はご存じですか?」

戦士「ああ、存在だけは…何でも資源が豊富で国軍の司令部があるとか…」

神官「はい。…同盟の話の際に王子が提案を出したのです」

戦士「提案…?」

神官「三日月島が欲しい…と」

戦士「…!!」

神官「私も呆れて…何も言えませんでしたよ…。ふふっ」
58 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 03:58:45.21 ID:lMGEZHgo
戦士「そんで、国軍は呑んだのか?」

神官「まさか…。本国へ一度確認し、再度返答するとの事でした」

戦士「……」

神官「そして昨日ですが、返答がありました」

戦士「…!!それで……?」

神官「全ては明け渡せないが、北半分のみ譲渡する…と」

戦士「……北半分…だけ」

神官「そして明日、本国の皇太子殿下と三日月島で会談する事と相成りました」

戦士「本当か!?」

神官「ええ…」

戦士「それで…王子は……?」

神官「……それが…『半分じゃ話にならない。もう後は任せる』などと申し、再び西へ……」

戦士「おいおい……」

神官「そして結局…明日は私が行く事に……」

戦士「……お勤めご苦労様です」
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 04:02:54.77 ID:UjUCw.60
なるほど風格出てきたな
60 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 04:06:57.03 ID:lMGEZHgo
神官「軍事にかんしては興味も持って頂けるのですが…政務はからっきし…」

戦士「ははっ…。まぁその為に神官さんがいてくれるってわけだもんなぁ…」

神官「もう慣れましたがね…ふふ…っ」

戦士「しっかし王子もなかなか大胆だな…」

神官「ええ…。まさか私もあそこまで強気にいくとは思いませんでした」

戦士「……」

神官「いくらかつてと違うとは言え…本国相手に…」

戦士「王子のプライドってやつかな…」

神官「お陰でこちらも良い形に転びましたけどね」

戦士「まぁ…そうかもなぁ……」

神官「保身的な考えでは思い浮かびませんでしたよ…」

戦士「そんで、同盟はどうするんです?」

神官「私は受諾しようと思ってますよ。北半分でね」

戦士「……ほぉ」

神官「我ら西国にとって北半分というのは非常に重要ですから…」
61 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 04:12:03.82 ID:lMGEZHgo
戦士「そうなのか?」

神官「本国にとっての三日月島は南半分に重要性を持っています」

神官は地図を運ばせ、指でなぞりながらその地形を説明する。

神官「島の南側、此処に国軍の西方司令部が存在します」

戦士「ふむふむ…」

神官「更にその周囲、先程戦士殿が仰られていた資源が多数存在します」

戦士「……資源」

神官「具体的に言えば、即ち……結界石です」

戦士「っ!!」

神官「彼らはここで採掘した結界石を大陸へ持ち帰り、結界として利用しているのです」

戦士「そうだったのか…!」

神官「もちろん此処だけでないとは思いますが…」

戦士「じゃあ北にも資源が…?」

神官いえ、気候の関係か北側には資源も特にありません」

戦士「……じゃあ何故、西国は北半分が必要なんだ?」
62 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 04:16:48.49 ID:lMGEZHgo
神官「正確に言えば、島自体は必要ないのです。その存在が必要なのですよ」

戦士「…・・え、えぇと」

神官「……海。即ち海域です」

戦士「海…!?」

神官「地形の関係で、この辺りは潮の流れが変化しております」

戦士「潮の流れ…?待てよ……っ」

神官「北側…。ここでは一年中活発な漁業を行う事が可能なのですよ」

戦士「漁…!そうか…そういう事か!!」

神官「西方は現在…魚介類の大半を輸入で賄っております」

戦士「でも…その海域さえ手に入っちまえば…!」

神官「お察しの通り。自国内での漁業が盛んとなり、流通も増加致します」

戦士「すげぇ…そいつはすげぇ!!」

神官「北半分の必要性…お分かり頂けましたか?」

戦士「ああ…!さっすが神官さん!!」

神官「いえいえ…。これも全ては王子のお陰ですよ…ふふふっ」
63 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 04:21:09.55 ID:lMGEZHgo
戦士「国を動かすってのも…なかなか大変だなぁ…」

神官「良かったら、その国を動かす部分…参加してみませんか?」

戦士「へ…っ!?お、俺が…?」

神官「何も難しい事をしようってわけではありません…」

戦士「……?」

神官「明日の会談…御一緒に同行頂けませんか?」

戦士「!!……俺が…ですか!?」

神官「護衛も兼ねて…というところでどうでしょうか?」

戦士「いや…確かに行ってみたいのはやまやまだが…」

神官「こちらの事はお構いなく。無論、報酬もお出し致しますよ?」

戦士「いやいやっ!報酬だなんていいっすよ!」

神官「もし本国や国軍の方を存じているのであれば…頼もしいですからね」

戦士「……そうですね…分かりました!是非っ!!」

神官「ふふっ…。そう言って頂けると信じておりました」

戦士「国と国のぶつかり合い…。会談か…。ちょっと楽しみじゃねぇか!」
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 04:29:52.07 ID:cGWXWxso
俺「会談シーンが、かなり楽しみじゃねぇか!」
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/19(土) 04:34:26.36 ID:lMGEZHgo
一旦寝ますです!ご支援ありがとうございました!

〜オマケ〜

店員「運送の依頼もいかがですか?」

魔法剣士「手紙…面倒だ。断る」

〜オマケ2〜

店員「運送の依頼もいかがですか?」

眼鏡「…いいよ、引き受けよう。じゃあこれ全部…」

店員「あ、あの…っ」

眼鏡「えぇと…お前はこれを南へ。君は…これを北に…」

犬「ワンワンッ!」

眼鏡「はい、おしまい」

店員「功績…大量アップですね…」

〜オマケ3〜

店員「運送の依頼もいかがですか?」

天才「おっしゃあ!任せとけぇ!!」

戦闘終了

天才「手紙?あぁ、失くしちまったわ…悪りぃ!はーっはっはっは!」
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 04:40:05.94 ID:UjUCw.60
紛失に気づくとは・・・やはり天才か・・・
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 04:41:52.49 ID:cGWXWxso
天才に手紙をなくすほど激戦させる敵って…
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 04:42:37.02 ID:QOpFMkAO
乙。
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 06:46:52.21 ID:PkOsQkSO
>>1乙〜
いよいよ役者が揃う感じでワクワクしてきたwwww


あ、郵便配達リクありがとうございましたー!
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 08:50:32.88 ID:GfE1tAAO
>>1

魔導師ちゃんの活躍が少ない昨今、少しばかりの寂しさと、大戦で怪我をする心配のない安心という2つの気持ちが俺の中で渦巻いてる
でも次また戦いが始まったら、戦闘の難易度が上がってきている次こそ無事では済まないんじゃないだろうかという不安もあり
昨夜も7時間しか眠れなかった…


オマケの天才フイタ
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 10:26:17.20 ID:r18NQUE0
>>46です!
みなさんのお陰でなんとか外伝見ることができました!
iPhoneの専ブラで見てたんですが、1000行くと見れなくなってしまうようで
過去ログdatの方から見ることができました
ありがとうございました!
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/19(土) 11:06:09.05 ID:5ycn45.o
眼鏡の功績の理由はコレだったのか…
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 15:56:29.83 ID:0FWqJJI0
iPhoneで書き込めるだと…
これでまた支援出来そうだ 毎日楽しみに読んでます
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 17:41:28.66 ID:H1DItYAO
功績ランク2:犬
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 17:49:10.09 ID:ClJV0MAO
>>1乙!
広がっていた話が収束していくのは気持ちいいな

同一IDに太ももの件で活躍してほしい今日この頃
76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 20:24:57.39 ID:lMGEZHgo
〜本国〜

夜の灯りが賑わう繁華街からかけ離れた、薄暗い海港。

一隻の巨大な船を、幾人もの兵が厳重に警護する。

ドドッドドッ…ガラガラッ…

警備兵「殿下の到着だ。下がれっ!道を開けろーっ!」

船に近づく一台の馬車を一目見ようと押し寄せる群衆。

それを押しのけるように道を開け、馬車は船の中へと消えてゆく。

ドドォ…カチャッ…カツカツカツ

皇太子「ご苦労様」

大軍師「殿下の手を煩わせてしまい…申し訳ありません」

皇太子「気にする事はない。考えうる事態ではあった事だ」

大軍師「……」

エリート「護衛ももうまもなく到着すると思いますので」

皇太子「ああ。船内にて出発を待とう」

皇太子は物静かな口調で返答し、船の奥へと足を進める。
77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 20:28:04.70 ID:lMGEZHgo
パカラッパカラッパカラッ…ドドッ…

隊長「かっ飛ばした甲斐があった…。予定よりだいぶ早く着いたぜ」

男「さっすが!!ヒャハハ!!」

副隊長「殿下は既にご到着されているようですね…」

召喚士「……」

一同は馬を下り、皇太子の待つ船内へと移動する。

ザッザッザッザッザ…

隊長「失礼します」

エリート「どうぞ」

カチャッ

隊長「特殊遊撃強襲隊、護衛の任に当たらせて頂きます」

皇太子「うむ。宜しく頼むぞ……おや?」

青年兵「召喚士さん…っ!?」

召喚士「青年兵くん!」

ウィッチ「…!?……魔道士…ちゃん…!?」
78 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 20:29:16.34 ID:lMGEZHgo


皇太子「……それで、朱雀先生や魔道士さんもご一緒というわけか」

召喚士「はい…。何故か俺らも成り行きでここに……」

隊長「最後まで付き合って貰うぞ!」

サモナー「……はぁ」

エリート「しかし北には…そんな化物が…っ」

青年兵「北伐の時に戦った魔物…」

召喚士「……?」

青年兵「奴ですらおそらく軍団長クラスのはず…」

召喚士「多分…それ以上かもしれない……」

皇太子「……脅威だな」

エリート「まもなく出航ですね」

召喚士「あれ…?魔道士さんは…?」

青年兵「ウィッチさんと甲板の方へ行きましたよ…?」

盗賊「……」
79 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 20:30:20.93 ID:lMGEZHgo
〜甲板〜

魔道士「久し振りだね〜!ウィッチちゃんっ!」

ウィッチ「魔道学校以来でございますね!」

魔道士「元気してた〜?もう…会いたかったよぉ!」

ウィッチ「魔道士ちゃんも相変わらずで安心したでございます!」

魔道士「そうかなぁ…?エヘヘッ!!」

ウィッチ「今は…ワーカーをされてるのでございますか?」

魔道士「うんっ!一応……えへへっ」

ウィッチ「そうでございましたかぁ!」

魔道士「ウィッチちゃんも…?」

ウィッチ「……ええ…一応…でございます」

魔道士「そっかぁ…。何だか嬉しいなぁ…」

ウィッチ「……?」

魔道士「ほら…っ、私達…魔道学校で成績良くなかったじゃない?」

ウィッチ「……そうでございますわね」
80 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 20:30:49.53 ID:lMGEZHgo
魔道士「だから…国軍には入れなかったけど、頑張ってるな…って」

ウィッチ「……」

魔道士「ワーカーになれて、頑張ってるなって!」

ウィッチ「そうでございますわね…!」

魔道士「でもなんでウィッチちゃんは皇太子様と一緒に…?」

ウィッチ「え、えと…色々と事情がありいましてでございます…」

魔道士「…そっか。じゃあ、それは無理に効かないでおくねっ」

ウィッチ「ごめんなさいでございます……」

魔道士「ううんっ、あ…そうだ!今日は一緒にお風呂入って寝ようっ!ねっ?」

ウィッチ「……はいでございます!」

魔道士「えへへ!楽しみ〜!盗賊さんもきっと大喜び…」

ウィッチ「盗賊さん…?」

魔道士「あっ…後で皆さんもご紹介するねっ!」

ウィッチ「は、はいでございます!」

魔道士「皆さん良い人達ばかりだからっ…えへへ!!」
81 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 20:31:15.57 ID:lMGEZHgo
〜大広間〜

大軍師「では、こちらが今件についての資料でございます」

皇太子「うむ。預かる」

召喚士「大軍師さんは行かれないのですか…?」

大軍師「これ以上の事については管轄外…かつ私の権限を越えていますので…」

盗賊「…成程」

大軍師「それでは、失礼致します」

皇太子「うむ」

大軍師は敬礼の後、大広間を出て船を後にした。

青年兵「……出航時刻です」

皇太子「到着前に今一度整理しておこう」

エリート「思わぬ朗報も飛び込んできましたしね」

盗賊「……?」

エリート「貴方がたの事ですよ」

召喚士「…へっ?」
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 21:21:52.14 ID:Jb6fNmI0
1乙

サッカー終わってから続きくるかなwww
83 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/19(土) 21:30:17.43 ID:lMGEZHgo


隊長「そんじゃ、現地での護衛はお任せを」

皇太子「うむ。頼むぞ」

副隊長「失礼します…」

特殊遊撃強襲隊の四人は同時に敬礼し、広間を後にする。

エリート「では、順序を追ってご説明致します」

召喚士「お願いします」

エリート「先日、我らは国軍を通じ…西国へ同盟の依頼を致しました」

青年兵「……」

エリート「その中で西国より出た受諾の条件が……」

皇太子「三日月島の……譲渡」

サモナー「領土の譲渡を提案に引きだすとは…なかなか大胆ですね…」

召喚士(おそらくは神官さん…。流石だな…!)

盗賊「…提案を…飲むのか?」

エリート「我らが出来るギリギリのラインは北半分を明け渡す事ですね…」
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 23:17:16.38 ID:L6smnIgo
これで戦士一行と鉢合わせか…
楽しみな展開だww
85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 01:36:27.03 ID:8JJ21ZAo


神官「では…参りましょうか」

戦士「うっす」

西国の城より運河伝いに港を抜けてそのまま海へ。

洋上を南へ下り、戦士と神官らを乗せたは船は、三日月島へ向かう。

戦士「下に…漕ぎ手がいるのか…?」

神官「我らは『ガレー船』…と呼んでおります」

戦士「ガレー船?」

神官「櫂の漕ぎ手を多数乗せる事で、帆の力だけでなく潮の流れに対抗出来ます」

戦士「人力…ってとこか」

漕ぎ手の力により、船は潮の流れに逆らうように、真っ直ぐ南へと突き進む。

神官「いよいよ……会談か…」

戦士「本国の奴らは…どう出るのか…」

神官「まぁ…北半分で手を打ってくる可能性は非常に高いですね」

戦士「……そっかぁ」
86 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 01:37:16.33 ID:8JJ21ZAo


サモナー「それで…どうなさるおつもりなのです?」

皇太子「明け渡すつもりだったよ。……ついさっきまでは、ね」

召喚士「……?」

皇太子「でも…ちょっとばかし事態が変わってきたな…」

青年兵「……?」

エリート「召喚士殿…朱雀先生一行の存在ですよ」

召喚士「ま、まさか……!!」

エリート「存じております。西方とはご縁がおありなのですよね」

サモナー「交渉の道具に使う気…ですか…?」

エリート「人聞きの悪い……」

皇太子「そう取られても仕方あるまい。しかし…これだけは覚えておいてくれ」

召喚士「……」

皇太子「此度の同盟は両国…いや、人々の為なのであると…!」

召喚士「人々の…為……」
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 01:37:35.93 ID:HaUl2AYo
この世界で、エンジンみたいなのはいつ出切るのだろうか?
88 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 01:40:32.49 ID:8JJ21ZAo


神官「しかしこちらとしては、やや事情が変わりましたね」

戦士「……?」

神官「戦士さんの存在ですよ」

戦士「俺…?」

神官「両国の実情をご存じの戦士さんなら…交渉を有利に進める事が出来ます」

戦士「何だ…?人を駒みてぇに…」

神官「いえいえ、そういうわけではないのです…」

戦士「……つまり…ってぇと…」

神官「わが西国と結ぶ事による優位性、これを大きく提言頂きたいのです」

戦士「……えっとぉ…つまり?」

神官「西国と同盟すると、こんなメリットがあります。…と言う、アピールですかね」

戦士「西国親善大使…みたいなモンだな!」

神官「……まさにですね!」

戦士「よっし…そんぐらいは世話になった恩だ!任せてくれ!」
89 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 01:42:00.96 ID:8JJ21ZAo


皇太子「要はだ。両国を知る君に取り繕って貰いたい」

召喚士「…仲介…ですか?」

エリート「私欲ではなく…あくまでこの世界の為に…と」

サモナー「納得しますかね……」

皇太子「しないようであれば…当初の予定通り、北半分を譲渡…」

エリート「ないしは…一度白紙にて仕切り直し…ですね」

盗賊「……」

エリート「なぁに、王子とは言え、相手は年端もいかぬ子供です」

皇太子「なんとか…分かって貰えると良いがな」

召喚士「まぁ…出来る限りはご協力致します…」

皇太子「すまんな…」

エリート「では、到着までしばしご休憩下さい」

青年兵「召喚士さん、お部屋へ案内致します」

召喚士「うん、ありがとう。青年兵くん」
90 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 01:59:14.35 ID:8JJ21ZAo
テクテクテク…

召喚士「あ、魔道士さん」

魔道士「あっ…もうお話、終わっちゃいました…?」

盗賊「…うん…今終わったとこ」

魔道士「そうでしたかぁ…すみません」

サモナー「大丈夫ですよ」

青年兵「しかし驚きました。魔道士さんとウィッチさんがご学友だったとは…」

ウィッチ「私もビックリしたでございます」

魔道士「改めて…私のパーティー仲間の皆さんですっ!」

魔道士は満面の笑みで一同を紹介する。

魔道士「本当は…もう一人いるんですけど……」

召喚士「……うん」

ウィッチ「こちらこそ…宜しくお願いしますでございます!」

盗賊「…よろしく」

魔道士「良かったねウィッチちゃん!エヘヘッ!!」
91 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 01:59:51.39 ID:8JJ21ZAo
青年兵「では、おやすみなさい」

召喚士「また明日!」

魔道士「おやすみなさーい!」

サモナー「召喚士くんと僕は…こっちの部屋だね」

魔道士「盗賊さん、ウィッチちゃん。行きましょう!」

盗賊「…うん」

テクテクテク…カチャッ…バタン

魔道士「はぁ〜疲れたーっ!さぁ、お風呂にしましょうか!」

盗賊「……いきなり?」

魔道士「そうですよぉ。長旅でゆっくり出来ませんでしたから」

盗賊「……うん」

魔道士「ウィッチちゃんも一緒にね!」

ウィッチ「分かりましたでございます!」

魔道士「盗賊さん、早く早くっ!」

盗賊「………はい」
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 02:16:08.14 ID:UGiCwYDO
こういう展開大好きだww
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 02:19:43.72 ID:5U6tgADO
盗賊がどんどんお風呂嫌になってきているのが笑えるw
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 06:00:16.56 ID:kOUxKSA0
これは良い展開
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 06:43:31.91 ID:Si.w0YQ0
この風呂は...
何かが明らかになるな。
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 10:12:29.58 ID:SK8PH5E0
お前らも相変わらずだなww

風呂イベント楽しみだ
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 11:35:29.23 ID:KvULf6SO
昨夜から脱ぎっぱなしで、下痢気味なんだが…相変わらず>>1もドSじゃのう。
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 12:57:49.70 ID:rEGN8xw0
マーメイドってお風呂入らないのかな?
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 16:59:45.78 ID:l/eNQY.o
明後日ぐらいが月1のパー速の定休日になりそうだな・・・それまでに切りのいいところまで言ってほしいぜ・・・
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 17:12:50.50 ID:Jw1xaAAO
>>1

今宵は女体3つが入り乱れるのか…
夢の姦し!クリトリス!!だな

盗賊ちゃんの自重知らずなオッパオもなかなかのオッパオだが、魔導師ちゃんの控えめなオッパオだって充分オッパオだよ!!
とりあえずウィッチにも少し期待
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 21:49:39.77 ID:O1e9fmk0
>>99
今月は手動で振込みしたから大丈夫と言ってたぜ
102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:42:54.49 ID:8JJ21ZAo
カチャッ……

魔道士「うわぁ〜!流石国軍の船…っ。広〜い!」

盗賊「……どうした?」

ウィッチ「い、いえ…っ」

魔道士「二人とも早くーっ!」

盗賊「…はいはい。…行こ?」

ウィッチ「は、はいでございます…!」

チャポッ…ザバァ

魔道士「…あれ!?盗賊さん痩せました…!?」

盗賊「わっ、分かる…!?」

魔道士「はい…っ!何だか…前よりウエストが細い気が……」

盗賊「そ、そうなんだ!…実は…食べる量を減らして」

魔道士「ちゃんと食べないと駄目ですよぉ?」

盗賊「…食べてるけど…よく噛むようにした」

魔道士「そうですかぁ…私も頑張ろ。…はぁ」
103 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:43:43.87 ID:8JJ21ZAo
ジャバジャバッ…

魔道士「ウィッチちゃんも…細いなぁ…」

ウィッチ「そ、そんな事ございません…」

魔道士「あれ…?」

テクテク…クルッ

ウィッチ「っ!!」

魔道士「身体……す、凄い傷だね…」

ウィッチ「……」

魔道士「あっ、ごめんなさい…っ!」

ウィッチ「い、いえっ…でございます」

盗賊「……苦労…しているようだな」

ウィッチ「色々とありまして…えへへ……」

盗賊「……」

ギュッ

魔道士「ウィッチちゃん…頑張ったんだね…。偉い…」
104 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:44:29.20 ID:8JJ21ZAo
魔道士はウィッチの身体を抱き締め、目を閉じ優しく語りかける。

ウィッチ「魔道士ちゃん…ありがとうございます」

魔道士「ううん…。いいんだよ…っ」

盗賊「……」

魔道士「ほらっ、凄く広いんだよ!入ろうっ!」

ウィッチ「はいでございますっ!」

魔道士「えへへっ!!」

盗賊「……いいな」

魔道士「何か言いました?盗賊さんー?」

盗賊「…ん、……何でもない」

魔道士「ほらぁ!盗賊さんも早くーっ!」

ウィッチ「魔道士ちゃんっ、走ったら危ないでございます…っ」

盗賊「…似た者同士で…丁度いいのかな」

魔道士「盗賊さーん?」

盗賊「…ああ…今…行くよ」
105 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:45:54.23 ID:8JJ21ZAo


召喚士「しかし…国軍の船は凄いですね」

サモナー「うん…。防備もだけど…速度も早いね」

召喚士「乗る機会なんて、もうないかもしれませんね」

サモナー「そうだよねぇ…。記念になったかな…ははっ」

召喚士「サモナーさん…明日、どう見ます?」

サモナー「…最近の西国は非常に活発で、目覚ましい成長を遂げています」

召喚士「……ええ」

サモナー「それを踏まえた見解として言えば…西国は強気でくるでしょうね」

召喚士「俺もそう思います」

サモナー「まだ若い王子の事…次第によっては成立は難しいかも…」

召喚士「そこで俺らの役目ってわけですね…」

サモナー「召喚士くんの説得にかかっているかもしれないね」

召喚士「……サモナーさんも…ご協力をお願いします」

サモナー「…うん。出来る限りの事はやってみるよ」
106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:49:17.80 ID:8JJ21ZAo
〜西方、海上〜

戦士「いよいよっすね…」

神官「ええ…」

戦士「うまくいくと…いいっすね」

神官「本国の王は病に臥していると聞いております」

戦士「……」

神官「おそらく交渉相手は穏健派の右大臣あたり……」

戦士「右大臣…」

神官「あちらが強い要望を持っている限り…こちらの優位に進められます」

戦士「確かにそうっすね」

神官「ましてや右大臣殿なら、揉め事は避けたいところでしょう」

戦士「なるほど…」

神官「あとは…戦士殿のお力添え…。何とかお願いしますね」

戦士「……うっす!」

神官「さぁ…明朝に備えてゆっくり休んで下さい。ふふっ」
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 23:49:28.43 ID:HaUl2AYo
お、きたきた
108 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:51:36.41 ID:8JJ21ZAo
〜大陸、海上〜

盗賊「……あ、あの」

ウィッチ「…はい?」

盗賊「…魔道士…は?」

ウィッチ「もう休まれたでございます」

盗賊「…そっか」

ウィッチ「はいでございます」

盗賊「……」

ウィッチ「……」

盗賊「…あ、あの」

ウィッチ「…はい?」

盗賊「……あ…のさ」

ウィッチ「……?」

盗賊「…さっきの傷…だけど」

ウィッチ「……!?」
109 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:53:52.28 ID:8JJ21ZAo
盗賊「…もしかしたら…なんだけど」

ウィッチ「……」

盗賊「…その……戦いの傷…じゃないよね?」

ウィッチ「…………」

盗賊「…虐待……とか…受けてない…?」

ウィッチ「……いえっ…でございます」

盗賊「……そ、そう」

ウィッチ「……ありがとうございます」

盗賊「……」

ウィッチ「心配は無用でございます」

盗賊「…あの…さ」

ウィッチ「……」

盗賊「…力に…なるから…っ」

ウィッチ「……」

盗賊「……何か…あるなら、力に……なるから」
110 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/20(日) 23:58:17.52 ID:8JJ21ZAo
ウィッチ「……ありがとうございます」

盗賊「…ん」

ウィッチ「でも…もう大丈夫でございます」

盗賊「……?」

ウィッチ「もう…いいんでございます」

盗賊「……」

ウィッチ「心配させてしまい…ごめんなさいでございます」

盗賊「あっ、いや…っ!…うん」

ウィッチ「私も…皆さんと…」

盗賊「…ん?」

ウィッチ「……いえ、何でもないでございます」

盗賊「……うん」

ウィッチ「盗賊様、優しいんでございますね?」

盗賊「へっ!?…あ、いや……っ…あの」

ウィッチ「…えへへ」
111 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 00:00:56.96 ID:wHye6UUo


エリート「いよいよですね…」

皇太子「……ああ」



サモナー「……さぁ」

召喚士」

それぞれの思いを胸に、船は朝日とともに三日月島へ到着する。

ここに今、人類にとっての運命の日を迎える事となった――。
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/21(月) 00:02:04.34 ID:wHye6UUo
!?!?!?
なんか変なキー押したら投下されてしまった!?

>>111
これ気にしないで下さい!!恥ずかしい…!!
113 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 00:05:02.31 ID:wHye6UUo


エリート「いよいよですね…」

青年兵「三日月島……」

皇太子「……ああ」



盗賊「……」

魔道士「いよいよ三日月島だねっ!」

ウィッチ「はいでございます!」



神官「戦士さんいよいよです。準備は宜しいですか…?」

戦士「……いつでもオッケーだ!」



サモナー「……さぁ」

召喚士「…いよいよ三日月島です!」



それぞれの思いを胸に、船は朝日とともに三日月島へ到着する。

ここに今、人類にとっての運命の日を迎える事となった――。
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 00:06:18.93 ID:by7IyQDO
>>112
今日のID的にもしょうがないさ…>>1ドンマイ!
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 00:08:13.77 ID:5NfU3wAO
テンパりすぎだろ
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/21(月) 00:22:33.37 ID:wHye6UUo
あぁ…恥ずかしい…。寝て忘れるとします…
ちょっとしか投下出来ずすみません…ようやく会談&十八部完までいけそうです!
ご支援ありがとうございました!おやすみなさーい!ノシ

〜オマケ〜

謎の順位表

【神クラス】
白虎長、盗賊、女侍

【トップクラス】
女王、おかみ、北方女兵

【それなりクラス】
占い師、弓使い、南方弓長、女剣士、白虎嬢、鍛冶娘、ウィッチ

【あーうん…クラス】
魔道士、王女、朱雀嬢、玄武娘、幼女



魔道士「……あの…何ですかこれ…?」

盗賊「…さ、さぁ」

魔道士「…ふぅん。……ふぅーん」

盗賊「……な、なんか…怒ってる」
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 00:30:35.89 ID:DFWsDCYo
>>1
それにしても…ここで終わらせるとは…
くそぉ!明日の投下が楽しみで仕方ねーじゃねーか!!
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 00:35:53.76 ID:A.7AzsDO
へー……占い師っていがいと……


おっとこんな時間に来客が……
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 00:58:12.62 ID:ZFupX6AO
>>1

みんな違ってみんないい
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 01:24:16.53 ID:KesXnYAO
魔導士の意味って魔術の知識を伝える者って意味なんだってな
そうすると魔導士ちゃんは魔導士の枠付けでいいのか疑問に思えるんだが
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 01:52:46.52 ID:CxYulf6o
焦った>>1がかわいいすぎるぜ

>>1
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 03:44:05.67 ID:LhkBeoA0
【トップクラス】
女王、おかみ、北方女兵


…北方女兵?
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 07:57:36.06 ID:ZFupX6AO
クラスが高いほど戦士とプラグ立てちゃってる気がする
そうでもないか
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/21(月) 09:31:49.92 ID:5aU82..o
>>112
shiftキー押しながらEnter押したんじゃね?
俺、結構多用するんだが、他の掲示板に書き込んだときも癖でやってしまう。
病気だな
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 10:11:48.83 ID:VUnr7YAO
>>123
女将と戦士にフラグだと…
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 12:23:05.11 ID:hwLr4dk0
謎の順位に>>1が抜けているわけだが…
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 17:03:25.80 ID:ao7EdN.0
1は貧乳らしいぜ
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 17:14:34.68 ID:Xuk1L7Eo
貧乳こそ正義だ!
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 17:21:41.66 ID:0XFUL2DO
私男だけど>>1貧乳だと思うの。
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 17:48:13.47 ID:4TcBRN2o

川 ゚ -゚) 「…その……戦いの傷…じゃないよね?」

_/\_
 (゚、゚ ソン  「・・・・・・ウフフフフフ」

川; ゚ -゚)) ビクン

_/\_
 (゚、゚ ソン  「この傷は絆でございます」

川; ゚ -゚) キ、キズナ?

_/\_
 (゚、゚ ソン  「この傷の一つ一つが大事な思い出なのでございます
       この傷はわたくしと初めて逢った時に見ず知らずのわたくしを庇って受けた傷
       この火傷はわたくしを抱きしめてドラゴンの息を受けた痕
       この足の傷なんてわたくしを抱えて飛んでくれた時の衝撃をイメージしましたの
       世間知らずのわたくしも、こうやって戦士様と同じ傷を刻む事で
       あの方の苦労を知る事が出来るのでございます」ザクザク
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 17:52:24.04 ID:X.F8R2go
つまりウィッチはドMでハードプレイマニアってことでいいのか???

貧乳だって一応あるんだもん
…ちゃんと揉めるよ?
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/21(月) 17:59:36.51 ID:1R7MEQAo
なんという流れ……

>>120
魔導師=教える人
魔道士=魔法使い…みたいな勝手な解釈をしていますです

>>124
なんだかキーボードの左上に触れたら書き込まれてしまったのです…

>>130
ひいいい!!

↓続き
133 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:00:22.03 ID:1R7MEQAo
――三日月島。その名の由来は島の形状が三日月状である事から。

島全体の面積は、東方本島に次ぐ、世界で二番目の大きさ。

かつては島民もいたが、魔王軍の襲来とともに避難。

その後は討伐に当たった本国の管理下となり、国軍の防衛要塞が置かれる。

要塞は現在、西方司令部として引き続き機能しており、

各司令部の中でも最も強固な要塞として知られている。

島自体には既に島民はおらず国軍の兵のみである事から、

軍事演習や数々の研究機関が置かれている事でも有名。

また、主たる結界の採掘はこの島で行われており、その重要性は非常に高い。

召喚士「……だ、そうです」

召喚士は青年兵より拝借した資料を読み上げ、テーブルへと置く。

盗賊「…初めて…聞くな」

サモナー「島の存在は知っていても…詳細は謎に包まれているからね」

魔道士「もう間もなく到着ですね…!」

召喚士「ええ…!」
134 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:02:28.61 ID:1R7MEQAo
〜三日月島〜

軍船は島の南方、西方司令部へと入港する。

コンコン…ガチャッ

青年兵「お待たせ致しました。到着です」

召喚士「はい。それでは行きましょう」

魔道士「はいっ!」

船の前には横一列に、西方司令部の兵らが並び敬礼で出迎える。

カツカツカツ…

皇太子「ご苦労様」

西方参謀「殿下、ご機嫌麗しゅう…ひっく」

エリート「…酒が入っているのか?かなり…臭うな」

西方副指令「いつもの事ですわ。お気にせず」

ザッ

隊長「よっと…。あー晴天晴天!」

女隊員「良かったッスね!」
135 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:03:21.65 ID:1R7MEQAo
カツカツカツ…

皇太子「…西方司令は?」

西方参謀「あー司令ー。殿下がお呼びだぞぉ?」

コソッ

西方司令「ああぁ…ついに殿下がお越しに…はあぁ…」

兵の陰より一人の男が姿を現す。

西方司令「うぅ…この度はこのような所へご足労頂きましてなんと申せばよいか…」

エリート「……」

西方司令「はあぁ…本当にもうしわけありません…うぅ…っ」

皇太子「……う、うむ」

西方副指令「いつもの事ですわ。お気にせず」

皇太子「…そ…そうか」

西方指令「あぁもう駄目だ…。私のような者が殿下の御前に…あぁ…」

西方参謀「……おらっ、シャキっとしろい!ひっく!」

皇太子「……濃いな」
136 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:04:26.34 ID:1R7MEQAo
テクテクテク…

召喚士「ここが西方司令部…か」

盗賊「……大きいな」

魔道士「ええ…っ。北関なんかも凄かったですけど…」

青年兵「では、ご一緒にこちらへ…」

召喚士「あ、うん」

青年兵の案内に従い、一同は司令部内へと足を踏み入れる。

ウィッチ「…い、いいんで…ございますかね…?」

サモナー「…ん?」

ウィッチ「なんだか…場違いのような……」

サモナー「僕も同じ気持ちだよ…。はは…っ」

ザッザッザ

青年兵「殿下、お連れ致しました」

皇太子「皆と同様、会議室して待機していてくれ」

青年兵「はっ」
137 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:05:02.60 ID:1R7MEQAo
〜会議室〜

男隊員「ここに来ると…地獄のスパルタを思い出すぜ…。ヒャハッ」

女隊員「あれはキツかったッス…。死ぬかとおもったッス」

西方衛兵「殿下入られます!」

ガタガタッ…ザッ

一同が起立し敬礼の中、皇太子と北方司令らが入室する。

皇太子「楽にしてくれ」

バッ…ザザッ

エリート「では早速、会談の流れを説明致します」

隊長「……」

エリート「本日17時より西国との会談に挑みます」

サモナー「5時間後…か」

エリート「こちらの出席者は殿下と私、そして…」

エリートはちらりと召喚士を見つめる。

エリート「朱雀先生には第三者として立ち会って頂きます」
138 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:05:47.87 ID:1R7MEQAo
会議室が一瞬どよめき、一同の視線が召喚士へ集まる。

ザワザワッ…

召喚士「……分かりました。一つ…お願いしても宜しいですか?」

エリート「はい」

召喚士「こちらのサモナーさんもご一緒に宜しいですか?」

エリート「ほぅ、それは一体…?」

召喚士「サモナーさんは長く西方にいらっしゃいます。西国情勢にもお詳しい」

エリート「…成程。いかが致しますか?」

皇太子「私は構わんぞ。許可しよう」

エリート「かしこまりました。それでは立会人は朱雀先生、サモナー殿」

サモナー「はい…」

エリート「西国も人を連れてくる可能性はありますね」

西方参謀「だろうなぁ…。そら交渉の基本よ、基本」

エリート「西国について、相手の立会人に嘘偽りがないか…分かる範囲で確認願います」

召喚士「分かりました。やってみます」
139 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:06:48.52 ID:1R7MEQAo
隊長「そんじゃあ次は護衛についてだ」

エリート「会談場所は三日月島の南北中間地点に定めます」

西方参謀「いい演出じゃあないか…ひっく」

サモナー「相手の心理的にも悪くないですね」

盗賊「……そうなのか?」

召喚士「会談場所が司令部だと相手も警戒しますし…」

魔道士「そっか…」

召喚士「それに南北という印象を予め与える事によって、刷り込みが働きます」

ウィッチ「刷り込みでございますか?」

サモナー「交渉の最低ラインは来た半分の譲渡という印象です」

魔道士「実際もそうじゃないんですか?」

召喚士「西国の本来の要望は島全体の譲渡でした」

魔道士「あ…っ」

召喚士「それを北半分の譲渡という論点にうまく逸らすって事ですかね」

魔道士「なるほど…!!」
140 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:07:39.87 ID:1R7MEQAo
隊長「続けるぞ。まぁそんなわけで大勢率いて出陣するわけにゃいかねぇ」

皇太子「うむ。護衛はあくまで最低限に限らせて貰うぞ」

隊長「つーわけで俺ら特殊遊撃と…あれ?副隊長どうした?」

女隊員「いつも通りッス。船酔いで寝てるッス」

隊長「かーっ!情けねぇ!」

エリート「彼ら以外では青年兵、君に当たって貰う」

青年兵「…かしこまりました」

エリート「その他の方々は司令部にて待機」

西方司令「はあぁ…本当に役立たずですみません…」

西方副指令「まだ何もしてないですって…」

魔道士「私達もここで待機ですか?」

エリート「勿論です!魔道士さんに何かあったら私はですね…」

皇太子「他の者がどうなっても良いというわけではいなが、それはもっともだ」

男隊員「まぁドンパチする事はないんだし…問題ないっしょ!ヒャハハ!」

エリート「……だと、いいですけどね」
141 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:10:27.26 ID:1R7MEQAo
男隊員「んあ…?」

エリート「司令部の指揮については西方参謀殿、お願い致します」

西方参謀「へいへい。それが仕事ですからねぇ〜ひっく!」

エリート「以上です。ご質問は?」

隊長「……」

西方司令「……」

召喚士「……」

エリート「特にないようですね。それでは解散」

ガタッ…ババッ!!…ゾロゾロゾロ…

魔道士「召喚士さん、頑張って下さいね!」

召喚士「俺はあくまでサポートですから…。でも、頑張ります!」

魔道士「はいっ!えへへへー!」

召喚士「うぅ…なんだか緊張してきたなぁ…」

サモナー「出発までまだ時間もあるし、休んでいようか」

召喚士「そうですね…」
142 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:11:17.64 ID:1R7MEQAo
カツカツ…

皇太子「言わなくて良かったのか?」

エリート「……」

皇太子「気掛かりなんじゃないのか?」

エリート「西方司令部の面々や特殊遊撃の連中は慣れてますから」

皇太子「もし動くのならば…この場は千載一遇のチャンスだろう」

エリート「でしょうね…。魔王軍に攻める気があれば…ですが」

皇太子「来るとは限らないし、言うまでもない…か」

エリート「此処に内通者がいないとも限りませんので…」

皇太子「……なるほどな」

カツカツカツ…

西方司令「殿下…申し訳ありません…。お茶の支度をしてしまいました…」

皇太子「ああ…そう。あ、ありがとう…」

エリート「それでは…参りましょうか」

西方司令「はあぁ…どうぞ。こちらです…本当に申し訳ありません…あぁ…」
143 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:12:25.79 ID:1R7MEQAo
〜三日月島、北側〜

トンッ

戦士「ここが三日月島かぁ…」

神官「なかなか綺麗な所ですね」

戦士「えーっと本国の奴らは…?」

神官「おそらく西方司令部かと…」

二人は島の南方を眺める。その景色の中央より、一頭の馬が近づいてくる。

パカラッパカラッ…ドドォ

西方兵「失礼致します!西国の皆様で…?」

神官「いかにも」

西方兵「使いの者であります!本国の者より伝言を預かっております!」

神官「ご苦労様です」

西方兵「本日17時より、島の中心部にて会談を希望する、との事です」

神官「承知しました。17時ですね。お伝え下さい」

西方兵「ははっ!ありがとうございます!」
144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:13:20.54 ID:1R7MEQAo
西方兵は威勢良く敬礼し、再び馬の背に跨り、南へと駆け去って行く。

戦士「17時か…」

神官「まだ時間はありますね。船内へ戻り、休んでいましょうか」

戦士「そうっすね」

神官「会談へは私と戦士さん、そして親衛隊長の三人で挑みます」

戦士「少なくないっすか…?」

神官「…少ないですね」

戦士「いやいや…っ、じゃあ何で…」

神官「一つは兵を引き連れない事で、争う気はないというアピール」

戦士「ほう…」

神官「もう一つは、それだけ自信がある。そして逆に何かあるのでは…と思わせる」

戦士「なるほどな…」

神官「小国が大国に、ある意味挑むわけです。色々と考えなくてはいけませんね」

戦士「その割には…楽しそうっすね…!」

神官「ふふっ、分かります?」
145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:14:07.66 ID:1R7MEQAo
〜三日月島、中心部〜

時刻は16時40分。平野に陣幕が張られ、無数の松明が周囲を明るく照らし出す。

既に到着した皇太子が、中央のテーブルへ着座し、その背後にエリートが立つ。

ドドッドドッドドッ…ドドォ…

まもなく、北側より三頭の馬が到着し、兵の一人が陣幕の中へと案内する。

皇太子(…思ったより少ないな)

皇太子は起立し、西国の会談相手をその状態で待つ。

テクテクテク…ファサッ

皇太子「……!?」

エリート(…王子……ではない!?)

神官「…・…っ!!」

皇太子(宰相である神官が…一人…か!?)

神官(そうか…!右大臣ではなく、直接後継者である皇太子をぶつけてきたのか…)

皇太子「始めまして…ですかな。本国の皇太子です」

神官「西国宰相…神官、と申します」
146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:15:49.70 ID:1R7MEQAo
皇太子「後ろの男は私の副官であるエリートです」

エリート「お見知りおきを…」

皇太子「どうぞ、お掛け下さい」

神官「では、失礼致します」

カタッ…

エリート「失礼ですが神官様、こちらへはお一人で…?」

神官「立会人一名と、側近の護衛が一名程…」

エリート「そ、そうでしたか…」

神官「何か問題がありましたか…?」

エリート「い、いえっ!失礼致しました」

神官「こちらこそ。小国ゆえ、なかなかて慣れておらず…ふふっ」

皇太子「では、本題へ入る前にまずは互いの立会人を紹介しましょう」

神官「ええ。かしこまりました」

皇太子(やはり用意はしていたか…。ま、こちらの立会人を見て戸惑うがいいさ)

神官(やはり…か。しかし我らの立会人を見て、顔色を変えずにいられるかな?)
147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:16:43.26 ID:1R7MEQAo
西方兵「朱雀先生、お呼びです。どうぞ」

召喚士「あ、はいっ!」

サモナー「では…行こう」

隊長「おう、しっかりな!頼んだぜ」

青年兵「召喚士さん、頑張って!」

召喚士「うん。ありがとう!」

男隊員「緊張で漏らすなよぉ?ヒャハハ!」

女隊員「下品ッスねー!頭悪いッスよ?」

男隊員「うっせー!緊張を解す為のリラックストークだろがっ!」

召喚士「はははっ、ありがとうございます」

テクテクテク…

サモナー「あっちも立会人がいるみたいだね」

召喚士「西方の人ですかね…?」

サモナー「西方でも本国でも…召喚士君なら、うまく話を進められると思うよ」

召喚士「そうですかね…。とりあえず…頑張ります」
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:16:46.32 ID:X.F8R2go
わくわくwwwwwwwwwwww
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:18:02.43 ID:1R7MEQAo
南北両方の陣幕が開かれ、両国の立会い人が入場する。

テクテクテク…

召喚士「……!?」

戦士「……はぁ!?」

サモナー「!!」

エリート「え…っ!?」

皇太子「……っ!!」

神官「バ…バカ…な!」

召喚士「せ、戦士っ!!」

戦士「は…はは…っ!なんで召喚士がここに…!?」

サモナー「一体…どういう事なんだ…!?」

エリート(まさか…っ、一杯食わされたのか…!?)

エリートは即座に神官の顔色を伺う。…が、その動きを皇太子が制す。

皇太子「いや…これは偶然のようだ」

自分達と同様に唖然とした表情を浮かべている神官を見て、皇太子は呟いた。
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:18:51.59 ID:1R7MEQAo


エリート「と、とりあえず本題に移りましょう」

神官「…はい」

エリート「まず、先日国軍より派遣させて頂きました大軍師殿から…」

神官「はい。全ては伺っております」

皇太子「此度の件、西国の王子はいかに?」

神官「私に一任するとの事でした」

皇太子「そうであるか…」

神官「我らの提案は…ここ、三日月島の譲渡を希望すると…」

皇太子「伺いました。しかし…結論からするとそれは非常に難しい…」

召喚士「……」

皇太子「ご存知かもしれんが、この島は我が国における要所でな…」

神官「そのようで……」

皇太子「なんとか当初の条件でご納得頂けないだろうか…?」

神官「……」
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:19:37.98 ID:1R7MEQAo
エリート「我が国の技術は、西国にとっても大いに役立つものとなります」

神官「……そうですね」

戦士「……」

エリート「特に通信技術については、今後の在り方を大幅に変えるような…」

神官「そのようですね…」

エリート(…くそっ、思ったより冷静だな)

皇太子「例えば…この島以外の要望があるという事は…?」

神官「交渉の条件になるようなものは…特にありませんね…」

皇太子「ならばここは一つ、国益を越えたところで受諾頂けないだろうか?」

神官「その事についてお伺いしたのですが…?」

皇太子「何だろうか?」

神官「本国としては、魔王討伐を目論まれていらっしゃるのですよね?」

皇太子「……如何にも」

神官「やや焦られているようにお見受けするのですが…」

皇太子「時期尚早…と?」
152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:20:40.04 ID:1R7MEQAo
神官「はい」

皇太子「確かにそう感じるかもしれぬな。しかし今はまたとない好機なのだ」

サモナー「……」

皇太子「魔王パズズを抑え、サタンの動きを止めた…」

エリート「二匹の魔王を抑止している今こそ、攻撃に出るチャンスなのです!」

神官「成程…」

皇太子「こちら側の魔王は本国のみで何とかやるとしても……」

エリート「西方の魔王、イブリースまでは手が回りませぬ」

皇太子「西国のみで押さえられますかな?」

神官「……現状では難しいかと」

皇太子「……正直だな」

神官「嘘を申しても仕方ありません」

エリート「そこで同盟を組み、我らが……」

神官「イブリースは古代遺跡より出てきた事はありません」

召喚士(遺跡…?まさか……あれか…!?)
153 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:21:28.75 ID:1R7MEQAo
皇太子「しかしだ、他の魔王に危害が加わるとすると…打って出る可能性もあるぞ?」

神官「……」

皇太子「かといって本国は手を止めるつもりはない。近年のうちに仕掛ける」

神官「……成程」

皇太子「……もう少し具体的な話をしよう」

神官「…はい」

皇太子「魔王軍は今、新たな手段で魔王の復活を目論んでいる」

神官「……?」

皇太子「力押しではなく、結界石を掻い潜り、それを破壊する方法だ」

神官「そんな事が…可能なのですか…!?」

エリート「ええ。実に非人道的な手段ですがね…」

皇太子「死んだ人間を魔物化以外の、何かの手段で傀儡と化している」

神官「!?」

皇太子「その人間であった者どもを使い、結界を素通りしているのだ」

神官「な……なんと…っ!」
154 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:22:39.23 ID:1R7MEQAo
エリート「その辺りは朱雀先生…召喚士殿らがよく分かっているだろう」

召喚士「…ええ。俺も直接出会ったわけではありませんが」

戦士「確かに…。幾つかの戦いで突破された事はあったらしいな」

神官「……」

戦士(おっと…。俺は西国側の発言をしなきゃいけないんだった…やばいやばい…)

エリート「今は西国への実害はほぼありません。しかし今後は大いに考えられます」

神官「同盟の必要性はまぁ…分かりました」

皇太子「この件については、当然本国と西国だけの問題ではないと思っている」

神官「…他国にも?」

皇太子「無論。東方、南東国…。全ての国が一体とならねばならん」

戦士「…!?」

皇太子「どうかその先駆けとなっては貰えないだろうか…」

神官(難しくなってきたな…。もしここで蹴れば、同盟第一国ではなくなる…)

召喚士「……」

神官(今後を考えれば、本国に対する第一国の立場を持っておきたいのも事実…)
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:23:16.83 ID:4TcBRN2o
その頃

  /⌒ヽ Ψ      オレライラナインダ
 (  ^ω)∩   ('A` )  
 (     ノ   ノ<<)
めしでも食うお
156 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:23:32.02 ID:1R7MEQAo
エリート「西国ほどの国が同盟を受諾してくれたとあれば…他国とてきっと…」

神官「盟を結んだとして、我らは大陸へは兵を回せませんよ?」

皇太子「それは承知の上さ。イブリースの討伐にだけ注力して貰いたい」

神官(随分優位だな…。何か…あるのではないのか?)

皇太子「まぁ余裕があるのであれば、援軍は是非にも欲しいところであるがな」

エリート「どうでしょうか?ご納得頂けましたか?」

神官「分かりました」

エリート「!?」

神官「話を戻しましょう。三日月島は本国にとって必要なものなのですね?」

エリート「くぅ…!話を逸らされたか。しぶとい…」

皇太子「先程も申した通り、要所なのでな」

神官「軍事拠点としてですか…?」

皇太子「それも大きいが、結界石の採掘量も大きい」

神官「結界石の採掘…。成程」

サモナー「……」
157 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:25:03.09 ID:1R7MEQAo
エリート「結論から申せば、三日月島の譲渡は……」

神官「難しいようですね」

皇太子「実に申し訳ないが……」

神官「島の北側は、人の手が入っていないようですね」

皇太子「…?」

神官「要所であるとの事でしたが、北側においては特に必要ないのですか?」

皇太子「……」

神官「もしですよ、もし…北側に西国の港と軍事拠点を置くとしましょう」

召喚士「……」

神官「本国にも程近いこの場所、軍事や経済において非常に効果的です」

エリート「……」

神官「西国は今、凄まじい勢いで経済の発展が起きております」

戦士「ああ…。それは間違いない」

エリート「…それ程なのですか…?」

サモナー「ええ…。まぁ…」
158 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 18:26:18.89 ID:1R7MEQAo
召喚士「街道も整備されており隊商も急増していました」

神官「流通を考えれば、この地に道が繋がれば、双方にとって非常に大きい」

皇太子「……確かに」

神官「更に軍事強化を進めれば、本国や南方への援軍も容易いですね」

エリート「……」

神官「何も譲渡において、西国のみにメリットがあるわけではないのです」

皇太子(確かに言っている事は大いに正しく、そして大きい…)

エリート(……まずい、殿下が何か…企んでいる)

神官「西国の内情は隠す事などございません」

皇太子「……」

神官「召喚士殿らに是非、お伺い下さいませ」

皇太子「…承知した。ありがとう」

神官「互いに手の内は曝け出したようですね」

皇太子「ああ。今宵はここまでとして…会食と致そうか!」

二人は笑顔を見せ一呼吸置くと、どちらからともなく握手を交わした。
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/21(月) 18:29:47.63 ID:1R7MEQAo
はい。ドSで貧乳な>>1です
長いだけで話は進展してません……すみません

では帰ります!ご支援ありがとうございました!ノシ
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:30:49.35 ID:G6oKXOYo
1乙!
今回もwwktkさせてもらったwwww
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:38:38.75 ID:X.F8R2go
もしかして>>1はどっかの出版社かライターさん?
電通か出版社の仕込みで

そのうち出版→売れるのコンボ狙いとか?

出版時には初期の方の問題発言は1部伏字とか???

いつ書いてるのか凄く気になる。。。
働いてるなら仕事中も書いてないと書けない量だよね

ま、どっちでも良いんだけど
企画物じゃなくて天然物ならどうやって時間を捻出してるか凄く気になるwwwwwwww
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:47:49.77 ID:M2wpAF2o
バッカじゃないの
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:50:06.14 ID:Rz/oMIAO
考えるのもそうだが口に出すのはもっとバカ
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 18:51:26.12 ID:u7mVY.SO
>>1おつー。


神官「何も譲渡において、西国のみにメリットがあるわけではないのです」
つ[チョコ]

皇太子(確かに言っている事は大いに正しく、そしてチョコパフェ…)

エリート(……まずい、殿下が何か…企んでいる)
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 20:46:49.22 ID:oNH5cq2o
今までROMってたが、xperia買ってようやく書き込めた
1乙です
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 21:15:59.32 ID:8g5NblE0
エリートったら未来の同盟国になるかもしれない国の宰相様に向かって面と向かって「話をそらされた…しぶとい…」とか言っちゃうなんて怖いもん知らずだなぁ
下手したら打ち首ものだよね。
まぁいつもの脳内補正ですが。

という訳で今日のオマケは実際にエリートが口にだしちゃった場合の皆の反応を希望!
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 21:32:03.45 ID:0XFUL2DO
変なのが二匹も
エリートのは心の声だろ
察しればよろし
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 21:36:26.95 ID:IQE774Qo
今日誕生日だから魔道士ちゃんと一杯飲みたいわ。いいよねそれぐらい!
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 21:43:54.38 ID:QHC52no0
魔道士=幼女なのか
魔道士>幼女なのか、
それとも魔(ry


ん?
誰か来たみたい…


170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 22:21:08.62 ID:0FQXkqEo
【あーうん…クラス】がただの洗濯板の集まりなのか、
それとも小さいけど少しはある貧乳集団なのかで今後の対応が変わってくると思うんだ
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 22:53:20.22 ID:uKwKcIDO
>>1

ひんぬーかぁ、ひんぬーいよなぁ(´∀`)
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:17:51.14 ID:9GMjzoDO
変なの二匹って
>>161>>166
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:23:09.67 ID:9GMjzoDO
ごめんなさい
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:39:14.43 ID:y1lOQgDO
戦士と盗賊のイチャイチャくるー
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 23:40:01.91 ID:wHye6UUo
ガヤガヤガヤッ…カチャカチャッ

皇太子「このような屋外での晩餐、先に詫びておこう…」

神官「いえいえ…。風情があって、なかなか良いではないですか」

皇太子の誘導でまず神官が着座し、その後、皇太子も続く。

皇太子「そう言って頂けると、ありがたいな」

神官「そうだ…。おいアレを…」

親衛隊長「はっ」

親衛隊長は一礼し走り去ると、しばらくの後、手荷物を抱え戻って来る。

神官「ご苦労」

コトッ

皇太子「…これは?」

神官「西国の特産品です。土産にと思いまして…」

皇太子「おぉ、それはわざわざ…すまない」

仕官「いえっ、例には及ばぬ品々ばかりです」

皇太子は並べられた特産品を手に取り、嬉々としてそれを見つめる。
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:43:47.35 ID:kq.T62SO
大人のおもちゃですね
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:45:42.31 ID:by7IyQDO
>>1とリアルタイム遭遇するとかなりテンション上がるわ

本当に毎日乙!
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:45:40.27 ID:s2HsVsAO
>>1乙!
>>137の北方司令は西方司令だよな

女隊員が可愛すぎて生きるのが辛い
179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 23:46:06.69 ID:wHye6UUo
皇太子「これは…ワインかな?」

神官「ええ。西方では良質の葡萄も取れるのですよ」

皇太子「おぉ、そうなのか…。てっきり南方だけの物なのかと…」

神官「飲酒されるのであれば、更にこちらなども…」

コトッ

皇太子「これは…?」

神官「麦より作りました酒にございます」

皇太子「ほほう…どれ……」

テクテクテク…

戦士「おっ、もうやってるんですかい!?」

神官「ふふっ、流石…酒の匂いを嗅ぎつけるのがお上手ですね」

戦士「え…?」

皇太子「はっはっは!そうだな…!さぁ、皆も着席するといい」

召喚士「はい。失礼します…」

皇太子と神官を上座に、一同が徐々に着席する。
180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/21(月) 23:55:45.79 ID:wHye6UUo
召喚士「はい、サモナーさん…」

サモナー「ありがとう。少しでいいよ…おっと」

エリート「さぁ、どうぞ…」

神官「これはご丁寧に…。ありがとうございます」

皇太子「酒は行き渡ったかな?」

戦士「……」

皇太子「では…。両国はまだ同盟関係…とまでは至ってはおらぬ」

神官「……」

皇太子「しかし、互いの胸中を明かす事で、かなり密接な関係にはなったように私は感じる」

神官「私も同様の思いです」

皇太子「ありがとう。明日も会談は続くが、今日のところは両国の益々の発展を願い…」

エリート「乾杯っ!!」

召喚士「乾杯ーっ!!」

チィンッ!!

甲高く鳴り響くグラスの音が、祝福の鐘のように辺りへと鳴り響いた。
181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 00:06:45.09 ID:Z3MK65so
皇太子「これは…カカオかな?」

神官「ええ。これも西方では良質のものばかりです」

皇太子の手にするカカオ豆を神官は一粒取り、月明かりに照らし掲げる。

神官「この島の土壌はかなり良質…。ここに植えればきっと良いカカオが実るでしょう…」

皇太子「……ほほう」

神官「殿下は、甘い物はお好きですか…?」

皇太子「…まぁ、人並みかな」

神官「本来ならばチョコレート状にした物をお持ちしたかったのですが…」

皇太子「……」

神官「この気候では溶けてしまうので残念ながら……」

皇太子「そう…か……」

エリート「……殿下」

神官「この島はその流れや風通しなども大変素晴らしい。樹木や農作物の栽培にはうってつけですよ」

皇太子「成程…。そうであるか……」

神官「……」
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 00:07:50.02 ID:dhtlocAO
お、お腹が痛い…

魔導師ちゃんに愛のレッスンを受けたわけでもないのに、ケツの穴から土行と水行の合体魔法のような物がドバドバ出てくるのは何故だ
これも愛故になのか…
183 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 00:22:58.08 ID:Z3MK65so


召喚士「戦士!!」

戦士「しかし…まさかこんな所で会うとはなぁ…」

サモナー「まるで運命のようだね…ははっ」

青年兵「何があるか分かりませんね……」

召喚士「とりあえず…事情を聞かせてくれないか!?」

召喚士はやや興奮気味に、戦士へと問いかける。

戦士「あ、あぁ…。そうだな、えぇと……」

三人と別れた後の経緯を、戦士は簡単に説明し始める。

戦士「んで……青年兵に助けてもらったってわけよ…」

青年兵「すみません。そのような事情だったので話すに話せず…

召喚士「いやいやっ、気にしないで。それより…大丈夫なの!?」

戦士「あーうん…。どうなんだろうな…?」

青年兵「殿下とエリート様は一度預かると仰ってましたが…」

召喚士「何事もなければいいけど……」
184 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 00:29:03.72 ID:Z3MK65so
サモナー「しかしウィッチさんにそのような事情があったとは…」

召喚士「……」

戦士「一緒に来てるのか…!?」

青年兵「ええ。この先の…西方司令部にて、皆と待機しておりますよ」

戦士「そっかぁ…!ウィッチも魔道士も…盗賊も一緒かぁ!」

召喚士「後は……この同盟何とかをうまく進めるだけなんだけどね…」

四人は背後を振り返り、談笑する皇太子と神官を見つめる。

戦士「うーん…。なんとかならねぇかなぁ…」

青年兵「おっと…。こんな時間か……」

召喚士「…?」

青年兵「すみません。護衛がローテーションなもので…失礼します!」

召喚士「あ、うん…!頑張ってね!」

大きく手を振り、青年兵が陣幕の外へと去っていく。

戦士「あいつも大変だなぁ……」

召喚士「みたいだねぇ…」
185 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 00:38:42.63 ID:Z3MK65so
サモナー「二日目も両者、進展は見られないかもしれまないね」

戦士「…そうなのか?」

サモナー「本国側はあくまで強気の押し。しかし西国側はそれをうまく往なしてるね」

召喚士「話題を逸らせて論点を変えたり…。神官さんの手腕ですね…」

戦士「暖簾に腕押しってやつか……」

サモナー「一つ気がかりはあるけど…こうなったら動くかい…?」

戦士「動く…?」

召喚士「ま、まさか……!」

サモナー「西国の立会人が戦士くんだからこそ可能な事…」

召喚士「俺らで…話をまとめる…?」

サモナー「うん。どこまで出来るか分からないけど、第三者の視点として締結まで持っていこうか」

戦士「出来るか…?俺らに……」

サモナー「状況次第…かな」

召喚士「とりあえずどちらに贔屓するわけではなく…うまく話をまとめましょう」

戦士「……おっし、やるだけやってみっか!」
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/22(火) 00:48:19.87 ID:Z3MK65so
今宵はここまでにてっ。それでは失礼致します!暑い…!

>>161
こんな稚拙な文章売れるわけないじゃないですかっ!それに冒頭の時点で発禁本確定です!!
仕事の合間や休憩時間などに…ちょことちょこと…まぁ騙りになってしまうのでこの辺で…

>>166
すみません!口に出してしまってましたね…あわわ…

>>168
魔道士「お誕生日おめでとうございます!エヘヘッ!!」

トクトクッ

魔道士「大した事は出来ませんが…晩酌させて下さいねっ!」

>>169-171
一応クラス内も順番に並んでいますです
ひんぬーだっていいんです!偉い人にはそれが分からんのです!

>>174
明日…には……

>>176
ちょ…!?

>>177
ありがとうございます!こちらこそご愛読感謝!

>>178
ありがとうございます!その通りです…西方です…
好評で良かったッス!頑張るッス!!
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 00:53:09.04 ID:rc0wymQo
>>1乙でっす
サモナーさん……大胆だな…
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/22(火) 00:54:56.35 ID:Z3MK65so
忘れてたwwおやすみなさい!!ノシ

〜オマケ>>166

神官「話を戻しましょう。三日月島は本国にとって必要なものなのですね?」

エリート「くぅ…!話を逸らされたか。しぶとい…」

召喚士「え?」

戦士「えっ?」

サモナー「えっ!?」

エリート「……え?」

神官「あの…な、何か…!?」

エリート(い、いえっ!!何でも…ありませんっ!!)

皇太子「……ドキドキドキド(ry」

エリート「あっぶな…。ついつい本音が出てしまった…!なんと巧みな誘導尋問か!」

召喚士「え?」

戦士「えっ?」

サモナー「えっ!?」

エリート「……え?」
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 00:59:11.97 ID:Cv4bakAO
師匠「国家間の会談をどうにかしようなんざ、おめェら偉くなったもんだな」

…すみません言いたかっただけです
ともあれ、召喚士たちの成長っぷりには頭が下がるばかりです
俺はこの8ヶ月でなにが変わったんだろう…
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 01:01:35.64 ID:JKh6SgUo
魔道士の元婚約者という微妙な立ち位置だったエリートにボケキャラ化の光明が!
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/22(火) 01:21:41.44 ID:aoKAQuoo
こういう論戦?もおもしろいよね

しかし神官が孔明、エリートが醤油に思えてならない
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 02:13:50.11 ID:UZ2THUAO
なぜ論議の場におっぱいを置かないのか
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 03:01:47.41 ID:bRJk4YSO
>>192
マジレスすると、国はそっちのけでおっぱい議論になる。
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 03:13:00.19 ID:r3SPKD6o
( ^ω^)「そっかぁ…!ウィッチも魔道士も…盗賊も一緒かぁ!」

('A`)「後は……誰か選んでうまく進めるだけなんだけどね…」

戦士は背後を振り返り、談笑する女性陣を見つめる。

( ^ω^)「うーん…。なんとかならねぇかなぁ…ハーレム」
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 05:11:09.73 ID:Ysv8AcSO
まとめテラ早すwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
196 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:49:42.78 ID:SMmVimMo
タッタッタ…

青年兵「申し訳ありません。お待たせ致しました」

隊長「おう、ご苦労さん」

男隊員「しっかしあっちではドンチャンやってるっつーのに…」

手にした水筒を顔の上で逆さにし、落ちる水滴を口に含む男隊員。

女隊員「任務なんだから仕方ないッスよ」

隊長「文句言ってんじゃねぇ。ただですら阿呆のせいで一人少ねーんだからよ」

男隊員「分かってますって!ヒャハハ!」

青年兵「では…代わります」

隊長「あーこっちはいい。裏での見張りを頼むわ」

青年兵「休まれなくて宜しいのですか?」

女隊員「気にしなくていいッスよ。いつもの事ッス」

青年兵(凄い人達だ…。これがプロフェッショナルの気構え…か)

隊長「んーじゃ頼んだぞー」

青年兵「かしこまりました。行って参ります!」
197 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:50:33.63 ID:SMmVimMo
〜西方司令部〜

フラフラ…

魔道士「あ…っ!大丈夫ですか!?」

副隊長「あ…ええ。ご迷惑をお掛け致しました…」

西方司令「いやっ、こちらこそご迷惑ばかりで…はあぁ…」

西方参謀「この二人…めんどくせぇな…」

盗賊「……」

西方副指令「さぁて、会談はうまくいってるのかしら…」

西方参謀「まーあれだ。互いに結ぶ事で莫大な恩恵があるって事は分かってる」

ウィッチ「……」

西方参謀「あとはどっちが折り合いを付けるか、ただそんだけの話よ…ひっく」

魔道士「なるほどですね…」

盗賊「…同盟って…難しいな」

西方司令「殿下が頑張ってらっしゃるのに…私ときたら…はあぁ…っ」

西方副指令「司令…もう寝たらいかがです?」
198 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:51:14.85 ID:SMmVimMo


エリート「殿下、そろそろお時間が…」

皇太子「おぉ、もうか。楽しい一時だとついつい時間を忘れてしまうな!ははっ!」

神官「全くです…。ふふっ!」

皇太子「本日はまこと感謝致す。また後ほど改めて…」

神官「ええ。次で結論を出すと致しましょう」

皇太子「…分かった。楽しみにしているぞ!」

両者は立ち上がり、互いに握手を交わし、陣幕を後にする。

ザッザッザ…

戦士「おっと…!神官さん、戻るのか?」

神官「ええ…。一旦仕切りなおして…昼より改めます」

戦士「…そっか。そんじゃ戻るか!」

神官「え…?皆さんとご一緒されては……」

戦士「俺は西国側の人間として来たんだ。最後まで神官さんとともに行動するよ」

神官「戦士さん……」
199 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:51:58.33 ID:SMmVimMo
戦士「つぅわけだ。また後でな!」

召喚士「うん。気を付けて…!」

神官「…それでは、失礼致します」

テクテクテク…

サモナー「戦士くんらしいね…」

召喚士「ええ…」

サモナー「僕らも行こうか。他の人達も出発するみたいだよ」

召喚士「あ、そうですね。行きましょう!」

皇太子を中心に隊列が組まれ、先頭の隊長が声を張る。

隊長「おーし、殿下がご帰還されるぞ。護衛に付け!」

女隊員「了解ッス!!」

エリート「では、出発!」

パッカパッカパッカ…

5時間に及ぶ本国と西国の会談は、両者譲らず進展なく事を終えた。

しかしこの日の会談こそが、後の世に訪れる日々の、その第一歩だったのかもしれない。
200 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:52:37.15 ID:SMmVimMo
〜西方司令部〜

門兵「殿下お戻りになられましたーっ!!」

西方司令「はあぁ…早く出迎えなくては…!あわわ…」

パッカパッカパッカ…ドドォ

西方副指令「敬礼っ!!」

ザッ

皇太子「ご苦労様」

西方参謀「いかがでしたかな…?ういっく…っ」

皇太子「昼に改めて会談を再開する」

西方参謀「やはり…スムーズにはいきませんでしたか」

皇太子「ああ。相手もなかなかの切れ者でな…。はははっ」

西方参謀「…有意義なお時間だったようで」

皇太子「旨い酒を土産に頂戴した。明日にでも楽しもうじゃないか」

西方参謀「おぉ!それは楽しみ!…ひっく…キヒヒヒ!!」

皇太子は高らかに笑い、司令部内へと入っていった。
201 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:53:13.74 ID:SMmVimMo


召喚士「すっかり朝日が昇ってしまいましたね…」

サモナー「ええ…。昼には再度会談です…」

召喚士「一息ついたらもう出発か…」

ザッザッザ…

青年兵「お疲れさまでした」

召喚士「青年兵くんもお疲れさま!」

青年兵「お部屋までご案内致します。どうぞ」

召喚士「うんっ、ありがとう!」

テクテクテクテク…

魔道士「召喚士さーんっ!!」

召喚士「魔道士さん!」

ウィッチ「おかえりなさいでございます!」

盗賊「…どうだった?」

召喚士「ええ…。実はですね……」
202 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:54:09.41 ID:SMmVimMo


魔道士「そうでしたかぁ…。やっぱり簡単にはいかないんですね…」

盗賊「…難しい」

召喚士「…それより、とびっきりの朗報です!」

盗賊「…朗報?」

召喚士「神官さんと一緒に来た人が…戦士だったんです!」

魔道士「戦士さんがっ!?」

盗賊「!!」

ウィッチ「…戦士…って…」

青年兵「戦士さんですよ。ほら、この前……」

ウィッチ「戦士様でございますか!?え…?知り合い…?」

召喚士「戦士は俺らのパーティー仲間ですよ!」

魔道士「ウィッチちゃんも…知ってるの!?」

ウィッチ「え、えっと……!」

青年兵「それについては僕からお話させて頂きます」
203 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:54:58.66 ID:SMmVimMo


魔道士「じゃあ…その助けてくれた人っていうのが…戦士さんだったんだ」

ウィッチ「そうみたいでございます…!」

召喚士「そ、そうだったのか…!」

サモナー「世間は狭いとはよく言うけど…。は、はは…っ」

盗賊「…それで…戦士は?」

召喚士「ええ…一旦神官さんと戻りました」

盗賊「…そうか」

召喚士「明日には合流出来ると思いますよ!」

盗賊「……ん」

青年兵「…では、また出発前にお伺い致します」

召喚士「うん。ありがとう」

魔道士「ありがとうございます!青年兵さんっ!」

青年兵「で、では…っ!失礼致しますっ!!」

慌てて頭を下げる青年兵は、ドアを閉めた退室した。
204 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:55:55.23 ID:SMmVimMo
〜司令部〜

皇太子「……ふーむ」

エリート「……」

皇太子「どう見る?」

エリート「…噂以上の男ですね。正直、感服致しました」

皇太子「ああ。自国の内情を包み隠す事なく曝け出すとはな…」

エリート「殿下」

皇太子「ん?」

エリート「北半分…明け渡そうとお考えでは…?」

皇太子「どうしようかな」

エリート「私の考えと致しましては、出来れば明け渡したくはないのですが…」

皇太子「お前が言いたい事は分かる。魔王討伐の…その先の事だろう?」

エリート「……ええ」

皇太子「…鶏肋…か」

エリート「…!!」
205 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:56:41.93 ID:SMmVimMo
〜三日月島、北側〜

戦士「どうでした?」

神官「…思った以上に、真っ直ぐでしたね」

戦士「…?」

神官「いえ…本国、特に国軍というのはどうにも裏があるのですが…」

戦士「ああ…」

神官「本国…特に皇太子殿下においては、清々しい方でした」

戦士「…ええ」

神官「しかし西国としては、なんとしてもこの地が欲しい」

戦士「そうすれば西国も…ますます発展するもんなぁ…」

神官「この地に来て改めて確信しました」

戦士「次はどうするんです?」

神官「特に手はありませんよ。正直な気持ちを伝えるだけです」

戦士「そっか…。嘘偽りなく意見を言えば、きっと分かって貰えますよ!」

神官「そうあって欲しいものですね。ふふっ」
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/22(火) 17:56:58.61 ID:Gq11Zm2o
胸が熱くなるな
207 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:57:28.37 ID:SMmVimMo


神官「では、参りましょうか」

戦士「ういっす!すぐに準備して……」

神官「いえ、このまま向かいます」

戦士「…!?」

神官「船で中心部まで隣接しましょう」

戦士「船で…行くんすか!?」

神官「はい」

戦士「そりゃまたなんで…」

神官「こちらの技術力を包み隠さず公にする為です」

戦士「船を出す事が…?」

神官「恐らく海洋技術は本国が遥かに上…。だからこそです」

戦士「まぁ、確かに船は本国の方が立派……あ…っ」

神官「いえいえ構いませんよ。実際そうですから」

戦士「……」
208 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:58:32.10 ID:SMmVimMo
〜西方司令部〜

皇太子「それでは参ろうか」

エリート「はい。一つ…宜しいですか?」

皇太子「ん?」

エリート「今回は船で向かおうと思います」

皇太子「ほぉ…。何が狙いだ…?」

エリート「西国が内情を公にしている以上、こちらも隠すものはありません」

皇太子「……」

エリート「更にはこちらの技術力、軍事力を見せ付ける事が一つです」

皇太子「そっちがメインだろ?」

エリート「……そう取って頂いても結構です」

皇太子「……良質のカカオ…か」

エリート「……は…っ?」

皇太子「はっはっは!何でもない。さぁて…行こうか」

一つ背伸びをし、皇太子はマントを羽織りながら司令部を後にする。
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:59:15.92 ID:SMmVimMo
コンコンコン…ガチャッ

青年兵「まもなく出発です。今回は船で向かうそうですよ」

召喚士「分かりました。今行きます」

サモナー「船…ですか?」

青年兵「はい。会談後は一度司令部へ戻るので、荷物はそのままで良いそうです」

盗賊「…私達は…今日もここで待とう」

魔道士「今日も頑張って下さいねっ!」

召喚士「はい!ありがとうございます」

盗賊「…ちゃ、ちゃんと…連れて帰ってくるんだぞ!」

召喚士「…もちろんです!」

青年兵「では参りましょうか」

サモナー「今日で決まるといいね」

召喚士「ええ。微力ながら頑張りましょう」

ウィッチ「いってらっしゃいでございます!」

青年兵の案内の下、召喚士とサモナーは船へと向かった。
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 17:59:41.64 ID:SMmVimMo


ザザーン

召喚士「船だとあっと言う間ですね」

サモナー「ええ…。潮の流れにも沿ってますしね」

召喚士「もう中心部のすぐ近くまで……」

タッタッタッタッタ…

召喚士「ん…?エリートさんと青年兵くん?」

船の前方部分に、兵に誘導され、エリートと青年兵が駆け急いでいる。

テクテクテク…

召喚士「どうしました?」

青年兵「召喚士さん。……前方を」

身を乗り出し前方を見ている一同。それに続き召喚士も甲板より身を乗り出す。

召喚士「…船…!?」

サモナー「あれは…西国の船!?」

エリート「……なかなかやってくれる!」
211 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:00:34.40 ID:SMmVimMo


西国兵「前方っ!国軍のものと思われる軍船が!!」

神官「やはりそう来ましたか…」

戦士「あっちも船で来るとはな…」

神官「想定内…というか好都合ですよ」

戦士「…?」

神官「最先端の技術を導入し、潮の流れに沿ってやってきた軍船…」

戦士「……」

神官「今だ人手に頼り、潮の流れを逆流してきた軍船…」

戦士「あ…っ」

神官「恩を着せるわけではありませんが、どちらが誠意的ですかね?」

戦士「…神官さん、アンタって人は…!」

神官「些細な事でも貸しにしておけば、後々有利になるというものです。ふふっ」

戦士「弱者なりの戦い方ってやつか…!」

神官「ふふっ。さぁて…参りましょうか」
212 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:01:22.19 ID:SMmVimMo
両国の船が錨を降ろし、要人達が陣幕へと入って行く。

会談2日目。ある種の戦争とも言える攻防が、再び始まった…。

エリート「神官殿は、同盟についての必要性は感じておられるわけですね?」

神官「勿論です。両国間にとって素晴らしい利益をもたらすものとなるでしょう」

サモナー「ええ。どちらの国も見てきた身とすれば、大いに有意義なものです」

召喚士(…!?サモナーさん…早いな…っ!)

戦士(いっちょ捲し立てようって事か…。しかしうまくいくかな…)

サモナー(どちらも優秀な人物です。言い包める事は不可能でしょう)

召喚士(あくまで……挑発と誘導に留めておくレベルか…)

戦士「…そうだなぁ。本国と西国、互いのいい部分をカバー出来るんじゃないかな」

召喚士「ええ…。魔王討伐だけでなく、それ以上のものを得られるのは大きいですね」

皇太子「……まさにその通りだ」

神官(…ほう、召喚士殿に戦士殿…やってくれますね)

エリート(この者らをうまく利用した側が、有利に事を運べるようだな…)

召喚士「……」
213 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:01:51.28 ID:SMmVimMo
神官「本国では、どういった評価なのでしょうか?」

皇太子「…・と、申すと?」

神官「この島の重要性は重々承知しました。しかし北側の評価がないように思えます」

エリート「現状ではその通りです」

神官「今後に於いては何か予定でも…?」

エリート「い、いえ…っ。それはまだ特に…」

神官「……成程」

エリート(痛いところを突いてくるな…くそ…)

神官「殿下は本国にとって、必要だとお考えですか?」

皇太子「島自体に勝ちは見出してはいないな」

神官「……!」

皇太子「島の周囲における海域、これが本国にとって重要なのだ」

神官(……来たか)

エリート「ご存知の通り本国から北方への海上ルートはまさにこの海域です」

神官「…ええ」
214 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:02:17.96 ID:SMmVimMo
エリート「西国のものとなっては、融通が利かなくなってしまう恐れが…」

神官「それは有り得ない、とだけ申しておきましょう…」

エリート「しかし口上のみではやはり…その…」

神官「当然、書面ベースでの誓約書などもご用意させて頂きますよ?」

エリート(この男…。そこまで権威を託されているのか…!)

皇太子「成程。それは保証して頂けると」

神官「それだけではありません」

召喚士「……?」

神官「北側が西国のものとなれば、当然、港を建造する事となるでしょう」

エリ−ト「港…ですか?」

神官「はい。西国と本国を繋ぐ中間地点ですから」

召喚士「……農地の開墾が進めば、出荷もしなくてはいけませんしね」

戦士「確かに…」

神官「北方までの航海。現状では緊急時の入港は…どうなさっているのですか?」

エリート「……っ!!」
215 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:02:51.55 ID:SMmVimMo
皇太子「…どうなのだ?」

エリート「今は海岸沿いにある村を頼っております…」

神官「北の先端、ここに港を置けばドックも設置可能です」

サモナー「両国にとって非常に有意義な港となりますね」

神官「ええ。しかも発展著しい北の港にも直接船が行き来出来ますしね」

エリート(…マズイな…っ。これについては同意せざるを得ないぞ…?)

皇太子「それは我が国もやりたかった事なのだがな…」

神官「…?」

皇太子「いや、もし港を作ってしまうと…西方諸侯に迷惑だったのでな」

神官「な、成程…。そのようなお気遣いを…」

皇太子「北の港ですら西高原国にはあまりよく思われていなかったしな…ははは」

エリート「西方の場合は連合国全てに気を使わなければなりませんでしたからね」

皇太子「今は西国のお陰で非常に助かっているよ」

神官「……」

召喚士(殿下のファインプレーだ…。うまく話を持っていった)
216 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:05:13.94 ID:SMmVimMo
皇太子「まぁ過去の話は構わぬ。それよりも今後の未来に繋がる話だ」

神官「仰るとおりでございます」

皇太子「一つ確認したい」

神官「はい」

皇太子「もし来た半分を譲渡すれば…港の建設はしてくれるのだな…?」

神官「お約束します。我々にとっても要所となりますゆえ…」

皇太子「当然本国の船、もちろん軍船もだが…許可すると…?」

神官「…・・・無論でございます」

皇太子「ふむ…。南半分は不要と考えて良いのか?」

神官「頂けるのであれば当然頂きたいところですが…現状は…」

エリート(殿下…っ!)

皇太子「私なりの道が見えてきたな……」

神官「……?」

皇太子「…さて、昼食と致そうか。はははっ!」

膝をポンと叩き、皇太子は大声で笑った。
217 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:06:17.01 ID:SMmVimMo


隊長「よーし、いいぞ!運べ!」

西方兵「ゆっくり進め!平坦な地面ではないからなー」

青年兵「こっちから入れますよー!どうぞーっ!」

陣幕の中へと食事を運ぶ兵達が、忙しなく動き回る。

男隊員「今日は俺らも美味い飯にありつけるぜっ!ヒャハハ!!」

女隊員「副隊長は残念スね。船酔いとか信じられないッス」

ガラガラガラッ…

皇太子「質素な物で申し訳ないが…是非食して頂きたい」

神官「お気遣いありがとうございます」

戦士「おぉ、美味そう!!」

サモナー「……午後にはケリがつきそうだね」

召喚士「そう見えますか…?」

戦士「……」

サモナー「うん。僕にはどうも……」
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:06:43.16 ID:SMmVimMo
ザッザッザ…

エリート「殿下は北半分を明け渡すつもりだろう」

召喚士「エリートさん」

サモナー「やはりそう感じられますか…?」

エリート「ここへ来る前、殿下は『鶏肋』…と呟いていた」

戦士「けいろく…?何だそりゃ!?」

サモナー「鶏の肋骨の事です。主にダシを取る食材に使われる…」

召喚士「鶏ガラの事だよ」

戦士「んで、その鶏ガラが何か?」

エリート「食すには身がなく大した事はないがその骨からはダシが取れます」

戦士「はぁ…」

エリート「大した役には立たないけれど、捨てるには非常に勿体無いものです」

召喚士「…な、なるほど…っ!!」

サモナー「三日月島の北半分…。この地がまさに鶏肋…!?」

戦士「……そういう…事か!!」
219 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:07:09.17 ID:SMmVimMo
エリート「しかも困ったことに、捨てる先は料理人ときました」

召喚士「鶏肋を得て、そのダシで良い料理を作り上げる…」

サモナー「しかも…それを御持て成し頂ける…」

エリート「ただの鶏肋ではなくなってしまいました……」

エリートは苦笑し、半ば諦めたような表情で呟く。

戦士「じゃあ…もう決まりって事か…?」

エリート「本国の最後の望み…それは、貴方がたです」

召喚士「!?」

エリート「贔屓しろとは言いません。最後まで平等な目でみて頂きたい」

サモナー「それはもちろんです。僕らはどちらの味方でもあり、どちらの敵でもあります」

エリート「……」

召喚士(サモナーさんも…ズバっと言うなぁ…はは…っ)

エリート「…ありがとうございます。ではまた後ほど」

召喚士「あ、はいっ!」

エリートは一礼し、皇太子の下へと戻って行った。
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:07:35.85 ID:SMmVimMo
前半の西国ペースとは打って変わり、後半は意外にも本国が主導権を握る。

エリート「この同盟の、本国にとってのメリットが薄れてしまってますね」

神官「メリット…ですか…」

エリート「我らは何も経済発展の為に同盟をするわけではないという事です」

神官「……」

エリート「魔王討伐…これが主たる目的なのです」

神官(さて……どうするかな…)

エリート「現時点では討伐の作戦はまだ白紙です」

皇太子「ああ。事が事だけにじっくりと練りこむ必要がある」

エリート「つまり、貴国を念頭に置かなくとも問題はない、という事になります」

神官(まずいところを突かれてしまったな…)

エリート「先ずは東方と手を組み、東の魔王を討伐する」

召喚士(そうか…!西国が一番手でなくても、本国として困らないわけだ!)

サモナー(さぁ、神官さん…。どうします?)

エリート「南東国とも手を組み、南側の魔王も討伐する」
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:08:31.00 ID:SMmVimMo
皇太子「残った西の魔王を、最後に全力で叩く…」

エリート「そうなれば同盟の重みはずっと減るわけです」

神官「いかにも……」

エリート「我らが西国に目をつけたのは、そういう部分を越えた要素が大きいからです」

皇太子「ああ。ここ数年の西国の動きには、非常に素晴らしいものだ」

神官「ありがとうございます」

エリート「その中で本国と対等、いやそれ以上に将来性のある国です」

皇太子「そこも踏まえての同盟、というわけだ」

神官「目に掛けて頂き、大変ありがたい事ですね…」

エリート「しかし条件が厳しいとなれば話は別です」

神官(同盟において他国の後塵を拝するのいは非常に立場が悪い……)

戦士「東方あたりに話は言ってるので?」

エリート「いえ、今後…今年中には…」

神官(そこまで時間もない…か。だがこちらも退くわけにはいかんな…)

召喚士(東方とも同盟…?また会談となると…まさか相手は……)
222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:09:03.83 ID:SMmVimMo
サモナー「……?どうしました…?」

召喚士「あ、いえ…っ。すみません…!」

エリート「こちらとしても西国との友好的な同盟を必要と感じております」

神官「……」

サモナー(少し劣勢かな…)

エリート「どうでしょうか。港についても許可を頂ければ本国が…」

サモナー「そうですね。双方の起点となるならばどちらが建てても同じ」

戦士「まぁ…そうだよな」

サモナー「第三者の視点から見れば相違ないように思えますね」

エリート「……」

召喚士「強いて言うならば、本国にも西国にも利益がもたらされる様に…」

神官「そういう意味では、西国側で建てた方が大きいですね」

エリート「まぁ…そうかもしれませんが……」

サモナー「交易量で言えば、東方は盛んとは言えないのでは…?」

エリート(……この男、鋭いところを)
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:09:38.06 ID:SMmVimMo
皇太子「まぁそれはある。東方は鎖国的なところがあるからな」

戦士「なら、どちらかが妥協してでもこの二つの国が結ぶって事は意味がある」

サモナー(白紙にだけはしたくないですからね)

召喚士(これで多少は動く…かな?)

召喚士はちらりと皇太子の顔色を伺う。

エリート「……ならばこそ。こちらの充分な条件にてなんとか受託頂けませんか?」

神官「ごもっともですが…。技術があっても国力なくして実用は出来ませんからね」

エリート「そ、それは確かにそうですが…」

皇太子「第三者の観点か…」

エリート「殿下…?」

皇太子「港の建設、海路の確保…さらには特産品の交易」

神官「……」

皇太子「これについては計らって頂けるのだな?」

神官「勿論、お約束致します」

皇太子「……分かった。三日月島の北側を譲渡しよう」
224 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:10:55.46 ID:SMmVimMo
エリート「殿下!?」

戦士「…!!」

神官「宜しいのですね…?」

皇太子「うむ。但し一つ条件がある」

神官「何でしょうか?」

皇太子「この譲渡は秘密裏にして頂きたい」

召喚士「……?」

神官「勿論です。従いましょう」

皇太子「うむ。すまんな」

エリート「殿下…っ!」

皇太子「もう決めた事だ。双方利益が出る…それならば良かろう」

エリート「……」

皇太子「では気が変わらぬうちに書面にサインをしようか」

エリート「……今…お持ち致します」

皇太子「いやいや、めでたい!ははははっ!」
225 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/22(火) 18:12:24.46 ID:SMmVimMo


神官「では、ご確認下さい」

エリート「……確かに。お預かり致します」

皇太子「譲渡についてはまた後日連絡させて頂く」

神官「お待ち致しております」

召喚士「最後はあっさり…決めましたね…」

サモナー「うん。渡すつもりはあったのだろうけど…」

戦士「スンナリだったな……」

召喚士「鶏肋…か」

サモナー「もしくは…何か思うところがあったのかもしれない…」

戦士「思うところ?」

サモナー「まぁせっかくきまった事だし、殿下の心中は聞かないでおこうか」

召喚士「そうですね。これ以上余計な口出しは無用ですね」

戦士「ま…そうだわな」

三人は安堵の表情で皇太子と神官のやりとりを見つめた。
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/22(火) 18:21:34.24 ID:SMmVimMo
こんばんは!今日もご支援ありがとうございます!
なんだか気持ち悪くなって来たので失礼します…夜投下もないかもです…

>>189
いや師匠の仰る通りです。普通なら有り得ない…

>>190-193
ありがとうございます!エリートだけに変なボケしそうですね
そして皇太子は孫策です
おっぱい議論はそのうちオマケで…!

>>194-195
いつもマッハでありがとうございます!助かります!!

それでは!ノシ
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/22(火) 18:31:47.41 ID:ejxdrt6o
休刊日もあったほうがいいんじゃないか?
ゆっくり休んでね。
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 18:37:54.22 ID:dhtlocAO
遊撃隊の奴らはかませだと、ちゃっちゃと無様にやられていくだけのキャラだと、そう思ってたのに、何故だろう…愛着が湧いてきてしまった
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/22(火) 19:17:39.12 ID:cqR7PoAO
かませには見えないな
まあ、予想じみたことはよしておこう
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 19:37:42.31 ID:rc0wymQo
皇太子はそんなに甘いものが好きなのか…
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 19:40:44.20 ID:M4wVgIAO
一乙!つか毎日忙しいなかでこんだけ書いてれば休んでも誰も文句言わんよww
むしろ毎日ありがとう!早くアニメ化されるといいな!
とりあえずお大事になんだぜ!
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 20:57:48.85 ID:59jSy2so
エリート「痛いところを突いてくるな…くそ…」

召喚士「え?」

戦士「えっ?」

サモナー「えっ!?」

エリート「……え?」
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 21:47:24.69 ID:YLmDyNU0
だめだ…
カカオ好きなせいで皇太子がウンパルンパで再生されるwww
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 21:57:47.29 ID:bRJk4YSO
>>1乙ぅー!!
>>164のネタコピペしたのは俺だが
>>1の皇太子はカカオを見ただけて、その先の完成形「チョコレート」を嗅ぎ出すとは…
いっその事、パティシエになって仕舞えww

( ・∀・) 皇太子はカカオ豆に興味があるようです。
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 22:05:15.46 ID:grFrdWYo
皇太子の正体はゲスラだった!!
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/22(火) 22:45:43.57 ID:qVTccIDO
>>226
無理せず、御自愛下さい。
いつも楽しませて頂きありがとうございます。
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 01:09:49.22 ID:UOAVFUAO
水着回はまだですか>>1さん
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 02:30:31.41 ID:8E1921E0
>>227
公開処刑回とも言うがな…
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 08:24:14.14 ID:K..616AO
>>1

体は大切にね!

それはそうと、戦士もせっかくみんなに会えたのに…やっぱり彼はオトコの中のオコトですー
てか俺も魔導師ちゃんに股間の三日月島を先端だけでいいから譲ってあげたい
そして毎日輸出してやるんだ!生命の種を!
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 10:43:46.59 ID:ZyVOz6oo
>>239
三日月の名の通り、細いんだな
241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/23(水) 12:16:37.89 ID:cgKelh6o
エリート「では…こちらが書類です。今一度ご確認を…」

神官「はい。……ええ、これで問題ございません」

エリート「本国の技術提供、及び不可侵条約に軍事協定」

皇太子「それに加え、三日月島北側半分の譲渡…だな」

神官「こちらは海路の解放、港の建造、特産品の優先的な輸出…」

皇太子「うむ。詳細については後日改めて…」

神官「畏まりました。此度はまこと、ありがとうございました」

エリート「もう…お戻りになられるので…?」

皇太子「何かお急ぎかな?」

神官「いえ…そういうわけではございませんが…」

皇太子「ならば司令部までお付き合い頂けないだろうか?」

神官「滅相もございません」

皇太子「いやなに、持て成しもだが…早速見てみたくはないかな?」

神官「……?」

皇太子「本国の…技術機関を…!」
242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/23(水) 12:17:11.79 ID:cgKelh6o


青年兵「もうまもなく出発致します」

戦士「んじゃ、司令部でな!」

召喚士「やっぱり西国の船に乗るの?」

戦士「司令部までで最後。きちんと貫き通さないとな!」

召喚士「そっか…!じゃあ…また後で!」

戦士「おうっ!」

サモナー「司令部では、皆さんお待ちかねですよ」

召喚士「そうだよ!」

戦士「ああ…。分かった…!」

テクテクテク…

神官「宜しいのですよ?あちらの船に乗って頂いても…」

戦士「いやいや、もうじきですし…最後までお付き合いさせて下さいよ!」

神官「戦士殿のそういう人柄に…惹かれるのでしょうね。ふふっ」

戦士「……?」
243 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/23(水) 12:18:04.97 ID:cgKelh6o
二日間に及ぶ会談は、西国有利な条件ではあるものの、

双方…ほぼ当初の思惑通りに無事、同盟締結と相成った。

皇太子「……怒っているのか?」

エリート「怒ってはいません。呆れているんです」

皇太子「ハッキリ言うなぁ…。はははっ!」

エリート「事によってはまだこちらにも歩があったというのに…」

皇太子「長引かせても手間がかかるだけだ。何より…」

青年兵「……?」

皇太子「あの男、我らじゃ到底論破出来そうにもないよ」

エリート「……」

皇太子「穏便に済んだのだし、それで良いではないか」

エリート「まぁ…そうですが……」

青年兵「……」

皇太子「鶏肋を得た料理人は…どんな料理を振舞ってくれるかな?はははっ!」

二隻の船は、まもなく西方司令部への港へと入港する。
244 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/23(水) 12:18:45.73 ID:cgKelh6o
〜西方司令部〜

西方司令「ああぁ…!見知らぬ船が一緒にいぃ…!」

西方副指令「あれは西国の船ですわ。お気にせず」

西方兵「入港完了ーっ!敬礼ー!!」

ザザッ…バッ!!

司令部一同が敬礼する中、軍船より皇太子らの姿が現れる。

タッタッタ…

魔道士「早く早くっ!」

ウィッチ「……っ!」

タッタッタッタッタ…

盗賊「…戦士…っ」

魔道士「あれ…い、いない…!?」

本国の船より降りる一同の後に、西国の船から降りてきた戦士と神官が続く。

魔道士「あ…っ!いた!戦士さんだっ!!」

盗賊「!!」
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/23(水) 12:22:12.02 ID:ZUKscMDO
こんな時間にキテター(゚∀゚)―!
今日は>>1おやすみなのかな?
246 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/23(水) 12:26:16.45 ID:cgKelh6o
青年兵「皆様はこちらからお部屋へ…」

エリート「我らはこちらより一先ず応接室へ。どうぞ、神官殿」

神官「はい。戦士殿…ありがとうございました。これにて任務終了です」

戦士「こちらこそ!ありがとうございました!」

神官「では…」

青年兵「失礼致します!」

ザッザッザッザッザ…

サモナー「さて、部屋に……おや?」

タッタッタッタッタ…

魔道士「おかえりなさーい!!」

召喚士「あ、魔道士さんっ!」

戦士「盗賊!…ウィッチ!」

盗賊「…せ、戦士…っ!」

タッタッタ…ガバッ!!…ギュウゥゥ

ウィッチ「戦士様っ、おかえりなさいでございます!」
247 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/23(水) 12:31:47.09 ID:cgKelh6o
魔道士「……」

召喚士「……」

サモナー「…」

盗賊「…っ!!」

戦士「あ…あの…よ…」

ウィッチ「ご無事で…!何よりでございますっ!」

ギュウウゥゥ

戦士「く、苦しいんですけ…ど…」

盗賊「…せ、戦士がっ…苦しいってさ!」

ウィッチ「あ…っ、失礼致しましたでございます…!」

魔道士「と、とりあえずおかえりなさい!戦士さんっ!」

盗賊「…お、おかえり!」

戦士「おう…ただいま!」

サモナー「やっぱり…彼がいて初めてしっくりきますね。ははっ」

召喚士「ええ…!!」
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/23(水) 12:34:04.50 ID:cgKelh6o
>>245
お休みではないのですが、本調子ではないので早退致しますです…
また後でこれたら続き投下致します!ごめんなさいっ!
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 12:49:53.61 ID:I/foXDgo
盗賊はアサシンにクラスチェンジした。

体調悪いなら書かずに休もうよwwwwwwwwww
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 13:28:40.02 ID:RC8wCrUP
しょうがないだろwwカキたい盛りなんだしwwww
カくエネルギーがあるうちにカかなきゃ
カきたくてもカけなくなるんだぜ?
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 14:03:33.08 ID:a4REZ06o
皆の者〜出合え!出合え!修羅場じゃ!!!修羅場じゃーーーー!!!

      ●
    (゚∀゚))   アッソレッ!シュッラバ!シュッラバ!
     (ヽ )へ
    く ●

     ●
    ((゚∀゚)   トウゾク ウィッチ ノ シュラバ!
   へ(  /)
      ● >

    ●  ●
    ((゚∀゚)ノ   センシ ノ ヤロウ ハ モッゲッロ!!
     (  )
    く ω >


ゴゴゴゴ_ シュオウカンシサン?
   __|魔|
    (  ) ('A`)  ア…アノ、ソノ、ス、スススミマセン
    (  )V(  )
    ノ |  ノ |





>>250
マスの話か?マスの話なのか?
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 14:06:16.43 ID:jwthG6Io
けいろくけいろく
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 15:09:28.29 ID:BIa4dMSO
ウィッチうぜー
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 16:17:20.08 ID:kluuXUSO
見える!!見えるぞ!!盗賊から立ち上るドス黒いオーラを…
殺気なんてものじゃない。この世全ての悪だ
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 17:43:53.20 ID:6gPIrng0
Witch
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 18:11:16.37 ID:UOAVFUAO
Vitch
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 18:27:23.35 ID:K..616AO
>>1乙 お大事に


魔導師ちゃんよりも激しく感情を表しちゃってる盗賊ちゃんと、宿敵ウィッチ…戦士をめぐる戦いはまだ始まったばかりなのであった

俺も盗賊ちゃんに抱きしめられて肌でそのオッパオの感触を噛み締めたい、噛み締めたい
オッパオしたい
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/23(水) 22:39:07.97 ID:pOoDuMAO
悪いのはフラグメイカーであって、ウィッチちゃんは悪くない
でも俺としては盗賊ちゃんに頑張って欲しいです
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/23(水) 22:44:13.69 ID:mcKp0VEo
早くNTR!
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 00:27:16.09 ID:y1LSL8wo
ウィッチを思わず殺してしまった盗賊
血濡れた部屋に立ち尽くす盗賊
その時部屋がノックされた…


血で濡れた部屋にノックの音が転がった
誰にも会えない顔なのにもうなんだよどちら様?
「名乗る程 たいした名じゃないが 誰かがこう呼ぶ ”フラグ・メイカー”
アンタ(盗賊)に笑顔を持って来た 寒いから入れてくれ」

フラグ・メイカー?冗談じゃない! そんなモン呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ そこに居られたら泣けないだろう

(ウィッチの血で)大洪水の部屋にノックの音が飛び込んだ
あの戦士まだ居やがったのか消えてくれって言ったろう
「そんな言葉をお前(盗賊)に言われたのは生まれこの方初めてだ
非常に哀しくなってきたどうしよう泣きそうだ」

フラグ・メイカー?冗談じゃない!アンタ(戦士)が泣いてちゃ仕様がない
泣きたいのは私(盗賊)の方さこんなモン呼んだ覚えはない




ごめん、出直してきます
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 00:31:08.02 ID:oR2ZF6SO
何気に魔道士も戦士に劣らずのフラグメイカーだよな
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 02:38:20.63 ID:RjnkwAAO
ウィッチのおかげでにやにやがとまらん
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 08:52:16.23 ID:5CETb2SO
>>260

ラフメイカーに血は合わないぜキリッ
264 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:39:36.67 ID:ZiLtQvQo
〜部屋〜

戦士「…ふー」

盗賊「……」

召喚士「まずは互いの状況を整理しておこうか」

戦士「そうだな」

召喚士「まず、戦士。親父さんの件は…解決したんだよね?」

戦士「ああ…。記憶も戻ったし、問題ない…かな」

サモナー「かな…?」

戦士「記憶が戻った途端一人でどっかに行っちまったからさ」

魔道士「…そうですかぁ」

召喚士「それで、その際にウィッチさんと出会った…」

ウィッチ「はいでございます!助けて頂いたでございます!」

戦士「北の村々…ひでぇ有様だったよ……」

盗賊「……」

召喚士「……そ…っか」
265 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:40:11.85 ID:ZiLtQvQo
サモナー「ドラゴンの巣…。にわかには信じたくないな…」

戦士「しっかりとこの目で見てきた…。間違いない」

召喚士「魔王軍がそんな事まで…っ」

魔道士「村の人達を…ひどい…!」

戦士「その後は知っての通りだ。ウィッチの親父である本国の高官を…」

召喚士「それについては後で殿下に改めて聞いてみようよ」

魔道士「そうですね!」

戦士「……」

サモナー「そして僕らだけど…」

召喚士「西方で西国の城に行った後、サモナーさんと合流…」

サモナー「うん。更には南の山で魔物を退治したね」

盗賊「…ああ」

召喚士(古代遺跡……ひとまずは置いておくか…)

魔道士「その後は皆さんで本国へ来ました」

盗賊「…青龍先生へ…会いにな」
266 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:40:56.67 ID:ZiLtQvQo
召喚士「その後、国軍の依頼で海峡へ行く事になったんだ」

戦士「それが特殊遊撃の連中と合流した経緯ってワケだ」

盗賊「…ん」

召喚士「まぁそこでも一悶着あったけど、何とか本国へ帰ってきて…」

戦士「一悶着?」

魔道士「物凄く強い魔物と遭遇したんです」

戦士「随分アバウトな表現だな」

サモナー「いや…実際そうとしか言い切れないんだ…」

召喚士「俺らは目撃する前に…逃亡したから…」

戦士「……それ程なのか?」

サモナー「僕らの召喚獣が一撃さ…」

戦士「コカトリスもか?!」

召喚士「…う、うん」

盗賊「…とてつもない…殺気だった」

魔道士「特殊遊撃の方々もそう言ってました…」
267 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:42:23.03 ID:ZiLtQvQo
戦士「今は…大丈夫なのか!?」

召喚士「どうやら北の森からは出てこないみたい…」

戦士「北の森…?まさか…!?」

魔道士「黒の三騎士さんは…やられてしまったようで…」

戦士「っ!!」

召喚士「でも…眼鏡さんは以前行方不明のまま…」

戦士「まだ死んだとは…限らねぇんだな…?」

召喚士「うん…」

戦士「……分かった」

召喚士「その後はこの会談の付き添いに従ったって経緯だよ」

戦士「……不思議な事もあるもんだよな」

魔道士「ほんと!まさかウィッチちゃんと再会出来るなんて…!」

ウィッチ「はいでございます!」

召喚士「そっか。お二人は魔道学校時代の…」

魔道士「はいっ!お友達です!エヘヘ!!」
268 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:44:12.37 ID:ZiLtQvQo


魔道士「……それで、私とウィッチちゃんが居残り補習をする事に…」

ウィッチ「お恥ずかしいでございます…」

召喚士「魔道学校もなかなか大変だったんですね」

戦士「二人とも充分優秀だと思うんだけどなぁ…」

魔道士「ウィッチちゃんは土行も出来ていたし…何より…」

盗賊「……」

魔道士「家柄も立派だから、てっきり国軍に入っていると思ってました」

ウィッチ「魔道士ちゃんこそ付加とかも出来たでございますし…」

魔道士「私は…家が商家だし、学校も私のワガママだから…」

サモナー「……」

戦士「でも、ま…良かったんじゃないのか?お互いにさ…?」

魔道士「そうですね…。私は本当に良かったです。皆さんと出会えて…!」

盗賊「…こちらこそ」

魔道士「ありがとうございます!…えへへっ!」
269 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:44:49.24 ID:ZiLtQvQo
サモナー「それで…今後はどうしましょうか?」

召喚士「ウィッチさんですか?」

サモナー「ええ…」

ウィッチ「……」

戦士「やっぱり家に帰し…」

ウィッチ「帰りたくありませんでございます…。それに…もう帰れないでございます」

魔道士「でも……」

ウィッチ「帰っても…居場所はありませんでございますから……」

魔道士「それなら…ウィッチちゃんも一緒に…」

戦士「そうだなぁ…。しばらくは一緒に旅すっか…」

召喚士「ええ…。このまま放っておくわけにもいきませんから」

盗賊「……」

戦士「サモナーさんはどうすんだい?」

サモナー「僕はこのまま戻るとするよ…申し訳ないけど…」

召喚士「いえっ…!こちらこそ色々とありがとうございました」
270 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:45:20.79 ID:ZiLtQvQo
戦士「とりあえずは、この後の晩餐会に参加して…」

サモナー「ええ。明日には発とうかと思う」

魔道士「そうですかぁ…」

サモナー「まだまだ調べなければならない事も沢山あるしね」

召喚士「よろしくお願いします」

サモナー「うん。任せてくれ」

コンコン

盗賊「…?」

西方兵「失礼致します。晩餐会の衣装合わせをお願い致します」

召喚士「あ、そうか…。正装で参加しないといけないんだ…」

戦士「面倒だなぁ…」

魔道士「でも、そうでないと参加して美味しい物食べられませんよぉ?」

戦士「う…っ。それは困るな…!」

ウィッチ「ふふっ!」

召喚士「それじゃあ行きましょうか」
271 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:46:23.60 ID:ZiLtQvQo
〜西方司令部、地下〜

神官「……」

カツカツカツカツ…

エリート「どうかなさいましたか?」

神官「いえ…っ、まるで秘密基地のようですね…」

皇太子「機密事項のものも少なくはないからな」

神官「成程…」

西方参謀「…ひっく。おぉーっと、こちらです」

青年兵「ここが……研究機関…!」

正面にそびえる巨大な扉。その重々しさが不気味な雰囲気を更に強調している。

エリート「では…参りましょうか」

神官「……はい」

初見の神官や青年兵の顔が強張る。

ガチャッ……ギイイィィ…

青年兵「……!?」
272 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:47:24.27 ID:ZiLtQvQo
研究者「よーし!オッケー!!」

白衣「もしもーし!聞こえますかー?」

研究者「……うーん、音がちっちぇーなぁ…」

白衣「あほー!お前の声がちっちぇーんじゃねぇのか?」

研究者「大声だったろーが!」

神官「……」

青年兵「なんだか…イメージと違う…な」

肩透かしを食らったような表情の神官らの前へ、一人の老人が歩み寄る。

テクテクテク…

皇太子「やぁ、研究は順調かな?」

老人「これは殿下…お久しゅうございます。お陰様で…」

神官「こちらが…責任者の博士殿で…?」

エリート「あ、彼は……」

エリートが言葉を返し始めると、奥より一人の少年が駆け寄る。

神官「……子供…!?」
273 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:48:04.33 ID:ZiLtQvQo
タッタッタッタッタ…

少年「待てー!待つのらー!!」

青年兵「!?」

少年は慌てて老人を押しのけ、皇太子の前へと立つ。

少年「よく来たのら!殿下!!」

皇太子「博士、お元気そうで何より…」

青年兵「博士…!?」

エリート「こちらの方が、研究機関責任者の『博士』殿です」

博士「博士なのら。よろしく!」

博士と名乗る少年の姿をした男が、ニッコリと笑顔を見せる。

続けて押しのけられた老人が言葉を発す。

助手「私は助手と申します。以後、お見知りおきを」

エリート「こちらが西国の宰相、エリート殿です」

博士「それで、今日は何を見たいのら?」

皇太子「例の通信技術について、少し宜しいかな?」
274 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:48:37.61 ID:ZiLtQvQo
博士「おぉ!任せるのら!おーいっ!!」

研究者「はい」

助手「電話の準備を…」

白衣「はいはーい!」

神官「…電…話?」

博士「うむ!電話なのら!」

エリート「本国が今、重点的に進めている研究です」

博士「そうなのら!これはとびっきりの発明なのら!」

研究者「準備出来ましたー!」

助手「ではこちらへ…」

皇太子「さぁ、参ろう」

青年兵「……」

テクテクテク

博士「まず、通信についての説明をするのら!」

博士は得意げな顔で話を続ける。
275 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:49:38.51 ID:ZiLtQvQo
博士「現状の通信は伝声管を通じて行っているのら!」

神官「伝声管…」

助手「管を通して声を送る…。本国では主に砦や船で運用していますじゃ」

神官「なるほど…。似たようなものは西国にもありますね…」

博士「次にこれなのら!」

博士は細長い紐を手に取る。

青年兵「……紐?」

博士「正確には絹糸なのら。そしてこの両端には、器をつけてあるのら」

神官「…これは?」

助手「木を削り出して作った筒状のものです。簡易的ですが…」

博士「神官殿!こっちを持つのら!」

神官「は、はい…」

博士「青年兵くんはこっちを持つのら!そしたら糸をしっかり張るのら!」

青年兵「は、はいっ!」

二人は両端を手に取り、糸をしっかりと張る。
276 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:50:13.22 ID:ZiLtQvQo
博士「神官殿は器を耳に当て、青年兵くんは口元へ当てるのら!」

神官「……?」

青年兵「は、はい!!」

博士「そしたら青年兵くん。小声で何か話してみるのら!」

青年兵「は、はい…。えぇと……あーあーあー」

神官「!!」

青年兵「へっ…!?」

神官「す…凄い…!!」

博士「へっへー!これが糸の振動を使った震話、なのら!」

助手「今度は神官様が器を口元へ…」

二人は耳と口に当てた器を入れ替える。

青年兵「……」

神官「……始めまして。神官と申します」

青年兵「声が…っ!?」

神官「聞こえますか?」
277 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:51:12.67 ID:ZiLtQvQo
青年兵「す…凄…っ!!」

博士「でもこれは実用に耐えられるレベルじゃないのら」

エリート「常に糸を張っていなくてはいけないという条件がありますからね…」

神官「な…成程。しかし声の震えによって…遠方との会話を成すとは…!」

助手「実は…震話については既に判明していた事なのですじゃ」

皇太子「今回はそれを更に向上…いや、革命させたといってもいいか」

博士「うむ!いよいよ電話の紹介なのら!」

神官「電話……」

博士「電話、その名の通り電気を使った話なのら!」

神官「電気……ですか…!?」

博士「うむ!声を電気に変え、電気を通す金属の線を通して送るのら!」

神官「電気に…変える!?」

助手「そうです。まだ細かい仕組みまではお教えできませんがね」

青年兵「そうする事で…一体何が…!?」

博士「うむ!百聞は一見にしかずなのら!!」
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:53:00.40 ID:ZiLtQvQo
テクテクテク…

神官「これ…は?」

手渡された二つの器を神官は怪訝な顔で見つめる。

博士「こっちが送話機。こっちが受話器なのら!」

助手「こちらで話し…こちらは耳に当て、相手の話を聞き取るのですじゃ」

神官「会話が…出来るのですか!?」

博士「そういう事!青年兵くんはあっちの装置へ行くのら!」

青年兵「は、はい…っ!」

タッタッタッタッタ…

神官「随分遠いですね…」

博士「これでも近い方なのら」

助手「今回は分かりやすく、電線ではなくこちらを使いますじゃ」

神官「これは…?先程と同じ絹糸…ですか?」

博士「うむ!しかし金行の鉱石を練りこんだ、電気を通す絹糸なのら!」

エリート「養蚕の際に鉱石を混ぜ込むのですよ」」
279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:54:48.09 ID:ZiLtQvQo
神官「な、なんと……っ」

博士「さっきの震話は糸をしっかり張ったが、今回はこのままなのら」

皇太子「……」

博士「では…早速ためしてみるのら!」

博士は反対側の装置に立つ白衣に手を挙げ、合図を送る。

青年兵「……き、聞こえますかー?」

神官「っ!!」

青年兵「あ、あの…聞こえますか…?」

神官「え…ええ…っ!聞こえます!」

青年兵「おぉ!聞こえた!!凄い…っ!!」

神官「あ、あんなに…離れているのに…会話が…!」

青年兵「ええっ!これは凄い…!凄いじゃないですか!!」

博士「えっへん!どうなのら?」

神官「素晴らしい…!これが……電話!」

博士「うむ!まだ試作段階だけど、実用に向けて頑張っているのら!」
280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:55:34.86 ID:ZiLtQvQo
〜西方司令部、更衣室〜

西方副指令「はーい。待ってたわよ」

西方兵「男性の皆様はこちらへどうぞ」

戦士「おう」

テクテクテク…

西方副指令「レディはこっち。早速サイズ合わせしましょ」

魔道士「はいっ。お願いします!」

西方副指令「じゃあ服を脱いで頂戴」

盗賊「…う、うむ」

シュルシュルッ…パサッ

西方副指令「……でか」

盗賊「……?」

西方副指令「い、いや…っ。続けて…!」

魔道士「これでいいですかぁ?」

西方副指令「ええ。じゃあ順番にドレスを渡すわね」
281 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:56:29.16 ID:ZiLtQvQo


ウィッチ「…問題ないでございます!」

魔道士「ウィッチちゃんカワイイー!」

西方副指令「二人とも着慣れているわね。グッドよ」

チラッ

盗賊「…ん……くっ」

西方副指令「やっぱり…ダメ?」

盗賊「…胸が…入らない」

魔道士「……」

ウィッチ「……」

西方副指令「…仕方ないわね…どうしましょ」

盗賊「……うぅ」

魔道士「あの…東方のドレスじゃ駄目ですかね…?」

西方副指令「東方のドレス…?」

魔道士「はいっ!ちょっと取ってきますね」
282 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 15:57:30.15 ID:ZiLtQvQo


戦士「…んしょ。まぁこんなもんか」

召喚士「やっぱり何度着ても着慣れないね…」

サモナー「僕も…」

戦士「ご馳走のためだ…。我慢我慢…!」

召喚士「あははっ!」

戦士「おいおい笑うなよ…」

召喚士「ごめん…。でも、嬉しくってさ!」

戦士「はぁ?」

召喚士「なんだか些細な事で笑いあえるのって…いいなって」

サモナー「ははっ…そうかもね」

戦士「何だよ…。俺は道化師か?」

召喚士「そうじゃないよ!えっと…盛り上げ役?」

サモナー「ムード−メーカーかな?」

戦士「ふぅん…。なんか褒められてるのかよく分かんねぇな!はははっ!」
283 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:15:05.49 ID:ZiLtQvQo
テクテクテク…

魔道士「おまたせしました!これです!」

盗賊「…ありがと」

西方副指令「綺麗なデザインねぇ!ちょっと着てみて!」

盗賊「…う、うん」

シュルッ…グイッ…キュッ

盗賊「…魔道士…後ろ頼む」

魔道士「はいっ!」

クルッ…シュルシュルッ…キュッ

魔道士「…どうですか?」

盗賊「…ん。ありがと」

ウィッチ「……き、綺麗…っ」

西方副指令「…………」

盗賊「…だ、駄目かな…?」

西方副指令「……最っ高」
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 16:32:11.38 ID:Toic6YAo
          _
        ,、-'  ‐、`ヽ ̄l
       /,. i 、ヽ l | | ヽ‐f
        l |ヽヽヽ| l.|ヽヽ l、
       ''i Fv`=v|l | コ__/
          | ト、'- j.l| ∠- 、
        l ヽ「川 Y:.:,:.:.:.:.:.ヽ
        `ウl:.:.:/:.:,!:.:.:.:.:.:.:.:|
        r{:.:|:./:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
       /:.:.|:./:.:/.:.:.;/:.:.:.:./
        |:.:.:.ソ_∠:./:.:.:.:.:.:.:|¨`!
       /.:厂  /-、:.:.:.:.:.:.:.|  |
      /:.:.| ,/  _>、:.:.:.:/ 」
        |:./ _, -'─\.ヽ:.:.|<
       /  /:.:.:.:.:.:`丶、\lノ:.:.:|
      /  ト、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.:.:.:.:.:|
      ヽ.l.l.j  \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
    / \   ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:論
.   l      \  ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./   `>
   ヽ、_二ニ二ヽ ヽ.、:.:.:.:.:.:.:ヽ`¨ ‐'
           \ \`丶、:.:.:\
            ヽ.  ヽ  `¨ー`
               l.   l
                l  ,J

川*'A`) 「…だ、駄目かな…?」ニカ

ζ(゚ー゚*ζ「……き、綺麗…っ」(キメェ)

川゚ -゚)「に・・・似合ってるぞ」(キメェ)


召喚士、また晒し者にされるの巻
285 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:46:12.94 ID:ZiLtQvQo
〜西方司令部、地下〜

神官「ありがとうございました」

博士「うむ!またいつもで見にくるのら!」

助手「公開出来る限りでお見せ致しますよ」

エリート「同盟の条件通り、通信技術については開発完了と同時に…」

神官「宜しいのですか…?このような大仰な…」

皇太子「例えば……」

神官「…?」

皇太子「本国と西国…互いの城同士、電線で結んでみたいとは思わぬか?」

青年兵「!?」

神官「……」

皇太子「遠方ながら、いつでも迅速に連絡を取る事が出来たり…な」

神官「それは……非常に素晴らしいですね…」

皇太子「この島も互いの領土となったし、距離的にも中継地として勝手が良いな」

神官「……!!」
286 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:46:41.10 ID:ZiLtQvQo
エリート「まぁ確かに…。意外と好都合でしたな…」

皇太子「楽しみだな…!はははっ!」

神官「……ええ」

エリート「では、戻りましょうか」

助手「本日はありがとうございました」

皇太「こちらこそ。邪魔をした」

神官「ありがとうございました」

博士「うむ!」

青年兵「…おや?これは…?」

博士「…ん、それは瓶ら」

神官「…カメラ?」

博士「ちーがーうー!瓶ら!!」

助手「まだ研究段階なのですが、景色を写し出す装置です」

皇太子「ほぉ、興味深いな!」

博士「瓶の底に小さな穴を開けてあるのら。そこに…」
287 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:47:25.85 ID:ZiLtQvQo
コトッ

博士「こうして景色が写りこむ事で壁に描写できるのら!」

エリート「何か使えそうなのですか?」

博士「うむ…。現段階では模写程度しか浮かばないのら」

助手「ようやくこの大きさまで縮小化したところです」

神官「……カメラ…か」

博士「何か光を取り込む…そう、感光の紙でもあれば……」

青年兵「…?」

博士「いやね、そうすればそれを紙に写し出して保存する事も出来るのら」

エリート「本当…ですか…!?」

博士「理論上は可能なのら!」

皇太子「そうしたら、もはや肖像画など不要になるな…!はははっ!」

エリート「確かに…!」

博士「後の世まで…その姿を残しておけるのら!!」

博士は目を輝かせ、研究者というよりは子供心のある一面を浮かべた。
288 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:48:08.09 ID:ZiLtQvQo
〜西方司令部、1階〜

テクテクテク…ゾロゾロ…

召喚士「あ…皆さん」

皇太子「おぉ、どうした?」

魔道士「晩餐会の衣装合わせです。えへへ!」

エリート「そうでしたか…!」

青年兵「そうだ、殿下……」

皇太子「…ん?」

青年兵「戦士さんの件ですが……」

皇太子「おぉ、そうであったな。ちょうど良い。一緒に来てくれ」

戦士「…はい」

エリート「朱雀先生とウィッチさんも宜しいですか?」

召喚士「…もちろんです」

ウィッチ「はいでございます!」

盗賊「……」
289 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:48:51.98 ID:ZiLtQvQo
〜司令室〜

西方司令「はあぁ…。そんな…しかし私は何もする事が出来ず…うぅっ」

エリート「司令は何もしなくて宜しいので…」

西方司令「ああぁ!それはそうですよね!はぁ…とんだご迷惑を……」

皇太子「…・・・それで、私の聞いた話の内容にて、嘘偽りはないのだな?」

戦士「はい。その通りです」

皇太子「……ふむ」

召喚士「殿下、戦士は無闇に暴力を振るうような男では…」

皇太子「安心したまえ。分かっている」

エリート「問題はいかに罰を軽くするか…」

青年兵「今までの功績では駄目なのでしょうか…?」

エリート「ある程度は考慮されるが…高官、しかも経済機関のだ」

皇太子「ワーカーとしての職に、何かしら支障が生じるかもしれんぞ」

戦士「……」

召喚士「罪は軽くなるけど…ワーカーとしての仕事はなくなる…か」
290 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:49:31.90 ID:ZiLtQvQo
エリート「最悪、そういう事になりますかね…」

ウィッチ「私のせいで…ごめんなさいでございます!」

青年兵「もし、それを選択した場合は…」

エリート「手段は二つ。一つはパーティーとしての職を諦める」

皇太子「もう一つは、戦士君がパーティーを抜けるか…だな」

召喚士「……」

青年兵「そ、そんな……っ!」

戦士「まぁ…仕方ないわな」

ウィッチ「そんなの駄目でございますっ!」

戦士「でもな…俺の身勝手で召喚士達にまで迷惑はかけらんねぇ」

召喚士「それは違う!戦士がいてこそ…四人いてこそのパーティーだろ!」

青年兵「二人とも…!お、落ち着いて……」

皇太子「仕方ない……アレでいくか」

エリート「……え…っ?……まさか?」

皇太子「特例だよ特例…。はははっ!」
291 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 16:51:06.75 ID:ZiLtQvQo
召喚士「……あ、あの…っ」

皇太子「ワーカーであってワーカーじゃない。それなら依頼も受けられるだろう」

戦士「だから…どういう事……」

エリート「朱雀先生のパーティーを…国軍お抱えの専属とするのです」

召喚士「!?」

青年兵「それって…国軍に属するという事ですか…?」

皇太子「正式には属すわけではない。但し国軍の依頼をこなして貰う」

召喚士「…つまり…ワークショップを介さないという事ですか…?」

皇太子「そう。本国の管理するワークショップを介さず、国軍経由で働いて貰う」

戦士「そんな事…可能なんすか!?」

エリート「いるじゃないですか。お知り合いに」

召喚士「え…っ!?」

青年兵「国軍お抱えのワーカー…ですか…?」

皇太子「ランキングにも載らず、国軍と直結して働いているワーカー…」

召喚士「……そ、そうかっ!……マ…マジシャンさんか…っ!!」
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 16:54:33.45 ID:ZXThWsAO
今追いつきました
この分だと全50部ぐらいの大作になりそうですね
脱稿は来年以降でしょうか

がんばってください
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 17:11:46.23 ID:Oqh.viw0
今日のおまけは>>284で決定だな…
294 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:04:48.41 ID:ZiLtQvQo
戦士「マジシャンさんが…!?そうか、だから功績ランクにも名前が…」

皇太子「普段はそうそう会う事はないんだけどね」

召喚士「そうなんですか…?」

エリート「国軍絡みだと匿名性が大きいからね」

青年兵「なるほど…」

ウィッチ「そうすれば、戦士様は助かるのでございますか!?」

エリート「まぁ…お父上の出方次第ではありますが…」

皇太子「なんとか穏便に事は進むかな」

ウィッチ「お…お願いしますでございますっ!」

皇太子「私からもお父上へは話してみるとするよ」

戦士「申し訳ありません!何から何まで…!」

皇太子「いやいや、悪い事をしてつもりはないのだろう?」

戦士「それは…もちろんです!」

皇太子「ならば良いではないか。堂々と胸を張るがいい。はははっ!」

皇太子は大声で笑い飛ばした。
295 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:05:16.81 ID:ZiLtQvQo


召喚士「では、失礼します」

皇太子「うむ」

カチャッ…パタンッ……テクテクテク…

召喚士「良かったね!戦士!」

戦士「…すまん。迷惑かけちまって…」

ウィッチ「いえっ!悪いのは私なのでございます…」

召喚士「大丈夫だよ!」

戦士「でも…ワーカーとしては……」

召喚士「いいじゃない。人々の為に魔物と戦う…。形は変わらないよ」

戦士「…ん…まぁ」

召喚士「さ、みんな待ってるし…部屋に戻ろうよ!」

戦士「お、おう…っ」

召喚士「ウィッチさんも気にしなくて良いですからね…!」

ウィッチ「……はい…でございます」
296 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:06:15.22 ID:ZiLtQvQo
〜部屋〜

魔道士「良かったじゃないですか!」

戦士「すまん…。国軍付のワーカーになっちまった…」

盗賊「…いいと…思うぞ」

魔道士「そうですよ!なんだか特別みたいでかっこいいじゃないですか!」

召喚士「ええ…!」

戦士「なら…いいけどよ」

サモナー「結果的には良い方向にいったかな」

召喚士「そうですね…。ひとまずは解決って事ですね」

戦士「……おっしゃ!」

バシッ!!…バシッ!!

戦士「もう忘れて…これからは前に進むのみだ!」

盗賊「…うん!」

魔道士「そうですよ!頑張りましょう!エヘヘッ!!」

召喚士「うんっ!頑張ろう!!」
297 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:06:52.17 ID:ZiLtQvQo
三日月島に涼しげな心地良い風が吹き、やがて夜を迎える。

一同は再び正装へと着替え、晩餐会の会場である大広間へと足を運んだ。

魔道士「こんばんはー!」

エリート「おぉ…魔道士さん。これはまたお美しい…!」

皇太子「うむ…。これ程のご婦人、本国でもそうそうお目には…」

魔道士「も、もうっ!お上手なんですから〜!えへへっ!!」

青年兵「ウィッチさんも素敵ですよ!」

ウィッチ「ありがとうございます!!」

テクテクテク…

神官「こんばんは」

召喚士「あ、神官さん!こんばんは!」

戦士「お疲れさんでした!」

神官「こちらこそ…。皆様のお陰ですよ。ふふっ」

サモナー「いえいえ…滅相もない…!」

談笑する一同の背後から大きなどよめきが聞こえ始める。
298 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:07:25.09 ID:ZiLtQvQo
ザワザワザワ…

西方兵「…おぉ!」

西方参謀「これは……美しい!」

シズシズシズ…

青年兵「……あ、あれ…盗賊さん…ですか!?」

神官「なんとも…天女のような…!」

盗賊(…うぅ!恥ずかしい…っ!凄い見られてる…っ!)

西方副指令「あらら…会場の視線を独り占めしちゃったわね。うふふっ」

隊長「ありゃ東方の衣装か?」

副隊長「そのようですね…。キモノ、と言いましたっけ…」

男隊員「へぇ…!東方にも美人がいるんだな!ヒャハハ!!」

盗賊(…駄目だ!恥ずかしい!!やっぱり無理だよぅ…!!)

ダッ

召喚士「!?」

魔道士「盗賊さんっ!?」
299 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:08:04.33 ID:ZiLtQvQo
女隊員「…?どうしたッスか?」

盗賊「…えっ!?あ…いや……その…っ」

女隊員「トイレッスか?トイレならそこの脇ッス」

盗賊「…あ、ち…違くて…!」

女隊員「トイレじゃないスか?じゃあ一緒に食べるッス!こっちッス!」

グイッ…テクテクテク

盗賊「あっ!?…ちょ…あの…っ!」

西方司令「はあぁ…お話のところ本当に申し訳ありません…。邪魔ですよね…」

西方参謀「いいからシャキっと進めろい!…ひっく!」

西方司令「ああぁ…両国の同盟を祝して…はああ…もう無理…っ!」

テクテクテク…

エリート「えー変わらせて頂きます。まずは殿下より一言申し上げます。どうぞ」

皇太子「諸君、此度はまことご苦労であった」

召喚士「……」

皇太子「西国の寛容なお気遣いにより、本日無事…同盟の締結をする事が出来た」
300 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:09:06.05 ID:ZiLtQvQo
神官「……」

皇太子「しかし、これはまだ小さな一歩に過ぎない」

サモナー「……」

皇太子「今後は更に大きな戦い…そして、西国にもご協力を賜る事となろう」

エリート「……」

皇太子「無論、西国への協力もする事となる。双方の連携が非常に重要だ」

隊長「……」

皇太子「三日月島はその要所となる事は間違いない」

西方副指令「……」

皇太子「三日月島の…そして両国のこれからの発展を願い…乾杯っ!!」

一同「乾杯ーっ!!」

チンッ!!

戦士「よっしゃあ!飲むぜ!!」

魔道士「あっ!もう全部飲んじゃった!!」

召喚士「あはははっ!」
301 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:09:56.08 ID:ZiLtQvQo


神官「研究機関の皆様はお越しには…?」

エリート「ええ。彼らは公には姿を現しません」

神官「徹底されているのですね…」

エリート「彼らも好き好んで地価に潜ってますからね。ははっ…」

皇太子「これが…東方のドレスか」

盗賊「!?……はははいっ!」

皇太子「盗賊さんは東方の生まれなのかな?」

盗賊「…そ、そのようでっ!」

女隊員「東方かぁ…行ってみたいッスね!」

皇太子「そうだな。近いうちにでも伺わせて貰おうかな」

男隊員「護衛しまっす!ヒャハハ!!」

隊長「おめぇは東方に行きたいだけだろーが!」

男隊員「ありゃ…バレましたか!ヒャハハ!!」

盗賊「いっ、いつでも…歓迎しております!」
302 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:10:38.00 ID:ZiLtQvQo


ウィッチ「……あ、これ美味しいでございます」

魔道士「ウィッチちゃんはお酒飲めるの?」

ウィッチ「全然駄目でございます…」

魔道士「そうなんだぁ…。じゃあ、はい!お茶どうぞっ!」

ウィッチ「ありがとうございます!魔道士ちゃんは飲めるんでございますか?」

魔道士「うんっ!飲めます!えへへ〜!」

ウィッチ「あ…ちょっと酔っ払ってるでございます」

魔道士「うんっ。戦士さんに釣られて飲みすぎちゃった…!」

ウィッチ「無理は…駄目でございますよ?」

魔道士「気をつけますっ!えへへへ!!」

神官「そうですか…!西端の山にお住みで…」

サモナー「ええ…。勝手ながら……」

召喚士「サモナーさんは召喚術に長けてますから、是非…!」

神官「色々と伺いたいところですね。いつでも城をお訪ね下さい」
303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:11:10.72 ID:ZiLtQvQo


召喚士「隊長さんはバーテンさんってご存知ですか?」

隊長「っ!!」

女隊員「存じてるも何も…隊長はバーテンさんい憧れて特殊遊撃になったッスよ」

魔道士「あっ、そうなんですか!?」

隊長「初代の冷徹かつ迅速な指揮…そして戦いぶり…っ!」

男隊員「凄かったらしいすね!」

隊長「それに一番槍や赤備え!百発百中…弓の兄妹!」

盗賊「……」

隊長「初代特殊遊撃は…今でも国軍憧れの的よ!」

戦士「……そっか」

魔道士「良かったですね!戦士さん!」

隊長「あん?」

戦士「いやっ!何でもねぇ!はははっ!」

隊長「つーか何で初代の事…知ってんだ!?」
304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:11:52.47 ID:ZiLtQvQo


隊長「おいおい…!マジかよ!!」

召喚士「言って良かったかな…?」

戦士「大丈夫じゃねーかな…」

隊長「大陸港のバーだな…!よし、分かった!!」

女隊員「行く気満々スね…」

副隊長「まぁしばらくは休めそうですし…宜しいのではないですか?ははっ…」

エリート「神官殿は召喚士であられたのですか!?」

神官「ええ…。あ、そうだ……」

皇太子「……?」

神官「西方には特有の召喚獣が多数おります。宜しければ伝授致しますよ?」

エリート「よ…宜しいのですか!?」

神官「今回の同盟では頂いてばかりでしたから…」

青年兵「白虎が強化されるとなると…大変ありがたいですね?」

皇太子「ああ…!今後、召喚士の存在は非常に重要になるだろうからな!」
305 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:12:39.20 ID:ZiLtQvQo


西方司令「それでは…もう至福の一時が…ああぁ…」

西方副指令「そろそろお開きとさせて頂きます」

皇太子「では最後に神官殿から御言葉を頂けるかな?」

神官「私ですか…?畏まりました」

テクテクテク…

神官「此度は貴国との同盟、大変ありがたく思います」

青年兵「……」

神官「西国に於いても、ようやく形を成してきた段階であり、未だ発展途上…」

男隊員「……」

神官「今後なにかと貴国へのご迷惑を掛けるかと存じますが、まずはご容赦を…」

西方副指令「……」

神官「ここ、三日月島については…さっそく西国も開発に取り掛かりたく考えております」

戦士「……」

神官「今後、未来永劫…良好の円満な関係を願っております」
306 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/24(木) 18:13:32.00 ID:ZiLtQvQo
召喚士「……」

神官「簡単ではありますが以上にて…。此度は本当にありがとうございました」

皇太子「神官殿、ありがとう」

神官「こちらこそ…。改めて宜しくお願い致します」

エリート「では、お部屋までご案内致します」

テクテクテク…

青年兵「召喚士さん、お疲れ様でした!」

召喚士「青年兵くんも色々とありがとう!」

青年兵「明日は本国へ戻られますか?」

召喚士「うーん…どう…する?」

戦士「本国かぁ…。大丈夫かな?」

青年兵「もし向かうのであれば、船でお送り致しますので!」

魔道士「はいっ!ありがとうございます!」

青年兵「それでは失礼致します!」

盗賊「…おやすみなさい」
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/24(木) 18:17:30.12 ID:ZiLtQvQo
こんにちはー!昨日は失礼致しました!
科学的な部分は理系じゃないので…ご容赦下さい…
異世界の文明という事でこまけぇことは(ry、でお願いしたいです…

>>284
召喚士さん!駄目です!!

>>292
ありがとうございますー!嬉しいっす
今年中には終わるよう頑張ります!!

>>293
了解です!頑張ります!!

えぇと…多分明け方に現れるかと思います!それでは!ノシ
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 18:39:45.62 ID:7AwX3oDO
>>1乙!
明け方!ワールドカップ見るのかな?
最近はサッカーと>>1話見るのが楽しみだぜ!
これからも頑張ってくれよな
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 18:53:09.84 ID:y1LSL8wo
いまさら野暮かもしれんが
気になったので…

>>273
エリート「こちらが西国の宰相、エリート殿です」

寝返った!!!?
しかも自己紹介wwwwwwwwww
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 20:19:10.41 ID:p8bJpgAO
エリートがボケてくれたんだよ
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 20:47:49.28 ID:21hmb3Ao
エリートまたかwwww




エリート「こちらが西国の宰相、エリート殿です」

皇太子「え?」

青年兵「えっ?」

神官「えっ!?」

エリート「……え?」
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 20:50:29.12 ID:IcmyOUDO
乙です。
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/24(木) 21:15:04.88 ID:tZSm1IAO
順調に功績ランクが上がってきた最中に軍属か。先が読めなくて面白いな
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 23:58:13.54 ID:cqny1.AO
俺は盗賊ちゃん一筋だったはずなのに
最近女隊員ちゃんもいいなあとか思っちまって、要するに恋する漢はつらいねフヒヒwwwwww
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 00:12:06.62 ID:1fTeYIAO
弓使いちゃんの出番まだー?
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/25(金) 05:19:37.25 ID:Di.xcAso
>>309-311
ワロタww
いや笑ってる場合じゃないな…すみません!><

〜オマケ〜

ザワザワザワ…

西方兵「…おぉ!」

西方参謀「これは……美しい!」

シズシズシズ…

青年兵「……あ、あれ…誰…ですか?」

神官「なんとも…天女のような…!」

召喚士(…うぅ!恥ずかしい…っ!凄い見られてる…っ!)

西方副指令「あらら…会場の視線を独り占めしちゃったわね。うふふっ」

隊長「ありゃ東方の衣装か?」

副隊長「そのようですね…。キモイ、と言いましたっけ…」

盗賊「…いや…キモノ」

召喚士(…駄目だ!恥ずかしい!!やっぱり無理だよぅ…!!)
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 05:21:19.80 ID:XlrI846o
やばいよ>>1

日本が勝っちゃうよ・・・すごいよ!
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 06:04:31.27 ID:CWEC62DO
いやあ仕事前にいいもん見せてもらったわ
>>1乙っす〜
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 08:20:20.56 ID:/wtNI6AO
>>1

日本凄いな まさか決勝トーナメント出場するとは思ってなかったぞ


ところで、俺も愛しの魔導師ちゃんのゴールへシュートした場合、これはオウンゴールとなるのでしょうか?次元の壁はあっても、やっぱり彼女と俺は仲間だからさ!
320 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 12:54:35.72 ID:ull8ma.o


戦士「いよっしゃあ…!終わったぁ!」

魔道士「お疲れ様でしたー!」

一つの部屋に集まりくつろぐ六人。それぞれ自然と安堵の声が挙がる。

召喚士「なんていうか…凄い達成感がありますね」

戦士「あ、それはなんだか分かるわ!」

サモナー「肉体を駆使した戦いとはまた違う、ある種…頭脳での戦いだね」

盗賊「…ああ」

召喚士「心理的にはそちらの方が、達成感が大きいのかな…」

戦士「まぁ実際俺らはあんまり焼くに立ってないけどな…」

召喚士「…ま、まぁね…ははっ」

魔道士「そんな事ないですよ!」

ウィッチ「そうでございます!」

サモナー「召喚士くんも戦士くんも…よく頑張ったと思うよ」

召喚士「そう…ですかね?」
321 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 12:58:50.67 ID:ull8ma.o
〜司令部〜

青年兵「お見事でしたね」

皇太子「……?」

青年兵「あ、いえ…。論戦と言いますか…円滑に事を終えて…」

エリート「あんなものは論戦の内に入らないよ」

青年兵「そう…なのですか!?」

エリート「最初から互いの目標地点は定まっていたからね」

青年兵「……なるほど」

エリート「着地点の微調整…そんなレベルさ」

皇太子「神官殿も本心を出してはいないようだしな」

エリート「やはり論破するには大軍師殿クラスでないと駄目ですね」

皇太子「なんとか本国へ引っ張る事が出来ないかな…はははっ!」

エリート「青年兵君を無理矢理、引いてきたばかりです。そんな…」

皇太子「冗談だよ、冗談」

青年兵「……」
322 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 12:59:57.53 ID:ull8ma.o
エリート「しかし…本当に宜しかったのですか?」

皇太子「ん?」

エリート「当初の目論見どおり、北半分で済みましたが…」

皇太子「簡単に手放す必要はなかった…と?」

エリートは真一文字に口を閉じ、無言で頷く。

皇太子「エリート。君は非常に明晰で優秀だ」

エリート「…?」

皇太子「でもな、先見の明が乏しい」

エリート「……」

皇太子「青年兵の方が、その辺は優れているかもしれんぞ?」

青年兵「……!?」

皇太子「魔王討伐が最終目標ではない。それは国軍の役目だ」

エリート「……!!」

皇太子「我ら本国政府の役目、それはその更に先にあるもの…。違うか?」

エリート「……お、仰るとおりです…っ」
323 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 13:01:35.91 ID:ull8ma.o
青年兵「あ…あのっ!」

皇太子「……?」

青年兵「その先とは…っ、殿下はその先とはどのようにお考えなので!?」

皇太子「んー…特に。まだ何も考えてはいないよ」

青年兵「そうなのですか…?」

皇太子「魔王討伐が必ずしも成功するとは限らないし…」

エリート「……」

皇太子「いや、勿論…成功させるつもりだがね」

青年兵「……」

皇太子「例えば、世界中の国を連合国として…一つにまとめてしまうとか…」

青年兵「!?」

皇太子「それが難しいならば、三日月島が独立国家として建国するとか…」

エリート「殿下っ!?何を仰って……」

皇太子「なんならお前が国王を務めるか?エリート。はははっ!」

エリート(本気なのか冗談なのか…全く分からん…)
324 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 13:02:34.62 ID:ull8ma.o
〜部屋〜

戦士「とりあえず…今後は軍属かぁ…」

召喚士「でも話を聞く限り…そこまで制限も厳しくはなさそうだけどね…」

戦士「そうかぁ…?」

召喚士「マジシャンさんの行動なんかを見てると、結構自由そうだし…」

魔道士「言われて見れば…そうですねぇ…!」

戦士「はぁ…せっかくの功績ランクが…」

召喚士「今21位だったっけ…?」

ウィッチ「!?」

盗賊「…確か」

魔道士「仕方ないですよ。ちょっと勿体無いですけど…」

戦士「でも…ワークショップ自体も使えなくなっちまうのかな?」

盗賊「…?」

戦士「だってさ、伝言や手紙のやりとりが出来なくなっちまうわけだろ?」

サモナー「…いや、それはおそらく問題ないはずだよ」
325 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 13:03:55.75 ID:ull8ma.o
魔道士「そうなんですか!?」

サモナー「うん。それにワークショップ経由で国軍に連絡すればいいわけだし…」

召喚士「そう言えばマジシャンさんも、何かあったらワークショップにって言ってたな…」

戦士「じゃあ、その辺りは問題ないわけだな…!」

サモナー「それに国軍付の方が、色々と優遇される要素も大きいよ」

魔道士「そうなんですか?」

サモナー「うん。例えば装備品とか。国軍付だと割引が効くはず…」

魔道士「それは素晴らしいですね!!」

サモナー「そ、それから金利なしでお金を借りられたり…」

召喚士「へぇ…!」

サモナー「土地や住居も提供されるんじゃなかったかな…?」

盗賊「…ほう」

サモナー「後は…各国軍施設に許可なく入れたり…」

戦士「一般ワーカーには…すんごい優遇だけどさ…」

召喚士「お、俺らって…かなり特殊…?」
326 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 13:04:42.98 ID:ull8ma.o


盗賊「…仕方あるまいな」

戦士「あーあ…せっかく軍属から逃げて来たってのに…」

召喚士「逃げて来た…?」

戦士「あー、なんか北方の連中が親父ともども国軍に入隊させようと…」

魔道士「そうだったんですか!?」

戦士「まぁなんとか振り切ったけどな…」

召喚士「て事は…北方へも行かない方がいいかな…」

盗賊「…と、なると」

召喚士「次に向かう先は…南方か…」

戦士「もしくは思い切って…本国か?」

召喚士「うん。裏をかくという意味では本国は安全かもしれないね」

サモナー「街が大きい分、人も多いからね」

ウィッチ「で、では…向かう先は……」

召喚士「…本国…ですね!」
327 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 13:07:30.56 ID:ull8ma.o
〜次の日〜

青年兵「おはようございます。宜しいのですね?」

召喚士「うん。本国までお願いします」

サモナー「僕は神官さんが乗せてくれるそうだから、ここで失礼するよ」

魔道士「サモナーさん!ありがとうございましたっ!」

サモナー「こちらこそ。みんなも気を付けて…!」

盗賊「…では…また」

テクテクテク…

神官「皆様、此度は色々とお世話になりました」

戦士「こっちこそ!助かりました!」

召喚士「また近いうちにお伺い致します!」

魔道士「王子様にも宜しくお伝え下さいっ!えへへ!」

神官「はい。それではサモナー殿、参りましょうか」

サモナー「はい。じゃあ…また」

召喚士「お気をつけて!」
328 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 13:08:34.71 ID:ull8ma.o
カツカツカツ…

エリート「私達も行きましょうか」

魔道士「はいっ!」

青年兵「殿下、参りましょう」

皇太子「うむ…。行こうか!」

西方司令「はあぁ…最後までお役に立てず申し訳ありません…うぅ…」

西方参謀「最後ぐらいシャキっとしなさいな!……ういーっく!」

隊長「出航準備完了!いつでも出れるぜ!」

戦士「さらば三日月島…!!」

召喚士「…うん!」

召喚士達は偶然ながらにも、国家間の同盟という、貴重な経験を得た。

それは今後の行く末においても左右する、大きな収穫となったであろう。

二隻の軍船は港を離れ、ゆっくりと自国へと戻る……



……はずであった。



〜第十八部、完〜
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/25(金) 13:13:10.02 ID:2FxlXi.o
今日も早いな。
18部終わったか。
どうなるんだ?俺の魔道士ちゃんが無事でありますように///
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/25(金) 13:53:32.15 ID:ull8ma.o
日本勝ちましたー!やりましたね!
十八部もなんとか終えました。でも舞台は変わりません!
このまま十九部突入致します!!

>>329
今日は直帰につき早めの投下です!
331 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 14:09:00.38 ID:ull8ma.o
――因果律。それは決して、偶然ではない…必然。運命。宿命…。

だから俺は、今日の事を単なる偶然なんかじゃない、そう思っているんだ。

思えばこの四人と出会った事…。この四人揃った事…。

それが今日、この日を迎える宿命だったんだ…。

そしてその道は、まだずーっと続いているんだね。





青年兵「この中で…最も低いのはおそらく…僕です」

サモナー「では、青年兵君に合わせよう!」

神官(この四人ならば出来るはず…。いや、この四人だからこそ出来るのだ!)

召喚士「……行けっ!コカトリス!!」





召喚士「行けっ!コカトリス!!」

      〜第十九部〜
332 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 14:11:03.00 ID:ull8ma.o


エリート「では、船へ…」

皇太子「うむ」

召喚士「俺達も行きましょう」

魔道士「はいっ!」

盗賊「……」

戦士「盗賊…?どした?」

盗賊「…あれ…何だろう?」

盗賊は司令部の南側上空に浮かぶ、黒いもやを指差す。

戦士「あん…?」

神官「雲…?いや、違うな……」

もやは次第に大きさを増し、ゆっくりと縦に伸び始める。

男隊員「な…何なんだありゃ…っ!?」

女隊員「隊長っ!!」

隊長「イヤな予感がするぜ…!殿下を司令部内へ!!」
333 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 14:14:09.58 ID:ull8ma.o
青年兵「はいっ!!」

サモナー「魔…物…!?」

戦士「下がってろ!」

ウィッチ「はいでございます!」

黒いもやが更に巨大化し、司令部の塔とほぼ同等の高さまで増幅する。

エリート「殿下を守れっ!総員司令部へ避難ーっ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

もやは一度収縮し、それがぴたりと止むと同時に大きく弾ける。

ボシュウウゥゥッ!!

召喚士「っ!!」

エリート「殿下ーっ!!」

皇太子「ただの煙のようだ!うろたえるなっ!」

弾けた黒いもやが周囲を覆い包む。一同の視界は夜の闇のように暗く閉ざされた。

隊長「各自、近くの奴と密集して固まれ!軽率に動くなよ!!」

女隊員「了解ッス!!」
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/25(金) 14:20:20.82 ID:ull8ma.o
シュウウゥゥ…

戦士「…何だ…アイツは…!?」

盗賊「…っ!!」

魔道士「盗賊さん…っ!?」

盗賊「…っく!…凄まじい…殺気!」

神官「なんという事だ…っ!」

徐々に晴れるもやの中より姿を現した一匹の魔物。

その姿は半身が人間のようであり、半身は異形の魔物のような形を成す。

エリート「急げっ!司令部へ避難せよ!!」

エリートの一声により、一同が一斉に司令部内へと走り出す。

戦士「頼むぞ…ぉ!仕掛けてくるなよ!?」

タッタッタッタッタ…

召喚士「仕掛けて…来ない!?」

青年兵「た、助かりましたね…っ」

異形の者は、逃げ惑う人間を、上空よりただただ見つめるのみに留まった。
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 14:26:49.55 ID:C1rBqJI0
なんだ…この感覚……
胸が熱いぞ…
まさか!?
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 15:22:46.58 ID:sDVWdMAO
>>335
つ胃薬
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 17:15:02.09 ID:7YWAstUo
なんとなくロマサガのラルヴァクイーンのイメージが浮かんだ
http://www19.atwiki.jp/femaleenemey/pages/100.html
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 18:22:14.90 ID:8erLTGA0
>>335
お前もうすぐ爆発すんじゃね?
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 18:25:07.27 ID:/wtNI6AO
俺の胸も張り裂けそうなくらい熱い

こ、これが………愛………魔導師ちゃんへの抑えきれない、愛!!!
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 18:56:00.24 ID:bk1LasDO
>>1乙!
プロローグと冒頭の展開!
開幕からwwktkとdkdkが止まらないな!
今から週末の更新が楽しみだぜ
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 19:54:57.66 ID:C1rBqJI0
>>338
よく考えたらボク肺炎でした
びっくりしたじゃないか
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 20:02:48.82 ID:7L0/mWoo
うるさい治れ
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 20:13:34.33 ID:6fzv6Dgo
そういえば、この世界で火薬って出てきたことあったっけ?
覚えがないんだが
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 21:47:17.79 ID:5DnYuoY0
魔物の登場シーンでラミエル思い出した

久しぶりにパーティーが戻ったからwwktk
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/25(金) 23:02:21.01 ID:2ddqbQAO
火薬使うような兵器はなかった気がする。というか魔法やら召喚獣あるからそこまで必要ないような
346 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:10:49.38 ID:BTiLqWoo


エリート「まだ動きはないのか!?」

西方兵「はっ!依然、上空にて静観の構えです!」

隊長「野郎…っ!狙いは一体何だってんだ!?」

神官「……」

皇太子「……どう見る?」

西方参謀「皆目見当つきませぬなぁ…。ひっく」

皇太子「この中で…奴に見覚えのあるものは…?」

召喚士「……」

西方副司令「いえ…っ。初見ですわ」

戦士「ああ…。見た事もねぇな…」

エリート「狙いが分からぬ以上、迂闊に動けんぞ…」

西方司令「あわわ…お役に立てなくてすみません…。博士を呼びましょう…はあぁ」

皇太子「博士…?」

西方司令「あぁ!出過ぎた真似を…っ。研究機関の者なら何かしら分かるかも…ああぁ…」
347 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:12:02.65 ID:BTiLqWoo


青年兵「お連れ致しました」

皇太子「すまんな、博士」

博士「構わないのら!それよりその…魔物ってのはどこなのら?」

エリート「南の上空にて待機しています」

助手「南の塔から確認出来そうですな」

エリート「分かりました。同行致します」

皇太子「うむ。頼む」

神官「何か…分かりそうですか?」

博士「うむ!……じゃじゃーん」

サモナー「…それは?」

博士「魔物図鑑なのら!」

魔道士「魔物…図鑑?」

助手「古来より変遷され続けてきた、魔物について書かれている文献ですじゃ」

博士「これになら魔物の正体が載っている可能性があるのら!」
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 03:15:08.86 ID:eSAXMqso
魔物捕まえて図鑑作って言ってるんですか?
349 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:15:09.63 ID:BTiLqWoo
皇太子「そんな物があったのか…?」

助手「国軍の機密文書ですじゃ」

エリート「そんな物があるのなら…なぜ公に…」

博士「本部より非公開とのお達しなのら」

助手「それに図鑑と言いましても…北方の魔物までは書かれておりませぬ」

博士「うむ!あくまで南側の魔物のみなのら」

皇太子「成程な…。確かに北は未開の地…過去を遡っても調査履歴はないだろうな」

エリート「……」

博士「さぁ、南の塔にいくのら!」

青年兵「はい!急ぎ、向かいましょう!」

エリート「では…行って参ります!」

皇太子「…うむ!」

タッタッタッタッタ…

ウィッチ「だ、大丈夫でございましょうか…?」

盗賊「…きっと…大丈夫」
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 03:18:55.16 ID:tjXf.IDO
おk 金曜日深夜更新が来ると思って待ってた!
>>1乙!
351 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:19:57.30 ID:BTiLqWoo
〜南の塔〜

カツカツカツ…スタッ

青年兵「いたっ!」

エリート「身を屈めろ!気付かれるぞっ!」

サッ

博士「アイツか…!」

助手「……では早速」

ゴソッ…パラパラパラッ…

青年兵「……」

エリート「……」

博士「うーん…。いないのら…」

青年兵「あの魔物…。何か探しているんでしょうか?」

エリート「どうかな…。微動だにしない辺り…不気味でしょうがない」

助手「…ん!?博士、これ…ですかね?」

エリート「いたかっ!?」
352 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:20:44.98 ID:BTiLqWoo
ペラッ…

博士「……うむ!外見は確かに記述にほぼ等しいのら!」

青年兵「……何者…なのです!?」

助手「……これは…マズイですね…っ!」

エリート「!?」

博士「奴は…魔王の眷属なのら」

青年兵「眷属…!?」

助手「腹心…といったところですじゃ」

青年兵「…軍団長クラスか。まずいですね…!」

エリート「名前や特徴は分かっているのか!?」

博士「うむ!」

青年兵「……っ」

博士「奴は魔王、アンラマンユの眷属…」

助手「名を『アカ・マナフ』…ですじゃ」

エリート「アカ…マナフ…!!」
353 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:21:33.19 ID:BTiLqWoo


皇太子「アンラ・マンユの眷属だと…!?」

召喚士「っ!!」

魔道士「それって…!!」

隊長「バカな…!!」

女隊員「アンラ・マンユはこの前封印したはずッスよ!?」

副隊長「まさか…破られた!?いや…最初から外側に居たのか…!?」

西方参謀「とにかくこれは厄介な事になったな…」

男隊員「んで、どうすんすか?」

エリート「アカ・マナフの特徴は?」

博士「うむ!普通に仕掛けてもおそらくは無理なのら」

助手「それ以上に厄介なのは能力ですじゃ」

戦士「能力?」

助手「奴は人間に取りつき、己の思うがままに操る事が出来るそうですじゃ」

サモナー「生半可には近づけぬというわけか…」
354 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:23:02.55 ID:BTiLqWoo
盗賊「…どうする?」

召喚士「……」

皇太子「かれこれ1時間以上経っているな…」

エリート「長期戦は避けたいところですね」

皇太子「まずは手始めに弓と魔法で牽制を仕掛けよう」

西方参謀「妥当ですな…。ひっく…!」

西方副司令「すぐに手配致します!」

タッタッタ…

皇太子「撃ち手は極力近づかず、遠方から仕掛けるように」

隊長「その隙に、特殊遊撃が回り込もう」

青年兵「危険ではないですか…!?」

女隊員「危険な役目こそウチらの仕事ッスよ!」

皇太子「……良いのだな?」

男隊員「そのための特殊遊撃ですから!ヒャハハ!!」

隊長「ああ…!なんとか活路を見出してみせる!」
355 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:24:14.56 ID:BTiLqWoo
タッタッタッタッタ…

西方副司令「弓隊、魔道隊配置完了です」

皇太子「ようし、これより牽制を仕掛ける」

魔道士「私も手伝いますっ!」

ウィッチ「同じくでございます!」

エリート「魔道士さん…ウィッチさん…!」

魔道士「…お願いしますっ!」

エリート「……」

ウィッチ「……」

エリート「…分かりました。しかし無茶はしないで下さい」

魔道士「はいっ!ありがとうございます!」

西方副司令「私達も護衛につくわよっ!」

西方参謀「へいへい…。うい〜っく」

皇太子「さて…。これで相手がどう出るか…!」

召喚士「…ええ!」
356 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/26(土) 03:38:31.28 ID:BTiLqWoo
ザザッ

西方弓兵「準備完了!いつでもいけます!」

西方副司令「ありがと。魔道隊もいいかしら?」

魔道兵「問題ありません!」

魔道士「ウィッチちゃん、頑張ろうね!」

ウィッチ「魔道士ちゃん。はいでございます!」

西方参謀「照準…。南方上空の魔物…照準合わせぇ!」

ジャキッ…

西方副司令「撃ったら後退…。一撃離脱よっ!」

西方参謀「撃てぇーっ!!」

ドドオオォォンッ!!…バシュシュシュッ!!

轟音鳴り響く中、無数の矢と炎…そして氷の魔法が、アカ・マナフめがけて放たれる。

空一面に広がるそれらは、異形の魔物へ容赦なく襲いかかるが、突き刺さった矢と魔法は、

アカ・マナフのもやのような形状と化した体内へ次々と吸収され、姿を消す。

西方副司令「……!?」
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 03:42:05.30 ID:tjXf.IDO
また絶望的な強さの魔物だな…
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/26(土) 03:47:08.28 ID:BTiLqWoo
あぁ…眠い。ごめんなさい!ここまでにて…!
ご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ

>>341
魔道士「お大事になさって下さい…。無理は禁物です!」

>>348
変なボールを投げて捕まえます。
あ!やせいの ゴルリン がとびだしてきた

>>350
こんな時間までありがとうございます!無理せずお休み下さい!
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/26(土) 03:53:33.62 ID:BTiLqWoo
〜オマケ〜

隊長「おい!俺達はイマイチなんつーか…インパクトがねぇ!そこでだ…ゴニョゴニョ」

女隊員「えー!?ほんとにやるんスかぁー?」

隊長「ゴチャゴチャ言ってないでやれ!」

……後日

司令官「特殊遊撃を呼んで」

秘書官「はい。来ました」

バッ!!

男隊員「ふー。……男隊員!!」

ババッ!!

女隊員「…お、女隊員!!」

バッ!!

副隊長「副隊長!!」

ババッ!!

隊長「隊長ーっ!!」

四人「みんなそろって……特殊遊撃強襲隊!!」

隊長「き…決まった…!」

司令官「…………」
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 04:13:39.39 ID:ugWUq/oP
特戦隊?
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 04:56:44.04 ID:jQDHiMSO
>>1乙〜
特戦隊ワロタwwww
魔道士やウィッチがいたという魔導学校の教師の一日もいつか見たい
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 05:13:45.58 ID:Mu7jbT20
せんせーはなんでせんせーになったんですかー?
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 05:27:44.88 ID:NakhAESO
隊長はもうギニューさんの声でしか聞こえない
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 08:20:15.44 ID:3RP0lNA0
顔もギニューでいいよ
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 09:15:06.14 ID:NJP.AVI0
じゃあおまえグルドやってよ
ちょうど人数足りなかったんだ
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 22:23:38.07 ID:FW6ncdc0
しかし、あれだな。召喚が使える四人の重要キャラが、全員別の属性で、それがここで生きてくるなんてまったく気付かなかったよ・・・・
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 23:07:59.23 ID:NakhAESO
そっか神官さん白虎だよな
368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 23:17:40.52 ID:PuGxQHAo
                     _____  
           r⌒ヽ、   .  / ー  ー\
          / \  \. / ( ●) ( ●)  
         _/ / ヽ   /     (__人__) \  
        〈__/  . |  |       ` ⌒´   | こうしちゃいられねぇ!!
             /  .\     i⌒\   / 
            ./   / ⌒ヽ, _.ヽ  .\/
        .__   r  /     |/ー、\   \ 
       ."ヽ |  i,        ノ   .\^   i
         .| ヽ./ ヽ、_../   /     .  ヽ、__ノ
         .i /  //  ./   
         .ヽ、_./ ./  /    
             ./ /      
           .ノ.^/   ダッ
           |_/  

   王   _/\_
女´‐ _‐ノv  (゚、゚ ソン   何事でございます? ワイワイ ・・・何用?ガヤガヤ
             アンタに影響されて国軍に入った訳じゃないんだからね
川゚ -゚)  ξ゚ 听)ξ  ザワザワ 戦士様の為なら国を捨てます!!


( ^ω^)「適当なAA作ってまで呼んだのには理由があるんだお」

( ^ω^)「俺も五行作りたいお、だからみんなで合体するんだお」


   王   _/\_
女´‐ _‐ノv  (゚、゚ ソン  ・・・・・・
             
川゚ -゚)  ξ゚ 听)ξ ・・・・・・


( ^ω^)「どうしたお?」
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 23:18:14.96 ID:PuGxQHAo
    フラグ
――因果律。それは決して、偶然ではない…必然。運命。宿命…。

だから俺は、今日の事を単なる偶然なんかじゃない、そう思っているんだ。

思えばこの四人と出会った事…。この四人揃った事…。

それが今日、この日を迎える宿命だったんだ…。
      ルート
そしてその道は、まだずーっと続いているんだね。

  ――Nice boat――
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/26(土) 23:46:17.45 ID:UgRFI6c0
ほどほどにしろよ
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/26(土) 23:49:00.45 ID:tlQNhjIo
ぶっちゃけおもしろくないわ
372 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 01:00:50.44 ID:YpfvEgco
魔道士「う…嘘…っ!?」

ウィッチ「効いてないで…ございますっ!」

西方参謀「総員撤退ーっ!!」

ダッ!!

西方副司令「反撃がくるわよっ!急いで!」

魔道士「っ!!」

タッタッタッタッタ…ザザッ!!

西方副司令「……!?」

西方参謀「動き……なし…」

牽制攻撃を仕掛けた一同は、城壁の物影に隠れ、アカ・マナフの様子を伺う。

ウィッチ「微動だに…しないでございますね…」

西方副司令「な…なんなの?何が目的なの…!?」

西方参謀「……各位そのまま待機。伝令は本陣に、現状報告と次なる指示を…ひっく」

伝令「かしこまりました!」

タッタッタ…
373 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 01:01:39.39 ID:YpfvEgco


戦士「何だとぉ!?」

エリート「それはまことか…っ!?」

伝令「はいっ!次なるご指示を…!!」

神官「通常攻撃が効かないとは…厄介ですね」

皇太子「うむ。どうしたものかな…」

盗賊「…どうすれば…いいのだ?」

召喚士「そうですね…。通常攻撃が効かないとなると……」

サモナー「特殊攻撃ですね」

戦士「特殊攻撃…?」

サモナー「召喚術や合体魔法の事ですよ」

戦士「……なるほどな」

隊長「やっぱりここは俺らが出るしかねーわな…」

皇太子「……」

隊長「殿下!出撃命令をっ!!」
374 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 01:02:53.37 ID:YpfvEgco
エリート「殿下…ここは……」

副隊長「時間を稼ぎます。その隙に次の手を…お願いします」

女隊員「そうッス。やる時はやるッスよ!」

皇太子「……分かった。特殊遊撃強襲隊、出てくれ」

男隊員「お任せをっ!!ヒャハハ!!」

隊長「おーし、行くぞてめぇら…!」

女隊員「了解ッス!!」

皇太子「…頼む!」

ダダッ!!

神官「今のうちに編成を…」

博士「うむ!そうなのら」

西方司令「あちらには副司令と参謀がいますので大丈夫でしょう…。それに比べ私は…はぁ…」

エリート「殿下、編成を。宜しいですね…?」

皇太子「ああ…」

召喚士「……」
375 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 01:04:02.15 ID:YpfvEgco
エリート「まずは弓兵隊と魔道隊ですが…そのまま牽制続行で宜しいですか?」

皇太子「……異存ない」

エリート「伝令。聞いての通りだ」

伝令「はっ!」

エリート「無理はせず、何かあったらすぐに中央まで退くよう申し伝えよ」

伝令「かしこまりました!!」

伝令は強く頷き、南の前線へと急ぎ向かう。

皇太子「この中で前衛を務められる者は…?」

戦士「俺と…コイツ」

盗賊「……ん」

エリート「私もですね…」

皇太子「あとは……私か」

エリート「殿下っ!!」

皇太子「…何だ?」

エリート「何だ、ではありません!殿下は後方にて指揮を執って下さい!」
376 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 01:05:29.59 ID:YpfvEgco
皇太子「……」

エリート「殿下!」

皇太子「分かったよ。そうさせて貰う」

西方司令「あ、あのぉ…」

エリート「……?」

西方司令「わ、私も…前衛なんです…。す、すみません…」

エリート「…そ、そうですか」

皇太子「残りは後衛か……」

青年兵「全員…召喚士ですね…」

召喚士「本当だ…!」

エリート「頼もしい限りだ…。宜しくお願いします」

神官「ええ…」

サモナー「多少でもお役に立てれば……」

皇太子「さて…問題は…」

博士「どうやってあの魔物と戦うか、なのら」
377 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 01:06:19.12 ID:YpfvEgco
神官「確か…人間にとり憑く能力があるとか…」

エリート「それが厄介ですね…」

皇太子「基本線は、召喚士による攻撃に頼るしかあるまい…」

召喚士「……やります!」

戦士「そこを俺らが盾になるってわけだな!」

盗賊「……」

エリート「それ以外に打つ手はありませんね」

皇太子「ふむ…。では、本陣を南の前線へと展開する!」

西方司令「はあぁ…ついに戦いがっ。皆さん、武器や準備を進めて下さい。すみません…」

西方兵「ははっ!!」

サモナー「魔道隊の中で二行以上の合体魔法が出来る者も選抜致しましょう」

エリート「ごもっともだ。前線に着いたら早速手筈を整えよう」

皇太子「よし…!敵は相当の者だが、わずか一匹。集中的に叩けば討てるはずだ!」

召喚士「やるしか…ない!」

一同は牽制攻撃を仕掛ける弓隊、魔道士の待つ前線へと、移動を開始した。
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/27(日) 01:09:59.08 ID:YpfvEgco
なんだかバタバタしてて投下時間が…

>>361
今度やってみます!!

>>366-367
そこに気付くとわ!!

>>368-369
戦士ェ…

ちょっと仮眠取ります…
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 01:45:31.44 ID:p8Udq.AO
>>1

俺もその魔物の能力がほしいな
召還士を乗っ取れば魔導師ちゃんとの距離が急接近だよフヒヒ
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 02:21:10.31 ID:qea5hADO
>>1
予想を書きたいと思いながらも、もし当たったとしたら負けず嫌いな>>1のことだから展開変えそうで怖いw
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 04:11:41.43 ID:5ewMBcDO
詰まんねー自己満足すんなよ
オメーのオナニーが作者の首を絞めてんだ
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 04:57:31.48 ID:ji7mXESO
喧嘩すんなよ
ひたすら生ぬるく>>1を応援しようぜ
このスレ住人全員でさ…
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/27(日) 10:29:51.66 ID:b04K8UAO
場を荒げたくはないが、>>381には同意せざるを得ない

レスの民度が低すぎる
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/27(日) 11:08:26.19 ID:4sJQWsAO
まぁ週刊誌みたいにまったく作者と面識ないなら予想もいいと思うがな
ここは作者が見るんだからそのあたりわきまえて姿慎めよクズって思うなー
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 11:17:27.50 ID:JhTV1QAO
オナニーは人様に迷惑をかけないでやれ
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 11:42:55.74 ID:9iWhVj.0
まあみんなで楽しく見ようぜ
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/27(日) 12:16:40.62 ID:YpfvEgco
エリート「よ…予想はよそう!…なんちゃって…」

皇太子「え?」

青年兵「えっ?」

神官「えっ!?」

エリート「……え?」

>>380
そうでもないですよー。王道ちっくなので過去にも結構当てられてますし…

まぁ予想については皆様の意見もありますので、自己責任と言いますか
臨機応変にと言いますか…えぇと…↓続き
388 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:17:42.88 ID:YpfvEgco
〜西方司令部、西側〜

ザザッ

女隊員「依然…動きはないッスね…」

副隊長「……」

隊長「まずは相手の目的をあきらかにしたい」

副隊長「ええ…っ。その為にはもう少し間合いを詰めなくては…」

男隊員「かといってよぉ…近づきゃ取り憑かれる可能性も…」

隊長「本隊との呼吸を合わせるぞ」

女隊員「えーっと…つまり……」

隊長「あっちの総攻撃開始と同時に…間合いを詰める!」

副隊長「名案です。上空の者も注意が余所へ向かいますしね…」

隊長「その間は徐々に接近しながら伏兵、増援の有無を確認」

男「おうっす!!」

隊長「他にも不審物がないか…目を光らせろ!行くぞっ!!」

女隊員「はいッス!!」
389 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:18:36.66 ID:YpfvEgco
〜西方司令部、南側〜

伝令「……との事にございます!」

西方参謀「ご苦労……ひっく…っ」

西方副司令「総動員…ね」

西方参謀「そうでもしなきゃアレは無理だろうよ…」

西方参謀は対峙するアカ・マナフを指差し、腰にした瓢箪を口元へ運ぶ。

ゴキュッゴキュッ…

西方参謀「ぷはぁ…。ういっく……この中で…合体魔法の出来る者は?」

数名の魔道兵が西方参謀の前へと並ぶ。

魔道士「あ……はいっ!」

ウィッチ「はいでございます!」

西方参謀「アンタら二人もか…。若けぇのに…ようやるわな」

西方副司令「他の者は弓兵とツーマンセルを組み、付加へ備えよ」

魔道兵「ははっ!!」

残りの魔道兵達が弓兵と合流し、二人一組の態勢を整える。
390 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:19:21.84 ID:YpfvEgco
西方参謀「まずは手始めに……火と風でいってみようかね」

魔道士「はいっ!!」

ウィッチ「かしこまりましたでございますっ!」

西方副司令「弓隊……構えっ!!」

ググッ

西方参謀「そのまま待機してろよぉ…?よーし…行くぜぇ」

魔道士「…いつでもっ!」

西方参謀「魔道隊……二行合体…撃てぇ!!」

魔道士「やあぁっ!!」

ウィッチ「いっけぇでございますーっ!」

ドドドドドドオオォォンッ!!

炎を纏った螺旋状の風が、龍の如く上空を縦横無尽に突き進む。

無数のそれは、たった一匹上空に存在するアカ・マナフの元めがけ一斉に迫る。

アカ・マナフ「……」

西方参謀「何…っ!?」
391 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:21:21.22 ID:YpfvEgco
ゴアオオォォオッ!!…ドシュウウゥゥ…

その悉くを、アカ・マナフはいとも平然と素早くかわす。

西方副司令「駄目っ!避けられた!?」

魔道士「く…っ!!」

ゴオオォォ!!

アカ・マナフ「……っ!!」

そのうちの一つが、急激に方向を変え、アカ・マナフの左肩を捉える。

ボシュウウゥゥ!!

魔道兵「一つ命中!!」

西方副司令「ダ…ダメージは!?」

西方参謀「……ないみてぇだな。…だが」

アカ・マナフ「……」

ゾクゥ…

西方参謀「…っ!!」

西方副司令「っ!!」
392 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:22:28.15 ID:YpfvEgco
西方参謀「弓隊、斉射ぁーっ!!」

弓兵「射てぇーっ!!」

ドシュシュシュシュッ!!

西方副司令「総員退避ーっ!!」

ババッ!!

火や氷を纏った無数の矢は、先程と同様にもやの中へと吸収されていく。

もやではない一部分。左肩を見つめ、アカ・マナフはぽつりと呟く。

アカ・マナフ「……あの……小娘か」

ジロッ

魔道士「…っ!」

西方参謀「もっと退がれ!奴から見えるぞ!」

魔道士「は、はいっ!!」

タタッ

魔道兵「やはり……駄目か…っ」

西方副司令「いえ…。そうでもないわよ」
393 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:23:32.34 ID:YpfvEgco
ウィッチ「……?」

西方参謀「微動だにしなかった敵さんが…初めて動きやがった」

魔道士「あ…っ!!」

西方参謀(それに…奴の肩を捉えた一撃…。明らかにもやの形状にはなっていなかった…)

魔道士「じゃあ…合体魔法を続けていれば…倒せますかね!?」

西方副司令「どうかしらね…。ダメージはないように見えるけど…」

西方参謀「どうも合体魔法はお嫌いのようだな…うぃっく…」

魔道兵「どうします!?」

西方参謀「…んじゃあお次は、氷と雷…いってみようか」

魔道士「はいっ!」

ウィッチ「氷と…雷ですか…!?」

西方参謀「あん…?」

魔道士「ウィッチちゃん?」

ウィッチ「あ…あの私、火と木と…土しか出来ないでござおまして…その…」

西方副司令「そうだったの…。構わないわよ、下がっていて」
394 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:25:07.14 ID:YpfvEgco
ウィッチ「ごめんなさいで…ございます」

西方参謀「気にするな。何かあったら土での補助を頼むぞ!」

ウィッチ「はいでございます!!」

西方参謀(まぁ…この年ぐれぇなら、普通はこんなモンだ)

魔道士「……もっと……もっと魔力を…っ」

チラッ

西方参謀(この娘…何モンだ…?)

西方副司令「弓隊!もう一度行くわよ?…構えてっ!!」

ジャキッ…ググッ……

西方参謀「次は同時にいくぞ。前列の弓隊のみ一斉射撃」

弓兵「はいっ!!」

西方参謀「同時に魔法をブチこんでやれぃ!ひっく…」

魔道士「……はい!」

西方参謀「後列の弓隊は、攻撃後の目くらましだ!いいな!?」

弓兵「了解っ!!」
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 12:27:03.01 ID:UTRuxlEo
>>394
西方参謀(この娘…何モンだ…?)

西方参謀(さすが朱雀先生のパーティーといったところか)

なんか勝手に脳内変換された…
396 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:27:12.32 ID:YpfvEgco
ザッ…

西方副司令「準備完了…っ」

西方参謀「……撃てぇ!!」

弓兵「っりゃああぁぁ!!」

バシュシュシュシュ!!…ヒュオオォォ…

西方参謀「魔道隊!続けえぇ!!」

魔道士「撃ちますっ!!」

ドドドドオオォォンッ!!

先程とはうって変わり、無数の矢と氷の雷が一直線に魔物めがけて空を切り裂く。

西方参謀「さぁ…どう出る?敵さん…っ!」

アカ・マナフ「…………」

ゴオオォォ!!

アカ・マナフ「……」

シュウウゥゥ…

西方副司令「……!?」
397 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 12:42:18.24 ID:YpfvEgco
アカ・マナフの全身は黒いもやへと変わり、その場より姿を消す。

魔道士「き…消え…た!?」

西方参謀「くそぉ!!しまった…!!」

西方副司令「目標消失っ!!退がるわよっ!!」

魔道士「は、はいっ!!」

ダダッ

西方参謀「まさか……消えやがるとはな…っ」

西方副司令「どう…見る?」

西方参謀「逃げてくれてりゃ万々歳だが…それはねーだろうなぁ…」

西方副司令「……」

伝令「本隊到着致しました!!」

西方副司令「とにかく…態勢を立て直すわよ!」

西方参謀「ああ…」

タッタッタッタ…

上空の魔物が姿を消した中、ようやく二つの隊が合流した。
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 12:43:06.75 ID:UTRuxlEo
魔道士が危ない!?
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 13:04:58.74 ID:B7hmv7I0
まどうし ちゅっちゅ の ほうそく が みだれる!
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 13:24:01.32 ID:s9r7Z7ko
まさか・・・魔道士の体をのっとってあんなことやこんなことを!
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 13:26:04.24 ID:UTRuxlEo
>>400
きっと盗賊と戦士の後にあっち側でしてくれるに違いない
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 20:05:45.50 ID:N.pm/2SO
でーんでーんでーん どんどん

403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 21:55:52.47 ID:BuUN7QSO
アカ・マナフ「神クラスと残念なおっぱいの可愛い娘ちゃんが一緒に風呂に入る、と聞いて飛んできましたwwwwwwwwww」
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 22:04:19.74 ID:ByeWqUAO
携帯でもあぷろだ見れるんだな!てかすげえwwwwww
上位ランカーとか軍の人ら見てみたいな。イメージはあるけど絵心はないwwww
405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:29:07.90 ID:YpfvEgco
エリート「何だとぉ…!?」

西方副司令「申し訳ありません……」

皇太子「構わぬ。攻めた結果だ」

神官「いかが…します?」

皇太子「…どう見る?」

神官「退却したとは思えません。おそらく何処かに潜んでいるはず…」

エリート「同意です。まずはその所在を突き止めるのが先決かと…」

皇太子「…だな」

戦士「でもよ…どうやって……」

召喚士「俺達の出番…ですね?」

皇太子「ああ…。頼む」

青年兵「……お任せ下さい」

サモナー「どこまで…やれるか…っ」

神官「……行きましょうか」

召喚士「……はいっ!」
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:29:51.32 ID:YpfvEgco
〜西方司令部、西側〜

男隊員「畜生っ!どうなってやがんだよっ!?」

女隊員「魔物の行方は依然不明ッス!」

隊長「くっそぉ…。一旦司令部へ戻るか…!?」

副隊長「それは逆に危険なのでは…?」

隊長「そう…か?」

副隊長「出方が分からぬ以上、動くのは得策でないと考えます」

隊長「……」

女隊員「珍しいッスね」

副隊長「え…?」

隊長「お前にしちゃアグレッシブな作戦だ!悪くねぇ!」

男隊員「そんじゃ、このまま進みましょうや!ヒャハハ!」

副隊長「しかし油断は禁物……」

前方の三人を見ていた副隊長の目。それは更に背後のもやへと移り変わる。

隊長「――っ!?」
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:30:26.49 ID:YpfvEgco
ブシュウウゥゥ…

もやの一部が瞬く間に人型の魔物へと姿を変える。

男隊員「しま…っ……」

アカ・マナフ「……」

魔物は組んだ両腕をほどき、前方へと突き出す。

その背後より発せられたもやが男隊員と女隊員の身体を包む。

女隊員「くぅ…っ!!」

隊長「下がれーっ!!」

ババッ!!

アカ・マナフ「……ふー」

やがてもやは晴れ、四人と匹の姿が再びその場へと現れる。

シュウウゥゥ…

隊長「全員…無事…か…?」

ウウゥゥ…

男隊員「……無事です!隊長!!クククッ!!」
408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:31:50.02 ID:YpfvEgco
隊長「!?」

女隊員「問題ありません!」

副隊長「大丈夫です!」

隊長(コイツら…口調が…っ!?)

ブンッ!!

隊長「!?」

突如、剣を振るう男隊員。その一撃を隊長は身体を仰け反らせかわす。

隊長(……ちっ、やられたか…!!)

ザッザッザ…

アカ・マナフ(一人失敗…したか)

隊長「分が悪すぎる……」

ダンッ!!

副隊長「逃がしませんよっ!!」

ギィンッ!!

隊長「く…っ…!!」
409 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:32:51.26 ID:YpfvEgco
女隊員「司令部へ行く気ですね…」

男隊員「ならば…我らが先に行ってましょう!」

タンッ!!

隊長「待て…っ!!」

チュインッ!!…ブオッ!!

副隊長「貴方の相手は……私ですよ」

隊長「……メンドくせぇ…っ」

剣を交差させ対峙する副隊長の背後に立つアカ・マナフ。

その姿を隊長は睨みつけるようにじっと見つめる。

隊長「……」

アカ・マナフ「……」

スッ

隊長「!?」

その視線を感じたのか、アカ・マナフは手を振るような仕草を見せ、

再びもやの中にその姿を消し去った。
410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:33:49.73 ID:YpfvEgco
〜西方司令部、南側〜

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

シュイィィン…

召喚士「まずは俺ら二人で探索を行います!」

エリート「頼む」

博士「おそらく島の北側にはいないはずなのら」

召喚士「コカトリス、司令部の西側を調べてくれ」

コカトリス「……分かった」

青年兵「……ワイバーンは東側を…!」

ワイバーン「……ああ」

盗賊「!?」

召喚士「せ…青年兵…くん!?」

青年兵「青龍先生には…内緒にしておいて下さいね…っ」

戦士「は…はははっ!」
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:35:24.99 ID:YpfvEgco
青年兵は苦笑し、ワイバーンを上空へと促す。

同時にコカトリスも羽ばたき、二匹の召喚獣は上空を旋回した後、東西へと散る。

サモナー「これで何か掴めればいいが…」

神官「ええ…」

皇太子「今のうちに布陣するぞ」

エリート「前衛組は……」

戦士「…おう」

エリート「お二人と…魔道士さん、ウィッチさんは西門をお願いします」

盗賊「……任せろ」

魔道士「頑張ろ?ウィッチちゃん!」

ウィッチ「はいでございますっ!」

エリート「私と西方司令…副司令、参謀は南門を…」

西方司令「はあぁ…お役に立てるかどうか…。あわわ…」

西方副司令「立てるか、じゃなくて立つのよ」

西方参謀「…マズイな。酒が切れちまった…ういっく」
412 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:36:52.29 ID:YpfvEgco
皇太子「召喚士の諸君は私とここで待機。以上で良いな?」

エリート「弓兵、魔道兵は殿下の護衛を務めよ」

弓兵「了解です!」

博士「うむ!……完璧なのら!」

助手「我らももう少し…何か手掛かりになるものを調べましょう」

皇太子「では各自……配備!」

戦士「行くぞっ!」

盗賊「…ん」

召喚士「頑張って!!」

魔道士「はいっ!行ってきます!!」

タッタッタッタッタ…

エリート「司令…。得物はそれ…ですか?」

西方司令「はい…。私めがこのようなもの…申し訳ありません…」

エリート(ツヴァイハンダー……?)

西方司令は巨大な両手剣を担ぎ上げ、南門へと向かう。
413 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:38:09.01 ID:YpfvEgco
〜西方司令部、西側〜

チュインッ!!…キィンキィンッ!!

隊長「くっそぉ…!目ぇ覚ましやがれってん…だっ!!」

バキィッ!!…ザシャアァッ

副隊長「……くっ!」

隊長「しばらくそこで寝てな!」

ダッ!!…タッタッタッタッタ

隊長(司令部の奴らがあの二人と今、鉢合わせたら…ヤベェな…!)

タッタッタ…バッ!!

隊長「……間に合って…くれよっ!」

司令部めがけ走る、隊長の前方上空より、見覚えのある召喚獣が姿を現す。

バサァッ……ゴウッ!!

隊長(朱雀先生の…コカトリスか。おおかた探索ってとこか)

上空を過ぎ去るコカトリスに向け、隊長は大声で叫ぶ。

隊長「奴はこの先にいた!今はもういねぇ!移動した可能性が高いぞっ!」
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 22:38:46.30 ID:UTRuxlEo
もう全てが伏線に見えてしまう…
まさか天才の!?みたいな…
415 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:39:11.05 ID:YpfvEgco
〜西方司令部、西門〜

タッタッタッタ…

戦士「こkは俺らに任せろ!」

門兵「お、お願い致します!」

門兵達は敬礼し、急ぎ足で司令部内へと退却を始める。

ザシャアァッ

戦士「こっから先は…誰だろうが通さねぇぜ!」

手にした戟を頭上で振り回し、それを両手で構え、門の前に立つ戦士。

テクテクテク…チャキッ

盗賊「……」

ゆっくりとその背後に、盗賊が蜘蛛切を抜刀し、添うように並ぶ。

魔道士「私は付加をメインに行うから、ウィッチちゃんは補助をお願いっ!」

ウィッチ「は、はいでございます!」

まもなく四人の元に、二人の見覚えある男女が武器を手に歩き近づく。

戦士「……?」
416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/27(日) 22:40:24.71 ID:YpfvEgco
ザッザッザッザッザ…

魔道士「男隊員さん…女隊員さん…?」

戦士「なんだ、ご帰還か。様子はどうだい?」

男隊員「特に問題ないよ…。ククッ!」

女隊員「ええ…。万事安泰よ」

戦士「!?……そ、そっか…」

盗賊「……待て」

戦士「…?」

盗賊「…何か…不自然だ」

戦士「……ああ、俺もそう感じたところだ」

盗賊「……憑かれたか」

魔道士「え…っ!?」

ザッザッザ…

戦士「武器をしまって…そこで止まりな」

男隊員「……」
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/27(日) 22:46:32.95 ID:YpfvEgco
>>398-403
なぜここでサービスシーンの流れ…っ!?

>>404
おぉ、それは見てみたいですねー!

>>414
適当に盛り込んでおくと、あとで適当に繋がるんですよ。ふふっ
なので適当な感じで適当に解釈しちゃって下さい!
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 22:49:07.23 ID:UTRuxlEo
>>417
なるほどワンピ理論か…
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 23:20:02.60 ID:BuUN7QSO
>>1乙ぅ!

西方司令「あああ、こんな私の奥義ですが…テメェの顔は見飽きたぜ。奥義!ファイナリティブr…」
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/27(日) 23:25:50.36 ID:aXl3/aQo
なんというOVER KILLフラグ
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 03:26:21.01 ID:W9yAFsAO
日本語でこk
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 07:46:27.60 ID:i611Bus0
>>421

ふいた
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 08:14:12.52 ID:vDzNil.o
日本語でコカトリスとは難しい注文を…
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 08:28:17.60 ID:JOcFywAO
>>1


アカマナフに睨まれた時、一瞬魔導師ちゃんが憑かれるのかと思ったわ…それは俺の役目で、俺はとても大切な事をやり遂げようと思ったのです。
なぜなら、彼女もまた、大切な存在だからです
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 08:29:34.64 ID:XS3SCIDO
ウェアハースの社員さん、いつもお疲れさまです。
426 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:05:10.04 ID:kWe/p1Mo
ザッザッザ…

戦士「聞こえねーのか…?止まれっ!」

ザッザッ…ザ…ザザッ…タッタッタ…

戦士「ち…っ。盗賊!そっちの女を頼む!」

盗賊「あぁ!」

戦士の叫び声とともに、男隊員、女隊員が一斉に飛びかかる。

バッ!!…キイィンッ!!

女隊員の小剣を、正面より蜘蛛切にて受け止める盗賊。

その真横では、戦士の戟が男隊員の剣を柄で受け止め、押し返す。

ギィンッ!!…ググッ……バッ

盗賊「……」

魔道士「ど、どうするんですか…っ!?」

戦士「さーて……どうしようかねぇ…」

男隊員「……」

戦士は下唇を舐めると、再びゆっくりと戟を構え直した。
427 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:06:26.85 ID:kWe/p1Mo
ドシュウウゥゥ…

コカトリス(……若干の気配が残っている)

バサァ

コカトリス(…南…か?)

コカトリスは大きく旋回し、司令部の南側へと方向を変える。



バシュウゥゥ…バサッ…バサッ…

青年兵「おかえり。どう…?」

ワイバーン「姿はおろか、それらしき気配も見えぬな…」

一同は沈痛な面持ちで、召喚獣と主のやり取りに耳を傾ける。

皇太子「北と東でないとすれば……」

神官「西か…はたまた南、か」

召喚士「……」

サモナー「コカトリスの帰還を待ちましょう」

召喚士「ええ…っ」
428 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:07:13.21 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、西門〜

キィンッ!!…ガキイィッ!!

戦士「…ぬ…ぐぅ…っ!」

男隊員「……」

バシィッ!!…ズシャッ

戦士「はぁ…はぁ…。簡単にゃ…いかねぇな!」

盗賊「…ああ」

ザッザッザ…

女隊員「……」

男隊員「……」

盗賊「…なんとか…動きを封じよう」

戦士「…どうやって?」

盗賊「……」

戦士「…はぁ。参ったな」

戦士と盗賊の懸念をお構いなしに、隊員二人は攻撃を再開する。
429 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:07:46.81 ID:kWe/p1Mo
バッ!!…ヒュオッ!!

戦士「く…っ!!」

男隊員「らあぁ!!」

女隊員「たあっ!!」

ドドオォンッ!!

戦士「魔法っ!?」

男隊員の発する炎を、戦士は左手を前へ出し、盾で素早く防ぐ。

盗賊「く……っ!!」

ゴオオォォッ!!

盗賊は跳躍し、上空で大きく身を捻り、女隊員の放つ突風を回避する。

盗賊「避けろっ!」

ウィッチ「っ!!」

魔道士「やあぁっ!」

ドドオォンッ!!…ボゴオォッ!!

矛先をウィッチへと変えた突風は、魔道士の放った土の壁に遮られ消滅する。
430 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:08:48.28 ID:kWe/p1Mo
ウィッチ「ご、ごめんなさいです…っ」

魔道士「ううんっ、大丈夫!」

戦士「魔道士!」

魔道士「はいっ!」

戦士「魔法が来たら相殺してくれ!」

魔道士「…分かりました!」

戦士「多少荒くても…なんとか食い止めるぞ!」

盗賊「…ん」

戦士「……人間相手、やり辛れぇよな…」

戦士は戟先を見つめ、問いかけるように呟く。

戦士「ふーっ…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

男隊員「…!?」

盗賊(なんという…威圧…っ!)

戦士「悪いが…手は抜かねぇぞ!!」
431 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:09:39.80 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、南門〜

エリート「……」

西方参謀「静かすぎるなぁ……」

西方副司令「逆に不気味ね…」

西方司令「そんな…っ。すみません…うぅぅ…」

ザッザッザ

エリート「会談のタイミングに合わせて…仕掛けてくる」

西方参謀「…?」

エリート「頭になかったか、と言えば…嘘になる」

西方参謀「そりゃあそうでしょうなぁ…。ひっく…っ」

エリート「だからこの…孤島での会談だからこそ護衛も多数付けた」

西方副司令「……」

エリート「しかし、多勢ではなく一匹。…しかも眷属」

西方参謀「量より質で来やがった…かねぇ…」

エリート「何が狙いだ…!?」
432 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:10:17.15 ID:kWe/p1Mo
カツカツカツ…

エリート「アンラ・マンユ…。ここからだと丁度、南に当たるか…」

西方司令「魔王の側近だなんて…はあぁ…私のせいだ…!」

エリート(そもそも…アカ・マナフは何故、魔王の元を離れていたのだ?)

西方参謀「アンラ・マンユの棲む、火山への入り口は封印したんだよな?」

エリート「ええ…。先日、特殊襲撃の連中が結界石で…」

西方副司令「それの解除が目的…?」

エリート「だとすれば、最初から向かっているでしょうし…」

西方司令「……」

エリート「それに所詮は気休め程度のもの。魔王の力があれば……」

西方参謀「……こじ開けるのは容易いってか」

エリート「そもそも魔王がその場から動く事はありませんからね」

西方司令「そうですよね…。自分から出ようなんて…はあぁ」

エリート「……?」

西方司令「魔王は身動き取れませんもんね…。あぁ、変な事を申してしまいごめ…」
433 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:11:02.94 ID:kWe/p1Mo
エリート「動けない……?」

西方副司令「…?」

エリート「動かない…ではなく、動…けない…?」

バッ!!

西方副司令「ど、どうしました…!?」

エリートは突如しゃがみこみ、おもむろに地面へ地図を描き始める。

西方参謀「……!?」

エリート「南東の火山より進み…三日月島の位置する更に先…」

西方副司令「…!?」

エリート「……狙いは『龍脈』かっ!!」

ボボボボッ…

アカ・マナフ「……ご名答」

エリート「っ!!」

西方参謀「なにぃ!?」

アカ・マナフは問答無用で漆黒のもやを周囲に放つ。
434 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:11:31.38 ID:kWe/p1Mo
ドドオオォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

アカ・マナフ「……!?」

エリート「く…っ!視界が…!?」

西方参謀「何が起きてやがる…っ!」

オオォォ…

コカトリス「……」

アカ・マナフ「……二人…外したか」

スウウゥゥッ

もやを切り裂いた石化の吐息。その隙間からアカ・マナフを睨むコカトリス。

その視線に気づいたのか、アカ・マナフはその場より姿を完全に消す。

エリート「……朱雀先生のコカトリス…!?」

西方参謀「くそぉ…っ、また消えちまったか」

コカトリス「…私は…戻るぞ」

エリート「助かった。礼を言う」

両者は表情を変えず見つめ合う。しばらくの後、コカトリスは上空へと羽ばたき去った。
435 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 16:12:47.38 ID:kWe/p1Mo
西方参謀「おぉい…。大丈夫か?」

西方参謀は倒れる西方司令、及び副司令に声をかける。

ググッ…ムクリ…

西方副司令「……」

エリート「大丈夫…か…?」

西方司令「ええっ!大丈夫です…!」

西方参謀「エリート殿っ、この様相は…どう見ます?」

エリート「……取り…憑かれたかっ!!」

グッ……ザシャアァッ

西方司令「さーて…。いっちょ行こうか」

西方司令はツヴァイハンダーを両手で大きく構える。

西方副司令「……うふふふふっ」

西方参謀「お前ぇさんもかよ…っ!」

大剣を構えた司令の横に、西方副司令がゆっくりと歩み寄る。

エリートと西方参謀は顔を見合わせ、強く頷いた。
436 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:24:36.11 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、西門〜

盗賊「はあぁ…っ!」

女隊員「……」

キィンッ!!…キキィィンッ!!

盗賊の蜘蛛切が、女隊員の小剣に同調するようにめまぐるしく動く。

盗賊(防ぐのは容易い…。問題は……)

女隊員「たあっ!」

ドドオォンッ!!

盗賊(…来たっ!!)

女隊員の放つ風の魔法を盗賊はギリギリのところまで引き付ける。

盗賊「……!?」

ウィッチ「やあっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ボゴオォッ!!

ウィッチ「補助しますでございますっ!」

盗賊「……助かるっ!」
437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:25:11.03 ID:kWe/p1Mo
ブンッ…ブンッ…

戦士「っりゃああぁぁ!!」

ブオォッ!!

男隊員「…!!」

戟の猛攻をかわし、男隊員は後方に間合いを取る。

戦士「近づけさせなきゃ時間は稼げる…」

男隊員「……ふんっ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ!!

魔道士「やあっ!」

ドドオオォォンッ!!・・・ ギキイイィィンッ!!

男隊員の炎と魔道士の氷が激しく衝突する。

戦士「時間と手間ばっかりかかる一方で…キリがねぇ…」

魔道士「戦士さんっ!正面!!」

戦士「あん…!?」

魔道士の呼びかけに応えるように、戦士は身体を正面へと向ける。
438 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:27:50.04 ID:kWe/p1Mo
タッタッタッタッタ…

戦士「隊長…!?」

盗賊「……」

戦士「どっちだ……?」

タッタッタ…

隊長「何とか間に合ったか…」

ザッ

戦士「アンタ……」

隊長「安心しろ。取り憑かれてねぇ。っつっても信用できねーだろうがよ!」

バッ!!……ガキィィンッ!!

男隊員「!?」

隊長「部下の責任は上司の責任!ここは俺に任せろ!」

戦士「…どうやら大丈夫らしいな」

盗賊「…ああ」

勢いよく男隊員へと飛び掛る隊長を見つめ、四人は安堵の表情を浮かべる。
439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:28:48.67 ID:kWe/p1Mo
隊長「うーりゃああぁぁ!!」

ドンッ!!…ドゴオオォォッ!!

戦士「…す…っげぇ威力…!殺す気かよ!?」

隊長「取り憑かれちまったんだ。殺すっきゃねぇだろ!」

戦士「別に魔物化したワケでもねーし、そこまで…」

隊長「それに、己の不甲斐なさが付け入る隙を与えるのよ!」

ブオンッ!!…ドズウゥゥンッ!!

男隊員「…っ!!」

隊長「チョコマカと逃げくさりやがって…!それでも男か!」

戦士「本気だ……」

盗賊「!?」

タッタッタッタッタ…

副隊長「逃がしませんよっ!」

隊長「くっそ…。もう追いついてきやがったか!?」

後方より迫る副隊長の姿を確認し、隊長は一つ舌打ちをする。
440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:29:24.11 ID:kWe/p1Mo
戦士「アイツは…!?」

隊長「……敵だ!!」

戦士「っ!!」

副隊長「まとめて葬ってくれるっ!!」

副隊長は立ち止まると同時に、両手を大きく前方にかざす。

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

戦士「まずいっ!!」

ウィッチ「合体魔法!?あんなの防げな……」

魔道士「……やあぁーっ!」

ドドオオォォンッ!!

副隊長の放った氷の雷。それを魔道士の炎風が包み込む。

ウィッチ「…え…っ!?」

魔道士「く…っ…うぅ……っ!」

バシイイィィッ!!

盗賊「相殺したっ!!」
441 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:30:00.43 ID:kWe/p1Mo
隊長「悪い!ソイツら頼む!!」

戦士「ハナっからそのつもりよ!!」

隊長は反転し、副隊長の元へと間合いを詰める。

追う動作を見せた男隊員だが、背後から迫る戟の突きに、身を反転する。

チュインッ!!

男隊員「……っく!」

戦士「仕方ねぇ…。骨の数本、我慢してくれよ!」

クルッ…パシッ

戦士「……っらあ!!」

戟を逆さに持ち、それを勢いよく男隊員めがけ振り下ろす。

ヒュオッ!!……ドズッ!!

戦士「!?」

戟は空を切り、そのまま勢い余って地面へと叩きつけられる。

男隊員「……ククッ」

前方へ間合いを詰めた男隊員は不敵に笑い、戦士の頭上へ長剣を振り下ろした。
442 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:40:11.14 ID:kWe/p1Mo
ガカアァッ!!

男隊員「――ッ!?」

振り上げた長剣が避雷針のように、頭上の雷を受け止める。

それは男隊員の全身を巡り、衝撃によって脱力し跪く。

男隊員「う…っ…ぐぐっ」

戦士「……無茶…するなぁ」

魔道士「微弱です!致死には至りませんっ!」

ウィッチ「そんな…調節まで…っ!?」

戦士「なーるほど…。そういう事なら……」

戦士は激を後方の地面へ突き刺し、腰に帯びた雷切の柄に右手を伸ばす。

戦士「俺の魔力なら…致死量には至らんだろう」

魔道士「で、でも…斬ったら……」

盗賊「……みね打ちか」

戦士「持ってて良かった刀…ってな。つくづく思うぜ!」

戦士は口元を緩めながら、雷切の鞘を上下逆さに構え直した。
443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/28(月) 17:44:28.59 ID:kWe/p1Mo
〜西方司令部、中央〜

ゴウッ……バサッバサッ

召喚士「どうだった!?」

コカトリス「奴は西へ現れ、その後…南へと移動したようだ」

神官「!?」

コカトリス「しかし南でも再びその姿を消し…今の所在は不明だ」

召喚士「そっか…。ありがとう」

シュイィィン…

サモナー「南…西、そして南。次は……」

皇太子「西…と考えるのが一番しっくりくるかな」

召喚士「どうします…?」

青年兵「既に数時間が経過しています。あまり長期戦に持ち込むのも…」

皇太子「ああ…。次の出現でケリをつけたいところだな」

博士「ど、どうするのら…?」

皇太子「……出撃しようではないか」
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 18:34:38.50 ID:.eDdFAAO
いよいよって感じだな!
wwktk!
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/28(月) 18:40:33.32 ID:kWe/p1Mo
こんにちは!本日もご支援ありがとうございます!
ちょっと首と肩痛がひどいので今日は休ませて頂くかもです…すみません
では失礼致します!ノシ

>>421
なんというコカトリス!!

>>424
魔道士「いつもありがとうございます!エヘヘ!でも、名前間違えるなんて…ひどいですっ!」
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 18:44:00.68 ID:JOcFywAO
魔王の部下でこの調子じゃあ、魔王全滅はまだまだ先じゃないのか
どこから湧くんだその自信は…

俺が国軍の一人だとして、そんな無謀な計画聞いたら、3日間発狂して1日寝込んで次は泡吹いて気絶して目覚め次第邪魔者であるエリートと召還士の命を狙い魔導師ちゃんと末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし


ってなるわ
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 18:56:49.68 ID:.eDdFAAO
今日も乙なんだぜ!休む時はしっかり休もう!

>>446
いいからお前は魔導師(76)と昇天してろ
俺は戦士のアニキに弟子入りして余った子をだな…
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 19:11:57.07 ID:sZhJa6AO
封印の定義がいまいち分からないな。
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 19:51:51.70 ID:ZFmglfgo
戦士「持っててよかったPSP」
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 20:01:21.00 ID:FGVtM6DO
>>1乙!
召喚士パーティーが他の人達から褒められたり一目置かれたりするとなんか誇らしい気分になって嬉しいぜ!
あれがうちの魔道士です!とか言いたくなるww
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 21:02:03.68 ID:WRTDEIDO
おかしいよねおまえは何もしてないのに
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 21:38:16.61 ID:NM2Ap7E0
日本語でこk
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 23:36:03.25 ID:hQ632tYo
    ____
   /__.))ノヽ
   .|ミ.l _  ._ i.)
  (^'ミ/.´・ .〈・ リ
  .しi   r、_) |  魔道士はわしが育てた
    |  `ニニ' /
   ノ `ー―i´
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 00:28:50.31 ID:LehmBcSO
魔物図鑑ってなんで秘密なのかな?
公にした方が兵士もワーカーも致死率下がりそうなのに
未完成だったら協力して貰った方が完成も早そうじゃない?

ちょっと疑問に思ったので…いつも乙です
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 00:32:43.81 ID:/..IJgAO
コカトリスって脳内変換だとヒッポグリフみたいな姿想像しちゃうけど実際はけっこうキモい姿してんだよなぁ
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 00:34:35.65 ID:s1OuJ1YP
>>455
屋上行こっかwwww
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 00:55:11.22 ID:jPQiP0A0
>>455

風下に回ろうか
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/29(火) 01:06:42.99 ID:RbOeW.co
架空のモンスターを"実際は"て

まあ言いたいことはわかるが
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 03:45:02.24 ID:bDaHvUSO
>>453
マジシャンのイメージが固定されたwwww
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 04:00:22.56 ID:VTS71noo
僕はにわとりだなあ
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 04:56:50.24 ID:..et4VQo
|
|ノノノノ
|゚∋゚)
|  )  
|ミ/
|
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 07:07:39.19 ID:wO7nmCM0
クックル帰れ
463 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 10:21:20.85 ID:jPQiP0A0
タクティクスオウガのコカトリス...
464 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:03:04.86 ID:GLF8Yfco
青年兵「……殿下、宜しいのですか?」

皇太子「ん?」

青年兵「我らが出れば…殿下をお守りする…」

皇太子「弓兵、魔道士兵がこれだけいる。問題はなかろう」

召喚士「……」

皇太子「下手に動けばエリートにきつく咎められてしまうしな…」

青年兵「……」

皇太子「それに、魔法も使えぬ私が前線に出たところで…役にも立つまい」

サモナー「では、宜しいのですね?」

皇太子「召喚術の使い手が四人もいるのだ。信じているぞ?」

神官「…かしこまりました。参りましょう」

召喚士「はい」

サモナー「……では」

青年兵「殿下、ご武運を!」

皇太子「ああ…諸君らも頼むぞ!何かあればすぐに退け。無茶はするな」
465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:04:12.41 ID:GLF8Yfco
ザッ…

召喚士「では、行きましょう!」

神官「ええ…」

西門へと向かう四人を、皇太子は背後から見送る。

皇太子「博士、衛生兵を数人こちらへ回してくれ」

博士「了解なのら!」

皇太子「これ西以外であれば…完全に詰み、だな」

博士「まぁ、問題ないのら」

皇太子「……?」

助手「司令部は結界石で固めてあります。内部までは侵入出来ないでしょう」

博士「うむ!仕掛けてこないのがその証拠なのら」

皇太子「…魔物は、な」

博士「取り憑かれた人間ならば…確かに意味はないのら」

皇太子「そうならぬ事を祈るしかないな…」

皇太子は左手を上げると、身体の向きを南へと転換し、他の兵もそれに続いた。
466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:04:52.29 ID:GLF8Yfco
〜西方司令部、南門〜

西方副司令「……」

ドドオオォォンッ!!

西方参謀「うお…っと!」

ドドオオォォンッ!!

西方参謀「ほいよっ!」

西方副司令の放つ氷柱を、西方参謀は土の壁で次々と防ぐ。

西方参謀「土行は苦手なんだよなぁ…」

エリート「すまん!助かる…っ!」

西方参謀「いーえ!」

エリートは土壁を盾に、西方司令へ間合いを詰め寄る。

エリート「はあっ!」

ギィンッ!!

西方司令「どうした!?そんなものかね…?」

エリート「ぐ…っ……くっ!」
467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:05:31.97 ID:GLF8Yfco
ツヴァイハンダーの巨大な刀身は、盾のようにエリートの剣を防ぐ。

西方司令「さぁ!まだまだですよぉ!!」

西方司令はその大剣を振り上げ、押し出されるようにエリートは上空へ浮き上がる。

エリート「…ちぃ…っ!」

空中で身体を反転させ、エリートは右手より突風を巻き起こす。

しかし、突風は西方司令へ着弾する事なく、突如現れた土壁にり遮られた。

西方副司令「……うふふ…っ!」

ヒュンッ!!…バゴオオォォッ!!

激しい轟音とともに砕け散った土壁の中より、大剣の刀身が姿を表す。

直後、西方司令は宙に跳び、返す刃をエリートめがけ振り上げる。

エリート「くっ!!」

西方司令「死ねぇ!!」

ブオッ!!…ドゴオォッ!!

ツヴァイハンダーがエリートを捉え、その身を地面へと叩きつける。

ゴシャアアァァッ!!
468 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:06:37.97 ID:GLF8Yfco
エリート「……う…っ」

スタッ

西方司令「……」

西方司令は右手に刺さったナイフを抜き取り、地面へと放る。

西方参謀「っらよぉ!」

ドドオオォンンッ!!…ガカアァァッ!!

西方司令「っ!!」

西方副司令「…かは…っ!!」

頭上からの落雷によりよろめく二人を横目に、西方参謀はエリートの元へ駆け寄る。

グイッ

西方参謀「起きれっか!?」

エリート「うぐ……っ…!」

苦悶の表情を浮かべるエリートを担ぎ、西方参謀は後方へと下がる。

西方副司令「……くぅ…っ!」

西方司令「……ちっ!」
469 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:07:58.75 ID:GLF8Yfco
タッタッタッタッタ…

西方参謀「ここでなんとかやり過ごすか…っ」

エリートを担ぎ下ろし、西方参謀はポケットの傷薬と包帯を取り出す。

西方参謀「とりあえずこれで……ガッ万してくれやっ」

エリート「……かはっ!……す、すまん…助かった」

西方参謀「なぁに…。しかしこれは一度退くかざるを得ないなぁ…」

エリート「……っ」

西方参謀「本陣まで退がり、状況報告と治療に専念しよう」

エリート「く…っ」

ググッ…

西方参謀「お、おい…っ。無闇に動くと……」

エリート「大丈夫。折れてはいませんから…」

西方参謀「……」

エリート「中央…までは…?」

西方参謀「あ、ああ…。こっちから回れる!行こう!」
470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:08:58.32 ID:GLF8Yfco
〜西方司令部、南門〜

隊長「うるああぁぁーっ!!」

ビュオッ!!…ドゴオオォォ!!

副隊長「流石…簡単にはいきませんね」

隊長「魔族の手先になっても…随分と冷静なヤローだぜ…」

副隊長「……」

隊長「足の一本でもへし折って、身動き止めてやるか…」

ザッザッザ…ジャキッ

隊長「ふー……」

副隊長「…っ!!」

隊長「死ー……」

ズズズッ…ボシュウウゥゥ!!

隊長「!?」

戦士「あ…あのもやは…!?」

盗賊「……奴かっ!」
471 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:10:26.60 ID:GLF8Yfco
対峙する隊長と副隊長。その背後に黒いもやが現れる。

隊長「…ちっ。親玉の登場かい」

先程までの様相と変わり、小型のアカ・マナフがもやの中より出現する。

小型と言っても、その全長は4m程度はあろうかというものであり、

一同はその魔物を見上げ、一斉に身構える。

ババッ!!…ザッ…

隊長「……」

アカ・マナフの前へ並ぶ、部下の三人を見つめ、隊長も距離を取る。

その両脇に並んだ戦士と盗賊がゆっくりと口を開く。

盗賊「…どうする」

戦士「流石にバケモンまでは手が回らねぇぞ…!」

隊長(後ろの魔道士らを交えても5人か…)

チラッ

隊長「…なんとかなる。……とは思えねぇな」

振り返り、西門を見つめる隊長の顔がみるみる驚きへと移り変わる。
472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:12:02.17 ID:GLF8Yfco
隊長「……!!」

戦士「…来たかっ!!」

盗賊「……良いタイミングだ」

魔道士「召喚士さん!」

ザッ

召喚士「お待たせしました…!」

青年兵「アカ・マナフ…!?」

サモナー「それに手前の三人は…!?まさか・・・っ!」

神官「一足遅かったかもしれませんね……」

隊長「いんや、上出来だ。アンタらはあの親玉の相手を頼む」

アカ・マナフ「……」

副隊長「ふっふっふ…はははっ!このお方を…倒せるとでも…!?」

隊長「あのうるせぇのは、俺がやる」

戦士「んじゃ俺は引き続きあっちの男。盗賊、お前はそっちの女だ」

盗賊「…了解!」
473 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 17:13:22.93 ID:GLF8Yfco
ザッザッザ

青年兵「僕達に…やれるのか…っ!?」

神官「やるしか…ないようです」

サモナー「そうですね…。随分と骨が折れそうですが…」

召喚士「……」

魔道士「召喚士さん…っ」

声をかける魔道士の肩を掴み、戦士は首を横に振る。

戦士「やめとけ…」

魔道士「……っ」

戦士(……洞察が出来る俺には分かる。とんでもねぇ集中力だ)

召喚士「……」

ジャリッ

隊長「召喚まで盾になるぞ!その後は一気に突撃だ!!」

盗賊「…・・・承知っ!」

戦士「おっしゃあ!いけぇ、ブチかましてやれっ!!」
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 17:40:58.20 ID:vZS8ev2o
熱いなぁ
475 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:00:07.93 ID:GLF8Yfco
召喚士「行けっ!コカトリス!!」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

神官「我に力を貸したまえっ!セクメト!!」

サモナー「おいで…!スキュラ!!」

シュイィィンッ…キイイィィ……

青年兵「!?」

神官「…っ!?」

サモナー「…なん…だ!?」

召喚士「……っ!?」

四人の召喚士が四匹の召喚獣を同時に呼び出す。

ウィッチ「す…凄…っ…」

ドドドドドド……

コカトリスとワイバーンが勇ましく上空へと飛び立ち、

地上ではセクメトとスキュラが左右二手にと分かれる。

戦士「おっと…見とれてる場合じゃねぇや!」
476 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:00:47.15 ID:GLF8Yfco
ダッ

地上に立ちはだかる二匹の召喚獣が戦闘態勢に入ると、

その間を隊長が陣頭に立ち、戦士と盗賊がそれに続いて駆け抜ける。

戦士「らあぁ!!」

盗賊「…しっ!!」

シュンッ!!……ギキイィッン!!

隊長「アカ・マナフから引き離せっ!!」

戦士「おうよっ!」

ブンッ!!……タタタッ…ズサァッ

三対三の攻防となった局面は、均衡しながら舞台を後方へと下げる。

サモナー「うまく引き離れたな…っ」

神官「ええ…。あの者、卓越した戦闘手腕ですね」

間合いをうまくコントロールし、距離を離した隊長の動きを、神官は目で追う。

青年兵「召喚士さん!」

召喚士「うん!挟撃で当たろうっ!!」
477 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:01:58.66 ID:GLF8Yfco
召喚士の言葉に呼応するかのように、二匹の召喚獣は宙を旋回する。

それとほぼ同時にセクメトとスキュラ、地上の二匹も間合いを一気に詰める。

アカ・マナフ「…攻撃は…苦手なんだよ」

アカ・マナフは気だるそうに前方のコカトリスより距離を取る。

ワイバーン「食らえぇ!!」

ゴアオオオォォッ!!…ボシュウウゥゥ

背後を取ったワイバーンの、炎の息がアカ・マナフを直撃する。

しかし炎は黒いもやとともに消滅し、もやは再びアカ・マナフの身体を成す。

コカトリス「ならば……形状変化させぬのみ!」

コカトリスは大きく口を開け、石化の吐息を一気に放つ。

ドドオオオオォォンッ!!……ゴアオオォォッ!!

アカ・マナフ「石化は…厄介だな…」

ボンッ!!……ボシュウウゥゥ

召喚士「くそ…っ!」

アカ・マナフの全身が再び煙上に変わり、突風で石化の吐息を押し返した。
478 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:03:07.21 ID:GLF8Yfco
〜西方司令部、中央〜

エリート「…くっ……はぁ…はぁ」

西方参謀「もうじきだ、頑張れ!」

ザッザッザ…

皇太子「……ん?」

正面より近づく二人に皇太子は表情を変える。

皇太子「どうした?他の者は…?」

ザッザッザ…

西方司令「……くくっ」

博士「殿下、なにやら様子が……」

皇太子「……らしいな」

血を流しツヴァイハンダーを手にした、不気味な笑みを浮かべる男。

西方司令のその姿を見て、。皇太子は剣を抜き、構える。

西方副司令「……」

西方司令「……」
479 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:04:02.80 ID:GLF8Yfco
ザッザッザ

皇太子「…これはどうやら……」

ザッ

西方参謀「おいっ!あれを…っ!?」

エリート「殿下っ!!」

西方参謀「ソイツらは取り憑かれて…っ!」

ヒュオッ!!…キィンッ!!

皇太子「……ああ、分かってる!」

西方司令の大剣による一撃。皇太子はそれを正面より受け止める。

エリート「え、援護をっ!!」

タタッ

西方参謀「あっ、おい!?……ちっ!!」

タンッ

エリート「殿下っ!!」

皇太子「こいつはなかなか…楽しめそうな相手ではないか…っ!」
480 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:11:19.08 ID:GLF8Yfco
ギィンッ!!…キキイィンッ!!

西方司令「……」

皇太子「……っ」

ババッ

エリート「殿下!!だから無茶を……」

皇太子「君がいるから無茶できるんだ。援護頼むぞ」

一度間合いを取り一呼吸置く皇太子の前へ立つエリート。

その行動を見て皇太子は声をかける。

タッタッタ

西方参謀「エリート殿、あんたは退いて下されや」

エリート「……」

皇太子「エリート、怪我をしているのか?」

エリート「……問題…ありません」

グイッ

エリート「…!?」
481 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:16:53.61 ID:GLF8Yfco
皇太子「それならば話は別。一旦退が…」

エリート「殿下が同様の立場なれば!如何致しますかっ!」

皇太子「……」

エリート「退きませぬ!」

皇太子「…そうか、そうだな。分かった…無理を承知で言おう。援護を頼む!」

エリート「……かしこまりました…っ!」

エリートは強く返答すると、皇太子の脇に並び立ち、長剣を構える。

西方参謀「副司令は…こっちで食い止めますわぁ」

皇太子「博士!下がっていろ!」

博士「うむ!」

皇太子「それから…解除の方法は分かるか…?」

博士「おそらく…本体を倒さないとダメなのら!」

皇太子「…そうか。伝令っ!」

伝令「はっ!!」

皇太子「西門の様子を探って参れ!」
482 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/29(火) 18:19:57.97 ID:GLF8Yfco
伝令「かしこまりました!」

ダダッ!!

皇太子「奴が西門へ移っていれば…我らの勝機も見えてくる」

エリート「……?」

皇太子「召喚士四人を西へ派遣した」

西方参謀「なんとまぁ…大胆な…っ」

皇太子「そこでアカ・マナフを撃破してくれれば…」

エリート「我らの…勝ちですな…」

皇太子「それまで、この二人をここで食い止める!」

エリート「ははっ!」

西方参謀「殺すわけにゃあ…いかんもんなぁ…」

ジャリッ…

西方司令「……」

皇太子「さぁ……来いっ!!」

皇太子は剣を構え直し、鼓舞するように大声で叫んだ。
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 18:45:25.64 ID:lbyc7EAO
隊長の男気に惚れそうだわ
惚れても良いですか?掘られても構わないので!
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 18:49:59.80 ID:rMyjzTEo
中ボスも強くなってきたなー
485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:35:03.62 ID:oak8Dyko
ガッ万
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:40:23.62 ID:8.XbiBEo
>>485
どこかにぬるぽってあったんだよ
そっとしてやれ
487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 21:41:03.53 ID:rMyjzTEo
>>485
ぬるぽ
488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 22:42:54.44 ID:1.INMwDO
>>485
気持ちはわかるが、これは>>1の絶対にレスが貰えるコピペシリーズなんだ。
レスしたら負けだぜ?
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/29(火) 23:00:36.56 ID:1cFHegA0
>>485
>>485
>>485
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 00:09:39.99 ID:k6ddxMAO
>>487
ガッ















ぬるぽ
491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 00:15:38.87 ID:9Pc8r6DO
>>490
ガッ
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 00:19:16.64 ID:Ghjya7go
みんな俺の>>486のぬるぽはスルーなんだな…
493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 00:43:19.33 ID:L1p8XpAo
ガガガッガガガッ
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 00:45:12.34 ID:eDKTfZwo
ガーオガイガー!
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 01:13:26.63 ID:xD1KyoSO
あぁ〜サッカー気になるわ
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 01:45:16.14 ID:MC4Yb7Y0
負けちゃったね…
497 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 01:47:25.39 ID:w5N7ySwo
魔道士「日本代表…負けてしまいましたけど、お疲れ様でした!」

盗賊「…よく…頑張ったぞ!!」

魔道士「ぬるぽ!」

……おやすみなさい!ノシ
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 01:48:01.36 ID:Ghjya7go
おやすみ〜
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 01:50:55.19 ID:KwH/HLk0
ガッ
今日も>>1
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 01:56:01.55 ID:xD1KyoSO
ッガ
おやすみなさい
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 02:26:39.28 ID:FaUGkcAO
手が震える…
ぬるぽがそこにあるのにっ!
魔道師ちゃんをガッするなんてできない…
俺はどうすればいいんだ!
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 04:04:27.62 ID:cmwRuBU0
kimoi
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 04:57:35.46 ID:apeIMoDO
ここではよくあること
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 07:22:06.14 ID:c8h0vEY0
かずにゃんみたいなやつだな
きもちわるい
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 08:15:05.30 ID:k6ddxMAO
>>497
ガッ
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 12:57:55.99 ID:4anW3oAO
 ∧_∧
( ・∀・) || ガッ
と 召 ) ||
 Y /ノ  人
  / )  < >_∧∩
`_/し′//V・ω・)/
[////]彡    魔 /
 ̄ ̄ ピコンッ
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 17:49:33.95 ID:fYCObsAO
魔導師ちゃんって魔道士ちゃんだったのか…
なんでお前らが魔導師(60)とか言ってたのかの謎が今判明した…

ごめんね魔道士ちゃん、今日から本当のアイラビューが始まるよ*^^*
508 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 17:54:42.71 ID:deDL8K2o
コカトリス「ちぃ…っ」

召喚士「駄目か…!」

アカ・マナフ「……」

神官「煙状の…あの姿をまずはなんとかせねば…」

サモナー「手立ては……」

青年兵「一瞬でも…動きを封じる事が出来れば…っ」

神官「……」

召喚士「…合体…魔法ですかね?」

神官「しか…ないようですね…」

召喚士と神官は顔を見合わせ、後方の魔道士へと振り返る。

魔道士「……!?」

召喚士が力強く頷くと、呼応するかのように魔道士も頷く。

アカ・マナフ「まぁ…そう考えるよね」

魔道士「っ!!」

突如、背後からの声に振り向く魔道士。眼前に黒いもやが集まり始める。
509 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 17:55:42.16 ID:deDL8K2o
ズズズッ…

アカ・マナフは冷静に思い返す。

アカ・マナフ(この人間…厄介極まりないな)

ズズッ…

アカ・マナフ(接近して改めて分かる…。魔力の潜在能力…)

魔道士「……くっ!!」

アカ・マナフ(まぁ…身動きを封じてしまえば問題ない…か)

黒いもやは湧き出すとともに、一気に魔道士めがけ襲い掛かる。

隊長「しまった…!!」

召喚士「魔道士さん…っ!!」

魔道士「――っ!!」

もやが身体を包み込む寸前、魔道士は背後からの衝撃に大きくよろけ、倒れる。

ドンッ……ドシャアァ

ウィッチ「……はぁっ!はぁ…っ」

背後より魔道士を突き飛ばしたウィッチの身体が、黒いもやの中へと取り込まれた。
510 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 17:56:56.04 ID:deDL8K2o
魔道士「ウィッチ…ちゃん…っ!?」

戦士「ち…っくしょお!」

アカ・マナフ「……」

ズズズッ…ヒュンッ

もやは上空へと立ち上り、アカ・マナフへと姿を変える。

晴れた地面にはウィッチがうな垂れるように俯き、ただ立ち尽くしている。

青年兵「ま…さか…!?」

盗賊「魔道士!離れろっ!」

魔道士「…!!」

ウィッチ「……やぁっ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォッ!!

突如顔を上げ、至近距離から魔道士へ炎を放つウィッチ。

魔道士は咄嗟の判断で、回避ではなく土壁による防御を選択する。

ドドオオォォン!!…ボゴオオォォ!!

両者の魔法は相殺され、激しい石つぶてとともに消滅する。
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/30(水) 17:59:14.69 ID:7e8kIuAo
>>1
ポケモンいしつぶて
512 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 17:59:26.95 ID:deDL8K2o
オオォォ…パラパラッ…ゴトッ

魔道士「ウィッチ…ちゃん…っ」

ウィッチ「……」

ザッザッザ

隊長「取り憑かれた!敵だぞっ、躊躇するな!」

魔道士「……は、はい…っ!」

隊長(あの小娘、身を犠牲に魔道士を庇った…)

ジャキッ

隊長(悪い言い方だが…正直助かったぜ。逆なら…詰んでたな)

副隊長「さぁ、また一人減りましたよぉ?」

隊長「ゴチャゴチャうるせぇ!たたっ斬ってやろうか?…あ?」

副隊長「おぉ、これは怖い…っ」

副隊長はおどけながら、隊長より間合いを取る。

隊長(アイツらが親玉倒すのが先か、体力切れでこちらが全滅か…)

隊長はアカ・マナフを見上げ、一つ溜息を吐いた。
513 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:00:41.75 ID:deDL8K2o
〜西方司令部、中央〜

皇太子「ふんっ!!」

西方司令「……っ」

ギキイィンッ!!……ギチギチッ!!

皇太子「……ぬ…うぅ…っ!」

西方司令「……ふんっ!」

ガキィッ!!

皇太子は決して未熟な腕前ではない。

剣術、槍術、弓術、格闘術…それなりに多芸である。

一国の皇太子であるのだから、それは当然といえば当然。

それぞれ腕の立つ武芸者が指南を務め、幼少の頃より一流の師に学んでいるのだ。

己が魔法を一切使えない事もあってか、彼の努力はとてつもないものであった。

おそらくその腕は、上位ランカークラスに勝るとも劣らないレベルであろうか。

それでも目の前に対峙するツヴァイハンダーの男のように、更に上の者もいる。

それでも皇太子はひたすら剣を手に、退く事なく戦い続ける。
514 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:01:45.12 ID:deDL8K2o
それは、部下であり腹心であり、幼馴染みでもあるこの男が、常に横にいるからである。

エリート「はあぁっ!!」

西方司令「!?」

ガキイィンンッ!!

皇太子「ふんっ!!」

ビュオッ…ギキイィッ!!

西方司令は大剣を巧みに操り、二人の猛攻を食い止める。

エリート「二人がかりだというのに…っ!?」

皇太子「……強いっ!」

西方司令「……ああぁ!!」

ブンッ!!…ドドオオォォンッ!!

振り回すツヴァイハンダーを再び構え直し、西方司令は笑う。

皇太子とエリートは押し返された間合いを再びゆっくりと詰め、笑う事はない。

エリート「なんとか足を止めなくては……」

皇太子「……」
515 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:03:03.07 ID:deDL8K2o
ジャリッ…

皇太子「……参謀っ」

西方参謀「…はいな?」

皇太子「5秒で奴の動き…止められるか?」

西方参謀「……手段によりますなぁ」

皇太子「殺さず傷付けず…足止めだけに留めたい」

西方参謀「聖者のようなご要望で…」

エリート「出来るのか?」

エリートは少し声を荒げて、西方参謀へ問いかける。

西方参謀「殺さず…は可能ですが、傷付けず…までは難しいですなぁ」

皇太子「手段はあるのだな?」

西方参謀「5秒…お願いしますぜ。殿下」

皇太子「……承知した」

エリート「殿下…っ」

皇太子「参謀のフォローを頼むぞ!」
516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:04:09.29 ID:deDL8K2o
皇太子は西方司令めがけ、勢いよく走り出す。

タタッ…タタタッ

西方司令「……」

瞬間、手前で急停止し、その向きを一気に西方副指令へと向ける。

西方副指令「…!?」

西方参謀「エリート殿!投げろっ!!」

皇太子と交差するように西方参謀は方向転換し、エリートへ指示を出す。

エリート「!?」

ダンッ!!

エリート「成程…っ!承知した!!」

援護の為に跳躍したエリートは、手にした長剣を西方司令へ投げ付ける。

当然、そんなものはいとも容易く受け止められるが、エリートはそれを見て笑う。

エリート「これでよしっ!」

西方参謀「でっけぇ剣が功を奏したなぁ…!」

西方参謀の両手から迸る雷が、西方司令の手にした二本の剣へ感電する。
517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:05:54.48 ID:deDL8K2o
ズガアアァァッ!!…ドドオオォォンッ!!

西方司令「ぐう…っ…!?」

刀身を媒体に、電流が西方司令の身体を流れる。

ふらつきながらも着地の態勢を必死に取る西方司令。そこへエリートが走りこむ。

エリート「……これでっ!」

手にした鞘を大きく振りかぶり、鳩尾めがけて突き出す。

ドグッ!!

西方司令「が……っ…!!」

鈍い音とともに西方司令の身体は、着地前に後方へと吹き飛び倒れる。

西方参謀「上出来っ!!」

すかさず西方参謀の両手に光が集まり、瞬時の内に土行が放たれる。

西方副指令「……くっ」

皇太子「させるかっ!!」

西方副指令が打ち放った氷撃刃西方参謀を背後から狙ったものだが、

塞ぐように立ちはだかった皇太子の剣により、軌道を大きく上空へと変える。
518 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:08:20.63 ID:deDL8K2o
ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

矢のような氷は皇太子の頬を掠め、吹き抜けから上空へ抜け、消失する。

皇太子「…ぬ…っぐ!」

エリート「殿下っ!?」

瞬時に見極め、刀身で裁いてみせたその技量は、一同も度肝を抜いた。

その僅かな隙を見逃さず、頬より血を滴る皇太子は声を荒げて号令する。

皇太子「いけぇ!!」

西方参謀「5秒ジャストでっせ!」

西方参謀の放った土が、蔓の様な形状を模し、西方司令の四肢を捉える。

西方司令「……!?」

ググッ……ダンッ!!

そのまま地面へ叩き付けると、大の字で地中へ飲み込まれた様に、身体を埋める。

皇太子「こっちも……だっ!」

ガスッ!!

その隙に西方副指令の背後へ回った皇太子は、剣の柄で後頭部を強く突いた。
519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:14:03.54 ID:deDL8K2o
西方副司令「か……っは!!」

ドサァ

皇太子「すまんな。女性に手を加える事は…したくなかったのだが…」

意識を失い倒れる西方副指令を、皇太子はゆっくりと担ぎ上げる。

皇太子「博士っ!衛生兵を急がせよ!」

物影に隠れ息を潜めていた博士が恐る恐る顔を出す。

博士「わ、分かったのら!」

テクテク…

西方参謀「大丈夫ですかい…?」

エリート「す、すまん…っ」

皇太子「西方司令はどうだ?」

西方参謀「身動きを封じました。軽症程度かと…」

皇太子「…そうか」

西方参謀「得物を奪っておけば、仮に抜けても抑え込めるでしょうよ」

皇太子「……だな」
520 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 18:18:49.67 ID:deDL8K2o
博士「衛生兵が来たのら!怪我人はこっちに!」

皇太子「副司令とエリートの回復を頼む」

衛生兵「はあっ!」

皇太子「参謀と私はもうしばしここで待機」

西方参謀「仰せのままに」

皇太子「弓兵隊、魔道隊は二手に展開し、通路及び司令部内の要所を警備せよ」

魔道兵「かしこまりました!」

屋内にて待機していた兵達が、一斉に目まぐるしく移動する。

西方参謀「こっちは片付きましたかな?」

皇太子「だといいな。増援がない事を願うばかりだよ」

西方参謀「ごもっともで…」

皇太子「西方司令に動きがなくば、我らも西門へ向かうぞ」

西方参謀「仰せのままに…。おっと、その前に……」

皇太子「……?」

西方参謀「酒が切れました。補充せにゃあ持ちませんわ。わっははは!」
521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/30(水) 18:34:16.37 ID:deDL8K2o
こんにちはー。うぅ…もうやだ…
西方副指令→西方副司令、でお願いします…
あとでまとめて置換しようと思ったのに…忘れてた…

それでは失礼します。ご支援ありがとうございました…
522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 18:45:53.59 ID:tkEREkso
>>1

>>507
要らないからって、今までの女を簡単に捨てるような奴に…
魔道士ちゃんが好意を向けるとでも思うか…?
諦めて魔導師(60)と末永くお幸せに^^
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 18:46:42.91 ID:ZUfU8sDO
触れてやるなよ
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 21:00:25.62 ID:pzgHKQ.o
真・スルー 何もレスせず本当にスルーする。簡単なようで一番難しい。
偽・スルー みんなにスルーを呼びかける。実はスルーできてない。
予告スルー レスしないと予告してからスルーする。
完全スルー スレに参加すること自体を放棄する。
無理スルー 元の話題がないのに必死でスルーを推奨する。滑稽。
失敗スルー 我慢できずにレスしてしまう。後から「暇だから遊んでやった」などと負け惜しみ。
願いスルー 失敗したレスに対してスルーをお願いする。ある意味3匹目。
激突スルー 話題自体がスルーの話に移行してまう。泥沼状態。
疎開スルー 本スレではスルーできたが、他スレでその話題を出してしまう。見つかると滑稽。
乞食スルー 情報だけもらって雑談はスルーする。
質問スルー 質問をスルーして雑談を続ける。
思い出スルー 攻撃中はスルーして、後日その思い出を語る。
真・自演スルー 議論に負けそうな時、ファビョった後に自演でスルーを呼びかける。
偽・自演スルー 誰も釣られないので、願いスルーのふりをする。狙うは4匹目。
3匹目のスルー 直接的にはスルーしてるが、反応した人に反応してしまう。
4匹目のスルー 3匹目に反応する。以降5匹6匹と続き、激突スルーへ。
525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 21:46:26.76 ID:pmA/b9Ao
>>505
ッガッガッガオガイガー
526 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 23:10:54.20 ID:w5N7ySwo
〜西方司令部、西門〜

戦士「っらぁ!!」

男隊員「……」

盗賊「……」

女隊員「ふふ…っ」

バシッ!!…ギキィンッ!!…キィンッ!!

戦士「くっそぉ…!近づけねぇ!」

隊長「無理する事はない!自分の敵だけに集中しろっ!」

盗賊「……」

隊長「それとも…お前らのお仲間は、助けがねぇとマトモに戦えねーのか?」

戦士「……そんな事はねぇ!」

隊長「だったら任せておけ。だいたい余所見して勝てる相手だと思ってんのか!?」

戦士「っ!!」

盗賊「いや…っ……」

隊長「そんなヤワにゃ育ててねぇぞ!
527 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 23:16:26.52 ID:w5N7ySwo
魔道士「ウィッチちゃん!お願いっ!」

ウィッチ「……」

ドドオォンッ!!

魔道士「きゃあぁっ!!」

隊長「おら、お嬢!!シャキっとしろぉ!!」

魔道士「……っ!?」

隊長「目の前にいるのはお友達じゃねぇっ!敵だ!!」

魔道士「……」

隊長「分かってんだろ!?気ぃ抜いたら死ぬぞ!!」

魔道士「……はいっ!」

魔道士は杖を両手で握りしめ、身体をウィッチへと戻す。

魔道士「ウィッチちゃん…もうしばらく…辛抱だからねっ!」

ウィッチ「……」

戦士「盗賊!こっちも本腰入れて食い止めんぞ!せめて近づけさせるなっ!」

盗賊「……ああ!そのつもりだっ!」
528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 23:19:36.65 ID:cHjrmEAO
ふと思ったが女の司令ってまだ出てないな
529 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 23:33:07.86 ID:w5N7ySwo
神官「結果的に…彼女の動きを封じられてしまいましたね…っ」

サモナー「これで合体魔法による援護は難しいですね…」

青年兵「……こうなったら」

召喚士「力尽くで…行くしかない!」

サモナー「どうします…?」

神官「長引くのは好ましくないですね……」

召喚士「短期決戦、で…いきましょうか」

青年兵「総力戦…ですか…!?」

召喚士「うん。出し惜しみなく…一気に叩き込もう」

神官「いきますか…!」

サモナー「足手まといにならないよう…頑張らないとな…」

四人の召喚士は集中力を高め、更なる魔力を捻出する。

アカ・マナフ「……」

召喚士「さぁ…っ、行くぞ!!」

召喚士の声に呼応し、他の三人が一斉に身構える。
530 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/30(水) 23:47:59.56 ID:w5N7ySwo
召喚士「行けっ!スキュラ!!ユニコーン!!スフィンクス!!」

サモナー「おいで…シーサーペント!!」

神官「我に力を貸したまえ!バステト!!テフヌト!!」

青年兵「出でよっ!ワーム!!リンドブルム!!」

ゴゴゴゴゴゴ…シュイイイイィィンッ…

隊長「なに…ぃ…!?」

戦士「こ…こいつは……っ!!」

盗賊「……凄いっ!!」

アカ・マナフ「……馬鹿な…っ」

四人の呼びだした召喚獣達。その数は合計で12体にも及ぶ大勢力である。

召喚士「はぁ…はぁ…っ。さぁ…いくぞ!!」

青年兵「みせてやる…っ!僕らの力を!!」

サモナー「頼むよ…。召喚獣達!」

神官「……行けぃ!!」

四人は同時に号令をかけ、天地問わず、多数の召喚獣がアカ・マナフへと遅いかかる。
531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 23:56:20.28 ID:ifqKNoAO
熱い…!
532 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 23:59:19.88 ID:9Pc8r6DO
ふと思ったんだが、サラマンダーで解除出来ないのか?
憑依されるのと、操られているのは別物?
解除しても、いたちごっこになるからしないの?
533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/01(木) 00:13:21.05 ID:ZhABaogo
すみません…睡魔が…
本日もご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ

>>525
ナレーションは小林清志でお願いします!

>>528
東方司令部をお楽しみに!なんて…

>>532
彼らは「取り憑く」という表現をしていますが、
実際は魔物が憑依しているわけではなく、マリオネット状態なので
サラマンダーは効かない、というわけですね…

〜オマケ(次回予告)〜

占い師「異なる属性を持つ召喚士の四人…」

占い師「立ちはだかる無敵の魔物…アカ・マナフを倒す秘策とは…!?」

占い師「四人の心が重なり合う時、奇跡は起きる…っ!」

占い師「次回、第270話【瞬間、心、重ねて】」

占い師「この次も、サービス、サービスゥ!」

…おぉ、今日で9ヶ月目でした!ありがとうございます!
ペース遅くてすみません…ほんと…
あとオマケのネタが無くなってきました。リクエストなど頂けると助かります!ノシ
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 00:27:52.49 ID:O.GfP1k0
つかスキュラだぶってね?
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 00:30:59.69 ID:Kpgb/2DO
>>1乙!
>>532ですが、理解力低くて申し訳ないです。精進します!

そして、9ヶ月おめでとうございます!
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 00:33:30.56 ID:El/7U2AO
リクエストとして女キャラ勢揃いのお風呂イベントを希望
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 00:38:31.82 ID:Kpgb/2DO
オマケリクします!
久しぶりに基本精霊達が見たいです。出番無いってぼやき大会でも、個々の日常系でもなんでもアリアリで

あいつら四体集まると、金色になったりしてた気がするんだけど、金色に光りながら愚痴るってシュールだなwwwwww
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 00:39:09.55 ID:u.DzEBoo
>>534
召喚士のスキュラは玄武娘からラーニングした奴だから別物なんじゃね
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 00:51:05.14 ID:t4IbznE0
いつも楽しませてもらってます!

おまけリクエストは>>507と魔導師(60)
のラブストーリー
もしくは>>1と俺の純愛ものでよろしく!
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 01:04:57.57 ID:x/XlKgDO
おまけリクエスト:夏休みがもしあったら何をして過ごすのかがみたいです。
541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 03:55:58.29 ID:DTse6G.0
いつのまにか青年兵が召喚獣と対話できてるところ
もっと反応あってもいいと思う
542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 08:21:58.81 ID:IRB5wEAO
>>1


確か青年兵は喋れる事をだいぶ前に朱雀先生に見せつけられてた気がする


俺も召喚獣とは話せなくとも、いつか魔道士ちゃんと会話できると信じてる
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 09:49:18.94 ID:7NXV9Bk0
ここは魔導師ちゃんのサブストーリーを!登場してないからどんな人物か気になる!
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 09:58:03.94 ID:e58Cv.Io
>>541
>>410がそれだろ
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 10:42:21.02 ID:ExFIhJco
青年兵「ミンナニ ナイショダヨ」

召喚士「ドアノシュウリダイヲ モラウゾ」
546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 11:03:32.71 ID:sE.e3xs0
>>539
>>507と魔導師(60)とのラブストーリーを俺もリクエストしたいwwww
547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:36:17.24 ID:MWrP/1co
ドドドオオォォ…

アカ・マナフ「……」

青年兵「いけぇ!!」

ドドオオォォンッ!!

アカ・マナフ(…これは…なかなか)

サモナー「逃がすかっ!」

ヒュンッ!!……ズガアァッ!!

アカ・マナフ(短期決戦でカタを付けるつもり…か)

神官「セクメト!右方より回りこめ!」

ドズウゥンッ!!……ブンッ!!

アカ・マナフ(注意すべきは…石化のあいつ…)

猛攻をものともせずその身に吸収し、はたまた上空を無尽に飛びまわり、

攻撃のことごとくを無効化していくアカ・マナフはただ一点のみを追い続ける。

アカ・マナフ「……」

コカトリス「……」
548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:37:48.72 ID:MWrP/1co
バシュウゥゥ

召喚士(相手も分かっている…。コカトリスの石化の事…)

召喚士は上空を動き回るアカ・マナフを必死に目で追う。

召喚士(そして常に警戒している。…即ち、石化は無効化出来ない…!)

ヒュンッ!!

アカ・マナフ「……おっと」

コカトリス「…ち…っ」

召喚士(そしてそれは、他の三人も分かっている事…!)

神官(ここに来て合体魔法のない召喚獣ばかりとは……)

サモナー(召喚士君に頼らざるを得ない…。情けない話だ…)

青年兵(でも…!囮になるぐらいの事は…出来るっ!)

三人の召喚獣がアカ・マナフを取り囲むように接近する。

サモナー「攻撃を受ければ…おそらく一撃で消し飛ばされる…」

神官「魔力は失うのは厳しいでしょう…。回避重視で牽制して下さい」

青年兵「召喚士さんとコカトリスには…近づけさせないっ!!」
549 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:38:51.64 ID:MWrP/1co
神官が呼び出した三匹の召喚獣。セクメト、バステト、テフヌト。

外見は近しいが、各々の能力は当然ながら異なるものである。

テフヌト「ゴオオォォッ!!」

テフヌトの雄叫び。それは支援にあたり、魔物の動きを硬直させる。

そうは言ってもこの強大な敵においては、一瞬の戸惑いを与えるにすぎない。

セクメト「ガアアァァー!!」

セクメトの火の息。それは攻撃にあたり、魔物の体を瞬時に焼き尽くす。

そうは言ってもこの強大な敵においては、一瞬のめくらましにすぎない。

神官(あの時と同様。握りつぶしても煙となり…四散するだけだろう…)

あの時。神官は即ち、西方…ピラミッドでのヴァンパイア討伐を思い返す。

アカ・マナフ「…君、しつこいね」

炎の中よりアカ・マナフが現れ、もやを収縮し一気に周囲へ放つ。

…が、それは一匹の召喚獣によりガードされ、あっけなく雲散霧消する。

バステト「……」

バステトの両前足。それは防御にあたり、魔物の攻撃を防ぐ盾となる。
550 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:40:21.39 ID:MWrP/1co
召喚士「す…ごっ!」

サモナー「好守にバランスの取れた…良い召喚ですね」

青年兵「でも…相当の魔力を消費するのでは…?」

事実その通りであった。神官の魔力ではこの三匹がほぼ精一杯の状態。

それでも以前は同時召喚など容易ではなく、戦うなどもっての他。

アカ・マナフ「…本当に…しつこいな」

神官「逃がすか…っ!」

ここまでの戦闘をこなせる様になったのは、神官自身のたゆまぬ努力による賜物。

青年兵「ワイバーン、リンドブルム!左右から援護だ!」

サモナー「地上は僕に任せて…っ!」

召喚士「スフィンクス!正面で盾になるんだ!」

スフィンクス「うんっ!任せて!!」

召喚士(ここでコカトリスを一度下げて……)

神官(召喚士殿、狙う気だな…?ようし……)

召喚士の動きに連動するように、神官は召喚獣を更に前進させる。
551 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:41:01.12 ID:MWrP/1co
ギィンッ!!…ガキイィンッ!!…ギィンッ…ギィンッ!!

副隊長「ぬ…っ!うぐっ…!」

隊長(だいぶ引き離したな……)

戦場を見渡し、各々の動きを確認する隊長。その表情には余裕が見られる。

隊長「ヒヨッコと思いきや…意外にやるじゃねぇか」

目線の先で剣を交える戦士。その遠く背後には盗賊の姿。

西門前へでは魔道士とウィッチが、それぞれ対峙している。

隊長「こいつを沈めるのは容易い…。だが……」

殺したくはない。その言葉を飲み込み、隊長は眼前に迫る剣を捌く。

チュインッ!!……ザザッ

戦士「はぁ……はぁ…はぁ…」

ザッザッザ

男隊員「……」

戦士「体力も長く続くわけじゃねぇ…っ。ボチボチやるしかねぇか…!」

戦士は額の汗を拭い、手にした雷切を鞘の中へと納めた。
552 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:41:45.63 ID:MWrP/1co
タンッ…ザザァ

盗賊「…!?」

戦士の納刀に、盗賊が反応する。

盗賊(戦士…やる気か…)

雷切の鞘を再び逆さに構える戦士。同調するように盗賊も腹部の鎖をほどく。

戦士(魔法が来たら後ろに跳ぶ…。向かって来たら……)

男隊員「……ヒヒッ」

ダンッ!!

戦士「その場で…抜く!!」

長剣を振りかぶり、一気に間合いを詰める男隊員。戦士に動きはない。

タタッ……ヒュオッ

顔の前に振り下ろされた剣を、すんでのところで半歩、右に身体を進める。

振り下ろされた刀身を掻い潜るかのように、居合いによる雷切の一撃が

稲光を伴い、男隊員の脇腹へめり込み、その身を大きく後方へと吹き飛ばした。

戦士「……みね打ちじゃ。安心せい…ってか」
553 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:42:18.38 ID:MWrP/1co
ドシャアァッ…ズザアァ…

男隊員「が…っは…あぁ…!!」

盗賊「…どこがみね打ちだっ、馬鹿者っ!」

強撃によりもがき苦しむ男隊員を見て、思わず怒鳴る盗賊。

しかしその身体は女隊員へと向けられ、手にした鎖を小気味良く振り回す。

ヒュンヒュンヒュンッ…

女隊員「……!?」

盗賊(あとは…私の魔力次第…っ!)

ジャラララッ……ビュオッ!!

盗賊の手から離れた鎖は、一直線に女隊員めがけて放たれる。

女隊員「……っ!!」

ジャララッ……チッ!!

間一髪、その鎖をかわしながら、女隊員は上空より盗賊めがけ飛んだ。

盗賊「読んでる…っ!」

女隊員「……!?」
554 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:43:09.05 ID:MWrP/1co
ビュンッ!!

左手にしたクナイを三本、上空の女隊員へ投げ飛ばす。

女隊員が小剣で二本弾くと同時に、盗賊は右手の鎖を強く引く。

三本目のクナイは捌ききれず、女隊員は身を懸命にひねり、それをかわす。

バッ!!

女隊員「…!?」

盗賊「詰みだっ!」

盗賊の回し蹴りが女隊員の腹部へ直撃し、更に上空へと吹き飛ばす。

ドゴォッ!!

女隊員「くぅ…っ!!」

ジャラッ…

盗賊「はあぁ…っ!!」

グイィッ!!…ジャララッ!!

女隊員「!?」

盗賊(魔力を高めれば…自在に操れる…はずっ!)
555 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:44:03.84 ID:MWrP/1co
鎖は女隊員の周囲を囲み、瞬時の内にその輪を狭め始める。

ギュルギュルギュルッ!!

全身へ纏わりつくように身動きを封じる鎖。それはまるで意思を持った生物の様相。

ギュルルッ…ギチィッ!!

女隊員「くあ…ぁ…っ!!」

盗賊「捉えた……」

クイッ…ドサァ

女隊員「ん…っ!く…くぅ…っ!」

盗賊「…ふー。……完了」

戦士「終わったみてぇだな…!」

戦士は親指を突きたて、笑顔で盗賊へ向ける。

盗賊「……ん」

盗賊は恥ずかしそうに右手を上げ親指を立て、返す。

戦士「へっへ…!」

盗賊「……ふふっ!」
556 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:44:49.74 ID:MWrP/1co
ジャリッ…ズシャァ

隊長「ほぉ…、片付けたか」

副隊長「……!?」

隊長「しかも軽症たぁ…大した奴らだ」

ギキィンッ!!

隊長「しかし…情けねぇ部下を持ったもんだよ、ほんと…」

剣を交えながら、隊長は溜息交じりにぼやく。

副隊長「く…っそぉ」

隊長「そんじゃこっちも…行くか!」

ブンッ……ドッゴオオォォッ!!

隊長の一振りにより地面が割れ、小石や岩の破片が舞い上がる。

戦士「また…ギアを入れ始めたな」

盗賊「……」

戦士「盗賊、魔道士の援護に回るぞ!あっちは放っておいても大丈夫だろ」

盗賊「…うん!」
557 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:45:45.68 ID:MWrP/1co
魔道士とウィッチ。つい2年前までは、さほど魔力差もなかった。

ウィッチ「……たぁっ!!」

魔道士「…っ!!」

ドドオォンッ!!…ゴオオォォッ!!

ウィッチの放つ火と風の合体魔法。それを魔道士は容易に相殺する。

魔道士「ウィッチちゃん…っ」

ウィッチ「……くぅ!!」

その魔力差は、2年の経験によるものか、はたまた互いの才能によるものか。

タッタッタ

戦士「援護…。特に不要みたいだな」

盗賊「……ああ」

明らかに力を抑え、ウィッチと対峙する魔道士を見つめ、二人は呟く。

魔法がメインではない両者が、傍から見てもその実力差は歴然であった。

戦士「盗賊、頼むわ」

盗賊「……ん」
558 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:46:33.13 ID:MWrP/1co
ドドオオォォンッ!!

ウィッチは手を休める事なく魔法を放ち続ける。

だが、疲労は目に見えて分かる状態で、その威力自体も落ちていた。

盗賊「……」

タタッ

魔道士ただ一点を狙い、攻撃を続けるウィッチ。その背後に盗賊が息を殺し、迫る。

魔道士「……っ」

魔道士は表情を曇らせ、受け身一辺倒であった魔法を、攻撃に転じる。

右手に握られた杖が一瞬光ると、ウィッチの身体は浮かび上がり、

当人が風の魔法だと認識する頃には、その身を上空へと投げ出していた。

ウィッチ「……!?」

ダンッ!!

盗賊「……」

上空で盗賊が待ち構える。普段は逆手に構える蜘蛛切を、右手で握り締める。

そのまま柄の底をウィッチの首へ、少し力を加えながら振り下ろした。
559 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 17:47:15.84 ID:MWrP/1co
ヒュッ…トンッ

急所を突いたその一撃によりウィッチは意識をなくし、それを盗賊が抱きかかえる。

ガシッ……スタッ

魔道士「盗賊さんっ!?」

盗賊「…大丈夫。気を失っている…だけ」

魔道士「良かったぁ…っ」

戦士「これでこっちは片付いたか…」

盗賊「…ああ」

戦士「あっちで倒れてる二人も門まで運んでこよう」

盗賊「…だな」

戦士「んで、二人はここで見張っててくれや」

魔道士「戦士さんは…?」

戦士「まぁ心配ないと思うが、あっち見てくるわ!」

魔道士「あ…っ!ちょっと……っ!」

戦士は隊長と副隊長の攻防を指差し、そのまま駆け出した。
560 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 18:06:19.06 ID:MWrP/1co
タッタッタッタッタ…

隊長「あん?」

戦士「……」

隊長「ほぉ、お勉強熱心だ事…」

ギキィンッ!1

隊長「部下に欲しいぐらいだねぇ〜」

戦士(親父の時もそうだが、達人の戦いぶりを身近で見て学ぶ…)

キィンッ!!…ガキイィィ!!

戦士(上達にはそれが一番手っ取り早い…!)

副隊長「お…っのれぇ!!」

副隊長は間合いを取り、火行による炎を放つ。

ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォ!!

隊長「だ…っりゃああぁぁ!!」

戦士「!?」

隊長は避ける素振りも見せず、炎の中へと突撃した。
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 18:23:53.20 ID:IRB5wEAO
なんでお前らそんなにラブストーリー読みたがるの?
優しさなのか漢字の間違えをバカにしてるのか…しかし、どちらにしても

メルシィ!!
562 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/01(木) 18:26:37.45 ID:MWrP/1co
戦士「熱く…ねぇのか!?」

炎の中より姿を現し、隊長が大声で叫ぶ。

隊長「熱いに決まってんだろぉがっ!!」

バッ!!

副隊長「くっそ……っ!!」

隊長「そろそろ終わりにしようや」

目の前に現れた隊長により、副隊長の右腕がへし折られる。

ゴキィッ!!

副隊長「ぐあ…ぁ…っ!!」

ザザッ…バッ!!

隊長「逃がすかっ!!」

副隊長「…!?」

バキィッ!!…ドサァッ

隊長「おいっ、手伝え」

戦士「!?……お、おう…っ!」
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 18:32:34.15 ID:O.GfP1k0
なんか今日は・・・地の分が語り部っぽいっかんじだな
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/01(木) 18:44:58.66 ID:MWrP/1co
こんばんは!多数のリクエストありがとうございました!

>>534
サモナーをヒュドラにしようと思ったらスキュラでした…。合掌…

>>535
いえいえ!こちらこそ嬉しい限りです。ありがとうございます!

>>541
>>410-411なのですが、西方といえど国軍だらけなので、
ちょっと気まずそうな雰囲気を出そうとしたら…
表現力が足りませんでした…すみません!

>>561
人気に嫉妬!!

>>563
毎度毎度、稚拙な地の分で申し訳ないので、変化を付けてみました!
読み辛かったら言ってくださいねっ!

ご意見、要望、リクなどなど…本当に感謝感謝でございます!
それでは失礼致します!ノシ
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 21:10:12.16 ID:DjksUHAo
ネビュラチェーン!
566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 22:50:45.80 ID:0I3TAxQo
【 店舗 】下北沢駅前代理店
【 連絡内容 】当選
【 連絡日時 】7/1 19:30
【 予約日時 】15日17:30だったけどサバ落ちで当日か翌日かわからん
【 容量 】32G
【 種別 MNP
【 店舗での予約順 】3番目 前の2人も32G
【 予約時の受付番号 】渡されてないですww
【 渡し順 】7/4 午後
【 備考 】店凸1回、2回電凸した結果わかったことは24日で32Gが前の2人にわたってない
     直接店員から聞いたわけではないが日曜電話したらまだ前に32Gいた2人wwwwwwww
     事前予約いたのかwwwwwwww?

でも4日とかさすがに熱が冷えてきた…
     
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 22:51:38.30 ID:0I3TAxQo
誤爆すみません::
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 22:59:14.90 ID:e58Cv.Io
>>566
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/01(木) 23:24:29.79 ID:x6rX2wAO
>>566
よくわからんがiPhoneか?
今一番欲しいわ
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 00:56:48.97 ID:Ilz0H2.o
ギキィンッ!2 参上!
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 02:46:05.44 ID:4E5BLgDO
乙です。
572 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:04:10.08 ID:BHExu3Yo
ドサッ…

副隊長「うぐ…っ!」

隊長「しばらくそこで寝てろ」

ワイヤーのようなもので縛り付けられた副隊長は、西門前に放り出され、

先程掴まった二人の隊員と、気を失っているウィッチと共に横たわる。

魔道士「ついさっき、伝令が向かいました!」

隊長「てぇ事は…衛生兵ももうじき来んだろ」

戦士「……」

男隊員「…う…っ」

隊長「別にお前は悪くねぇぞ。責任感じる必要はねぇ」

戦士「…?」

隊長「コイツの…そして俺の甘さが生んだ結果だ。責任は俺にある」

戦士「……」

隊長「今は奴らの勝利だけを信じて…祈ってやろうぜ」

隊長は正面を向き、アカ・マナフと交戦する召喚士達を見つめた。
573 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:05:05.90 ID:BHExu3Yo
〜西方司令部、中央〜

タッタッタッタッタ

伝令「ご報告っ!西門に魔物出現!現在交戦中です!!」

皇太子「……来たか…っ!」

西方参謀「予想的中…ですなぁ」

皇太子「動けるか…?」

エリート「はい…。私は大丈夫です」

西方参謀「こっちの二人は気を失ったままだ…。どうします?」

皇太子「博士、ひとまずこの二人を鍵の付いた部屋へ」

博士「うむ!分かったのら!」

エリート「武器は司令部内で保管しておいてくれ」

西方兵「かしこまりました!」

皇太子「では、我らも西門へ向かう。ここでケリをつけようじゃないか」

西方参謀「ここは任されようか。お気をつけて」

エリート「うむ!増援はないと思うが…くれぐれも注意してくれ」
574 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:05:46.77 ID:BHExu3Yo
〜西方司令部、西側〜

アカ・マナフ「……」

召喚士(司令部からは…だいぶ離した)

サモナー(あとはここでカタを付けたいところだが…)

サモナーの目配せでスキュラとシーサーペントが水撃を放つ。

案の定、それらはアカ・マナフの体内に吸収され、ダメージはない。

青年兵「こ…のぉ!!」

空中旋回し、真っ直ぐアカ・マナフへと突撃するワイバーン。

アカ・マナフ「……」

その目の前で突如上昇し、背後に潜んでいたリンドヴルムが尾で振り払う。

ヒュバッ!!……ボシュウゥゥ

アカ・マナフ「いつまで続ける…?無駄な行為を……」

アカ・マナフは左腕をもや状に変化させ、それがリンドヴルムへと伸びる。

青年兵「!?」

召喚士「青年兵くんっ!」
575 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:06:35.20 ID:BHExu3Yo
トォ゙ン!!……チリッ!!

横から割って入ったユニコーンがアカ・マナフのバランスを崩す。

左腕のもやはリンドヴルムを若干かすめ、再びその形状は腕へと戻る。

青年兵「…っ!!」

召喚士「大丈夫!?」

青年兵「すみません!かすっただけです!!」

ユニコーン「どうすんの!?キリないよぉ!」

神官「……」

召喚士(コカトリスに魔力を溜めてはいるが……)

アカ・マナフ「……」

召喚士(この人数相手に…スキが見られない…っ!)

アカ・マナフ(狙いは分かるよ。コカトリスの使い手クン…)

召喚士「……」

アカ・マナフ(いくら数で出たところで…攻撃が効かないんじゃ意味はないよね)

召喚士(止むを得ない…か)
576 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:07:09.72 ID:BHExu3Yo
シュイィンッ…

アカ・マナフ「……?」

青年兵「え…っ!?」

サモナー「召喚獣を…消した?」

神官(召喚士殿…。何か狙っているのか…?)

突如、召喚獣を戻した召喚士。それの意味を最初に気付いたのは、青年兵であった。

青年兵「……っ」

シュイィンッ…

サモナー(青年兵君も…!?これは……)

神官(続け、という事か…)

サモナー、神官も一度召喚を解除し、場には一匹の魔物と四人の人間のみとなる。

召喚士「……行けっ!コカトリス!!」

シュイィン

コカトリス「はあぁっ!!」

アカ・マナフ「小細工はやめて…魔力を集中したか…」
577 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:07:56.05 ID:BHExu3Yo
召喚士「コカトリスだけに集中すれば…っ!」

ゴウッ!!

アカ・マナフ「そんなスピードじゃあ、当たらないよ」

コカトリス「……く…っ」

アカ・マナフ(…なーんてね。何か狙ってるんだろ?)

召喚士「…コカトリス!上から攻めるんだ!!」

コカトリス「おうっ!」

アカ・マナフ(そうでなきゃ、彼意外も召喚獣を下げた意味はないからね)

必死にその姿を追うコカトリスだが、その姿を正面に捉える事はなく、

アカ・マナフは余裕を含んだ表情で、コカトリスに微笑みかける。

コカトリス「…癪に触る輩だ」

アカ・マナフ「それは…どうも」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォ…

アカ・マナフ「当たらなければ…どうという事もないよ」

召喚士「やっぱり…駄目か…っ」
578 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:09:05.15 ID:BHExu3Yo
シュイィィン…

アカ・マナフ「……!?」

突如、眼前より姿を消したコカトリス。異形の魔物は怪訝な表情で召喚士を見つめる。

召喚士「行けっ!スフィンクス!!ユニコーン!!スキュラ!!」

シュイイィィンッ

青年兵(来た…っ!!)

アカ・マナフ「ほう…。今度はコカトリスを温存か…」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!ワーム!!リンドブルム!!」

神官「我に力を貸したまえ!セクメト!!バステト!!テフヌト!!」

サモナー「おいで、ケルピー!シービショップ!…ヒュドラ!!」

シュイイィィン……ドドドドドドオオォォ

アカ・マナフ「総勢12体…大したものだね」

一人三匹ずつの総攻撃。空と地から集中砲火のように、炎や氷が飛び交う。

戦士「す…っげぇ…!!」

隊長「アンデッドでなきゃあ瞬殺だわな…」
579 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:10:34.19 ID:BHExu3Yo
ドドッ…ドドオオォォッ!!…ズガアアァァンッ!!

アカ・マナフ「いやはや…凄まじい威力だ」

爆風と煙の中、もやとなったアカ・マナフは、形状を元に戻す。

アカ・マナフ「これでコカトリスもいたら…流石にやば……」

ゾクゥッ!!

アカ・マナフ「……っ!!」

殺気を感じ取ったアカ・マナフはゆっくりと背後を振り向く。

アカ・マナフ「何故だ…っ、いなかった…ハズだ…!!」

予想の範疇を超えた出来事。適切に言うなれば、ゆっくりとしか反応出来なかった。

アカ・マナフ「なぜ…いるのだ!……コカトリス!!」

振り向き終えた目の前には、大きなくちばしを開き、息を吸い込むコカトリスの姿。

アカ・マナフ「全ては……布石…!?」

コカトリス「…もう遅い」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォ!!

砂嵐のような石化の息が、アカ・マナフへ向けて一気に放たれた。
580 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:12:28.90 ID:BHExu3Yo
オオオオォォ……

サモナー「やった…か…?」

青年兵(召喚士さんは罠を張った…)

神官(一度全ての召喚獣を引き上げて、コカトリスの召喚を印象付けさせる…)

サモナー(そこに続いて、コカトリスを除く召喚獣の…召喚)

青年兵「でも、それは違う…。そう見えただけで…実際は……)

召喚士「詠唱がなくたって…はぁ…はぁ…っ、召喚出来るんだ…!」

サモナー「うまく…いったね…っ」

青年兵「流石です。アカ・マナフも反応出来なかったぐらいに!」

神官(土壇場であのような一か八かを…。脱帽…以外に言葉が浮かばんな…)

召喚士「あとは……」

攻撃の手を止めた召喚獣達。その先にある黒煙が徐々に晴れていく。

バサッ…バサァ

召喚士「コカトリス!手応えは…っ!?」

コカトリス「……化物め…っ!!」
581 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:13:17.10 ID:BHExu3Yo
オオオオォォ……

召喚士「え…っ……!?」

煙が晴れる。その先に浮かぶアカ・マナフ。

サモナー「ふ、不死身か…っ…」

アカ・マナフ「コカトリス使い…!」

アカ・マナフは石化し、吹き飛んだ下半身を一度見つめ、視線を召喚士へ移す。

青年兵「でも…なんとか下半身を……」

神官「違うな……」

青年兵「え…?」

神官「おそらく自分で吹き飛ばしたのだろう。上半身への石化を食い止める為に…」

青年兵「…っ!!」

神官の予想は当たっていた。形状変化に間に合わないと悟ると、

アカ・マナフは石化した下半身を自ずから吹き飛ばし、石化の侵攻を食い止めた。

アカ・マナフ「く…くふっ…。くふふ……っ!!」

召喚士「……!?」
582 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:15:18.68 ID:BHExu3Yo
アカ・マナフ「あははははははっ!!」

サモナー「!!」

召喚士「……」

アカ・マナフ「あー…だからキライなんだよ…」

ゴゴゴゴゴゴ…

アカ・マナフ「アンラ・マンユ様より賜った大切な魔力を…っ」

ゴゴゴゴゴゴ…

アカ・マナフ「足止めだけのつもりだったが…もういい…」

神官「来る…っ!!」

ドオオオオォォンッ!!

召喚士「っ!?」

激しい轟音と爆風。それと共にアカ・マナフは巨大なもやの塊へと姿を変える。

紫色の毒々しいもやは、次第に巨大かし、四方より触手のようなに伸び始める。

サモナー「あ…れが……」

召喚士「アカ・マナフの…本体か…っ!!」
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:18:50.21 ID:BHExu3Yo
キュイイイィィ……

青年兵「何だ…っ!?」

神官「まずいっ!!」

ドウンッ!!

召喚士「くぅ…!!」

アカ・マナフから無数の閃光がほとばしる。

光は地面を吹き飛ばし、水平に向けられた閃光は、司令部の塔へと命中する。

ドッゴオオォォンッ!!…ゴゴゴゴ……ゴシャアアァァッ!!

魔道士「きゃあぁ!!」

戦士「なんつう威力だよ…!」

隊長「転がってる奴らを非難させろっ!」

盗賊「ああっ!」

オオォォ……

アカ・マナフ「くふっ…ふふふっ!」

閃光を放った魔物は、巨大な一つ目を輝かせ、不敵に笑う。
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:19:53.01 ID:BHExu3Yo
〜西方司令部、西門手前〜

エリート「南の…塔が!!」

皇太子「……急ぐぞ!」

エリート「は、はっ!」

タッタッタッタ…

〜西方司令部、屋内〜

ドオォォンッ!!…ドサッ…バサバサッ

博士「な、なんなのら!?」

博士と西方兵らは衝撃により、足場を崩し倒れる。

西方兵「と、塔が…っ!!」

博士「なんて事なのら…っ!」

博士は慌てて散らばった資料と本をかき集める。

博士「……?」

手にした魔物図鑑をじっと見つめ、開かれたページを見つめる博士。

博士「パズズ…?」
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:21:43.08 ID:BHExu3Yo
西方兵「博士っ!お急ぎください!!」

博士「四人の召喚士…パズズを倒す。手段とは…?」

パラパラッ

博士(四つの属性を持つ召喚術…。同調…?)

パラッ…

博士「……そ、そうか…っ!!」

西方兵「博士!?」

博士「西門に向かうのら!ここは任せるのらっ!!」

西方兵「博士!!お待ちをっ!!」

ダッ!!…タッタッタッタッタ

博士「そうか…そうなのら!」

タッタッタッタ

博士「奴も魔王の眷属…。ならば…っ!!」

タッタッタ

博士は急ぎ、西門へと向かう。
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:22:48.69 ID:BHExu3Yo
〜西方司令部、西側〜

タッタッタ…ザシャッ

皇太子「…こ、これは…!?」

魔道士「殿下、エリートさん!」

エリート「皆さん、ご無事で…!?」

盗賊「…なんとか」

盗賊は取り憑かれた四人を見つめ、呟く。

男隊員「……く…そ…」

副隊長「くくっ…。貴方達の勝機は完全になくなった」

隊長「……」

皇太子「あれが奴の…真の姿か…!」

隊長「……おい」

戦士「…?」

隊長「……ボソッ」

戦士「!?…・・・わ、分かった」
587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:23:26.28 ID:BHExu3Yo
盗賊「……?」

魔道士「どうしましょう!?私達も援護に…」

隊長「やめとけ」

魔道士「…!?」

エリート「ここは彼らに任せておきましょう」

皇太子「下手に人員を増やし、操られてしまっては逆効果だ」

魔道士「あ……っ」

戦士「指を咥えて見てるだけってか…!くそ…っ」

盗賊「…不甲斐ないな」

隊長「なぁに、お前らはよくやったよ」

盗賊「……」

隊長「今は仲間を信じろ。出来る事はただ、それだけだ…」

魔道士「召喚士さん…っ」

エリート「衛生兵、この者らの回復を!」

皇太子「……頼むぞ、召喚士の諸君っ!」
588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:26:28.75 ID:BHExu3Yo
ズズッ…ズズズッ

アカ・マナフ「コカトリス…厄介なものだ」

召喚士「……」

アカ・マナフ「だが…今度は多少の攻撃、そこまでダメージにはならん」

サモナー「……」

アカ・マナフの背後より、ヒュドラの吹雪が襲い掛かる。

ドドオオォォンッ!!…ビュオオォォッ!!

アカ・マナフ「無駄だよ」

サモナー「…ちっ」

召喚士「ならば…っ!」

召喚士の背後よりコカトリスが勢いよく飛び立つ。

アカ・マナフ「分からんか…?」

閃光が再び上空をほとばしり、コカトリスは間一髪それを回避し、もやへと近づく。

コカトリス「……はあぁ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!
589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:29:43.23 ID:BHExu3Yo
閃光の中をすれすれでかわしながら、コカトリスは石化の意気を放つ。

ボシュッ!!

アカ・マナフの一部分が切り離され、吐息の前へ盾のように打ち出される。

コカトリス「!!」

召喚士「何…っ!?」

吐息は遮られ、その背後よりアカ・マナフの触手が伸びる。

サモナー「まずいっ!!」

召喚士「くぅ…っ!」

コカトリスへ猛烈に迫る触手。その前にスフンンクスとバステトが立ちはだかる。

召喚士「なんとか……っ!」

神官「防ぐ!!」

アカ・マナフ「くふ…っ!」

ズゾゾッ!!……ボシュッ!!

アカ・マナフ「防げると…思ってるのか。甘いなぁ」

多数の触手が命中し、スフィンクスとバステトはその場より姿を消した。
590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:32:52.28 ID:BHExu3Yo
召喚士「がは…ぁ!!」

神官「な…っ…!!」

ガクッ

青年兵「そ、そんな…っ!一撃…!?」

サモナー「青年兵君!二人を助けるよっ!」

青年兵「はいっ!」

タンッ…ダダッ!!

青年兵「召喚士さん、しっかり…!」

召喚士「あ、ありがとう…。大丈夫…っ」

サモナー「神官さん…!」

神官「す、すまぬ…っ」

アカ・マナフ「もういいだろう?そろそろ終わりにしようよ」

アカ・マナフは大きく膨張し、力を溜め込む。

青年兵「くっ…!一旦、退がりましょう!!」

サモナー「うん…!」
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 17:33:17.08 ID:u6hYBqEo
>>589
スフンンクス
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 17:34:47.43 ID:0FKhKOUo
石化の意気とかかっこいいなと思ったらスフンンクスで台無しだ。
593 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:36:40.17 ID:BHExu3Yo
タッタッタッタッタ…

博士「はぁ…はぁっ!!」

エリート「!?」

皇太子「博士…!?なぜここに…!!」

博士「召喚士達はどうなのら!?」

隊長「交戦中だ…。正直、分が悪い……」

博士「駄目なのら!無闇に数で押しても勝ち目はないのら!」

戦士「……?」

博士「奴を倒すには…これなのら!」

博士は魔物図鑑のページを開き、一同へ見せ付ける」

盗賊「…パズズ…?」

魔道士「伝説が倒したと言う…魔王ですか!?」

博士「うむ!伝説は四つの属性を同調させ、魔王を封じ込めたのら!」

エリート「同調…?どういう事です!?」

博士「四人の魔力を等しくし…四つの属性で敵を叩くのら!」
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 17:38:16.08 ID:BHExu3Yo
>>591-592
くぅ…っ!!なんという…っ!圧倒的ご指摘…っ!!

ごめんなさい…
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 17:39:36.65 ID:PUAlmYSO
巨大化したら負けフラグだ、って大魔王様が言ってた。
596 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:45:30.32 ID:BHExu3Yo
隊長「……来いっ!」

グイッ

博士「うわっ!」

戦士「待てっ!俺も行く!!」

ダッ!!

アカ・マナフ「…?人間が増えてきたな。まぁ…好都合かな」

召喚士「はぁ……はぁ…はぁっ」

アカ・マナフ「一気に放出し……この場の人間全てを取り込んでくれる…」

ズズッ…ズゾゾゾゾオオォォ…

青年兵「!?」

サモナー「そんな…まさか…っ!」

アカ・マナフ「あぁ…これ程まで力を使うとは…。しばらくは身動きとれないな」

タタタッ…ザザッ!!…ポイッ

隊長「おらっ!早くしろ!」

博士「いっ痛ぅ…!乱暴に扱うな!」
597 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:51:23.59 ID:BHExu3Yo
神官「…博士…殿?」

博士「四人の魔力を合わせて、一斉に召喚するのら!」

召喚士「…!?」

博士「四属性、全ての召喚獣を……」

キュイイィィ…バシュウゥゥ!!

隊長「あっぶねぇ!!」

隊長は博士を抱え、慌てて間合いを取る。

戦士「急げっ!もうそれにか手はねぇってよ!!」

サモナー「魔力を合わせて…?」

召喚士「合体…魔法!?」

青年兵「……召喚術バージョン、といったところですか」

神官「出来ますかね…?私達に……」

サモナー「やるしか…ないようですね!」

召喚士「…四属性の同調召喚…!!」

四人の召喚士は並び立ち、アカ・マナフを見上げ、互いに頷いた。
598 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 17:55:33.79 ID:BHExu3Yo
隊長「よっし…!すまんな!離脱する!!」

アカ・マナフ「……」

キュイイィィ…ボシュウゥッ!!

戦士「ぬ…ぐっ!!」

戦士は左手を懸命に伸ばし、アカ・マナフの閃光を盾で防ぐ。

隊長「ナイスだ!!」

戦士「戻ろうっ!!」

タッタッタッタッタ…

アカ・マナフ「……?」

サモナー「何だろう…。こんな状況なのに…凄く落ち着いている」

青年兵「……僕もです」

四人は召喚獣を引き下げ、集中力を高める。

神官「しかし…ここに属性の違う我らが居揃ったとは…っ」

召喚士「偶然…なんかじゃなさそうですね…!」

キュイイイイィィ……
599 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/02(金) 18:04:57.58 ID:BHExu3Yo
――因果律。それは決して、偶然ではない…必然。運命。宿命…。

だから俺は、今日の事を単なる偶然なんかじゃない、そう思っているんだ。

思えばこの四人と出会った事…。この四人揃った事…。

それが今日、この日を迎える宿命だったんだ…。

そしてその道は、まだずーっと続いているんだね。



青年兵「この中で…最も低いのはおそらく…僕です」

サモナー「では、青年兵君に合わせよう!」

神官(この四人ならば出来るはず…。いや、この四人だからこそ出来るのだ!)

召喚士「……行けっ!コカトリス!!」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

神官「力を貸したまえ!セクメト!!」

サモナー「おいで、マーメイド!!」

朱雀、青龍、白虎、玄武の召喚士のよる、それぞれの召喚。その魔力は均等に揃えられ、

同調した召喚獣達はその身に金色の光を帯び、アカ・マナフを四方より囲んだ。
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 18:10:14.59 ID:uj3k6KMo
続きはまだかっ!
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 18:26:14.71 ID:tiIOelY0
599が最終回のときによくつかわれる文章に見えるww

まだまだ続くよね?
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 18:29:45.07 ID:u6hYBqEo
>>594
ごめん…別にせめたんじゃなくて
面白かったからついwwwwww
603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/02(金) 18:38:14.96 ID:BHExu3Yo
>>602
いえいえ〜。分かっておりますよ!ありがとうございますw

>>600-601
召喚士「俺達の戦いはまだこれからだ!
ご愛読ありがとうございました。次回作にご期待下さい!

もしくは…
青龍先生「もうちょっとだけ続くんじゃ」

嘘です。まだ続きますがとりあえず帰宅します
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 19:34:03.35 ID:jRdz2wDO
このドSぅぅぅぅぅ
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 20:08:06.37 ID:YDwhtsAO
このドSがwwwwww
読者減ってきた?最近レス少なくね?絵師もいなくなっちまったし・・・。
よし。作者も毎日カキコしてるし、毎日カキコするよう頑張るわ!
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 20:11:07.25 ID:u6hYBqEo
黙って読みたいだけじゃない?
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 20:12:25.10 ID:2bWE.kDO
いや、俺の方が魔翌力が低い的なノリで全滅すると思っていた時期が俺にもありました
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 20:55:01.45 ID:fmbbXMso
いるけど溜め読みしてると話題に乗れないだけ
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 21:18:16.17 ID:QAYBMHw0
初期に比べたらレス多いと思うけどなぁ…
絵師はスレチとかで叩かれた記憶がある
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 21:22:04.28 ID:FDlDaF60
>>599
を読んでたら地下鉄が動いて見れなくなった。
帰宅してからドキドキしながら開いたのに・・・


ずるい!いじわる!
611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 21:24:45.38 ID:T6V1/Sgo
おや、こんなところに
コカ・コーラとトリスのウィスキーがあるじゃないか
ウィスキーのコーラ割りでもしようかな
612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 21:38:08.52 ID:PFQte6DO
>>607 ドウゾドウゾ
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:12:09.77 ID:FY4XkYSO
>>611

飲みたくなった。去年つけた梅酒あけてくる
1の書き込み待ちながらのんびり飲むわ
1乙
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:32:19.94 ID:rC2db0.0
うぁぁ、明日早いから今日は早く寝ようとしてたのに、寝れない!気になる
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:34:02.06 ID:AAEyYgI0
>>1乙なんだが…
な、なんてところで止めやがるぅ…orz
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:41:39.80 ID:FDlDaF60
梅酒
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 22:59:35.40 ID:cFRBRnA0
読者は減ってはいないんじゃない?
どSの意欲を盛り上げる為に絵心ある人はもう一つのスレにうpしてくれると嬉しいな
俺も書けたら書いてるんだけど画伯と呼ばれる実力だからなぁ
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:23:11.72 ID:WTBn.YAO
俺はVIPの頃からずっと携帯のブックマークにコカトリスが入っとる
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:32:00.92 ID:BNXt0gDO
>>611
そのまんまだけど、なんかジワジワくるwwwwwwwwwwwwww
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:34:15.57 ID:agXlmdYo
ここでアバンのシーンか、いちおつ
しかし生態から倒し方まで載ってるなんて魔物図鑑は微妙にチートだな
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/02(金) 23:35:56.60 ID:0XrKEpQ0
同調召喚はリンドブルムかと思ってたのにワイのワイルドワイバーンを出してくるとは
お株高騰やでえ
622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:38:20.45 ID:ADenSwDO
今更だけどシルフが一番可愛いよね

で、次点は盗賊か>>1さん
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:40:21.39 ID:Pj3i0iY0
乙です。
624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:42:15.04 ID:xntE3Sco
そういや召喚士ってまだコカトリスさんとシルフしか朱雀いないんだよね
…朱雀先生?
625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:54:03.74 ID:MSDmnEAO
飲んでベロンベロンになっているであろう今でもわかる
僕は魔道士ちゃんを心から愛していると言うこと!!

この愛は永遠に終わらない
626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/02(金) 23:58:27.66 ID:JI90jv.o

   ノノノノ.
  (゚∈゚ )ヘ  ___──
 (⌒ヽ/ 彡) ---   __  ̄--
 (ミヘ   ∧||∧
    \ ( / ⌒ヽ ヘ   __--_ ̄ ̄
     /ヽ| |>624ソ
    ./ .ノ∪ ノノ _ ──___--_ ̄ ̄
    ./ ノ  | | |
  ミ ン     し.し   ̄ ̄ ____ ---
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 00:03:14.93 ID:4x8/YQSO

   ノノノノ.
  (゚∈゚ )ヘ  ___──
 (⌒ヽ/ 彡) ---   __  ̄--
 (ミヘ   ∧||∧
    \ ( / ⌒ヽ ヘ   __--_ ̄ ̄
     /ヽ| |>625ソ
    ./ .ノ∪ ノノ _ ──___--_ ̄ ̄
    ./ ノ  | | |
  ミ ン     し.し   ̄ ̄ ____ ---




628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 00:09:33.82 ID:F/O4Etco
師匠はしんじていたに違いない
弟子である召喚士が朱雀先生の名前に恥じない男となることを!
なあ、召喚士?
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 00:28:22.98 ID:/7UMgk2o
実際召喚士の成長っぷりはものすごいじゃないか
はじめのほうなんてクリトリスだなんて・・・
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 01:41:12.63 ID:we5tdsAO
たっちゃん「強いだろ?ペニスなんだぜ、これ…」
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 02:33:45.97 ID:BnO1ao.0
>>1乙!
夜中に読むコカトリスは最高だな
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 02:35:43.63 ID:tYGLH6DO
>>1乙!
クライマックスだな!!
今日も週末の深夜更新来るかな?
633 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:50:03.93 ID:QexUfCko
ゴゴオオォォ…

戦士「な…んだ……あれ…」

盗賊「…召喚獣が…金色に」

魔道士「ひ、光って……っ!?」

オオォォン……

アカ・マナフ「……一体…何が…!?」

見守る者達はおろか、対峙する魔物、果ては召喚の主達さえも驚きを見せる。

青年兵「成功…した…っ…!?」

神官これが…同調召喚…!」

サモナー「マーメイド…っ!?」

召喚士「コカトリス…!?金色に…っ」

コカトリス「これ…は…。この力は…!」

キイイィィンッ

召喚士「共鳴…しているのか!?」

アカ・マナフ「ま、まずい…っ!!」
634 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:51:13.44 ID:QexUfCko
バッ!!

サモナー「逃がすかっ!!」

アカ・マナフを取り囲むように四匹の召喚獣が立ちはだかる。

コオオォォ

アカ・マナフ「逃げられない…!?結界だとぉ!?」

ブオッ!!…キィンッ…キイィンッ!!

アカ・マナフ「受け付けない!?くっそ…ぉ!!」

マーメイド「終わりよ。アカ・マナフさん」

コカトリス「そのまま…消滅するがいい!」

アカ・マナフ「何だと言うのだ…これは…っ!」

シュウゥゥ…

アカ・マナフ「力が…奪われて…っ…」

ズオオオオォォ…

アカ・マナフ「手も足も…出ない…など…と…」

召喚士「終わりだ…!アカ・マナフ!!」
635 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:52:21.48 ID:QexUfCko
ドドオオォォッ

アカ・マナフ「アンラ・アンユ様の…眷属である……」

オオオオォォ…

アカ・マナフ「ダエーワの…この…私が…あぁ……」

オオォォ…

アカ・マナフ「あっては…なら……」

ォォ…

アカ・マナフ「……――」

バシュウウゥゥンッ!!

エリート「消…えた…」

皇太子「消滅した…のか…?」

博士「これが…四属性の同調召喚……」

金色の眩い光に包まれたアカ・マナフ。その光の柱が点に登るとともに、

悪しき魔物の姿もまた、地上より消滅した。

召喚士「……終わった…んだ」
636 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:53:18.59 ID:QexUfCko
コカトリス「召喚士……お前…」

フッ…

召喚士「あ…っ」

マーメイド「サモナー…」

フッ

サモナー「!?」

神官「消えた……」

青年兵「…う…っ…!!」

フラッ

召喚士「こ、これは…!!」

神官「魔力が…っ!?」

青年兵「力が…抜けて……」

サモナー「魔力が戻らない…。まさか…さっきので…」

神官「あの力は…己の魔力を糧に……」

召喚士「……」
637 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:54:02.94 ID:QexUfCko


戦士「あの化物を…たった一瞬で……!」

隊長「あれだけ手こずったってのに…信じらんねぇな…」

魔道士「とてつもない魔力の固まりでしたね…」

エリート「五行の力に…似てますね……」

皇太子「あれはどういったものなのだ?」

博士「分からないのだ。図鑑にはそこまでは書かれていないのだ!」

盗賊「……」

戦士「あ、おい…!コイツら……!!」

男隊員「…う…っ!!」

女隊員「……っ」

魔道士「ウィッチちゃん!?」

ウィッチ「…う……ん…っ」

副隊長「…く…っそ…」

隊長「……全員無事、戻ったみてぇだな」
638 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:56:32.60 ID:QexUfCko
副隊長「隊長…すみません……」

隊長「……気にすんな」

戦士「……」

皇太子「彼らの意識が戻ったという事は…」

エリート「無事、魔物は消滅したようですね…」

盗賊「…勝ちだ」

皇太子「ああ。我らの…いや、彼らの勝利だ」

皇太子おぼつかない足取りで歩き近づく四人を見つめ、微笑む。

博士「凄い…!凄いのら…っ!」

テクテクテク…

隊長「…ほれ、迎えてやれ!」

戦士「お、おう…っ」

盗賊「…おかえり」

魔道士「召喚士さん!お疲れ様でしたっ!」

召喚士「……ただいま!」
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 02:56:44.93 ID:XV4Iacso
キターwwwwwwwwww
640 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 02:58:06.93 ID:QexUfCko


エリート「大丈夫か?」

青年兵「ええ…。魔力が吸い取られたようで……」

神官「おそらく枯渇でしょう…。数日すれば戻るとは思いますが…」

サモナー「……」

魔道士「大丈夫…ですか…?」

召喚士「ええ。ありがとうございます」

戦士「あれって…五行みてぇなモンか?」

召喚士「どうなんだろう。俺にもよく分からない…」

盗賊「……」

召喚士「ただ…みんなの魔力を同調させるってところは…近いと思う…」

魔道士「あんまり…無茶しないで下さいね…?」

戦士「そうだぜ?五行は命に関わるって…」

召喚士「うん…。まさかこんな効力だなんて思いもよらなかったから…」

隊長「とにかく、一旦…司令部内へ戻るぞ。話はそれからだ」
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 03:13:15.41 ID:VWx79.DO
深夜更新嬉しいっすwwww
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 03:19:16.00 ID:XQCIXYAO
ガッシュの体が…金色に!
を思い出した
643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 03:20:59.76 ID:XV4Iacso
てっきり5行で1体の召喚獣が出てくると予想してたwwwwwwww
644 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 04:30:22.16 ID:QexUfCko
〜西方司令部、中央広場〜

エリート「人数も人数ですし、ここで宜しいでしょう」

皇太子「うむ。そうだな」

盗賊「…大丈夫か?」

女隊員「ええ…。問題ないッス」

男「…く…っ」

博士「衛生兵による回復は施したけど…骨折までは治らないのら」

隊長「お前ら二人は医務室行ってろ。そんな状態じゃ逆に足手まといだ」

女隊員「……申し訳ないッス」

男「……くっ!」

テクテクテク…

副隊長「あの…私は…?」

隊長「お前は残れ。後で俺と共に戦後処理にあたって貰う」

副隊長「そんなぁ…。腕折れてるんですよ…?」

隊長「知るか!」
645 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 04:31:03.62 ID:QexUfCko


エリート「つまり…吸い取られるような、そんな感じだったと?」

青年兵「はい。三人の魔力が流れ込んできて……」

サモナー「混ざり合ったと思ったら、一気に吸い取られるような…そんな感じでした」

皇太子「…ふぅむ」

神官「そして今は全く0の状態。空の状態です」

召喚士「以前、魔力の使いすぎで…同じような事例になった事があります」

皇太子「ほぉ…」

召喚士「その時は1週間とか…数日で元に戻りました」

神官「ただ今回の召喚については、それに加えて何か…こう…」

博士「……?」

召喚士「召喚分の魔力についてはおそらく放出されて、戻る事はなさそうですね…」

戦士「そうなのか…?」

サモナー「やっぱり皆も同意見か…」

青年兵「……」
646 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 04:34:00.39 ID:QexUfCko
エリート「皆に異変は…ないか?」

神官「それは問題なさそうですね。今回は魔力も多量というわけではありませんでしたし…」

皇太子「功を奏した…という事か」

青年兵「……」

エリート「ともかく、脅威は取り払われたわけですね」

戦士「しかし…呆気なかったなぁ…」

テクテクテク…

西方参謀「あれほど強かった魔物を…一瞬だそうで」

エリート「参謀殿」

西方参謀「話は隊員の二人から聞きましたぜ」

皇太子「そんなものなのかもしれんな…本物の強さ、というものは」

神官「……」

西方参謀「四人は少し休んだ方が…良いんじゃないのかい?」

召喚士「…そう…ですね」

サモナー「では、お言葉に甘えるとしましょうか」
647 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 04:35:08.81 ID:QexUfCko
隊長「おう、俺らは戦後処理だ」

副隊長「…!?」

隊長「おい、戦士」

戦士「…ん?」

テクテクテク…

隊長「どうだった…?……ボソッ」

戦士「!?…ああ、確かに…アンタの言った通りかもしれん」

隊長「…ん。分かった」

盗賊「…?」

隊長「んじゃ、ちょっくら見回り行ってくらぁ」

隊長は副隊長を連れ、再び西門へと足を運ぶ。

盗賊「…何か…あったか?」

戦士「あー…。後で話すわ」

魔道士「……?」

一同はひとまず広間を後にし、医務室へと向かう。
648 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 04:36:13.55 ID:QexUfCko
〜西方司令部、医務室〜

衛生兵「お怪我はございませんか?」

召喚士「はい。大丈夫です」

サモナー「僕も、外傷は特に…」

戦士「すまなかったな…」

男隊員「気にすんな…。しっかし俺とあろう事が…お前に負けるとはなぁ…」

女隊員「皆さんお強いみたいッスね…」

西方参謀「なーにをそんな他人事みてぇに…」

戦士「……やっぱりか」

盗賊「…?」

戦士「…覚えて…ないんだな?」

召喚士「まさか…っ!?」

魔道士「ウィッチちゃんも…覚えてないの?」

ウィッチ「魔道士ちゃんを庇って…。それからは…さっぱりでございます…」

戦士「隊長の予感は的中って事か…!」
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/03(土) 04:42:25.34 ID:QexUfCko
ここいらで一旦寝させて頂きますー。多数のご支援ありがとうございます!
なんだか沢山のレスがあると逆にびっくりしてしまいます!でも嬉しいです!
遅くまでありがとうございました!それではまた日が昇ってから…!ノシ

〜オマケ>>536

占い師「全く…。急に寮のお風呂が壊れるなんて…いい加減改装すればいいのよ!」

白虎長「いいじゃない。お陰で国軍ホテルの広〜いお風呂に浸かれるんだから」

テクテクテク…

女隊員「おっ、こんばんはッス!」

占い師「あら、貴方も?丁度いいわ。一緒に行きましょう」

女隊員「助かるッス!」

白虎長「……さ、早く行きましょ」



占い師「……あら!?」

魔道士「あっ、こんばんはー!」

白虎長「ここに泊まってたの?」

盗賊「……ん」

占い師「そっかぁ。それじゃあみんなで一緒に入りましょうか」

ウィッチ「はいでございます!」
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 04:44:49.86 ID:XV4Iacso

おやすみ!
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 04:48:06.10 ID:cYH8qUDO
ワッフル ワッフル
652 :予想以上に長くなりそうだ… [sage saga]:2010/07/03(土) 04:48:14.88 ID:QexUfCko
カポーン

白虎長「あら?これ新製品のやつ?」

魔道士「はいっ!なかなかいいですよ〜!試してみます?」

白虎長「いいのっ!?ありがとう〜」

魔道士「えへへっ!!」

占い師(…ふふっ!勝った!!)

女隊員「…な、なんスか?」

占い師(でも…流石特殊部隊だけあって…引き締まったウェストしてるわね…くそっ)

バイーン…キュッ…ボーン

盗賊「……」

占い師(この小娘は…相変わらず…っ。く…っ!)

女隊員「凄いスタイルいいッスね!どうやったらそんなになるんスか?」

盗賊「…し、知らぬ」

白虎長「あーら、やぱり恋する乙女は身体も変わるのよ。ねぇ?」

盗賊「しっ、知らぬっ!!」
653 :やっぱり長い… [sage saga]:2010/07/03(土) 04:52:14.66 ID:QexUfCko
ウィッチ「こ、恋でございますか…っ」

白虎長「あとは〜、ねぇ?」

盗賊「はぁ!?」

女隊員「分かった!揉んで貰うんスね!」

白虎長「うふふふっ!」

盗賊「分かってないっ!」

ウィッチ「も、揉んで貰う…っ///」

占い師「はいはい。どーせ縁がありませんよーだ」

女隊員「揉んで貰うんスね!勉強になるッス!頑張るッス!」

白虎長「相手…いるの…?」

女隊員「いないッス!!」

白虎長(おバカな程…真っ直ぐな子ね……ははっ)

魔道士「皆さんは、恋されたりしてるんですか?」

白虎長「えっ?」

盗賊「え…っ?」

ウィッチ「えっ!?」

魔道士「えっ…?」
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/03(土) 04:56:18.66 ID:QexUfCko
占い師「してたら…こんな所にると思うのかしらぁ?」

魔道士「占い師さん…笑顔が怖いです…」

白虎長「いいのよ。みんなまだ若いんだし…」

占い師「自分で言うな」

ゴスッ

占い師「い…ったぁ!」

白虎長「ゆっくりノンビリ…素敵な男性の登場を待っていればいいわっ」

ウィッチ「おぉ、王子様でございますねっ!?」

白虎長「随分ロマンチストね……」

占い師「それに…意外と身近なところにいるかもよぉ〜?」

魔道士(召喚士さん…!?……ない、かなぁ)

盗賊(せせせ戦士だったららあああ…うぅ…///)

女隊員「身近…。いないッスねぇー!!」

ウィッチ「……うぅん。恋って難しいでございますね…」

白虎長「あぁ今はそれよりも、もっとやるべき事があるんじゃないの?」

魔道士「そっ、そうですよっ!」
655 :おしまい [sage saga]:2010/07/03(土) 05:01:27.29 ID:QexUfCko
占い師「そうよ〜。大体この先生きのこれるかだって…」

白虎長「アンタが言うと不吉だからやめてっ!!」

ザバッ

女隊員「…そうと決まれば…こうしちゃいられないッス!」

ウィッチ「……?」

女隊員「早速戻って…特訓ッス!!」

タッタッタッタッタ…

白虎長「真っ直ぐというより…猪突猛進…?」

占い師「ああいうタイプがサクっと結婚しそうで怖いわ…」

盗賊「…そろそろ…上がるか」

魔道士「そうですね!召喚士さん達も待たせているだろうし…」

ザバッ…テクテクテク

ウィッチ「失礼するでございます!」

ポツーン……

白虎長「……今日も」

占い師「一杯引っかけてから…帰りましょうか…」
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 05:57:19.88 ID:VK0bZsSO
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 06:45:11.59 ID:5UCFBE.o
この先生きのこる、に見えて笑っちったwwwwwwww
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 06:46:12.11 ID:ybuvd4oo
なんでか知らんけどここ年齢層低いよな
659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 07:05:20.90 ID:qCIThfI0
>>1
今日の戦いは熱かった

もとがvipだから年齢層が低いのは仕方ないだろ
660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 07:28:32.16 ID:oydSV6k0
6割は新参
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 09:19:42.87 ID:o8E9w5k0
先生きのこってもいいですか
662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 10:21:45.51 ID:we5tdsAO
>>1

今回は使った分の魔翌力は戻らないのか…魔翌力関連の話になるとサモナーの顔色が毎度気になって仕方ない

まぁ、俺は魔道士ちゃんを脳内に召喚して、白い魔翌力を放出しちゃってるけど、二晩程度寝れば回復するよ
663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 10:24:28.44 ID:9m89nLQo
サモナー…
使った分戻らないなら召喚士一人でやったら魔翌力全部なくなっちゃうなww
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 10:39:04.28 ID:zUrCACko
     _,,...,_
  /_~,,..::: ~"'ヽ
 (,,"ヾ  ii /^',)
    :i    i"
    |(,,゚Д゚)
    |(ノ  |)
    |    |
    ヽ _ノ
     U"U
665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 16:09:53.97 ID:ySCfAUE0
>>664
先生きのこってますよ!
666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 16:22:33.88 ID:o8E9w5k0
>>664
「先生きのこ〜」
「先生はきのこじゃありませんっ」
667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 16:33:08.15 ID:1Gw0knko
お、きのこる先生お久しぶり
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 16:38:27.43 ID:we5tdsAO
ずいぶんと調子良さそうだねぇ…騙されたとも知らずに
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:13:28.46 ID:cKR8rgAO
>>668
えっ
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:23:37.37 ID:aBUti2DO
なんだ厨二病か
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:32:15.28 ID:we5tdsAO
先生きのこと同じACネタだろうが…
なにここ怖い
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:32:58.26 ID:/7UMgk2o
ACのことを全員がしってると思うなよ
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 17:58:37.98 ID:XV4Iacso
___                                                _,,... -―'''''""~,,..‐''"´
`ヽ、`ヽ、                                 __,,,... -―'''''""~´ _,,,... -―''二=‐ `~""フ
ヾ二_ ~"'''―- ...,,,__                        / _,,,... -─=ニ三__,,.ノニ二"ニ=‐ -=='"
     ̄`ヾ''=- ...,,,__ \                      / /シ-‐ ニ二..ノ_.. -''"---―<" _,,,... -‐'′
       `ヾ三三ミ、 ヽ                    / /彳_>--―‐ィ=ニ二二三__彡''"
           `三ミi.  `、                    ,' ,' ,}ニ二二 -イー---ィ''''"´
           `ミミ|   :|    __ __            | | }---―''''"ノ二ニラ'′
            :ミ|  |  r「||l「l|ト、             | | ,〉--‐‐''''"ノ―-く}
              ミ|  :|  | || || || |l   , --、      | | ヽ -‐''''"´ _,. イ
              `|  |   | | || l| || / / └、       } |  く__,,,.. -''"   `>
               |  |   || || || | // /ヽ\   ,' ,'  ,ノー――'''''"´`、
            |  |     |l | | || ヽ、 ノ、\} |  / ,'  __,,)ー---―''''"ノ
               }  `、  | | | |n  ,〉 } > `┘/ ,:'  、___),,,.... --‐'''"}
              ヽ  `'⌒`|川 ||j「「 ,/ ノ⌒`''"´ _,-'、、、‐-<__,,,,,.... -イ
                 \_  ,. -ヒ出ソゝ'-、/`ヽ'''ー`‐'~ゝーヾ-ヾ-<__,,,,.... ィ'′
                    `〈"7(∽)) |i==lヽ. l:|  `丶ゞヾヾヾつ ー=ニ二ラ'′
                 `ト、出_ノ、._ノ! 〕 l|~"''''‐、`、J_)_) ゞ卜、二_ラ''′
                  ヾ} ,r・'ノ゙/!/ /    ヽ', ', ', ',ヽつ ̄
                       〈 /=ニ´_テ"        !_l_,ト'''′
                        `  \__  |     八
                    ___r=rヵ ,ハ\!   i′ ~''‐ 、
                    レ^┴ヒラ"  | ,}=r=|   ~''‐、 ~''‐ 、
                           └-}ミ}{ミ|エェ-、 \ ~''-、_>
                            └'└'ヽ`) \__.ゝ‐'′
                                   \_/    
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 19:41:37.74 ID:1Gw0knko
>>673
一瞬ポルナレフにみえた
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 20:14:56.62 ID:4swmfcDO
オマケとして人知れず魔王と1人で戦って倒した話なんか読みたいな。
気づく人はいるだろうけどダイの大冒険をふと思い出したんだ。
676 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:19:27.74 ID:QexUfCko
ザッ

エリート「それはどういう事だ?」

魔道士「あ、エリートさん。殿下……」

神官「もう、宜しいので?」

皇太子「戦後処理と言っても、我々がすべき事はそう大したものでもないのでな」

エリート「国軍本部への連絡は、開戦時に済ませておりますし…」

カツカツ…

西方司令「司令部の事については我々が…はあぁ…」

西方副司令「ご迷惑を…お掛け致しました…っ」

皇太子「気にするな…」

エリート「それより、隊長の予感とは…?」

戦士「ん、ああ…。戦闘中に言われたんだ。挙動不審な部分はないか?…って」

召喚士「それは…何について…?」

戦士「ああ…。副隊長だよ」

エリート「副……隊長…!?」
677 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:19:59.41 ID:QexUfCko
〜西方司令部、西側〜

副隊長「……」

ザッザッザッザ…

隊長「どうした?痛むのか…?」

副隊長「あ…っ。いえ…っ」

隊長「うーん…。特に異常はなさそうだわな…」

副隊長「……」

隊長「なぁ…。いつからだ?」

副隊長「え…っ?」

隊長「お前が副隊長を務めて…5年ぐらいか…」

副隊長「……」

隊長「全く気付かなかったわ…。ま、今回はツイてたわな」

副隊長「隊…長…?」

隊長「お前、取り憑かれてなかったよな?」

副隊長「!?」
678 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:20:29.46 ID:QexUfCko
隊長「顔色変えず冷や汗も垂らさねぇ。そういう冷静なところは好きだぜ」

副隊長「あ、あの……」

隊長「最初…アカ・マナフに遭遇した時、あの二人はモロに煙を直撃してた」

副隊長「……」

隊長「その直後、俺はお前にいきなり襲おわれて撤退したんだよな」

副隊長「そ…それが……」

隊長「俺も油断してたっつかー、確認を怠っていたが、煙…食らってねぇよな?」

隊長はゆっくりと振り向き、副隊長をじっと見つめる。

隊長「そんで、その後の動きだ…」

ザッ

隊長「あの二人は明らかに平常時と正確も口調も…攻撃パターンも違ってた」

副隊長「……っ」

隊長「お前一人、至って変化はなかったよなぁ…」

ザッザッザ

隊長「思えばここに来た時から不審っちゃ不審だったんだよ」
679 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:21:45.60 ID:QexUfCko
副隊長「あ…の……」

隊長「いくら船酔いたって、半日もグロッキーになってっか?違うよな?」

ピタッ

隊長「その間、お前はどこにいたんだ?…ま、答えられないよな」

副隊長「……」

隊長「今までも船酔いだなんだと、任務中にダウンする事ぁ…少なからずあった」

ジャリッ…

隊長「そもそも、そんな奴が特殊遊撃を務める事が……」

副隊長「もう…いいでしょう……」

隊長「……ほぉ」

副隊長「戦闘だけの男かと思っていましたが…そうでもなかったわけだ…」

隊長「抜いたらお前を斬る事になるぞ?」

シュッ…チャキッ

副隊長「抜かなくても…貴方なら斬るでしょう…?」

隊長「……馬鹿が」
680 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:23:14.81 ID:QexUfCko
〜西方司令部、医務室〜

男隊員「それじゃあ…副隊長が魔物と通じてるって言うのかよ!?」

女隊員「そ…んな……」

魔道士「でもっ!副隊長さんも魔物に…」

神官「操られていた、フリをしていたのでしょうね…」

青年兵「そんな事…って」

エリート「殿下…」

皇太子「懸念が現実になってしまったな…」

サモナー「……?」

エリート「要人同士の会談です。魔物の襲撃か…身内の内通者は想定していました」

皇太子「騙すつもりはなかったのだが…すまぬ」

神官「いえ、だからこその…護衛の数だったのでしょう…?」

西方参謀「しっかしその護衛に…内通者がいるとはなぁ…」

エリート「ええ。特殊遊撃にまでいるとは、全くの予想外でした…」

召喚士「そんな事って…」
681 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:23:45.42 ID:QexUfCko
盗賊「……隊長は…どうするつもりだ?」

戦士「おそらく…口を割らせるか……」

西方参謀「それが無理なら、殺すだろうな」

ウィッチ「!?」

西方参謀「彼はそういう男…じゃねぇのかい?」

女隊員「そんな事ないッス!!」

エリート「……!?」

女隊員「隊長は…そんな非情な人じゃない…ッス」

男隊員「ああ…。俺もそう思うぜ」

皇太子「二人きりでカタを付けようというのは…彼なりの責任なのだろうな…」

サモナー「何もない事を…祈るのみですね…」

召喚士「ええ…っ」

戦士「……」

皇太子「神官殿、サモナー殿、朱雀先生…。それと青年兵、博士は司令室まで良いかな…?」

召喚士「……はい」
682 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/03(土) 21:24:12.35 ID:QexUfCko
〜西方司令部、西側〜

副隊長「……」

隊長「剣をしまえ。お前の腕で俺に勝てるとは思ってないだろ?」

副隊長「捕まるわけには…いかんのです」

隊長「……ふぅん」

ザシャ…チャキッ

隊長「それは背後に大物がいるって事だわな」

副隊長「……」

隊長「おいおい…嘘でも違うって言っとけよな」

副隊長「…聞かないのですね」

隊長「あん?」

副隊長「何故、魔族と通じているのか…など」

隊長「聞いたらお前は答えるのか?」

副隊長「……」

隊長「答えんなら…いくらでも聞いてやるよ」
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 23:15:52.14 ID:cKR8rgAO
ΩΩΩ<な、なんだってー!!
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 23:28:01.76 ID:reAKUgAO
お風呂のリクエストかなって嬉しいわ
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 23:36:16.40 ID:/rC9KIDO
今日はもう終わったのかなぁ?
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:05:49.03 ID:ZPS5bwAO
今に思えば一人だけ口調も変わらずにそりゃ不自然だったな
でも骨も折られて勝機はあるのか副隊長

…てか骨折られてるよね?
最近、私の頭の中の消しゴムが仕事し過ぎで困る
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 01:45:55.82 ID:6/SFJoAO
俺も時々誰かに脳内OSがクリーンインストールされてて困る
688 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:09:28.06 ID:fMj6wSUo
副隊長「貴方らしい…」

隊長「なら聞くが……」

副隊長「……」

隊長「黒幕は誰だ…?」

副隊長「…………」

隊長「……結局答えないんじゃねーか」

隊長は腰に手をやり、首を左右に鳴らす。

隊長「もう止めにしよーや。副隊長サンよ」

副隊長「……」

隊長「俺は別にお前の事を好きでも何でもねぇ…」

ザッザッザ

隊長「人間だろうが魔物だろうが…剣を向ける奴ぁ…敵だ」

副隊長「隊長……っ」

隊長「正義だ悪だなんての事ぁ、俺には関係ない。敵は…斬る」

隊長は右手の剣を今一度、構え直す。
689 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:10:59.18 ID:fMj6wSUo
隊長「分かったろ。もう剣を捨てろ」

副隊長「人間も魔物も関係ない…。大したお方だ」

隊長「受け売りさ。初代のな」

副隊長「もう少し早く、貴方に出会っていれば…私も違っていたかもしれないな」

隊長「まだ…遅いなんて事ぁねーだろ」

副隊長「……」

ザッザッザ

隊長「……止まれ」

ザッザッザ

隊長「…聞こえんのか?止まれ」

副隊長「……隊長っ、ご無礼を!」

隊長「……ち…っ!」

ババッ!!……ザシュッ!!…ブシュウウゥゥ…

副隊長「……お先…に……っ」

隊長「……馬鹿野郎が…っ」
690 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:13:55.14 ID:fMj6wSUo
ドサァ・・・

隊長「……」

刀身についた鮮血を、じっと眺める隊長。

その目線をゆっくりと、地に伏せ倒れる副隊長へと向ける。

隊長「……分かんねぇ」

ブンッ…カシャンッ

隊長「分かんねぇよ…。全く……」

バサッ……フワッ

倒れる副隊長であった者を、隊長はマントで覆い、担ぐ。

隊長「さ、帰ろうや…」

ザッ…ザッザッザ…

隊長「俺は別にお前の事を好きでも何でもねぇが…」

ザッザッザ…

隊長「しばらくの間、ともに戦った戦友だろうが…っ。分からねぇよ…」

問い掛けるように呟きながら、隊長は司令部へと戻った。
691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 02:19:45.03 ID:WPCy.2SO
キキキキキター
692 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:28:36.75 ID:fMj6wSUo
〜西方司令部、司令室〜

皇太子「済まんな。お疲れのところ…」

神官「いえ、それは殿下も同様でしょう」

エリート「若干の質問にのみお答え頂ければ結構ですので…」

サモナー「……?」

エリート「あぁ、ただ今回の戦闘における資料作成ですよ。深い意味はありません」

召喚士「何を…お答えすれば…?」

エリート「では早速。まずはアカ・マナフとの戦闘における顛末…」

皇太子「同調召喚とはどういうものなのだろうか…?」

召喚士「はい。それについては俺も詳細は分かりません…」

青年兵「ええ…。初めての経験ですし…」

皇太子「そうか…」

サモナー「当事者として言える事は…五行に近しい感覚だという事でしょうか…」

エリート「五行……」

召喚士「実際、聖行が使えるわけでも…使った事もないので何とも言えませんが…」
693 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:29:36.41 ID:fMj6wSUo
神官「……」

召喚士「聞く話などから推測すると、近いと思います」

青年兵「あの…。そもそも五行の力というのは…?」

エリート「簡単に言えば、己を魔力や命を犠牲にして魔物を倒す自己犠牲呪文さ」

召喚士「確か一人で五行を放てば…死に至る、と…」

エリート「そのようですね。だからこそ、複数人えの詠唱を心がけている…」

サモナー「しかし、全員の魔力が等しくないと…失敗し、身の危険が…」

青年兵「成程…。切り札であり、諸刃の剣という事ですね…」

博士「今回は図鑑をアテにして、危険行為を推奨してしまったのら…申し訳ないのら」

召喚士「いえっ、あれがなければおそらく倒せておりませんから…」

皇太子「各々異なる属性において、同魔力で召喚する…」

エリート「それで同様の効力が発揮されたわけですね」

サモナー「多数の文献を見て来ましたが、初めて耳にします…」

博士「おそらく今後も使わない方が良さそうなのら。この術について隠している者もいるようだし」

召喚士「…青龍…先生…!?」
694 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:32:51.31 ID:fMj6wSUo
青年兵「そういえば…先生は使用した当事者なのですよね…?」

サモナー「もしリスクが低く、あの術を使えるのであれば…公にしているはずですよね…」

召喚士「確かに……」

サモナー「僕も玄武先生からは…伺った事もないですし…」

皇太子「……」

サモナー「文献や資料にだって…記述はありませんでした…」

エリート「やはりあの術については禁忌のような扱いなのかもしれません」

青年兵「本国へ戻り次第、先生へそれとなく聞いてみます」

皇太子「まぁ…あまり深入りするものではないのかもしれんがな…」

博士「うむ。魔力を均等に出来たから良かったものの……」

召喚士「そういう意味では、このメンバーが揃っていたのは完璧でしたね」

神官「言われてみれば…これ程の使い手が……」

サモナー「しかも皆、洞察力に優れていらっしゃいますし……」

青年兵「いえ…っ。そんな事はありませんよ」

召喚士「……?」
695 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 02:33:21.58 ID:fMj6wSUo
青年兵「実際、僕の魔力に合わせて頂いたわけですし…」

召喚士「青年兵くん…」

青年兵「お三方の実力は、僕などとはもっとかけ離れたところに…」

エリート「青年兵、君は自分を過小評価するフシが見受けられるな」

青年兵「そう…でしょうか……」

召喚士「うん。青年兵くんの召喚術…かなりのものだと思うよ」

神官「それに今回は、低魔力であったからこそ良かったというもの…」

博士「結果的には…そうなのら」

サモナ(おそらく全力だったら…僕の魔力はどれ程残っていたか…)

皇太子「低魔力で…あの威力か……」

エリート「魔王を封じ込められるわけだ……」

博士「うむ……」

皇太子「此度の件、極力口外は控えて貰えるな…?」

一同は無言で強く頷く。

皇太子「済まない。報告ご苦労であった…!」
696 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 02:43:13.81 ID:Obv690I0
>>1が来るのは今か今かと何度も開いて待ってたぜ
697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 03:48:49.23 ID:fMj6wSUo
お待たせしてしまって申し訳ありません…
週末は所用しつつなので、まとめ読みで構いませんので…
またお昼頃に現れる(予定)です!ノシ


〜オマケ>>537

サラマンダー「なぁなぁ」

シルフ「んー?」

サラマンダー「お前らってさ、あの謎のランキングだとどうなの?」

シルフ「はぁ?バッカじゃないの!?」

ウンディーネ「私はそうねぇ……トップクラスかしらねぇ

ノーム「ふーむ…。確かに……」

ウンディーネ「あらおじいちゃんったら…もうっ」

サラマンダー「んで、お前は?」

シルフ「ジロジロ見んなぁーっ!!」

ノーム「シルフちゃんはそうじゃの…。あー…」

バキィッ!!

ノーム「うぅんーっ!!」

サラマンダー「なんだ、あーうんクラスか……」

シルフ「知るかっ!!バカーッ!!」
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 03:53:36.21 ID:52HomNco
ほぅ……ウンディーネはトップクラスか…デュフフ
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 04:24:36.03 ID:OkaZce60
つまり基本精霊4体同時召還で今回のこれにならなかった理由は
召喚に必要な魔翌力量に差があったという事か
ウンディーネが燃費悪くてシルフが低燃費でシルフ可愛い
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 07:46:10.53 ID:gZUbSG.0
これで俺は好きになったな>シルフ
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 09:33:03.80 ID:kuFuegSO
サモナー(済まない…ウンディーネ。…盗賊ちゃんの魔乳(*´Д`)ハァハァ)
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 10:19:00.26 ID:UmdBA6DO
>>1乙!

おまけありがとー!あーシルフたんに罵られたひ…
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 10:30:33.08 ID:ZPS5bwAO
>>1

もうなんかシルフ見ても同一のノリしか連想できない俺がいる…

魔翌力を合わせるって事は、同じ程度のランクの召喚獣をそれぞれが持ってなきゃダメだったのかな
それだったら尚更凄い偶然だな

俺も、一億人の中から魔道士ちゃんと出会えた奇跡に、乾杯
704 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 12:57:12.57 ID:LBK5VwDO
>>695
前に誰かも書いてたけれど、サモナーの魔翌力消費した後の心中がマジで気になってしまう…
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/04(日) 13:25:03.23 ID:fMj6wSUo
>>704
たまに発狂するレベルです

サモナー「今回も……魔力を消費してしまった…はぁ…」

ゴソゴソッ…パラパラ

サモナー(えぇと…前回が残り…年と8カ月14日…6時間飛んで9分51秒ぐらいだったから…)

カキカキカキッ

サモナー(今回の召喚でえぇと……)

カキッ…ピタ

┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
  _ノ   _ノ   _ノ ヽ/|    ノ    ノ       。。

       /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl  
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
  /   | .|           | .| ,U(ニ 、)ヽ
 /    | .|           | .|人(_(ニ、ノノ
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 13:35:03.26 ID:Obv690I0
>>705
ワロスwwwwww

愛だから仕方ない。
707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 16:23:23.18 ID:kcGX.UDO
>>701
誰も突っ込まないがあえて突っ込むとウンディーネじゃなくてマーメイドだぞ
708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 16:40:31.70 ID:K1SwSwAo
魔法使い切ったら幽霊になるのか
709 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:51:35.24 ID:fMj6wSUo


西方参謀「おらっ、そっちの残骸を……」

ザッザッザ…

西方副司令「あら…?」

隊長「……」

西方参謀「お戻りか……」

隊長「……おう」

西方参謀「本国への船がもうじき……あん?何だ…それ?」

隊長「……」

西方参謀「それ…ま、まさか…っ!?」

隊長「頼む…」

グッ…トスッ

西方司令「…!?」

隊長「殉職者として…丁重に葬ってくれや…」

隊長は物静かに語り、司令部内へと戻った。
710 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:52:12.53 ID:fMj6wSUo
テクテクテク

魔道士「おかえりなさいっ」

戦士「もう終わりか…?」

召喚士「うん。俺らの任務もこれで終了だね」

サモナー「夕方、国軍の船が出るそうだよ」

魔道士「私達もそれに乗せて貰いましょうか!」

盗賊「…だな」

サモナー「僕も同時に西国の船で帰国するつもりだよ」

魔道士「そうですかぁ…!」

戦士「あーやっと終わったって感じだな」

盗賊「…だな」

召喚士「うん…。なんだか、色々あったね…」

サモナー「でも、みんな無事で良かった」

戦士「ま…っ、結果的にはな…」

召喚士「うん…」
711 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:52:47.67 ID:fMj6wSUo
〜西方司令部、司令室〜

エリート「船は18時にも出航可能です」

皇太子「うむ。ご苦労」

エリート「ひとまず…終わりましたな」

皇太子「ああ。打つべき手は打てた。及第点だろう」

エリート「危なかった…ですがね」

青年兵「……」

皇太子「魔王軍の動きもかなり表だって仕掛け初めておるな」

青年兵「こちらの攻撃に、焦っているのでしょうか…?」

エリート「それもあるが…おそらくは……」

皇太子「内通者による情報の漏れによるところが大きいだろうな」

エリート「今後も軍団長クラスとの交戦は増えそうですね」

皇太子「すべき事は見えてきた。順次取りかかろうとしよう」

青年兵「内通者は暴けないのでしょうか…?」

エリート「我らもかなり力を入れてはいるが…なかなか難しいのだよ」
712 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:53:42.47 ID:fMj6wSUo
皇太子「首謀は国軍…または本国内のかなり上の人間のようだ」

エリート「誰が味方で、敵なのか分からぬ状況では…公にはし辛い…」

青年兵「な、なるほど…」

エリート「それに、首謀者さえ分かれば…そこから種を蒔く事も出来るしな」

青年兵「種…?……あ…っ!!」

皇太子「魔王軍にとってもかなり信用されているようですし…」

青年兵「偽報を用いて…」

皇太子「そう。動きを逆手に取る。これが実現すれば非常に大きい」

コンコン

エリート「…?どうぞ…っ」

隊長「失礼します」

皇太子「戻ったか…。どうであった…?」

隊長「残念ながら……」

エリート「黒…か。何か情報は?」

隊長「残念ながら……」
713 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:54:18.96 ID:fMj6wSUo
皇太子「そうか…。ご苦労」

隊長「……申し訳…ありませ」

皇太子「何か謝る必要があったかね?」

隊長「……」

皇太子「此度の君の任務、何だったかな?」

エリート「特殊遊撃の任務は、皇太子殿下の護衛でしたね」

皇太子「私はこのように無傷だ。任務を全うしたではないか」

隊長「…はっ」

皇太子「それ以上の責があるというのなら…それは筋違いというものだ」

隊長「……っ」

皇太子「まあいい。下がったゆっくりと休まれるといい」

隊長「…有り難きお言葉。……失礼致します」

カチャッ…パタン

皇太子「かなり憔悴しておるな…。仕方ない…か」

エリート「しばらく前線に立つのは難しいかもしれませんね…」
714 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:55:06.12 ID:fMj6wSUo
〜西方司令部、客間〜

コンコン…カチャッ

ウィッチ「魔道士ちゃん…」

魔道士「どう…?具合は大丈夫?」

ウィッチ「お陰さまで…もう大丈夫でございます」

魔道士「そっかぁ…。良かった!」

ウィッチ「……」

魔道士「今回は大変だったねぇ…」

ウィッチ「あの…魔道士ちゃん…」

魔道士「なぁに?」

ウィッチ「魔道士ちゃんは…いつもこんな戦いを…?」

魔道士「ん〜、いつもってわけではないけど……」

ウィッチ「……」

魔道士「今回は結構…大変だったね…っ」

ウィッチ「そうで…ございますか……」
715 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 19:56:26.99 ID:fMj6wSUo
魔道士「何で…?」

ウィッチ「私…やっぱり無理でございます…」

魔道士「え…っ?」

ウィッチ「私の実力では、魔道士ちゃん達と旅は出来ないでございます…」

魔道士「そんな…事…」

ウィッチ「いいんでございます…。今回の戦いで…身を以て分かったでございます」

魔道士「ウィッチちゃん……」

ウィッチ「今の実力では到底…足手まとい…」

魔道士「……」

ウィッチ「だから、一緒には行けないでございます…」

魔道士「で、でもぉ……」

ウィッチ「私は私で…身の丈にあったパーティーを探すでございます」

魔道士「……ウィッチちゃん。……分かった」

ウィッチ「だから…悲しい顔をしないで、お互い頑張りましょうでございます…!」

魔道士「……うんっ!そうだね!えへへ…っ!!」
716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 21:06:51.80 ID:LBK5VwDO
>>705
サモナーwwwwww
可愛そうな筈なのに吹いてしまったwwww

でもやっぱりサモナーがマーメイドに謝りまくって
マーメイドもなんて声掛けていいかわからなくて
気まずい空気になる所を想像してしまって可愛そうになった

頑張れサモナー!
717 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 22:01:00.23 ID:fMj6wSUo


西方兵「まもなく乗船可能であります!」

エリート「ご苦労」

青年兵「では、参りましょうか」

皇太子「うむ」

カツカツカツ

西方司令「殿下、此度はまことに…はあぁ……」

皇太子「すまんな。もう少し滞在したいところなのだが…」

西方副司令「復旧についてはご心配なく。お任せ下さい」

皇太子「…頼む。そうだ、博士」

博士「……なんなのら?」

皇太子「魔物図鑑をお借りするわけにはいかんかな?」

博士「それは殿下の頼みといえど…流石に無理なのら」

皇太子「……そうか」

博士「あ、でも…」
718 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 22:01:40.81 ID:fMj6wSUo
エリート「……?」

博士「地下の保管庫には鍵を掛けてないし…」

青年兵「…?」

博士「複写でもされたら…大変なのら」

皇太子「そうか、それは大変だな。エリート」

エリート「は…っ」

皇太子「急ぎ、保管庫に異常がないか調べて参れ」

エリート「!?……は、はい!」

タッタッタッタッタ

博士「…ふふっ」

皇太子「はっはっは!」

テクテクテク

西方参謀「殿下、神官殿が出航されますぜ」

皇太子「…うむ」

皇太子は西国の軍船前へと進む。
719 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 22:02:45.59 ID:fMj6wSUo
神官「これは殿下。わざわざのお見送り感謝致します」

皇太子「こちらこそ。此度は何かと大変感謝するぞ」

神官「何を仰います。盟友ではありませんか」

皇太子「!?……そうであったな。はははっ!」

サモナー「召喚士くん」

召喚士「サモナーさん」

サモナー「今回は充実した旅だったよ。ありがとう」

召喚士「こちらこそ…!ありがとうございました!」

戦士「マーメイドさんに宜しくな!」

魔道士「お元気でっ!!」

盗賊「…また」

サモナー「みんなも…元気で!」

神官「では、失礼します」

皇太子「…うむ」

神官とサモナーは西国の船へと乗り込み、三日月島を後にした。
720 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 22:04:29.71 ID:fMj6wSUo
カツカツカツ…

エリート「お待たせ致しました。参りましょうか」

皇太子「異常はなかったか?」

エリート「首尾は上々でした」

博士「それは良かったのら!」

青年兵「ウィッチさん、どうぞ」

ウィッチ「ありがとうございます」

女隊員「隊長、行くッスよ?」

隊長「……おう」

男隊員「乗り遅れたら…泳いで帰る事になりますぜ?ヒャハハ!」

戦士「んじゃ俺らも行くとすっか」

盗賊「…ん」

魔道士「も、もう魔物…来ないですよね…っ?」

召喚士「お、おそらく……」

戦士「今度こそ…さらば三日月島…だな!」
721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 22:06:42.16 ID:5cpd3Tso
同調召喚で、召喚に使った魔翌力は戻らないって召喚士が言ってたけど、
例えば100%中、召喚に5%つかったとしてその召喚に使った5%の魔翌力は
戻らないって解釈でいいの?
722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 22:25:30.79 ID:PNDQ.B60
ちゃうっしょ?
召喚にかかるのが 召喚コスト+維持コスト
ダメージ受けたら維持コストが上がるから魔翌力をそがれる
が、召喚獣をもどせば、召喚コストは帰ってくる
んで、同調召喚の場合は召喚コストが戻ってこない

って考えれば、今までの召喚魔翌力関連の発言は全部納得いく
723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 22:52:17.73 ID:veFdwoAO
どっちにしても
サモナーさんは涙目ってことでおk?
724 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 23:52:49.02 ID:fMj6wSUo
〜船上〜

戦士「…そうかぁ、ウィッチの奴…そんな事を」

魔道士「はい…っ」

盗賊「…本人の意思だ。無理強いは出来まい」

召喚士「そう…ですね…」

魔道士「私達とそんなに変わらないと思うんですけど…」

盗賊「……」

戦士「俺らも、まだまだだもんな…」

魔道士「…?」

戦士「強い敵と戦う度に思い知らされるぜ…。自分の弱さをな…」

盗賊「……」

召喚士「そうだね。今回のような敵と戦うには…もっと強くならないと…」

戦士「修行…あるのみ、か」

盗賊「…修行」

魔道士「そうですよね…。もっと強くならないと…」
725 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/04(日) 23:55:44.20 ID:fMj6wSUo


青年兵は椅子にもたれかかり、天井を見上げている。

青年兵「……」

コトッ…

青年兵(今回もの僕は……)

ギュッ…

青年兵(強くなりたい…。力が…欲しい…っ!)

コンコン…カチャッ

エリート「青年兵、いるかな?」

青年兵「エリート…様!?どうしたんです?」

エリート「たまには…どうかと思ってね…」

エリートは酒を手に入室し、青年兵を見て微笑む。

青年兵「か、構いませんが…。殿下は…?」

エリート「あぁ…フラれてしまったよ。ははっ…」

青年兵「……?」
726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 00:06:49.84 ID:UZYBMoAO
むしろサモナーは召喚獣になってマーメイドと一緒に召喚してもらえ

俺天才過ぎ引いた
727 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 00:09:40.76 ID:UfhO9BAo
〜甲板〜

隊長「……」

カツカツカツ…

皇太子「……やぁ」

隊長「殿下…!?」

皇太子「どうした?休まんのか?」

隊長「……ええ。構わんで下さい」

皇太子「…らしくないな」

隊長「……」

皇太子「…何か言いたそうだな」

隊長「本国へ戻り次第、隊長の職を辞任しようかと思います」

皇太子「ほう…?いいのか?」

隊長「今回の不手際は…やはり俺の責任です」

皇太子「なんとも惜しいな。君のような者以外、務まらんと思うが…」

隊長「……そんな事はありませんよ」
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 00:13:00.16 ID:UfhO9BAo
皇太子「…まぁ、まだ本国へ着くまでに時間はある。もう少し考えても良かろう」

隊長「……」

皇太子「その上で納得いかんのなら、無理に止める必要もない」

隊長「…はっ」

皇太子「そもそも、国軍の事に関して、私が口を出せるものでもないがね。ははっ」

隊長「殿下……」

皇太子「では、失礼するよ」

カツカツカツ…

隊長「……ふー」

ザッ

隊長「…!?」

男隊員「……」

隊長「お前ら…っ、いつの間に…?

女隊員「隊長…辞めるなんて許さないッスよ!駄目ッス!」

隊長「お前ぇら……」
729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 00:22:28.86 ID:UfhO9BAo
女隊員「隊長ぉ……っ!」

男隊員「副隊長の事は別に……」

テクテクテク…

男隊員「おいっ!隊長!!」

隊長「分かった。分かったから放っておいてくれ…」

テクテクテク…

男隊員「……ちっ!」



青年兵(あと4年…いや、3年…。もっと強く…っ!)



召喚士「修行…かぁ…」

戦士「……ああ。助けを借りてばっかりじゃ…いらんねぇ!」

盗賊「…同感だ」

魔道士「もっと…腕を上げないといけませんね…っ!」

それぞれの思いを胸に、船は本国へと到着する…。
730 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 00:28:57.88 ID:eAHWrIAO
魔道士ちゃんパーティの召喚士たちみたいなと違って、家系の遺伝的なものないのに強いのってさすが魔道士ちゃんやで
731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/05(月) 00:29:35.91 ID:UfhO9BAo
それではこの辺りにて!ご支援ありがとうございました!
おやすみなさいです!ノシ

>>668-672
ACでもランカーって言うんですよね
ちなみに天才の趣味はビリヤードのナインボールです

>>673
カッコイイ!!

>>675
1レスではなく、短編ぽくて宜しければ…!

>>721-723
そんな感じです!
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 00:30:28.35 ID:eh.Bzx2o

おやすみ〜
733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 01:39:02.73 ID:UZYBMoAO
>>1

大きな局面もほぼ片付いたが、結局いやな感じに虚しさが残ったな
副隊長、最後にあんな人間以上に人間らしそうな事口にするなよ……

まぁそれはそれとして置いといて、召還士ばっかり魔道士ちゃんに心配してもらいやがってさ…俺だって毎晩毎晩魔道士ちゃんを思いながらMPもとい、タンパク質を大量に消費してるのに…
あいつと俺ではいったい何が違うと言うのか
734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 01:40:48.86 ID:Dzp6xPAo
>>733
次元の差、かな
735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 03:33:35.87 ID:PjaIYSA0
>>733
召喚士は消費するだけでなく、具現化させてるから
今まで消費していたMPを蓄積する所からはじめてみてはどうかね?

あと召還でなくて召喚とマジレス
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 07:58:29.86 ID:M1cI8gDO
それにしてもサモナーさんよく気を保っていられたな
俺なら暴走してそのまま次の日マーメイドの膝の上から目を覚ましていたところだぞ
737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/05(月) 16:02:31.71 ID:UQdhP6DO
マダカナマナカナ
゚*。(・∀・)。*゚
738 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 16:51:15.24 ID:jUCLgA6o
〜西方、海上〜

神官「さぁ、どうぞ」

神官の部屋へと呼ばれたサモナーは、促されるがまま椅子へと座る。

神官「申し訳ありません。急に呼び出してしまいまして…」

サモナー「いえいえ。お構いなく」

神官「何せ堅物な男でしてね」

神官はちらりと、背後に立つ側近の男に目をやる。

サモナー「……」

神官「任務中は一滴も飲まないと、頑なでして…」

サモナー「…頼もしい限りじゃありませんか」

神官「そうですね。こういう者がいるからこそ、王子を安心して任せられる…」

側近は照れた素振りを見せ、無言でドアの外へと去る。

神官「折角ですから、到着まで酒でも交えながら話しませんか?」

サモナー「願ってもない事です」

神官「…良かった」
739 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 16:51:52.68 ID:jUCLgA6o


サモナー「同盟締結。改めておめでとうございます」

神官「余計なおまけまで付いてしまいましたけれどね…」

サモナー「ははっ。全くですね…」

神官「……召喚士殿たちから伺いました」

サモナー「…?」

神官「今回は…かなりの魔力をお失いになられたのでは…?」

サモナー「…あぁ、大丈夫です。お構いなく」

神官「……」

サモナー「思ったほど消費していませんよ。直撃もありませんでしたし…」

神官「そう…ですか」

サモナー「お心遣い、感謝します」

神官「あっ、いえ…」

サモナー「さ、どうぞ。お注ぎ致します」

神官「これはわざわざ…。ありがとうございます」
740 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 16:53:53.01 ID:jUCLgA6o
サモナー「今回は思惑通りと言ったところですか?」

神官「…どうでしょうかね」

サモナー「……」

神官「確かに得たものは非常に大きいです」

サモナー「ええ。島半分ですからね」

神官「そもそも今回の条件は、王子の気まぐれが発端でした」

サモナー「そう…らしいですね」

神官「西国としては正直…本国との同盟はどうでも良かったのです」

サモナー「…!?」

神官「今のところ、こちらにとってのメリットはほとんどありませんでしたから…」

サモナー「確かに…そうですよね」

神官「最初に提示してきた条件である、本国の技術…」

サモナー「司令部にあったと言われる研究機関ですか?」

神官「ええ。確かにあれは素晴らしいものばかりでした」

サモナー「……」
741 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 16:56:10.16 ID:jUCLgA6o
神官「あちらが引き合いに出してくる理由も、一目して理解出来ましたよ」

サモナー「それ程の価値が……」

神官「特に通信技術と描写技術、えぇと…カメラ、と言ったかな」

サモナー「…?」

神官「もし世界中に普及すれば、生活は大幅に改善されるでしょう」

サモナー「そうですかぁ…。見てみたいですね」

神官「意外と近い将来かもしれませんよ…?」

サモナー「それは楽しみですね…!」

神官「それ程の技術を提供してまで、同盟を組みたかった…」

サモナー「……?」

神官「その理由が、今回の戦いでハッキリと分かりました」

サモナー「それは…つまり…?」

神官「……内通者」

サモナー「…!!」

神官「彼らが事を成すには、外部の力に頼るしかない…という事です」
742 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 16:57:38.41 ID:jUCLgA6o
サモナー「なるほど…!だから好条件を以ってしても同盟を…」

神官「そう。組みたかったのです」

サモナー「それ程までに国内には不穏な動きが…っ」

神官「いえ…。そこまで大事には至っていないと思いますよ」

サモナー「…?」

神官「もしそうであれば…強行策に出るか、一度軍を解体しているはずですから」

サモナー「言われてみればそうですね…。むしろ楽観的な…」

神官「狙ってるのだと思いますよ」

サモナー「尻尾」を出した瞬間を掴み、逆手に…取る…!」

神官「まぁ…双方同じ事を考えてはいるようですが…」

サモナー「水面下では地道に…小競り合いが起きているわけか…」

神官「そこまで分かって、初めてこの同盟の意義が見えてきました」

サモナー「…なるほど」

神官「無論、経済面での効果も非常に大きなものですがね」

サモナー「……」
743 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 16:58:58.43 ID:jUCLgA6o
神官「そして、共闘して…同盟を組んで良かったと思いました」

サモナー「…?」

神官「彼らの、特に殿下の心意気に打たれました」

サモナー「国のトップになられる方が…不思議なものですよね」

神官「何か人を惹きつける。そんな魅力があります」

サモナー「彼らの志は非常に高いものだと思いますよ」

神官「ええ。自国だけではなく、本当の意味で世界の事を考えている…」

サモナー「……」

神官「ちょっと…似ているからかもしれないな…」

サモナー「…え?」

神官「いえっ、何でもありません。あ…そうだ…」

サモナー「…?」

神官「人を惹きつけると言えば…彼もそうかもしれませんね…」

サモナー「彼…?あぁ、そうですね。不思議なものです。中心には必ず彼が居る…」

神官「もしかしたら…救世主なのかもしれませんね。ふふっ…」
744 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:01:46.78 ID:jUCLgA6o
召喚士「へーっくしょん!!」

戦士「あん?風邪か…?」

召喚士「いや、ちょっとムズムズ……っくしょん!!」

魔道士「召喚士さん、ティッシュどうぞ」

召喚士「ありがとうございます…」

盗賊「…あの…さ」

戦士「あん?」

盗賊「…いいの…かな?」

魔道士「何がですか…?」

盗賊「…このままで」

戦士「だから…何が言いたいんだよ?」

盗賊「…あ、あのっ…力不足だから」

召喚士「修行した方が…いいって事ですか?」

盗賊は黙って、こくりと頷く。

召喚士「修行…かぁ」
745 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:04:38.36 ID:jUCLgA6o
戦士「まぁ悪かない発想だ」

魔道士「確かに…力足らずなところはあるかもしれませんね…」

盗賊「…うん」

戦士「ただ問題は…悠長に時間を使ってらんねぇって事だ」

召喚士「うん。俺らは国軍付のワーカーにもなったわけだし…」

魔道士「そういえば…!それってどうなんですか?」

召喚士「おそらく受ける、受けないは自由だと思いますけど…」

戦士「今までのようにこちらから依頼を選ぶ事は出来ないわけだ」

魔道士「そっか…。好きな時に好きな依頼をするわけではなくなるんですね」

召喚士「そういう事です」

戦士「その辺踏まえても、もし修行するなら短期間で効果抜群…」

召喚士「更には各々、師が居た方が良いですね…」

盗賊「……」

魔道士「つ、つまり…?」

召喚士「一度別れて、個別に修行をするしかないって事です」
746 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:05:37.20 ID:jUCLgA6o
魔道士「!?」

戦士「まぁ、それがベストだわな。つーか…それ以外、浮かばねぇ…」

盗賊「……確かに」

魔道士「でも…っ、せっかく戦士さんも帰ってきたばかりなのに…」

盗賊「……」

召喚士「このまま旅を続けるか…個別に修行をするか…」

戦士「当然、国軍の許可も必要かもしれんがな…」

召喚士「みんなの…意見は…?」

戦士「俺は……」

魔道士「私は…その……」

盗賊「……私は」

召喚士「…なんだ、みんな同意見じゃないですか」

戦士「決まりだな…!」

盗賊「…ああ」

魔道士「バラバラで寂しいけれど、修行…頑張りましょう!」
747 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:07:36.59 ID:jUCLgA6o
〜国軍本部〜

カツカツカツ…

副司令「…おぉ、丁度いいところに」

大軍師「これは副司令。如何致しましたか?」

副司令「……」

ピラッ

大軍師「…?」

副司令の差し出す紙切れを受け取り、大軍師は目を通す。

大軍師「……!?」

副司令「三日月島からの伝書だ。昨日…小船で伝令が持ってきたそうだ」

大軍師「……なんという」

副司令「司令は…?」

大軍師「不在のようです。私もお目通り願ったのですが…」

副司令「何だとぉ!?…このような時に…!」

大軍師「参りましたね……」
748 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:08:30.15 ID:jUCLgA6o
副司令「既に一日経過している…。安否が気になるところだが…」

大軍師「…任せろ、と書いてある限り…任せるしかないのでは?」

大軍師は伝書を副司令へと返す。

副司令「それは…そうだが…」

大軍師「護衛も付いています。余程の魔物でない限り、問題ないかと…」

副司令「…いやに冷静だな。殿下の安否が懸かっているのだぞ?」

大軍師「それはそうですが…今更動いても後手でございます故…」

副司令「……おい」

秘書官「…?」

副司令「司令はいつお戻りになるのだ?」

秘書官「詳細は伺っておりませんが、深夜には」

副司令「全く…!軍のトップなのだ。どっしり構えていてくれればいいものを…」

大軍師「確かに…。最近頻繁に外出されているようですね」

副司令「…とにかく、この件については貴公に任せるぞ…!」

大軍師「…承知…つかまりました」
749 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:09:22.79 ID:jUCLgA6o
カツカツカツ…

大軍師「はぁ…」

秘書官「大軍師様も大変ですね」

大軍師「毎度の事ですよ。ふふっ」

大軍師は一礼し、司令室のドアをちらりと見つめる。。

大軍師「内通者……か」

タッタッタッタッタ

衛兵「大軍師様っ!殿下の船がお戻りになられました!!」

大軍師「何…っ!?…よし、すぐに向かいます!」

タッタッタッタッタ

秘書官「……」

国軍本部の港。一隻の船を迎え入れるため、大勢の兵が慌しく駆け回る。

国軍兵「いいぞー!碇を下ろした後に固定を開始しろ!」

大軍師「……」

間もなく船が固定されると、皇太子を始め、一同がゆっくりと姿を現した。
750 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:10:38.03 ID:jUCLgA6o
ザッ

大軍師「殿下、ご無事で何よりで…」

皇太子「出迎えご苦労。司令は…?」

大軍師「外出中にございます。要件は私が…」

皇太子「そうか、ならば追って連絡しよう」

大軍師「はっ」

魔道士「ウィッチちゃん!」

ウィッチ「魔道士ちゃん…」

魔道士「ここで…お別れ…?」

ウィッチ「はいでございます…。お世話になりましたでございます」

戦士「……」

召喚士「本当にいいんですね?」

ウィッチ「はいでございます。あ…でも……」

盗賊「…?」

ウィッチ「また…会って頂けますでございますか?」
751 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:12:07.61 ID:jUCLgA6o
魔道士「もちろんだよぉー!……ひぐぅ…っ」

戦士「元気でな!」

ウィッチ「はいでございます!」

盗賊「……」

ウィッチ「また…強くなったら、ご一緒させて下さいでございます!」

召喚士「いつでも…お待ちしてます!」

魔道士「ウィッチちゃあん…!気を…付けてねぇ…!うぅ…」

盗賊「…よしよし」

カツカツカツ

青年兵「ウィッチさんはしばらく、王宮でお預かり致します」

戦士「大丈夫なのか?親父さんは確か……」

エリート「王宮といえど生活空間にまでは入れないよ」

召喚士「そうですかぁ」

エリート「それに…灯台下暗しって事です」

盗賊「…なるほど」
752 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:13:18.97 ID:jUCLgA6o
ウィッチ「では、失礼しますでございます」

ウィッチは深々と頭を下げ、笑顔で手を振る。

魔道士「じゃあねー!!元気でねーっ!!」

戦士「頼みます」

エリート「ああ。安心してくれ」

青年兵「召喚士さん…」

召喚士「…ん?」

青年兵「…いえ。それでは…また」

召喚士「うん」

エリート「国軍付の件、とりあえず大軍師殿に伺って下さい」

召喚士「…分かりました」

エリートは会釈し、青年兵、ウィッチとともにその場を後にする。

盗賊「……さて」

戦士「俺達は…あっちか」

四人は皇太子と談話する大軍師を見つめる。
753 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:14:12.99 ID:jUCLgA6o
ザッザッザ…

男隊員「……」

女隊員「……」

隊長「…………」

ザッザッザ……ピタッ

隊長「ここでいいぞ。解散だ」

男隊員「……」

女隊員「……隊長」

隊長「次の任務まで待機してろ」

女隊員「……はい…ッス」

ザッザッザッザッザ

男隊員「隊長、どうすんのかねぇ…?」

女隊員「嫌ッスよ。隊長のいない強襲隊なんて…」

男隊員「…当たり前だろ。くそ…っ!」

二人は司令部へと向かう隊長の背中を、じっと見送った。
754 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:14:39.62 ID:jUCLgA6o


召喚士「大軍師さん」

大軍師「これは朱雀先生。此度は大変だったそうですね…」

召喚士「まぁ…色々と…」

皇太子「彼らがいなくては正直危なかったかもしれんよ」

魔道士「そんな事ないですよ!」

召喚士「そこで殿下、例の件なのですが…」

皇太子「例の…?あぁ、そうだったな」

大軍師「……?」

皇太子は大軍師に、事の経緯を説明し、四人の処遇を仰ぐ。

大軍師「成程…。畏まりました」

皇太子「任せるぞ」

大軍師「人事については副司令殿ですので、私から頼んでおきましょう」

戦士「助かります…!」

召喚士「あと…もう一つご相談が……」
755 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:15:07.22 ID:jUCLgA6o


皇太子「修行…?」

魔道士「はいっ。もっと強くなりたいな…って、思いまして」

大軍師「こちらは構いませんよ。まだ手続き前ですし」

戦士「良かった!」

召喚士「ありがとうございます…!」

大軍師「いえ、それは構わないのですが……」

盗賊「…?」

皇太子「まだ…腕を上げようと言うのか…?」

召喚士「ええ。今のままでは足手まといですし…」

皇太子と大軍師は目を丸め、互いに見合う。

魔道士「あの…何か…っ?」

大軍師「い、いえっ…何でもありませんよ」

皇太子(この若さで…なんと貪欲なのだろうか…。恐れ入るよ…)

盗賊「……?」
756 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:15:41.13 ID:jUCLgA6o


大軍師「では…話は進めておきますので、終わり次第尋ねてください」

魔道士「ありがとうございます!えへへっ!」

召喚士「殿下も、ありがとうございました」

皇太子「こちらこそ。また頼むぞ…!」

戦士「もちろんっす!」

盗賊「…では」

カツカツカツ…

召喚士「それじゃ、宿を取って今日は休みましょうか…」

魔道士「そうですねっ。お風呂入りたいです…」

戦士「あ、悪い…。ちょっと先に行っててくれ」

盗賊「…?」

召喚士「どうしたの?」

戦士「あーちょっと……師匠を探しに…」

召喚士「師匠…!?」
757 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:16:52.26 ID:jUCLgA6o
〜国軍本部〜

ジャアアァァ……キュッキュ

隊長「……ふー」

フキフキ……ジョリジョリ…

隊長「……」

カチャッ…パタン

隊長「……」

テクテクテク…

隊長「……?」

戦士「おっす…」

隊長「…何だ?」

戦士「衛兵に聞いたら、更衣室だって言ってたんで…」

隊長「なんか用か?用がないんなら…」

戦士「頼みがある…!俺を一緒に…連れて行ってくれ!」

隊長「……はぁ!?」
758 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:18:03.69 ID:jUCLgA6o
〜宿〜

召喚士「戦士の奴、ちゃんと考えてたんだなぁ…」

魔道士「私達はどうしましょう…?」

召喚士「魔道士さんにはいるじゃないですか。師匠が…」

魔道士「え……?あ…っ!!」

盗賊「…マジシャン…か」

召喚士「はい。多分バーテンさんの所へ行けば、何か分かると思いますよ」

魔道士「そっかぁ…!そうですよね!マジシャンさんなら…っ!」

召喚士「俺は…やっぱり青龍先生かな…」

魔道士「召喚術の使い手では一番ですもんね!」

召喚士「はい。……でも師匠ではないですけどね」

盗賊「……?」

召喚士「俺の師匠は、たった一人しかいませんから…」

魔道士「……召喚士さん」

召喚士「だから師匠ではなく、先生って事で…!」
759 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:20:44.83 ID:jUCLgA6o
盗賊「…私は…どうしよう」

召喚士「盗賊さんの場合、難しいですね…」

魔道士「天才さんとか、魔法剣士さん…とか?」

召喚士「いや、攻撃スタイルが違いますからね…」

盗賊「…ああ」

召喚士「戦士もそれを踏まえて、隊長さんの所に行ったんだと思いますよ」

魔道士「なるほど…!確かにそうですよね……」

召喚士「やはり藤蔵へ行くのが、一番早いかも…」

盗賊「…やだなぁ」

魔道士「盗賊さんみたいに素早い動きでパパっと敵を倒す…人…」

召喚士「…いない…ですね」

盗賊「……」

魔道士「……ごめんなさい」

盗賊「い、いやっ…いいよ。…ゆっくり…考える」

召喚士「すみません…」
760 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:22:06.24 ID:jUCLgA6o
〜国軍本部〜

隊長「事情は分かった。だが諦めてくれ」

戦士「…?」

隊長「俺はもうこの職を降りる。しばらく一人にさせてくれ」

戦士「はぁ!?」

隊長「ちょっと休みてぇって言ったんだよ」

戦士「アンタほどの男が戦線離脱してどうすんだよっ!」」

隊長「てめぇに何が分かるってんだ…!」

戦士「分かってたまるか!そんな事っ!!」

隊長「そんな事だとぉ…!?」

戦士「んなモン、ただ逃げてるだけじゃねーか!!」

隊長「……」

戦士「逃げたところで何が残ってんだ!?バーテンや親父……」

隊長「親父…?」

戦士「あ…っ……」
761 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:23:49.06 ID:jUCLgA6o
隊長「何だ親父って…。初代と何か関係あんのか!?」

グイッ

戦士「わ、分かった…!話す!話すから離せ!」

隊長「ああ、早く話せ!」

戦士「ちーがーうー!離せーっ!!」

隊長「だから話せっ!」

戦士「手を離せって言ってんだよ!この野郎!」

ガスッ

隊長「いってぇ!」

戦士「…殺す気か…っ。はぁ…はぁ…」

隊長「……んで、何なんだお前は?」

戦士「俺は…戦士父の息子だ」

隊長「戦士父…!?ま、まさか…一番槍の…!?」

戦士「ああ…。この事はちょっと秘密にいぃ!?」

隊長「……おい」
762 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:25:25.03 ID:jUCLgA6o
グイッ

隊長「こ…んの野郎!何でそういう事を隠してやがんだ!?」

戦士「くっ、苦しい…って……」

隊長「道理でその若さで…。納得いったぜ」

ガスッ

隊長「だから脛を…っ!!」

戦士「じゃあ胸ぐら掴むのやめろっ!!」

隊長「お、おうっ…。すまん」

戦士「親父は北で服役させられそうになって逃げた」

隊長「!?」

戦士「だから軍の人間に話すわけにはいかなかったんだよ…」

隊長「そうだったのか…」

戦士「頼む!!あんたの腕を間近で見て…学びたいんだ!」

隊長「……」

戦士「隊長!!」
763 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:26:33.58 ID:jUCLgA6o
隊長「俺はしばらく職を離れる」

戦士「……くっ!」

隊長「だから時間はある…」

戦士「……?」

隊長「任務に同行させてやる事は出来ねぇが…」

戦士「……それって」

隊長「稽古をつけてやる事は出来る。それでいいか?」

戦士「……もちろん!!」

隊長「…明日の朝一で本部の裏門に来い。いいな!」

戦士「了解致しました!隊長殿っ!!」

隊長「隊長はよせ。俺はもう隊長じゃねーよ…」

戦士「分かりました!師匠っ!!」

戦士は大声で返答すると、頭を一度下げ、その場を走り去る。

タッタッタッタッタ

隊長「変な野郎だ…まったく。……へっ!」
764 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:28:05.78 ID:jUCLgA6o
〜副司令室〜

副司令「本当に…良いのか!?」

隊長「副隊長を失い、殿下を危険な目に合わせたのは私の責任です」

副司令「うぅむ…。しかし、魔族と通じておったのだろう?」

隊長「関係ありません。見抜けなかったのも同罪です」

副司令「それを申せば、任命した私とて同罪だ…」

隊長「……」

副司令「決意は固いようだな…。分かった」

隊長「…申し訳ございません」

副司令「君の代わりを務められるような人間はいない…」

隊長「……」

副司令「特殊遊撃強襲隊は、しばしの間解散とする」

隊長は敬礼の後、丁寧に頭を下げて退室した。

カツカツカツ……パタン

副司令「……」
765 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:29:34.17 ID:jUCLgA6o
カツカツカツカツ…

隊長「……何だよ」

男隊員「……」

女隊員「隊長、自分らもお供するッス」

隊長「バカじゃねーの?待機だっつったろ」

男隊員「隊長はどうすんだよ?」

隊長「ちょっと休養だ。すぐ帰ってくる…」

女隊員「本当…ッスか…?」

隊長「多分な」

男隊員「多分…って…」

隊長「しばらくどっかの司令部にでも厄介になってろ」

女隊員「そんなぁ……」

男隊員「お、おいっ!ちょっと…っ!」

隊長「そんじゃな〜」

隊長は後ろを向いたままひらひらと手を振り、その場を去った。
766 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:30:23.54 ID:jUCLgA6o
〜宿〜

戦士「たっだいまー!」

召喚士「おかえり!上機嫌だね!」

戦士「いやぁ、うまくいったぜ!」

戦士は満面の笑みで親指を立てる。

魔道士「良かったですねぇ!」

戦士「んで、早速明日から世話になる事になった」

盗賊「…明日!?」

召喚士「そっかぁ…。急だけど、仕方ないね…」

魔道士「寂しくなりますね…」

戦士「期間はどうする?」

召喚士「一ヶ月程度を目処にしたいと思うけど…」

戦士「足りるかな…?」

召喚士「それ以上は流石に難しいと思うよ…」

戦士「ま、一度一ヶ月で集まって…様子を見るとすっか…!」
767 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:31:55.80 ID:jUCLgA6o
召喚士「俺も明日、青龍先生を訪ねてみようと思います」

魔道士「それじゃあ私も…明日、大陸港の町へ行こうかな…」

盗賊「…連絡手段は…どうする?」

召喚士「ワークショップは使えないし…」

戦士「身近な拠点を頼るか…」

召喚士「えぇと…国軍本部にバーテンさんの店、それから各司令部…」

戦士「北方司令部は駄目だ。親父絡みの件がある…」

魔道士「そういえば…そうですね…」

召喚士「北は頼れる所がないから、極力行かないようにしよう」

戦士「東方も避けた方がいいと思うぜ」

召喚士「あっ、占い師さんの…!?」

戦士「そうそう。あれがいつを示しているのか知らんが…」

盗賊「…東方は…駄目、か」

召喚士「ではひとまず、その手順でいきましょう」

戦士「おうっ!!」
768 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:33:21.48 ID:jUCLgA6o
〜南東、火山口〜

ゴゴゴゴゴゴ…

タルウィ「人間のくせに結界とは…厄介だね」

ザリチュ「……」

タルウィ「アカ・マナフが時間を稼いでくれたお陰で…こちらも…」

ザリチュ「…!!」

バッ!!

タルウィ「……何だ、人間?」

ザッザッザッザッザ

天才「コイツはとんだ大物みてぇだな…」

格闘家「……あの」

天才「あん?」

格闘家「確かに強い奴ですが…強すぎませんか?」

天才「……だよなぁ」

タルウィ「何か用?出来ればまだ、戦いたくはないんだけど…」
769 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:35:02.43 ID:jUCLgA6o
天才「あん?お前、魔王の眷属か?」

タルウィ「応える義務はないね。あんたこそ何者だ?」

天才「はーっはっはっは!……応える義務はねぇな!」

ザリチュ「……」

格闘家「……」

タルウィ「勝てるなどと思ってはいないよな?」

天才「やってみっか?」

タルウィ「やめておこう。何かあるやもしれぬ…」

天才「そら賢明。んじゃ俺も帰るか…」

ババッ!!…ガキイィィンッ!!

タルウィ「……」

天才「やだやだ…。考えるこ事は一緒かよ…」

ツヴァイハンダーの刀身と、タルウィの右手がぶつかり合い、激しい火花が散る。

天才「熱っち…ぃ!!」

タルウィ「……」
770 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:36:30.86 ID:jUCLgA6o
ババッ…スタッ

天才「こりゃあ…骨が折れるわ」

格闘家「…どうします?」

天才「……」

タルウィ「……ザリチュ」

ザリチュ「……退く?」

タルウィ「以前の人間にも申したはず。ここへは近づくな」

天才「…はぁ」

天才は耳をほじりながら呆れた口調で返事する。

しかし、その直後、顔を強張らせゆっくりと左手を下ろす。

天才(なんだこの気配…!?背後から…っ!?)

格闘家「……!?」

ゾクゥッ!!

ドドオオォォ…

タルウィ「……貴様は…!?」
771 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:38:42.82 ID:jUCLgA6o
二人の人間と二匹の魔物。その背後から巨大な気配がゆっくりと近づく。

天才(何だこれ…!?動け…ねぇ…っ!!)

格闘家「……ぐぅ…っ!!」

ザリチュ「……インドラ」

ザリチュが『インドラ』と呼びかけた気配の塊。姿はない。

インドラ「ダエーワが二人。アンラ・マンユはおらぬか…」

タルウィ「何用か!?」

インドラ「いや、気配がしたものでな…。何かと思って顔を出したまでよ」

タルウィ「……何でもない。退くが良い」

インドラ「貴様らは…?」

タルウィ「……退く」

インドラ「そうか。それならば良い…」

ズズッ…ドオオォォ……

タルウィ「…ちっ。ザリチュ、退くぞ」

ザリチュ「……」
772 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:40:07.71 ID:jUCLgA6o
天才「…!?」

タルウィ「命拾いしたな…人間」

タルウィとザリチュは噴火口の中へとその姿を消した。

ザッ

格闘家「はぁ…はぁ…はぁ…っ!!」

天才(インドラ…!?何なんだチクショウ…!!)

大量の汗とともに困ぱいする二人を遠方より眺める二つの影。

ネクロマンサー「内通者の言う通り、結界を排除したのは良いのですが…」

魔剣士「……」

ネクロマンサー「アンラ・マンユ、何か良からぬ事にならねば宜しいですが…ククッ」

魔剣士「……」

ネクロマンサー「どうしました?行きますよ…?」

魔剣士「……はい」

ネクロマンサー「さぁて、次は…どこへ行きましょうか。クククッ」

ネクロマンサーと魔剣士は闇の中へと消えていった。
773 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:41:36.03 ID:jUCLgA6o
〜次の日〜

魔道士「おはようございます!」

盗賊「…おはよ」

戦士「元気だなぁ…」

魔道士「寂しいからって…悲しんでいられませんからっ!」

召喚士「魔道士さん…」

戦士「お前は…どうする?」

盗賊「……」

魔道士「盗賊さん…?」

盗賊「…構わずともよい。…己で何とか…するから」

魔道士「でもぉ…」

召喚士「……分かりました」

戦士「そうだよな。自分で道を切り拓かなくちゃな!」

魔道士「そう…ですよね…っ」

盗賊「…ああ。だから…大丈夫!」
774 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/05(月) 17:43:17.35 ID:jUCLgA6o


召喚士「では、俺は司令部へ向かいます」

戦士「俺もだ。途中まで一緒に行くか!」

魔道士「私は港まで出て、そこから船で向かいます」

盗賊「…私は…南へ向かってみる」

戦士「南…?」

盗賊「…ん。…何かと…縁もあるし」

戦士「そっか。頑張れよ!」

盗賊「…うん!」

召喚士「それではまた、一ヵ月後に!」

魔道士「はいっ!頑張りましょうね!えへへっ!!」

戦士「では…出発!!」

盗賊「…また」

四人は更なるレベルアップを図る為、それぞれの道を歩み始めた。

そこに待ち受けるものは、試練か…それとも…。

〜第十九部、完〜
775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 18:16:25.52 ID:6PbJVoIo
ついに十九部終わりか。
次回は個別の修行メインなのかな。
とりあえず後七十一部がんばって!
776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 18:37:19.38 ID:jUCLgA6o
とりあえずキリいいところまではいけましたかね…
本日もご支援ありがとうでした!それでは!ノシ

>>775
勘弁して下さい……
777 :675 [sage]:2010/07/05(月) 19:03:34.62 ID:m8Ubm.DO
>>1乙!
短編で書いてくれるとは嬉しい限り!暇なときにでもお願いします!
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 19:52:21.79 ID:7PvHpcDO
>>1乙!
19部完おめー

19部も超面白かったぜ!
始めは絶望的過ぎてどうなるかと思ったけれど最小限の犠牲で済んでよかった。
いつかおまけの短編でもいいので召喚士達TSUEEEEEEEEE!!っていう無双状態が見てみたい。
779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 21:12:35.56 ID:2dhjpsAO
>>775
あと81部の間違いじゃね?
780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 21:14:38.75 ID:9GhQJTIo
>>1乙!
もう20部に行くのか・・・はやいな
召喚師の女難の相フラグって回収されたっけ?
781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 22:35:21.84 ID:ARouzVQ0
二バスとレオナール
782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 22:42:48.86 ID:eAHWrIAO
ペニスとオナホール
783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 23:07:39.23 ID:TH5FU9w0
>>1乙!!

序盤に別行動で修業した時と比べてだいぶ強くなったなあ。
20部も楽しみです!
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 23:37:02.77 ID:tXIk0ASO
1乙
楽しんでるぜ♪
785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/05(月) 23:59:40.00 ID:UZYBMoAO
>>1

さらなるパワーアップとは…今でさえ歳不相応な強さを持っているっぽいのに、ミノタウロスどころか、ゾンビに怯えていた頃が懐かしいな
あの頃はあの頃で、見つからないようにって言う緊張感がひしひしと伝わってきて良かったがね

まぁ、そんな話は置いといて、やっと御一行がバラバラになった訳だ
これでしばらく俺と魔道士ちゃんのラブストーリーは突然に。が始まるな
今夜は枕を高くして眠れそうだ じゃあ、グッナイ魔道士ちゃん ンーマッ♪ブチュウ
786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 00:55:43.70 ID:b7Q9IrY0
漫画とかで修行編って批判されるけど、俺は好きです
787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 03:19:42.84 ID:F358h5k0
今回の修行編は師匠を探さなきゃいけない盗賊メインの話になるのかな?
あっちも今は盗賊メインの話だし、>>1が1番好きなキャラは盗賊とみた。
788 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 06:34:51.19 ID:cxLCHsAO
まとめから入ってきた新参者なんで教えて欲しいんだが、よく会話に出てくる「あっち」とか「あのスレ」ってどこのこと?
789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 06:36:39.87 ID:2vYobgM0
シルフで催す
790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 06:37:20.98 ID:037YvO.o
>>788
そ、そんな恥ずかしいこと口にできるわけ無いでしょ!!!!////










ペニス「行けっ!クリトリス!!」
791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 06:46:05.18 ID:Skzkdfoo
>>788
新参といえば無知でも許されると思うな
792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/06(火) 07:30:01.29 ID:hozXo6AO
もう第19部か…毎度ながら1には脱帽しちまうぜ
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 07:47:38.42 ID:9EoDHYDO
まとめから来たら仕方ないんじゃね
リンク貼られてるわけでも無いし板違うし
「あっちのスレ」ってだけじゃわからんかもね
794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 08:34:09.15 ID:7P2uUoAO
>>790はパー速な。たしかvipから移る時に3つくらい立って、おふざけすぎるスレタイだったから放置だったんだよな。
んでそれを>>1がリサイクルした。こんな感じだっけ?
内容が内容だけにみんなあっちとか言ってるんだと思う。
795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 12:24:21.49 ID:cxLCHsAO
>>790
>>794
パー速だったか。通りでこの板散々それっぽい単語で検索してもでないわけだ。ありがとう
仕事終わったら覗いてみるかな

……いつ終わるかわからんが。機械トラブルじゃねーよバカやろう(;_;)
796 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 13:06:58.78 ID:LpSalMko
製作とパー速にわかれても同一IDが通じる不思議
797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 14:25:07.21 ID:mmz3fIAO
同じサーバなんだろ
798 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 16:57:41.61 ID:XCEqd0Yo
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
     〜第二十部〜
799 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 16:58:20.38 ID:XCEqd0Yo
テクテクテク…

戦士「おっと、俺は裏門だからこっちだ」

召喚士「そっか……」

戦士「そんじゃ、互いに頑張ろうな!」

召喚士「うん。戦士も気を付けてね…!」

戦士「あいよっ」

テクテクテク

戦士と別れた召喚士は、ひとまず国軍本部の正門へと向かう。

召喚士「まぁ…正面からで大丈夫だよね…」

青年兵「召喚士さん!?」

召喚士「…青年兵くんっ!!」

青年兵「ど、どうしたんですか!?本部に何かご用で…?」

召喚士「う、うん…ちょっと…。青年兵くんこそどうしたの?」

青年兵「えぇと、実は…ですね…」

召喚士「……?」
800 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 16:59:03.98 ID:XCEqd0Yo
〜国軍本部、講堂前〜

召喚士「そっか…。青龍先生に例の同調召喚を…」

青年兵「はい。先生なら必ず何か知っているはずですから」

召喚士「確かにそうだね。ただ……」

青年兵「……?」

召喚士「教えてくれるかどうか…」

青年兵「…ええ」

テクテクテク

青年兵「それで、召喚士さんは先生に何を…?」

召喚士「うん…。実は……」

召喚士は青年兵に、昨晩の事項を説明する。

青年兵「……」

召喚士「だから、頼れるのは、青龍先生ぐらいしか…」

青年兵「……」

召喚士「青年兵くん…?」
801 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 16:59:57.44 ID:XCEqd0Yo
青年兵「あ、すいません…っ」

召喚士「どうかした…?」

青年兵「いえっ、ただ…凄いなと思いまして…」

召喚士「……?」

青年兵「召喚士さん程の実力がありながら…まだ上を…」

召喚士「そ、そんなでもないと思うけど…」

青年兵「……」

召喚士「と、とにかく青龍先生…いるといいね…っ!」

青年兵「……ええ」

テクテクテク…ガチャッ…ギイィ

青年兵「…青龍先生」

青龍先生「おぉ、お主か。本国でも頑張っておるかの…?」

青年兵「はい。お陰様で何とか…」

召喚士「先生、先日はどうも…」

青龍先生「朱雀先生か…。二人揃って何かあったかの?」
802 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:00:54.80 ID:XCEqd0Yo
青年兵「ええ。実は…お伺いしたい事がありまして…」

青龍先生「何じゃ…?」

青年兵「先生は、魔王パズズを倒したのですよね?」

青龍先生「…一応そうらしいのう」

青龍先生はそっぽを向きながら、他人事のように返答する。

青年兵「どうやって倒されたのですか?」

召喚士「……」

青龍先生「そんな事を聞いてどうするつもりじゃ?」

今まで穏やかであった青龍先生の顔が強張り、一変する。

青年兵「いえ、今後の参考にと思いまして…」

青龍先生「今後…?何じゃお主、魔王でも倒すつもりかの?」

青年兵「いえ…っ、そういうわけではありませんが……」

青龍先生「別に何もしとらんよ。召喚獣をぱぱーっと……」

青年兵「四人の属性が異なる召喚士。その魔力を均等にし…打ち放つ…」

青龍先生「……!?」
803 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:02:11.37 ID:XCEqd0Yo
青年兵「三日月島の研究機関にある魔物図鑑。その中に、はっきり記載がありました」

青龍先生「……やれやれ」

召喚士「!?」

青年兵「先生っ!あれは一体どういうものなのですか!?」

青龍先生「まさか…既に知ってしまっておるとはのう…」

召喚士「……」

青龍先生「良いか?今から話す事、決して他言無用じゃぞ?」

青年兵「もちろんです!」

召喚士「お約束します…!」

青龍先生「先日、朱雀先生には五属性の話をしたよな?」

青年兵「五属性…?」

召喚士「召喚術は、実は五つから成る…五行と同様のものだったんだ」

青年兵「!?」

青龍先生「そのうちの四属性、つまり東方の式神を除く召喚獣…」

召喚士「ええ…」
804 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:02:57.20 ID:XCEqd0Yo
青龍先生「これらを均等な魔力で四人が放つ…」

召喚士「あの…」

青龍先生「ん…?」

召喚士「四人でなければ…いけないんですよね?」

青年兵「そうか!召喚士さんなら一人で…」

召喚士「うん。でも…以前、四属性の基本精霊を一度に召喚した時…」

青龍先生「…何か起きたかの?」

召喚士「いえ、金色に光ったと思ったら…急激に魔力を吸い取られて…」

青龍先生「……」

召喚士「やはり一人では出来ないものなのかもれませんね…」

青龍先生「仮に出来たとしても、二度とやらん事じゃな」

召喚士「…?」

青龍先生「お主等の口振りからすると…使ったのじゃろう…?」

召喚士「…すみません」

青年兵「魔物図鑑には効果や副作用までは記載がなかったもので…」
805 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:04:25.97 ID:XCEqd0Yo
青龍先生「うまくいったから良いものの……」

青年兵「今思えば恐ろしい事です。いくら強力だからとて…」

召喚士「うん。あの四人が揃う事も可能性としては低いでしょうし…」

青龍先生「あの四人…?残り二人は何者なのじゃ?」

召喚士「あっ、サモナーさん、先日一緒だった…」

青龍先生「玄武の弟子か…」

召喚士「それと西国の宰相である、神官さんです」

青龍先生「西国…。白虎か」

青年兵「今回は偶然にも四属性揃っていて…」

召喚士「尚且つ、魔力の調整が上手い方々でしたから…」

青年兵「召喚士さんこそ…」

召喚士「そんな事…っ」

青龍先生「……ゴホン」

青年兵「…あ…っ」

召喚士「そっ、それでですね……」
806 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:05:52.93 ID:XCEqd0Yo
青龍先生「まぁ良い。結論から言えば、使う事は許されん」

青年兵「……はい」

青龍先生「お主等も使って分かったと思うが、消費した魔力は戻らん…」

召喚士「ええ……」

青龍先生「つまり、使い続ければ…待っているのは……」

召喚士「……・死…!?」

青龍先生は黙って頷く。

青年兵「……っ」

青龍先生「ましてや五行なぞ…」

青年兵「四行であの威力なら……」

青龍先生「五行ともなれば、魔王を完全に消し去る事は出来るじゃろうて…」

召喚士「……」

青龍先生「存じている通り、五行を使えば確実に死ぬ」

青年兵「……」

青龍先生「言いたい事は、分かっておるな?」
807 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:07:15.32 ID:XCEqd0Yo
青年兵「……はい」

青龍先生「…朱雀先生」

召喚士「はい」

青龍先生「お主も以前申したとおり、探求のみに留めておくのじゃぞ?」

召喚士「分かっております…!」

青龍先生「……ひょっひょっひょ!よろしい」

召喚士「そこで、先生にお願いが…」

青龍先生「……?」

召喚士「修行を…先生の下で修行をさせて頂けませんでしょうか?」

青龍先生「修行とな…!?」

青年兵「……先生っ!僕もお願い出来ませんでしょうか!」

召喚士「青年兵くん…!?」

青年兵「召喚士さんに負けてはいられませんから…!」

召喚士「……そっか!」

青龍先生「……残念ながら駄目じゃな」
808 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:11:11.23 ID:XCEqd0Yo
青年兵「えっ!?」

召喚士「そんな…っ!」

青龍先生「儂はお主等に教えられる程のものは、何も残っておらんよ…」

青年兵「そんな事はないですよ!」

青龍先生「何じゃ?残りの魔力を使わせて早死にさせる気か…?」

青年兵「!?……い、いえっ、そういう事では…」

召喚士「しかし、先生以上の召喚術に詳しい方など…」

青龍先生「儂が出来ることは口頭での助言のみ」

召喚士「……」

青龍先生「あとは良き師がいるではないか」

召喚士「良き…師…?」

青年兵「……あ、あの…皆目見当が」

青龍先生「ほれ、いるじゃろ。お互い……目の前に」

青年兵「目の前……って」

召喚士「……え…っ?」
809 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:12:04.96 ID:XCEqd0Yo
〜国軍本部、裏門〜

戦士「……」

テクテクテク

戦士「お、来た来た…!」

隊長「待たせたな」

戦士「おっす…じゃなかった、おはようございます!」

隊長「何だぁ?気持ち悪い野郎だな…」

戦士「今日から師として世話になるんです。まずは礼儀からですよ!」

隊長「……ほう。悪くない心構えだ」

戦士「荷物多いっすね。持ちます」

ガチャガチャッ

隊長「ああ、特訓用に武具をかっぱ…拝借してきたからな」

戦士「……なるほど」

隊長「んじゃ早速行くぞ」

裏門を立ち去る戦士と隊長の前に、二人の男女が立ちはだかる。
810 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:13:05.40 ID:XCEqd0Yo
隊長「……お前ら…っ!?」

男隊員「こんなこったろーと思ったぜ…!」

女隊員「二人だけで…ずるいッスよ!」

隊長「見送りか…ご苦労。そんじゃな……」

グイッ

隊長「うげぇ!」

女隊員「待つッス!自分らも一緒に行くッス!!」

男隊員「しばらく休みなんだろ?んじゃ同行しても問題ないわな!ヒャハハ!」

隊長「は…なせ…ぇ…っ!」

女隊員「連れて行くって言うまで…離さないッス!!」

隊長「い…息が…あぁ…っ…!」

女隊員「早く観念するッス!死ぬッスよ!?」

隊長「あ……ほ…か……ぁ……・」

戦士「お、おい…!?隊長落ちてんぞっ!?」

女隊員「えっ!?たっ、隊長おぉーっ!!」
811 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:14:08.85 ID:XCEqd0Yo


テクテクテク

隊長「……」

女隊員「申し訳・・・ないッス……」

隊長「申し訳ないで殺人成立すんならな、俺は虐殺者だぞ。このボケ!」

女隊員「返す言葉もないッス……」

男隊員「でもよぉ、隊長も悪いんだぜ?」

隊長「あぁ?」

男隊員「俺らに黙って…何でも勝手に決めやがってよぉ…!」

隊長「そりゃ、悪かったって言ってんだろ」

男隊員「んで、コイツが新しい隊員ってわけ?」

女隊員「戦士さん、そうなんスか?」

戦士「いやいや違う。俺は隊長殿に稽古をつけて貰うだけだ」

男隊員「稽古…ねぇ…」

女隊員「ご愁傷さま…ッス…」
812 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:15:03.99 ID:XCEqd0Yo
テクテクテク…

戦士「そんで、どこへ行くんです?」

隊長「どうすっかな…」

男隊員「相変わらず適当だなぁ…ヒャハハ!」

隊長「北はマズイんだよな?」

戦士「……出来れば」

隊長「手っ取り早く魔物でもぶっ倒しまくりゃ早かったんだが…」

女隊員「尋常じゃねぇッスね…」

隊長「んじゃあ…そうだなぁ…。修行っつったら山篭りかなぁ…」

男隊員「そんなレトロな……」

戦士「いいですね!流石は師匠!!」

隊長「……だろぉ?」

男隊員「……ノるのかよ」

女隊員「なんかこの二人…相性抜群スね…」

男隊員「単細胞同士なだ……痛ってぇ!ちょっ、隊長!勘弁して…っ…ぐあぁ!」
813 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:15:42.99 ID:XCEqd0Yo
〜本国、港〜

魔道士「盗賊さん。本当にここで…いいんですか?」

盗賊「…うん。魔道士も…頑張って」

魔道士「はい…。それでは…行って来ますね…っ」

トボトボ

盗賊「…魔道士!」

魔道士「……?」

タッタッタ

盗賊「…んしょ。これ…持ってって」

魔道士「…何ですかこれ?」

盗賊「…猫さん剣士だ」

蜘蛛切から外した根付を魔道士に手渡し、盗賊は微笑む。

魔道士「…カワイイ!」

盗賊「…でしょ?お守りだから…きっと守ってくれる…はず」

魔道士「ありがとうございますっ、盗賊さん!」
814 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:16:28.70 ID:XCEqd0Yo
盗賊「…ん」

魔道士「あ…じゃあ私もお守り……」

盗賊「…?」

ゴソゴソ

魔道士「はいっ!どうぞ!!」

盗賊「…これ…は?」

魔道士「マスク・ド・ジーニアスのサイン付き手形です!」

盗賊「…そ、そうか」

魔道士「お父様に無理を言って、手に入れた貴重品です!」

盗賊「…う、うん」

魔道士「無くさないで下さいよぉ?」

盗賊「…あ、ありがとう…!」

魔道士「じゃあ、頑張りましょうね!エヘヘ!」

盗賊「…気を付けてな」

魔道士は両手を振り、船の中へと消えていった。
815 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:17:50.24 ID:XCEqd0Yo
盗賊「……」

テクテクテク

盗賊「…さて…と」

盗賊は来た道を引き返し、国軍本部へと向かう。

盗賊(なーんて言いながら、実はちゃんと考えがあるんだっ!ふふふっ!)

トットット…

盗賊(私にピッタリの師…。あの人しかいない…!)

トットット…ストッ

盗賊「…だ、大丈夫かな」

正門前でたじろぐ盗賊。その様子を門兵がじっと見つめる。

左門兵「おい…なんだか不審な奴が…」

右門兵「本当だ…。黒装束で…でも、なんだか女の子だぞ…!?」

盗賊(うぅ…どうしよう。とりあえず門の人に聞いてみようか…)

チラッ

左門兵「!?……か、かわいい」

右門兵「し…しかも……デカい…!」
816 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:19:21.62 ID:XCEqd0Yo
テクテクテク…

盗賊「……」

左門兵「何か…ご、ご用かな?」

右門兵「よ、用がないなら立ち…立ち…た…っ…」

ジーッ

盗賊「…あ、あの…えぇと……そのぉ」

左門兵(ど、どうするっ!?)

右門兵(知るか…!と、とにかくだな…えぇと…)

カツカツカツ

白虎長「……何やってんの?」

左門兵「白虎先生…っ!?」

右門兵「申し訳ありませんっ!!」

白虎長「はぁ…?あれ…あなた確か……」

盗賊「…あ…こ、こんにちは」

白虎長「ちょうど良かった…!さ、入って!!」
817 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:20:14.30 ID:XCEqd0Yo
〜国軍本部、中央通路〜

白虎長「この前のお礼…ずっと言いたかったのよ」

盗賊「…お礼…?」

白虎長「そうよぉ。危ないところを助けて貰ったじゃない」

盗賊「…ああ」

白虎長「ありがとう。命拾いしたわ!」

盗賊「…私は…特に何も」

白虎長「もうっ謙遜しちゃって…!」

盗賊「…そ、そんなんじゃ」

白虎長「それで、占い師に用があるんだったわよね…?」

盗賊「…うん」

白虎長「…着いた。多分ここにいるハズだけれど」

一つの部屋の前に立ち止まり、白虎長が扉を開ける。

白虎長「さ、入って」

盗賊「…う、うん」
818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 17:20:38.24 ID:PHwKyOgo
なにこのギャップ
すごいかわいいんだけど
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 17:21:34.42 ID:KnxnnCQo
南つったら奴か
820 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:23:12.61 ID:XCEqd0Yo
カチャッ…テクテクテク

広い部屋の中にびっしりと並んだ本棚がある。そこは世間で言う『図書室』であった。

白虎長「えぇと……あ、いた。占い師ー」

占い師「…?五月蝿いわね。ここは図書…あら?」

盗賊「…こんにちは」

占い師「これは珍しいお客様ね。どうぞ」

白虎長「あんたに用があるそうよ」

占い師「何かしら。あ、お茶を淹れるわね」

盗賊「…お構いなく」

占い師「いいから。そこに座ってて」

盗賊「…うん」

テクテクテク…ポスッ

白虎長「私はハーブティー」

占い師「アンタは自分で淹れなさい!」

白虎長「えぇー!?良いじゃない、そのぐらい〜」
821 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:24:51.89 ID:XCEqd0Yo
カチャカチャッ…コトッ

盗賊「…あ、ありがとう…ございます」

ボイーン

白虎長「…ご苦労。良い香り〜」

バイーン

占い師「……」

白虎長「…どうしたの?早く座りなさいよ」

占い師「わ、分かってるわよっ!それで、何のご用かしら?」

盗賊「…あの……人を…探しています」

占い師「人?あぁ、なるほどね。私の力を借りたいって事か…」

盗賊はこくんと無言で頷く。

占い師「良いわ。どんな人?特徴とか何か分かる…?」

盗賊「…私の……兄」

白虎長「お兄さん…!?生き別れか何か…?」

盗賊「…ん」
822 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:26:25.39 ID:XCEqd0Yo
占い師「そうねぇ…。東方の人…よね?」

盗賊「…うん」

占い師「今は東方にいるのかしら?」

盗賊「…多分…いない。南の方にいると…思うけど」

占い師「南…?まぁいいわ。お仕事は?」

盗賊「…暗殺…あ、いや…っ!」

白虎長「!?」

盗賊「…わ、分かりませんっ」

占い師「特殊遊撃みたいな職業なのかしら…?」

盗賊「…た、多分」

占い師「…よし!やってみる!」

占い師は目を瞑り、両手を胸を前で組む。

占い師「……」

白虎長「……」

盗賊「…………」
823 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:27:36.57 ID:XCEqd0Yo
占い師「……ふー」

白虎長「どうっ!?何か分かった…?」

占い師「五月蝿いわねぇ。そんなにすぐ分かるわけっ……」

盗賊「…!?」

占い師「――っ!!」

盗賊「…あの…何か」

占い師「ねぇ、盗賊ちゃん……」

盗賊「…は、はい」

占い師「本当に…知りたい?知っても…後悔しない?」

盗賊「……うん」

占い師「それが…どんな結果でも?」

盗賊「…後悔…しない」

占い師「……残念ながら…既に他界しているわ…っ」

盗賊「…!!」

白虎長「…ほ、本当なの!?ちゃんと占って……」
824 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:28:42.98 ID:XCEqd0Yo
占い師「ちゃんとやっとわよ!やったからこそ言えるんでしょう!?」

盗賊「…兄様が…他界…?」

白虎長「……盗賊ちゃん」

占い師「死因や時期は分からない。でも、既にこの世には……」

盗賊「……」

占い師「この世には……この世に…あれ…?」

白虎長「何なのよ?さっきから……」

占い師「そんな…っ!?でも…既に亡くなって…」

盗賊「…あ…あの」

占い師「亡くなっているはずなのに…まだ、生きている…?」

白虎長「はぁ?ちょっと…あんた本当に何言って……」

カチャンッ!!

白虎長「……アンデッド…!?」

盗賊「……まさか!?」

占い師「死んだはずなのに生きている…。つまり…そういう事になるのかしら…」
825 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:43:51.87 ID:XCEqd0Yo
盗賊「…今…どこにいる!?」

ガタッ!!

白虎長「盗賊ちゃんっ、落ち着いて……

占い師「南だったわよね…?もしかして会った事あるの…?」

盗賊「…分からない」

白虎長「……」

盗賊「あれが兄様だったのか…どうかも…」

占い師「それは…どこで…?」

盗賊「…最後に会ったのは……確か…南東国」

占い師「南東国かぁ…。行った事ないからあんまり分からないわねぇ…」

白虎長「最後って事は他にもあった事あるの?」

盗賊「…うん。あとは…南の遺跡…かな」

占い師「遺跡…?」

白虎長「そんなものあったかしら……」

盗賊「……」
826 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 17:50:14.40 ID:XCEqd0Yo
占い師「……ちょっと待って…っ!?」

白虎長「何か分かる!?」

占い師「待ちなさいってば…!何か…見えそう……」

盗賊「……」

占い師「遺跡…っ。遺跡って古城?」

盗賊「…城?いやっ、あ…そういえば…城だ!」

占い師「……行くの?」

盗賊「…何か…あるなら」

占い師「……いるわ。彼が」

白虎長「っ!!」

盗賊「本当にっ!?」

占い師「でもここは…危険すぎるわ…っ!」

盗賊「…でも…兄様がいるなら。……私は行く!」

白虎長「一人で…!?」

盗賊「…うん」
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:00:05.94 ID:TwbKVb6P
なぁ、これで釣りだったらオレが



┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
  _ノ   _ノ   _ノ ヽ/|    ノ    ノ       。。

       /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl  
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
  /   | .|           | .| ,U(ニ 、)ヽ
 /    | .|           | .|人(_(ニ、ノノ

ってなるなwwwwwwww
828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:01:50.34 ID:TwbKVb6P
誤爆なんだwwwwいろいろ恥しいなこれwwww
829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:03:11.05 ID:PHwKyOgo
赤くしようと思ったけどやめた







>>828
>>828
>>828
>>828
>>828
>>828
830 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 18:11:24.49 ID:XCEqd0Yo
占い師「……」

盗賊「……」

占い師「……分かったわ」

白虎長「ちょっと!?」

占い師「底変わり一つだけ約束して」

盗賊「…ん」

占い師「一番下へ言っては駄目。いいわね?」

盗賊「…?」

占い師「分かったの!?」

盗賊「…は、はいっ」

占い師「お城の一階…。そこに居れば出会えるはずよ」

盗賊「……」

占い師「だから、そこから下は行かないでね」

白虎長「…もし…行ったら?」

占い師は眉をひそめ、首を横に振る。
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:12:56.95 ID:TwbKVb6P
ちょwwwwwwww

まぁゴメンな・・・こんなことでレス使っちゃって


しかし盗賊コレやばくないか?他の3人に比べて危険度が高すぎだろ
って普通に感想書こうと思ったけど無理だなwwww
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:15:51.70 ID:037YvO.o
>>830
>占い師「底変わり一つだけ約束して」
833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/06(火) 18:18:00.99 ID:XCEqd0Yo
>>827-828
占い師「……なんてね!」

盗賊「へ…っ!?」

占い師「実は釣りでしたwwお兄さんは生きてまーすww」

盗賊「!?」

白虎長「ふふふ…」

バリバリッ!!

盗賊「あ…兄様!?白虎長さんが兄様にっ!!」

兄「妹よ!会いたかったぞ!!」

盗賊「うわーん!!」

占い師「めでたしめでたし」

〜おしまい〜

気にしないで下さい!ご支援感謝です!
ではここいらで失礼しますですよー!ありがとうございました!ノシ
834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:18:28.37 ID:PHwKyOgo
だから指摘しても意味がないとあれほど
835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/06(火) 18:23:17.59 ID:XCEqd0Yo
>>832
┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
  _ノ   _ノ   _ノ ヽ/|    ノ    ノ       。。

       /\___/ヽ
    /ノヽ       ヽ、
    / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
    | ン(○),ン <、(○)<::|  |`ヽ、
    |  `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l  |::::ヽl  
.   ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/  .|:::::i |
   /ヽ  !l |,r-r-| l!   /ヽ  |:::::l |
  /  |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
  /   | .|           | .| ,U(ニ 、)ヽ
 /    | .|           | .|人(_(ニ、ノノ

占い師「そのかわり一つだけ約束して」、です……


>>818
今回は各々の違った一面をだしてみようかと思います!


あと…あっちのスレは同一IDの仕業ですので…。あしからず…
836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 18:23:38.54 ID:TwbKVb6P
さすが>>1wwww惚れるwwwwwwww
乙でした

でも>>833が本編だったらオレの命が無くなるなwwww
837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 19:00:11.68 ID:3qoBCTUo
これはマスク・ド・ジーニアスのサイン付き手形が力を発揮するフラグか…
838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/06(火) 20:14:07.40 ID:y/5x3.AO
>>1

そういやキトイに腕引っ張られて持ち上げられた時、キトイもビックリしてたからな
今に思えば、あれは死んでいたから冷たいとか軽いとか、そんな感じの理由で驚いていたのか


てか魔道士ちゃん可愛すぎるだろ…ここにきて、マスクドジーニアスのサイン色紙をマジな顔して渡すとか…
俺も魔道士ちゃんに俺の名前が書いてある俺を渡して、夜のお供として毎夜毎夜激しすぎるくらいに酷使してもらいたい
839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 20:41:28.44 ID:3dU59wM0
>>838
こんな所に挽き肉置いたの誰だ?
840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 20:52:27.01 ID:PHwKyOgo
>>839
あぁごめんごめん、今片付けるから待っててな
841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 21:23:28.01 ID:3qoBCTUo
>>838
最近お前への扱いが皆酷いな…
俺が慰めてやるよ。……え?魔道士?
魔道士なら俺の横で寝てるけど?
842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 21:37:46.20 ID:4VKt7BA0
俺の膝の上にいますけど^^;
843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 21:44:54.46 ID:PHwKyOgo
なに言ってんのお前ら^^;
召喚士の上で腰振ってんじゃん^^;






          ,;r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
         ,r'";;;;:::::;彡-=―-=:、;;;;;;ヽ、  おい召喚士・・・・・・
        /;;ィ''"´  _,,,,....ニ、 ,.,_ `ヾ;;;;〉
         `i!:: ,rニ彡三=、' ゙''ニ≧=、!´  屋上へ行こうぜ・・・・・・
        r'ニヽ,   ( ・ソ,; (、・')  i'
         ll' '゙ ,;:'''"´~~,f_,,j  ヾ~`''ヾ.  久しぶりに・・・・・・
        ヽ) , :    ''" `ー''^ヘ   i!
        ll`7´    _,r''二ニヽ.     l  キレちまったよ・・・・・・
        !:::     ^''"''ー-=゙ゝ    リ
        l;:::      ヾ゙゙`^''フ    /
        人、      `゙’゙::.   イ

844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 21:47:50.77 ID:nCgF8Hko
誰だ屋上に醜い石像置いたのは!
845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 22:01:28.87 ID:jIVRwADO
>>844
すみません。
粉々にして埋めときますね。
846 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 22:44:17.80 ID:Lw9.MMDO
召喚士はこれで青竜の召喚獣をがっぽり習得するのかな?

そんなことより、盗賊「ねこさん剣士だ」に不意打ちを食らった。
ずきゅーん
847 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 22:57:18.36 ID:b7Q9IrY0
召喚士「朱雀先生なのに朱雀の召喚獣が少ない(´・ω・`)」
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 22:58:54.04 ID:3qoBCTUo

   ___
  / || ̄ ̄|| ∧_∧
  |.....||__|| (     )  どうしてこうなった・・・
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
  |    | ( ./     /



   ___
  / || ̄ ̄|| ∧_∧
  |.....||__|| ( ^ω^ )  どうしてこうなった!?
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
  |    | ( ./     /





   ___ ♪ ∧__,∧.∩
  / || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ  どうしてこうなった!
  |.....||__|| └‐、   レ´`ヽ   どうしてこうなった!
  | ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪
  |    | ( ./     /





   ___        ♪  ∩∧__,∧
  / || ̄ ̄||         _ ヽ( ^ω^ )7  どうしてこうなった!
  |.....||__||         /`ヽJ   ,‐┘   どうしてこうなった!
  | ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/  ´`ヽ、_  ノ
  |    | ( ./     /      `) ) ♪
849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 22:59:18.78 ID:y/5x3.AO
先生なんて飾りです
偉い人には、それがわからんのです
850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 22:59:28.78 ID:3qoBCTUo
ゴメン誤爆
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 23:04:59.13 ID:doCNKcAO
朱雀の召喚獣って変則的な攻撃使うけど石化以外だと毒とか他に何あるんだべか
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 23:17:31.76 ID:VwulwTYo
>>851
石化、毒とくれば麻痺とか金縛り、幻覚とかそういうのはありそう。
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 23:27:16.16 ID:PHwKyOgo
物理攻撃というよりは特殊攻撃か。
854 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:32:08.10 ID:WZCM7Gco
盗賊「……」

占い師「分かった?」

盗賊「…うん。あっ……はい」

白虎長「私達も何か…手助け出来たらいいのだけれど…」

盗賊「…ううん。大丈夫」

占い師「危ないと思ったらすぐに引き返すのよ?無理しちゃ駄目だからね…?」

盗賊「……はい」

白虎長「……」

盗賊「…じゃあ…ありがとうございます」

盗賊はお辞儀し、図書室を後にする。

白虎長「大丈夫かしら…。盗賊ちゃん……」

占い師「多分…大事ないとは思うけど……」

白虎長「あのさ、さっきの古城・・・って、何なの?」

占い師「……封印」

白虎長「……?」
855 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:34:02.10 ID:WZCM7Gco
占い師「…パズズが封印されているのよっ!地下に…っ」

白虎長「……!!」

占い師「青龍先生の監視下にもあるようだし…問題ないとは思う…けど…」

白虎長「……気になるわね」

占い師「……」

白虎長「盗賊ちゃんのお兄さんが、そんなところで一体何を…?」

占い師「…分からないわよ…そんな事」

フラッ

白虎長「ちょっと…!?大丈夫…?」

占い師「少し力を…使いすぎたみたい…」

白虎長「無理しないで休みなさい」

占い師「ごめんなさい。助かるわ……」

白虎長「……」

占い師「あのさ、この事はあまり…」

白虎長「分かってる。口外はしないわ…」
856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/06(火) 23:34:38.18 ID:ghiVkFE0
覚えてる召喚獣が少ないのではなくて、
ドSに召喚獣のストックがもう無いだけじゃないか?

だから覚えたくても覚えられない…
857 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:34:46.15 ID:WZCM7Gco
〜国軍本部、正門〜

左門兵「あ…っ」

右門兵「お、お帰りですか!?」

盗賊「えっ!?あ…あぁ…はい」

左門兵「お、お気を付けて!」

右門兵「また…!!」

盗賊「…ど、どうも」

テクテクテク

左門兵「朱雀先生のお仲間なんだとさ…」

右門兵「聞いたよ。北伐でも八面六臂の活躍だったそうじゃねぇか…」

左門兵「……俺も…頑張ろ」

右門兵「俺も……!」

テクテクテク

盗賊(南の遺跡…。ここから船で行ける…かな?)

盗賊はひとまず、港へ向かう事にした。
858 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:36:16.85 ID:WZCM7Gco
〜国軍本部、講堂〜

召喚士「師…って……」

青年兵「もしかして……!?」

青龍先生「主らは年も近く、異なる属性…」

召喚士「……」

青龍先生「学べるところも大きいじゃろうて…ひょひょひょ」

青年兵「し、しかし…実力差が……」

青龍先生「そんなに…あるかのう…?」

青年兵「え…?」

青龍先生「確かに経験や召喚術の巧さ、これは朱雀先生に軍配が上がる」

召喚士「……」

青龍先生「しかし秘めたる潜在能力、これは双方かなりのものと見るが…?」

召喚士「俺も…そう思います」

青年兵「召喚士さん…!?」

召喚士「青年兵くんは…充分強いよ!何度も戦地で戦ってきたから…よく分かる!」
859 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:37:26.81 ID:WZCM7Gco
青年兵「そ、そんな事……」

青龍先生「青年兵、お主の良いところでもあり、悪いところでもある…」

青年兵「…?」

青龍先生「思慮深く、決して無理をしないところじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「直せとは言わん。しかしな、若いうちはもっと自分に自信を持て」

青年兵「先生…っ」

青龍先生「どっしり構えるのは、お主が元帥にでもなった時で良かろうて…」

青年兵「元帥だなんて…!」

青龍先生「お主の夢じゃろ?良いではないか」

召喚士「そうだよ!青年兵くんは、もっと自信を持っていいと思うよ!」

青龍先生「お主のような元帥なら、儂も安心して働いて…逝けるわい!」

青年兵「先生っ!」

青龍先生「ひょっひょっひょ!とにかく、分かったじゃろ…?」

青龍先生は声高らかに笑い、二人に優しく問いかける。
860 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:38:16.82 ID:WZCM7Gco
召喚士「俺は…願ってもいない事です!」

青年兵「……召喚士さん」

召喚士「…なに?」

青年兵「…胸を…お借りします!」

召喚士「…こっちこそ!」

召喚士と青年兵は互いに手を伸ばし、かたく握手する。

青龍先生「ひょっひょっひょ!良きかな良きかな!」

召喚士「それで…修行は…?」

青龍先生「青年兵、お主はいつから動ける?」

青年兵「殿下に確認してみますが、おそらく問題ないでしょう。すぐに動けます!」

青龍先生「左様か。では青年兵が戻り次第、発つとするかのう…」

青年兵「それでは、すぐに確認して参ります!失礼致します」

青年兵は敬礼し、講堂を後にする。

召喚士「修行…。ちなみに…どちらへ?」

青龍先生「そうさのう…。南にでも…行くとするかのう」
861 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:58:06.15 ID:WZCM7Gco
〜海上〜

魔道士「……」

ザザーン

魔道士「一人旅…いつ以来かな…」

魔道士は甲板のデッキに手をかけ、海をぼーっと眺めている。

魔道士「一度、皆さんと離れて…家に帰った時以来かなぁ…」

ザザーン

魔道士「あ、でも…あの時は旅って感じじゃなかったかぁ…」

ザザーン

魔道士「その前だと…あ、一か月別行動してた時かぁ…」

ザーン…ザザーン

魔道士「あれから…色々あったなぁ……」

ザザーン

魔道士「もうすぐかな…。そろそろ準備しなきゃ…!」

魔道士はおもむろに振り返り、自室へと戻る。
862 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/06(火) 23:59:59.88 ID:WZCM7Gco
〜大陸港の町〜

魔道士「あっという間に着いちゃった…。えへへ」

テクテクテク

魔道士「バーテンさん…いるかな?」

テクテクテク…カチャッ…チリチリン

魔道士「こんにちはー…」

ドアを開ける魔道士の背後から、唐突に声が聞こえる。

バーテン「おう、悪いが通してくれ」

魔道士「!?」

バーテン「…何だ、嬢ちゃんか。どうした?入りなよ」

魔道士「バーテンさん!こんにちは!」

テクテクテクテク

バーテン「あれ…?今日は嬢ちゃん一人か?」

魔道士「はい…っ。じ、実は…ですね……」

バーテン「……?」
863 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 00:02:36.49 ID:brvxHH.o


バーテン「ふぅん…。なるほどねぇ」

バーテンはタバコをくゆらし、カウンターテーブルに肘をついている。

魔道士「それで、みんな別行動なんです」

バーテン「ま、確かに個別でやった方が効率はいいわな」

魔道士「それで、私は……」

バーテン「マジシャンの野郎を探してるってワケだな?」

魔道士「…よく…分かりましたね!」

バーテン「……そりゃ…まぁ」

魔道士「マジシャンさんの居所…。分かりますか!?」

バーテン「あー、しばらくこっちにゃ来てねぇなぁ…」

魔道士「そう…ですかぁ…」

バーテン「そろそろ顔を出す頃だとは思うんだが……」

魔道士「……」

バーテン「嬢ちゃんは何か、心当たりとかないのか?」
864 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 00:15:35.84 ID:brvxHH.o
魔道士「心当たり…特にないですねぇ…」

バーテン「そら、そうだわな…」

魔道士「……」

バーテン「あんな宿無し、野宿者みてぇなモンだ全く…」

魔道士「宿無し……」

バーテン「ヘタすりゃどっかの山中で野宿でもしてんじゃないか…?」

魔道士「宿……あーっ!!」

バーテン「!?」

魔道士「マジシャンさんの…家…っ!」

バーテン「家…!?」

魔道士「はいっ!家というか…別荘みたいな感じの……」

バーテン「んなモン持ってたのか…アイツ」

魔道士「……行ってみます!何かあるかも!」

バーテン「おいおい、もう夕方になるぞ?明日にしとけ」

魔道士「……でもぉ」
865 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 00:19:50.10 ID:brvxHH.o
バーテン「今日は泊まっていけ。上の部屋使っていいから」

魔道士「そんな…っ。悪いですよ……」

バーテン「構わねぇよ。遠慮すんな」

魔道士「……すみません!」

バーテン「だから、遠慮すんなって…」

バーテンは苦笑しながら、後頭部をかく。

魔道士「じゃあ、私…お手伝いします!」

バーテン「……?」

魔道士「今日一日、このお店をお手伝いします!」

バーテン「いいよ。そんなに客だって来るわけじゃいないんだしよ…」

魔道士「じゃあ、お客さん呼びましょうよ!」

バーテン「はぁ…!?」

魔道士「早速チラシ作って…配ってきます!」

魔道士は大慌てで二階への階段を駆け上って行った。

バーテン「……元気だ事」
866 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/07(水) 00:35:54.34 ID:brvxHH.o
それでは失礼します!多数のご支援ありがとうございました!
おやすみなさいです!ノシ

〜オマケ〜

悪代官「はははー私は悪代官だぞー」

盗賊「きゃー!助けてー!」

――「待て待てーい!!」

ザッ!!

盗賊「貴方は…猫さん剣士!!」

猫さん剣士「さぁ、そのお嬢さんを離すんだ!!」

悪代官「なに?生意気な!先生!先生ーっ!!」

アスク・ド・ジーニアス「はーっはっは!俺のこの手が真っ赤に燃えるううぅぅ!!」

猫さん剣士「何という石破…いや手形ぎゃああああぁぁ!!」

ドッカーン

盗賊「猫さん剣士ー!!」

悪代官「ははははは。悪は勝つ!」

ガバッ!!

盗賊「…ゆ、夢か……っ.。…>>848
867 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 00:50:50.37 ID:h9klncSO
乙♪おやすみなさい。
868 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 00:53:26.10 ID:2/6FdNMo
おやすみー!
869 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 01:12:08.84 ID:Fv59daw0
>>805とかここ数日青年兵と召喚士になにか薔薇色のものを感じるんだが
870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 03:55:29.91 ID:nEtZ2MDO
やめろ

それ以上はいうな
871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 04:06:19.44 ID:2/6FdNMo
修行後、そこには男の娘になった召喚士の姿が…!?
872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 04:09:46.41 ID:rSQzhY60
いうなって言ってんだろ自慢のコックで口塞ぐぞ
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 08:01:29.40 ID:T5me4XE0

まぁ落ち着け。
男の娘になるのは青年兵かもしれないだろ。
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 08:31:59.13 ID:y7BsFkAO
性別なんて関係ねぇ!!!
可愛いは正義だ!!!!!
875 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:17:45.77 ID:8zz0QuUo
〜海上〜

戦士「……」

テクテクテク

隊長「港町に着いたら、そこから歩いて東へ向かうぞ」

戦士「…うっす」

隊長「そこから南東国を抜けて南の山に入る」

戦士「南東国!?」

隊長「あぁ。最近は内乱も収まって、通行も緩和されたみてぇだしな…」

戦士「……そうすか」

隊長「なんかあんのか…?」

戦士「…いえ、別に」

隊長「……ま、いいけどよ。とにかくすぐ発てるように準備しとけよ」

戦士「…うっす」

テクテクテク

戦士「南東国…かぁ……」
876 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:18:14.70 ID:8zz0QuUo
〜国軍本部、講堂〜

タッタッタッタッタ

青龍先生「おっ、戻ったか」

青年兵「お待たせ致しました!」

召喚士「どう?大丈夫そう…?」

青年兵「それが……」

――……

皇太子「ほう?青龍先生の下で、朱雀先生と修行を…?」

青年兵「任務があればすぐに帰参致します。どうか…お許し頂けませんでしょうか?」

エリート「……殿下」

皇太子「構わぬ。ぜひ行ってくるが良い」

青年兵「…!?」

エリート「君のレベルアップは、即ち殿下のお力にもなる。素晴らしい事だ」

青年兵「は、はぁ……」

皇太子「何日でも何週間でも構わぬ。じっくりと学んでくるが良い!はははっ!」
877 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:20:13.20 ID:8zz0QuUo
……――

青年兵「…というわけです」

召喚士「あ、あっさり…だね……」

青龍先生「……まぁ良い。折角貰った時間じゃ。有効的に使わせて貰うかの」

青年兵「宜しくお願い致します!」

召喚士「それで、南のどちらに…?」

青龍先生「港町から更に南、そこに高地がある。そこへ向かおうかの」

青年兵「畏まりました」

召喚士「それでは、船の手配をしてきましょうか…」

青龍先生「いや、それには及ばぬよ」

召喚士「……?」

青龍先生「お主等もだいぶ、魔力をコントロール出来るようになってきたしの…」

青年兵「……?」

召喚士「あ、あの……?」

青龍先生「ひょっひょっひょ…!」
878 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:21:06.87 ID:8zz0QuUo
〜本国、港〜

盗賊「…えぇと…船のチケットは」

テクテクテク

盗賊「…お金は…大丈夫」

事前に召喚士より分配された金を見つめ、盗賊は微笑む。

盗賊「…大事に使お」

テクテクテク

店員「いらっしゃいませ。どちらまで行かれますか?」

盗賊「…えぇと、港町…まで」

店員「かしこまりました。昼の便はもう出航しているので、夕方の便で宜しいですか?」

盗賊「…はい」

店員「では手続き致します。こちらにご氏名と希望の船室。オプションなどを…」

盗賊(め、面倒だなぁ……)

カキカキ

盗賊(そっか…。召喚士や魔道士はいつもこういう事、やってくれてたんだな…)
879 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:21:54.62 ID:8zz0QuUo
店員「はい。それではお待ち下さいませ」

盗賊「……」

盗賊がきょろきょろと周辺を眺めていると、店員が戻ってくる。

店員「お待たせ致しました。こちらでお間違いないですか?」

盗賊「…お間違いないと…思います」

店員「はい。では料金を…はい、ありがとうございます」

盗賊「…よし」

テクテクテク

盗賊「……まだ…時間あるな」

キョロキョロ

盗賊「…ご飯…食べよ」

テクテクテク…カチャッ

飯屋「へいらっしゃい!」

盗賊「…Aセットランチ…大盛で。…あと、バナナオレも」

飯屋「はいよっ!毎度ありー!」
880 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:22:39.06 ID:8zz0QuUo


飯屋「ありやしたー!!」

カチャッ…テクテクテク

盗賊「…お腹いっぱい」

盗賊は腹部を擦りながら、船着場へと再び移動する。

盗賊「…あっ、あれかな…?」

一隻の船が南方入港し、折り返しの為の準備を始めた。

ゾロゾロ…

盗賊は降りてくる船客をぼーっと眺めている。

盗賊「……!?」

テクテクテク

天才「――」

格闘家「――」

盗賊(あの二人は…確か……)

見覚えのある二人組を遠方に捉え、盗賊は傍へ駆け寄る。
881 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:23:32.62 ID:8zz0QuUo
タッタッタッタッタ…

天才「…いいな。分かったか?」

格闘家「……はぁ」

盗賊「…あ、あの」

天才「あぁ?…おーお前は確か…北伐でも会ったっけな」

盗賊「…そ、そうです」

天才「何か用か?つーか…一人か?」

盗賊「…ちょっと…色々あって」

天才「あっそ。そんじゃま…気を付けてなー」

格闘家「……」

格闘家はぺこりと頭を下げ、天才の後に続く。

テクテクテク…ピタッ

天才「あ、そーだ。ちなみにどこ行くんだ…?」

盗賊「…え?……南の…遺跡に」

天才「遺跡…?」
882 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:24:35.53 ID:8zz0QuUo
盗賊「…うん」

天才「……」

格闘家「……」

天才「あっそ。頑張って」

盗賊「…う、うん」

スタスタスタ

盗賊「……?」

盗賊はきょとん、としたまま船へと向かう。船は間もなく乗船可能となっていた。

盗賊(一人で船に乗るのなんて…いつ以来だろ)

テクテクテク

盗賊(あぁ、戦士が故郷に帰って…召喚士が師匠の元へ行った時…)

テクテクテク

盗賊(ふふっ。なんだか懐かしいな…)

盗賊は一人、思い出し笑いをし、しばらくの後にふと我に返る。

周囲を見渡し赤面すると、こそこそと、いつもとは違うこじんまりとした椅子に座った。
883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 18:25:45.15 ID:H4q7FXU0
ちっーちっちっおっぱーい
884 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:26:18.48 ID:8zz0QuUo
〜国軍本部、裏門〜

青龍先生「……」

テクテクテク

召喚士「……」

テクテクテク

青年兵「……」

テクテクテク

召喚士「あの…っ、先生…?」

青龍先生「んー?」

召喚士「このまま…どちらへ行かれるのですか?」

青龍先生「このままずーっと真っ直ぐじゃよぉ」

青年兵「あの…このまま南下しても…海ですが…」

召喚士「なるほど…!国軍の船で…」

青年兵「国軍の船なら、西側の港から出なければ…」

召喚士「あ、そうか……」
885 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:34:06.84 ID:8zz0QuUo
青年兵「それに…この先は……崖ですよ…?」

青龍先生「そうじゃよ?」

召喚士「あの…ま、まさか泳いでいくなんて事は…」

青年兵「修行だからって…それは……」

青龍先生「泳いで行きたいならそうしても良いぞ?儂は嫌だけど」

召喚士「じゃあ…一体何を…っ」

青龍先生「ほれ、もう間もなく崖っぷちじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「ここから南までひとっ飛びするぞい」

召喚士「……はい?」

青年兵「ど、どういう事でしょうか…!?」

青龍先生「ん?召喚獣に乗って、びゅーんとひとっ飛びじゃよ。ひょっひょ!」

召喚士「!?」

青年兵「召喚獣に乗ってって…えぇーっ!?」

青龍先生「ひょっひょっひょ!ほれ、早よぅせんか」
886 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:34:54.49 ID:8zz0QuUo


召喚士「……行けっ、コカトリス」

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」

シュイイィィン…

コカトリス「…召喚士、大丈夫か?」

召喚士「…が、頑張る」

青年兵「ワイバーンに乗って、海を…越えるのか…」

召喚士「先生はバハムートですか?」

青龍先生「阿呆。あんなもんに乗ったら、魔力なくなって往生しちまうわい」

ジャリッ

青龍先生「出でよ、アンフィスバエナ」

召喚士「アンフィスバエナ…?」

青年兵「は、初めて見ますね…」

青龍先生の召喚した『アンフィスバエナ』、と呼ばれる召喚獣。

身体の両端に竜の頭を持つ、何とも不思議な召喚獣であった。
887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 18:39:06.07 ID:2/6FdNMo
しっぽにも竜の頭がある感じかぁ
888 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:42:07.64 ID:8zz0QuUo
シュイイィィン

青龍先生「さて、皆…準備出来たかの?」

召喚士「…はい」

青龍先生「お主は既に経験済だから良かろう。青年兵…」

青年兵「はい」

青龍先生「召喚獣に乗る。即ちこれは召喚獣に対し、常に餌を与えている状態…」

青年兵「……はい」

青龍先生「乗っている限り、常に魔力を吸われておる。つまり……」

青年兵「いかに最小限に、消費を抑えるかが…重要という事ですね?」

青龍先生「……そういう事じゃ。ひょひょひょ!」

召喚士「……さて」

青龍先生「参るぞいっ!」

青龍先生はアンフィスバエナの背に乗り、一気に上空へと飛び立つ。

召喚士「俺らも…続こう!」

青年兵「はいっ!!」
889 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:42:57.02 ID:8zz0QuUo
バサァッ……ゴウッ!!

青年兵「……く…うっ!!」

ワイバーン「大丈夫か…?」

青年兵「う…うんっ。思ったよりは…何とか…」

ワイバーン「振り落とされぬよう…しっかり掴まっていろよ?」

青年兵「うん。ありがとう…!」

青龍先生「……」

召喚士「ねぇコカトリス…?」

コカトリス「…ん?」

召喚士「師匠もさ、こうやって…コカトリスと一緒に飛んだの?」

コカトリス「…ああ。アイツは召喚獣使いの荒い奴だからな…」

召喚士「……」

コカトリス「私を、馬か何かと勘違いしておるような扱いだったな…」

召喚士「…そっか。師匠らしいね」

コカトリス「…まぁ、私も嫌ではなかったがな。ふっ」
890 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:43:56.60 ID:8zz0QuUo
〜大陸港の町、路上〜

魔道士「…よいっしょ」

トスッ

魔道士「さぁて…頑張りますよー!」

テクテクテク

魔道士「こんにちはー!」

男「……?」

魔道士「そこのお店ですっ!よろしかったら来て下さいねっ!えへへ!」

男「…は、はぁ」

魔道士「美味しいお酒が飲めますよーっ」

男「……」

テクテクテク

魔道士「……うーん、駄目だったかなぁ」

テクテクテク

男(可愛かったな…。店員さんか?よし、行ってみるか…)
891 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:44:30.84 ID:8zz0QuUo


魔道士「こんにちはー。どうぞっ」

母親「…へぇ、宿の一角にこんなお店があったのねぇ」

娘「ママー、行ってみたーい!」

魔道士「料理も美味しいですよっ!よろしければご家族でどうぞっ!」

母親「ふふっ、ありがとう」

魔道士「いえいえっ。お待ちしてまーす!」

テクテクテク

魔道士「あっ、こんにちは!どうぞーっ!」

青年(カワイイな…。何だろ、料理屋?)

魔道士「どうぞーっ。エヘヘッ!!」

老人(ほうほう…)

魔道士「なんだか…あんまり反応ないなぁ…」

ゴソゴソ

魔道士「あ…もうこんな暗くなってる…。そろそろ戻らなきゃ…!」
892 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:46:19.39 ID:8zz0QuUo
カチャッ…チリチリン

魔道士「ただいまー…」

バーテン「おう、ご苦労さん」

魔道士「なんだか、あまり反応ありませんでした…」

バーテン「だーから、いいっての…」

魔道士「でもぉ…せっかく普段の恩返しが出来るチャンスなのに〜」

バーテン「そんな大した事もしてねぇよ」

魔道士「あっ、じゃあ…せめて料理とか…手伝います!」

バーテン「お、おい…っ!?」

魔道士「エプロンは…これでいっか。よし…!」

タッタッタ…ガチャガチャッ…ジャーッ

バーテン「…元気だ事」

カチャッ…チリチリン…

バーテン「はいよ、いらっしゃい」

男「……ここ…だよな」
893 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:49:03.30 ID:8zz0QuUo


ワイワイワイ…ガヤガヤ

バーテン「オムライス、ビーフシチュー二つ…えぇと、それにハンバーグ!」

魔道士「はーいっ!あ、これ出来てますよー」

バーテン「お、おう…っ!」

老人「手料理まで食わせて貰えるのかいな…。生きてて良かった…」

娘「ママー!美味しいねーっ!!」

母親「本当っ。良かったわねぇ!」

娘「うんっ!!」

青年「額に汗を垂らしながら…アリだな…」

男(う…美味い!……毎日…来よう。うん)

バーテン「…凄い…賑わいだな」

魔道士「サラダ出来ましたー!次は…っと…」

バーテン「……たまにはこういうのも…アリか」

バーテンは魔道士と客席を見つめ、やや口元を緩めた。
894 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:49:45.22 ID:8zz0QuUo


魔道士「ありがとうございましたー!」

男「…あああ、明日も…来ます…っ!」

魔道士「お待ちしてますっ!えへへ!」

娘「お姉ちゃんバイバーイ!またねーっ!!」

魔道士「うんっ!まったねー!!」

母親「本当に美味しかったわぁ。ご馳走様!」

魔道士「本当ですか!?ありがとうございますっ!えへへー!」

カチャッ…パタン

魔道士「ふー、一段落〜」

バーテン「良かったな。凄い賑わったじゃねぇか」

魔道士「はいっ!チラシ配った時は、どうなる事かと思いましたけど…」

バーテン「さて、お次は大人の部。酒飲みが来るぞ」

魔道士「はいっ!じゃあ今度は客席に回ります!」

バーテン「悪いな。助かるよ」
895 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:50:55.54 ID:8zz0QuUo
〜港街〜

戦士「着いた。原点…!」

隊長「あん?」

戦士「あ…こっちの話です」

女隊員「隊長、まずはどこへ行くんスかぁ〜?」

隊長「このまま山道を突っ切るぞ」

男隊員「おえ…。なんつうハードな……」

隊長「アホか。平坦な道を行って、修行になるかっての」

男隊員「へいへい…」

戦士「すぐ…行くんですかい?」

隊長「そりゃそうだ。さっさと行くぞ」

戦士「あの…食料とかは…?」

隊長「現地調達」

戦士「さ、酒…なんて……」

隊長「……き、禁酒だ!」
896 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:52:22.55 ID:8zz0QuUo
女隊員「…ちょっと…迷ったッスね」

男隊員「間違いなく迷ってた。うん」

戦士「そんなぁ……」

隊長「てめぇは何しにきたんだ?あぁ?酒を飲みに来たのか!?」

戦士「い、いえ…っ!」

隊長「じゃあなんだ?」

戦士「しゅ…修行を…しに……」

隊長「修行に酒がいるのか…?お?」

戦士「い、要りません…っ」

隊長「よし、んじゃ行くぞ!!」

女隊員「ういッス!!」

男隊員「こりゃ…覚悟しとかなきゃねぇ…。ヒャハハ!」

隊長「夜通し歩いて、朝には南東国に入る!いいな!」

戦士「う…うっす!!」

四人は港街から南下し、山中へと入っていった。
897 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:53:08.70 ID:8zz0QuUo
〜南方、上空〜

青年兵「……っく!!」

召喚士「…そろそろ…しんどくなってきたぞぉ…!」

グラァ…

青龍先生「気を抜くでないぞ?」

青年兵「は…はいっ!!」

召喚士(青龍先生…流石だな…!!)

アンフィスバエナの上にあぐらをかき、背伸びをする青龍先生。

召喚士(魔力がぶれるどころか、消費をごく僅かに…見事に抑えている…)

青龍先生「ここで魔力が尽きたら…海へドボンじゃぞ?ひょひょひょ…!」

青年兵「……ぐ…っ!!」

召喚士「…見えてきたっ!南方だっ!!」

青龍先生「よぅし…!もうちょっとじゃ。頑張れよぉ!」

青年兵「……よ…ぅし…!」

召喚士「もうちょっとだ…っ!行けぇ!コカトリスーッ!!」
898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:54:31.18 ID:8zz0QuUo


青年兵「…っく…はぁ!…はぁ…はぁっ!!」

召喚士「も…もう…空っぽです……っ」

青龍先生「ふむ。流石にこのぐらいが限界かのう…」

青龍先生は北を見つめ、日没寸前の薄暗い海を見つめる。

青龍先生「ほれ、日が落ちてしまったわい。行くぞい」

召喚士「も、もう少し…休ませて下さい……」

青年兵「た、立てません…っ」

青龍先生「……やれやれ。仕方ないのう」

召喚士(しかし青龍先生は…なんでこうもケロっとしてられるんだ!?)

青年兵(流石に先生とて…疲れているはずでは…!?)

青龍先生「どっこいしょ。それじゃ、少しだけ休むかの」

召喚士「す、すみません…っ!」

青年兵「申し訳ありません……」

疲労困憊の二人を、青龍先生はじっと見つめながら微笑んだ。
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:55:03.72 ID:8zz0QuUo
〜バーテンの店〜

ヒソヒソ

ワーカー「おい…。あんなカワイイ店員いたっけか…?」

ヒソヒソ

酒飲み「いや…。先週はいなかったぞ…!?」

ワーカー「まさかあのマスター……」

酒飲み「おいおい、年の差考えろ。どうせ無い金はたいて買ってきたんだろ…」

テクテクテク

魔道士「どうぞー、お待たせ致しましたー」

ワーカー「お、おう…っ」

酒飲み「お嬢ちゃん、いつからだい?」

魔道士「はいっ!今日からですっ、エヘヘッ!」

酒飲み「おぉ!こりゃラッキーだ!」

魔道士「ラッキー…ですか…?」

ワーカー「あーいやいや、コッチの話だ…ガハハッ!」
900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/07(水) 18:56:01.64 ID:8zz0QuUo
   魔道士「900ゲット!エヘヘッ!!」
   ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ∧_∧___       (´´
    /(゚ー゚*) /\    (´⌒(´
  /| ̄∪∪ ̄|\/≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
    |____|/  (´⌒(´⌒;;
       ズシャーーーーーッ
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:56:41.82 ID:8zz0QuUo


バーテン「おらっ、店仕舞いだよ!帰れっ!」

ワーカー「はあぁ!?夜はこれから…」

バーテン「今日は終わりなんだよ!充分飲んだだろうがっ」

酒飲み「なーんだよ、せっかく魔道士ちゃんが酌してくれてるってのに…」

バーテン「それ、別料金だからな」

酒飲み「はぁ!?きったねぇの!ボッタクリバーだ!!」

バーテン「いいから帰れっ!」

ワーカー「わーったよ。魔道士ちゃん、明日も来るからねー!」

酒飲み「いやぁ…楽しかった!もう毎日来ちゃおうかなぁ?」

魔道士「ありがとうございましたっ!またお待ちしてますねー、ふふっ!」

カチャッ…パタン

バーテン「あー終わった…。疲れた……」

魔道士「お疲れ様でしたっ!えへへ!」

バーテン「嬢ちゃんこそお疲れさん、ありがとな…!」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:57:43.58 ID:8zz0QuUo
魔道士「はいっ、どうぞ!」

コトッ

バーテン「……?」

魔道士「バーテンさんのお夜食です」

バーテン「……わざわざ悪りぃな」

魔道士「いいえっ、ふふっ…。あ、お風呂お借りしますね!」

バーテン「あ、あぁ……」

トットット…カチャッ…パタン

バーテン「……うーん」

カチッ…カチッ…シュボッ

バーテン「…ふー。幻と言われる若返り薬ってやつでも…探してみるかな」



魔道士「はー…。疲れたけど…楽しかったっ!」

ジャアアァァー…バシャバシャバシャッ

魔道士「たまにはこういうのも…楽しいなぁ。ふふっ…!」
903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 18:58:35.78 ID:8zz0QuUo
盗賊「…楽しくない」

盗賊は甲板に出て、海を見つめながらぼやく。

盗賊(魔道士も召喚士も…戦士もいないなんて…楽しくない)

クルッ…ストッ

盗賊(…あれ?私いつから…そんなんなっちゃったんだろ…)

自分の心境の変化。戸惑いながらもそれを心地良く思う盗賊。

盗賊「…これが…仲間、か」

夜空をぼんやり見上げる盗賊の耳に、伝声管より声が聞こえてくる。

船員「間もなく港街に到着致します。お降りの皆様、ご準備をお願いします」

盗賊「…着いたか」

盗賊は荷物を抱え、下層へと移動する。

しばらくの後、船は港街へと入港し、盗賊は一番最初に船を降りる。

船員「お待たせ致しました!お疲れ様でございました!」

盗賊「…久々だなぁ」

懐かしい景色を前に切なさと懐かしさが交差し、盗賊は一つ深呼吸をした。
904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/07(水) 18:59:48.44 ID:8zz0QuUo
とりあえずここまでにて!ご支援ありがとうございました!
今回は1ヶ月以内に次スレ行けそうですね!頑張ります!!ノシ
905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 19:00:36.12 ID:Mn8N8vIo
>>1
906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 19:02:49.85 ID:2/6FdNMo
907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 19:07:42.20 ID:COP92ASO
>>1乙〜
908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 19:30:37.49 ID:T5me4XE0



↑アンフィスバエナ
909 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/07/07(水) 20:25:08.38 ID:plpB8UDO
南東国って何があった所だっけ?
最初から見直して来るか…
910 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 20:37:37.51 ID:IdkJy6wo
片言だった頃の盗賊が懐かしい
911 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 20:38:57.62 ID:R0X3FkAO
アンフィスバエなんとかっていうのは、単に双頭なのとは違うんだよな
しっぽの方にも頭っていうのは、ミミズみたいなものなのかな
912 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 21:17:46.12 ID:g.Bdihco
乙〜
なんだかんだでみんな南にあつまってるんだな
913 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 21:28:02.56 ID:lNMQUjw0
>>909
内乱が終わって交通も整理っていやー・・・
イトーイの墓があるとこやろ
914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 21:45:09.15 ID:EaNSor.o
          アンフィスバナナ!!
      \\  アンフィスバナナ!!  //
  +   + \\ アンフィスバナナ!! /+
          .┌┐    ┌┐     ┌┐      +
         / /     / /    / /  +
     +  / / i    / / i   /  / i
        | ( ゚Д゚)∩ | (゚Д゚∩ | ( ゚Д゚)
   + (( | つ  |ノ .| つ  |ノ .( つ つ  ))  +
        |  i  i   |  i  i  ,) )  )
       \_ヽ_,ゝ |  |_ノ  \_ヽ_,ゝ
         U" U   し' __)     U" U
915 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 23:01:37.70 ID:brvxHH.o
〜南方、荒地〜

青龍先生「ほれ、早よう歩かんか…」

召喚士「す、すみません……」

青年兵「……はぁ…はぁ」

青龍先生「このペースじゃ、今日中に南の街へ着かんぞい?」

召喚士「がっ、頑張ります…!」

青龍先生「ほれ、この辺りは毒を持った蠍やら蛇やらがワンサカいるぞい?」

召喚士「!?」

青龍先生「刺されても…治療出来るかのう…?」

青龍先生は意地悪そうな顔で、召喚士をちらりと見る。

召喚(コカトリスで解毒出来るけど…魔力が残ってない……)

青年兵「い、急ぎましょう…っ!」

青龍先生「…それが賢明じゃの。ひょっひょっひょ!」

召喚士「……」

三人は思い足取りで、荒地を必死に進む。
916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 23:04:17.87 ID:g2QIZx2o
コカさん解毒能力もあるのか、まじぱねぇっす。
ユニコーンは処女以外相手にしてくれないし、
シービショップは怪我の治療だけだったりするのかな。
917 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 23:05:02.80 ID:brvxHH.o
〜南方、山脈〜

隊長「……あ」

戦士「……?」

隊長「もしここで敵なんかに襲われたらよぉ…」

戦士「…別に楽勝でしょう。この人数だし」

男隊員「……」

隊長「……あ」

戦士「……?」

隊長「もし一人で戦わにゃならなくなったら…」

戦士「別に問題ないっしょ。この辺りの魔物なら…」

女隊員「……」

隊長「……あ」

戦士「何なんすか!?」

隊長「敵だ」

戦士「何っ!?」
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 23:05:04.27 ID:sgIrAqEo
>>916
毒を持って毒を制す
919 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 23:06:25.43 ID:brvxHH.o
四人の前に突如、魔物が立ちはだかる。

戦士「あれは…何でしょうか…」

女隊員「グレンデル…ッスね」

男隊員「力任せに攻撃してくる、獰猛な魔物だ」

戦士「ち…っ。どうします…?」

隊長「おう、武器を貸してくれ」

戦士「…?」

戦士は雷切と戟を隊長に手渡す。

隊長「さぁて……」

戦士「そうか…!隊長が片付けて……」

隊長「行って来いっ!!」

ドンッ

戦士「え…っ!?いって……」

グレンデル「……グルウウゥゥ…ッ!!」

戦士「……マジかよ」
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 23:08:23.87 ID:2/6FdNMo
素手?
921 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 23:11:20.72 ID:brvxHH.o
隊長「そんぐれぇ、素手でパパっと片付けちまえ」

戦士「何を無茶な……!?」

戦士が振り向いた瞬間、突如グレンデルの拳が迫りくる。

戦士「うお…っ!!」

ブンッ……ゴシャアァッ!!

グレンデル「……グルウウゥゥ」

戦士「く……っそ!」

隊長「おらっ!余所見してると死んじまうぞ!」

女隊員「戦士さん、頑張るッス!!」

戦士「ちっくしょおぉ!!」

戦士は一直線に走りだし、拳を掻い潜り、グレンデルの脇腹に回し蹴りを放つ。

男隊員「ほぉ…っ、やるじゃん!ヒャハハ!」

隊長「こんぐらい素手で倒して貰わにゃ困る」

女隊員「南方だから魔物自体、そんなに強くはないッスもんね…!」

巨大な魔物と素手で戦う戦士を見守りながら、三人は言葉を交わした。
922 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/07(水) 23:17:01.37 ID:brvxHH.o
〜港街、宿〜

盗賊「……」

カチャッ…テクテクテク…ポスッ

盗賊「この部屋…剣士さんの時の…」

盗賊は部屋の中をきょろきょろと眺め、ベッドに座る。

盗賊「こんなに広かったんだな…」

ボフッ

盗賊「……お風呂…入ろ」

キュッ…シャアアァァ…

盗賊「……」

ザアアァァ…

盗賊「…一人だと…お風呂も広いなぁ」

ザアアァァ…

盗賊「あ、ケアしないと魔道士い怒られちゃう…」

盗賊は思考を逸らすかのように、必死で顔を何度も洗った。
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/07/07(水) 23:18:39.27 ID:plpB8UDO
読み返すと、皆随分口調が変わってきてるな。キャラ増えたし、大変だよな…まさに>>1乙!だな

>>913
ありがとう。
九尾やら、後の三蔵法師が出てきたとこだったな。
完全に忘れてた…
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/07(水) 23:33:35.56 ID:brvxHH.o
少しですが、本日ここら辺で失礼します!アイロンかけるの忘れてました!
それでは、また明日!おやすみなさい!ノシ

>>923
いえいえ。こちらこそクソ長いものを読み直してまで頂いて感謝ですよー!

〜オマケ〜

魔道士「盗賊さんて、昔に比べると随分話すようになりましたよね?」

盗賊「…そうかな?」

魔道士「だって最初の頃なんて……」

ホワンホワン

魔導士「わぁ!憧れますねー!」
盗賊「…ホウセキタクサン」

ホワンホワン

魔導士「そうしましょう!」
盗賊「…ソウシマショウ」

ホワンホワン

魔道士「盗賊さん、今日は一緒にお風呂入ります??」
盗賊「・・・ダメだ・・・肉体的には・・・順序がある」

ホワンホワ…

盗賊「やめてええぇぇーっ!!」
925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 23:40:42.26 ID:sgIrAqEo
そんでもって一番最初は

盗賊「(・・・抱かれてもいい)」

だもんな
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/07(水) 23:43:18.09 ID:PjuM0bYo
あったなぁww
927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 23:45:31.05 ID:sgIrAqEo
一番初めの頃の魔道士がビッチに見えてしょうがない・・・
928 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/07(水) 23:58:13.12 ID:IdkJy6wo
盗賊の恥は我が喜びである
929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 00:36:35.67 ID:yCtXQYAO
>>1

修行が始まったところもあればまだまだこれからってところもあるのか
男性陣は順調に始まったが女性陣は大丈夫なのだろうか…

それはそうと、俺もバーテンの店行って魔道士ちゃんに酌してもらいたい手作り料理食べたい
どうやったら画面に入ることが出来ますか?プレス機でペシャンコになって二次元に行くって案はボツになったので他に良い方法があれば是非ご教授をば
930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 00:37:24.98 ID:sezhPUSO

それにしてもみんなバラバラなのに示し合わせた様に南へ行くのな
南で何が起こるのかwktkが止まらない
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 01:27:18.61 ID:RvoLfLIo
そういや最初の召喚士はペニスだったんだよなぁ
こんなに立派に成長しやがって……
932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 01:44:51.59 ID:90QFNkAO


こ、これは>>1乙じゃなくてアンフィスバエナなんだからねっ!
933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 02:52:56.93 ID:b0VHrcAO
青年兵とかそこらへんのモブキャラで終わるかと思ったらこんなに出世しちゃってまぁ…

召喚士にかかわるキャラがみんな何かしらプラスの影響もらってるあたりがいいね
934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 04:49:09.54 ID:ECJEikDO
それもそうだけど残酷かつ無惨に救われない死に方するやつがいてもいい気がする
935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 05:24:22.07 ID:vaNWOsSO
唯一神である1の気持ち次第なり


1乙
936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 06:15:01.01 ID:bVMvCQAO
>>934
黒い三人さん
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 07:23:47.92 ID:mG2g.8A0
この話題は早くも終了ですね
938 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 08:19:31.57 ID:yCtXQYAO
鉱山でのDQNもえらく悲惨な死に方したよな

次は王子か?王子の番か?
939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 10:29:58.92 ID:zUjNw.DO
そういえば西遊記御一行は元気にしてるだろうか?
940 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:08:04.20 ID:L07HMK6o
〜南方、山脈〜

戦士「どりゃああぁぁ!!」

ブンッ

女「あっちゃー…。大振りすぎるっすよ」

隊長「……」

グレンデル「グルウゥー!!」

ブンッ

戦士「…く…っ!!」

男隊員「もっと間合いを詰めろぉ!それじゃ届かねーぞ!?」

戦士(んな事言ったって…このバケモン相手に…)

戦士は目の前のグレンデルを見上げ、頬に伝う汗を拭う。

戦士(間合いを詰める…イコール、相手の間合いでもあるって事だ…)

ジリジリジリ…

戦士「……」

グレンデル「…・・・グルウウゥゥッ!!」
941 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:08:35.09 ID:L07HMK6o
間合いを詰める戦士に、グレンデルが突進する。

戦士「!?」

目の前で前宙し、その勢いをもって右拳を振り下ろす。

その巨大な拳を間一髪かわすも、飛び散る地面の破片が戦士を襲う。

ゴシャアァッ!!……ズザザアァ!!…パラパラッ

戦士「ちぃ……っ!!」

隊長「かーっ、なっちゃいえねぇなぁ…!」

瞼の上から流れる血を拭いながら身構える戦士を見て、隊長はぼやく。

隊長「おいっ!」

戦士「……?」

隊長「何をビビってんだよ!!」

戦士「はぁ!?ビビってなんか……」

隊長「腰が引けてんだよっ!もっと間合いを詰めろ!」

戦士「……分かってますよ!」

隊長「威圧だ!威圧!!」
942 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:09:15.09 ID:L07HMK6o
戦士「っ!?」

隊長「出来んだろ!?」

戦士「そ…そうか…っ!」

ゴゴゴゴゴゴ…

グレンデル「……!?」

戦士「……ふーっ」

男「すっげぇ…殺気…っ!」

隊長「三日月島でも見たが、こんだけ出来れば上等だ…!」

ザッザッザ

グレンデル「……グウゥ…ッ」

ゆっくり近づく戦士から、グレンデルがじりじりと後方に間合いを取る。

隊長「そうだ。威圧で相手の士気を削げ。そうすりゃあ……」

タンッ

隊長「間合いにも…容易く入り込める!」

戦士「っりゃああぁぁ!!」
943 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:09:53.89 ID:L07HMK6o
グレンデル「…!!」

素早く懐に入り込む戦士に対し、グレンデルは右足を振り上げる。

それを戦士は左にかわし、側面より右拳を真っ直ぐ突き出す。

ドゴオォッ!!

グレンデル「グウゥッ!!」

グレンデルの脇腹に鈍い音と衝撃が走り、巨体は悶絶し膝をつく。

戦士「……」

隊長「…勝負あったな」

隊長は雷切を戦士に放り投げ、顎を突き上げ合図する。

戦士「……」

隊長「どした?早くトドメをさせ」

戦士「やっぱり…斬らないと駄目なのか…?」

隊長「……お前はこの先、何をしたいんだ?」

戦士「……?」

隊長「お前の目的…成すべき事はなんだ、と聞いてるんだよ」
944 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:10:36.47 ID:L07HMK6o
戦士「…魔王を倒して…平和な世を作りたい…です」

隊長「じゃあすべき事は分かっているよな?」

戦士「……」

隊長「改心するように思えるか?意思があるならとっくにそうしてる」

女隊員「……」

隊長「今、コイツをここで斬ってもお前に罪はない」

戦士「……」

隊長「だがな、情けをかけて…コイツが人を殺めるような事があれば…」

カチャッ……ザシュッ!!

隊長「それは、お前が殺したも同然。お前の罪だ」

グレンデルから刃を引き抜き、隊長はゆっくりと剣を鞘へと納める。

戦士「……」

隊長「さて、先を急ぐぞ。道のりはまだまだ長げぇんだ」

戦士「……うっす」

戦士は荷物を拾い上げ、先に進む隊長の後を追った。
945 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:11:17.27 ID:L07HMK6o
〜南方、森〜

青龍先生「うーむ……」

召喚士「……」

青龍先生「駄目じゃのう。今日はこの先で野宿とするか…」

青年兵「申し訳ありません…」

青龍先生「なーに、仕方ないわい」

青龍先生は左右をきょろきょろと見回し、顎に手をあてる。

青龍先生「確か…この辺りに泉があったはずじゃが……」

召喚士「泉…ですか?」

青龍先生「うむ。そこなら水も確保出来るし、まぁ何とかなるじゃろ」

青年兵「ひとまずこの森を抜けましょうか」

青龍先生「そうするかの…」

三人は足早に森をひたすら進む。

テクテクテクテク…

青龍先生「おぉ…?あったあった。ここじゃ」
946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:11:59.09 ID:L07HMK6o
召喚士「……あれ、ここ…って」

青年兵「…?」

召喚士「マーマンさんの住んでいた泉か…っ!」

青龍先生「何じゃ、来たことあるのかえ?」

召喚士「あ、以前立ち寄っただけですが……」

青龍先生「ここで夜を明かすぞい。支度をしようかの」

青年兵「テントを張ってきます!」

召喚士「じゃあ俺は水を……」

青龍先生「すまんの。ここは若い者に任せるとするか。ひょっひょっひょ!」



メラメラッ…パチッ…

召喚士は泉を眺め、テントから離れた場所に座り込んでいる。

テクテクテク

青年兵「召喚士さん、見張り交代しますよ」

召喚士「あ、うん。ありがとう」
947 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:12:50.24 ID:L07HMK6o
青年兵は、召喚士の横に並んで腰掛ける。

青年兵「あの……召喚士さん…」

召喚士「…ん?」

青年兵「実は…ですね……」

召喚士「……?」

――……

皇太子「……青年兵」

青年兵「……?」

去りゆく青年兵を皇太子が呼び止める。

カツカツカツ…ボソッ

皇太子「青龍先生の動きを逐一探っておいてくれ」

青年兵「……!?」

エリート「あの御老人は、なにやら隠し事が多すぎる」

青年兵「まさか…青龍先生が内通者とお疑いで!?」

皇太子「そうではない。そうではないが…」
948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:13:37.55 ID:L07HMK6o
エリート「国軍の上層部に主犯格がいるのは間違いない」

青年兵「……っ」

エリート「いい機会なのだ。それのあぶり出しをこちらで進める」

皇太子「先生だけではない。総司令、副司令、大軍師…各司令もだ」

エリート「要職に付いている国軍の者は徹底的に調べ上げる」

青年兵「……なるほど」

皇太子「青龍先生が本部を離れるとあれば、これは好機」

エリート「動くとすれば絶好のチャンスですからね」

青年兵「……」

皇太子「君の気持ちもよく分かる。いわば師を監視しろと言っているのだからな…」

エリート「しかし、正さなくてはならぬ事だ。どうか分かって欲しい…」

青年兵「……畏まりました…」

クルッ…テクテクテク

皇太子「もし……」

青年兵「……?」
949 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:14:16.25 ID:L07HMK6o
皇太子「君らや、他の者に危害が加わるような事があれば、手を下しても構わん」

青年兵「――っ!!」

エリート「青年兵の判断に任せる。あくまで万が一も踏まえて…という事だ」

青年兵「……はい」

皇太子「頼んだぞ」

……――

召喚士「……なるほど」

青年兵「……」

召喚士「確かに…青龍先生の発言には疑問や矛盾がある…」

青年兵「…召喚士さん…っ」

召喚士「…でも、俺は先生がそんな事をするとは…どうしても思えないなぁ」

青年兵「!?」

召喚士「青年兵くんも、そうは思わない?」

青年兵「……もちろんですっ!」

召喚士「だよねぇ…!」
950 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:14:49.42 ID:L07HMK6o


青年兵「すみません…。すっかり長くなってしまって…」

召喚士「ううん。大丈夫」

青年兵「では、ゆっくり休んでください」

召喚士「ありがとう…」

テクテクテク…ゴソッ

テントに入る召喚士は、横で眠る青龍先生の顔を見つめる。

青龍先生「……すーっ…すーっ」

召喚士(青龍先生が内通者…。やっぱり考えられないな…)

ゴソッ…

召喚士(確かに国軍内における召喚獣との会話の禁止や…)

モゾッ

召喚士(五行や同調召喚の隠蔽…それに……)

青龍先生「…すーっ…すーっ」

召喚士(以前サモナーさんの事を話した時、先生は知らない素振りをみせた…)
951 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:15:26.59 ID:L07HMK6o
青龍先生「すーっ…すー…」

召喚士(だがこの前会った時、二人は面識があった。何故わざわざ嘘を……)

青龍先生「……」

召喚士(全ての結論が結びつけるもの。それは……)

青龍先生「……自己犠牲の上に成り立つ平和に…幸福などあるかのぅ」

召喚士「っ!?」

青龍先生「お主を騙すつもりはなかったのじゃ…」

召喚士「先…生……!?」

青龍先生「考えておったのじゃろ?色々と…な?」

召喚士「あ、あの…っ…」

青龍先生「隠さんでも良い…。なんとなく分かるわい」

召喚士「……すみません」

青龍先生「良いか?若いうちは決して命を粗末になんぞしちゃあならん…」

召喚士「……」

青龍先生「さて、明日も早いぞ?休むとしよう…ひょっひょ」
952 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:16:04.05 ID:L07HMK6o
〜次の日〜

テクテクテク…

召喚士「…おはよう」

青年兵「おはようございます」

召喚士「……」

青年兵「どうか…されました?」

召喚士「ううん…」

青年兵「そう…ですか。出発の準備をしてきます」

召喚士「あっ、青年兵くん」

青年兵「はい…?」

召喚士「青龍先生は大丈夫。…内通者なんかじゃないよ」

青年兵「……もちろんです!」

召喚士「…うん」

タッタッタッタッタ

召喚士「……」
953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:17:15.58 ID:L07HMK6o
〜港街〜

盗賊「…よし…出発」

盗賊は荷物を背負い、胸の前でしっかり結ぶ。

テクテクテク

盗賊(遺跡って…何か必要だったかな?)

テクテクテク

盗賊(とりあえず食料は買ったし…大丈夫かな?)

テクテクテク

盗賊(あ…っ、結界石あった方が良かったかなぁ…?)

テクテクテク

盗賊「…ま…いいか」

テクテクテク

盗賊「…お腹減ったなぁ」

テクテク・・・ピタッ

盗賊「……ちょ、ちょっと…だけ…モグモグ」
954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:20:08.19 ID:L07HMK6o
〜南方、山脈〜

戦士「っらあぁ!!」

ドシャァッ!!

戦士「何なんだよっ!こいつら…っ!」

隊長「ただの怪鳥だ!ズーなんかよりゃあ、よっぽど弱えぇ!」

女隊員「で、でも…この数キリがないッスよぉ!」

男隊員「し…かもっ!素手でとか有り得ねぇ!!」

隊長「修行だ、修行…!」

男隊員「何で俺らまで…っ!」

女隊員「飛び回るから素手はしんどいッスよ…!」

隊長「戦士は色々考えてるみたいだぞ?」

隊長は前方で戦う戦士を指差し、ニヤリと笑う。

戦士「っりゃあ!!」

女隊員「石を拾って…投げてるッス…!」

男隊員「原始的だが…いいアイディアだ!ヒャハハ!」
955 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:22:52.09 ID:L07HMK6o


女隊員「うへぇ…。終わったッス……」

男隊員「はぁ…はぁ…はぁ…っ」

隊長「まぁ…こんなモンか。ご苦労さん」

戦士「素手じゃなかったですけどね…」

隊長「誰が素手で戦えっつった?」

戦士「え…?」

隊長「んな事、一言も言ってねぇぞ?」

戦士「……」

隊長「戦いの基本は武具があってこそ成り立つ。そうだな?」

戦士「……はい」

隊長「はい、残念。そうじゃありません」

戦士「……はぁ!?」

隊長「そういう概念を持っているから、油断が生まれる」

戦士「……」
956 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:27:04.55 ID:L07HMK6o
隊長「じゃあお前は、戦闘中に件が折れたらどうすんだよ」

戦士「…戟で戦う」

隊長「戟が折れたら…?」

戦士「…これで」

戦士は左手の盾を前方に突き出す。

隊長「そういう事を言ってんじゃねぇんだよ!アホ!!」

戦士「!?」

隊長「いいか?もし手持ちの武器を失ったら、お前は素手で戦うハメにあうんだよ」

戦士「…はい」

隊長「そん時、素手で魔物を倒すのか?」

戦士「…ま、まぁ」

隊長「倒せんの?さっきみたいな空飛んでる奴とか…」

戦士「あ、いや…っ……」

隊長「そんな時、いかに咄嗟に機転を利かせられるかって事だ」

戦士「…な、なるほど…!」
957 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 18:49:24.16 ID:L07HMK6o
隊長「そういう意味じゃ、お前は合格」

戦士「えっ!?…あ、ありがとうございます」

隊長「お前失格。何年、特殊遊撃やってんだボケ」

男隊員「……」

隊長「あとはお前ら、間合いの取り方が甘い」

女隊員「……申し訳ないッス」

隊長「普段から武器に頼ってるから、その尺で間合いを計っちまうんだよ」

戦士「なるほど…」

隊長「身体の中心部をうまく使って、間合いを計れ」

戦士「…中心部…か」

隊長「そすりゃ戦ってる最中でも、臨機応変に武器を変えたり、対応出来るってこった」

女隊員「なるほど…!目から鱗ッスね!!」

隊長「なーにが目から鱗だ!何度も言ってんだろ!」

女隊員「……申し訳…ないッス」

戦士「武器に頼らず…身体で間合いを取る、か…」
958 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/08(木) 18:57:04.47 ID:L07HMK6o
こんばんは!今日は何だか忙しくて全然進みませんでした…
次スレも立てたいのですが帰宅してからにしますです!
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 19:06:40.22 ID:OqCkN6DO
乙っす〜
960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 19:17:34.87 ID:Zz9ApoSO
>>1乙です
修行編も面白いです
何となく盗賊食べてばかり…?
961 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 19:18:08.43 ID:Mz3wEAAO
一乙。18レスで全然とかどんだけだよ・・・
いまだに仕事してるってのが信じられん。ライターとか?
962 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 19:34:30.81 ID:zhi6gCco
駄目だ…盗賊が無事に本国に帰れる気がしない…
金的な意味で
963 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 19:35:29.13 ID:AtNfL8oo
再会したときに戦士の「盗賊少し太った?」とかで凹むのが想像できてきた。
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/08(木) 20:44:52.13 ID:hQnkdGIo
盗賊は栄養が全部胸にいくタイプの娘だから…
965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 21:07:10.32 ID:bJvNTsY0
つまり1000か2を取った人が魔道士ちゃんを慰めていいんですね。
966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 21:15:07.46 ID:x8bvaIEo
>>965
おい、変な1000取り合戦始まっちまうからだな
967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 22:18:55.61 ID:1dpgUwDO
>>1乙!
>>1の書く話は日常編や修行編も面白いよなー
俺、>>1のそういう話…好きだぜ…///
968 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 22:20:29.72 ID:xC1Oju.o
隊長「まぁ口で説明しても理解出来る代物でもねぇ。身体で覚えろ」

戦士「……うっす」

隊長「……おら、早く来い」

ザッザッザ

女隊員「隊長…機嫌良さげッスね」

男隊員「そうかぁ…?」

隊長「くっ喋ってんじゃねぇ!見ろっ!!」

戦士「……?」

タッタッタッタッタ

戦士「う…おっ!?」

隊長「……この崖を下れば、南東国だ」

崖の下には田の字に区画整理された城下が広がる。

隊長「南東国…西の街だ」

女隊員「おぉ…。これが…南東国ッスかぁ!」

戦士「……」
969 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 22:23:43.84 ID:xC1Oju.o
隊長「どした…?」

戦士「あ、いや……っ」

隊長「んじゃあ行くぞ」

戦士「え…っ、行くって……?」

隊長「……よっ」

隊長はおもむろに崖から飛び降りる。

戦士「!?」

トンッ…タンッ…トスッ

隊長「早く来いっ!!」

男隊員「はいはい……」

女隊員「…よ…っとぉ!!」

タンタンッ……トンッ

戦士「マ…マジかよ。人間じゃねぇ…!!」

女隊員「どうしたッスかぁ!?早く来ないと追いてっちゃうッスよぉ〜?」

戦士「……えぇい!どうにでもなれぇっ!!」
970 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 22:24:51.03 ID:xC1Oju.o


戦士「……お…おぉ、おわああぁぁっ!!」

ガラガラッ……ドシャアァッ!!

戦士「……ぐ…うぅ…っ!!」

タンタンッ…スタッ

男隊員「…大丈夫か?」

女隊員「怪我してないッスか!?」

戦士「いってー…っ!……そんなに高い所からじゃなくて良かったぜ…」

隊長「問題なさそうだな。……見ろ」

戦士「……!?」

隊長「西の街だ。だが、俺らはこのまま東の街を目指す」

男隊員「東…?」

隊長「そこで一泊し、翌日から山籠り開始だ。いいな?」

戦士「…東の街か。……うしっ!オッケーっす!!」

四人は西の街を横目に、一路、東の街を目指す。
971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/08(木) 22:37:28.68 ID:xC1Oju.o
とりあえずキリいいところで一度切っておきます

次スレです!17」スレ目!感謝感謝!!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/

残り30はどうしましょうかね。いつも通りオマケと雑談でいいですかね…?

>>914
忘れてたけど、これツボに入りましたww

>>958-966
ありがとーございますっ!盗賊やっぱり人気だなぁ〜
ライターとか…文章で察して下さい…。仕事はまぁ…普通ですよ普通

>>967
ありがとうございます!戦闘と違って波がないので、
そう言って頂けると光栄でございます…///
972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 22:44:05.37 ID:zhi6gCco
>>1
東の街って、誰が王だった街だっけ?
973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:10:38.81 ID:bJvNTsY0
長男じゃなかった?

きといが居た。
974 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:24:03.12 ID:yCtXQYAO
今宵、魔道士ちゃん争奪>>1000取り合戦があると聞いて


やはり魔道士ちゃんは俺のものだと言うことを、世間に、はたまた世界に、知らしめてやる必要がある
俺と魔道士ちゃんのラブストーリーはまだまだ始まったばかり!
この戦争に勝ったら俺、プレス機で二次元へワープするんだ…
975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:26:08.40 ID:bIbeXbk0
>>974
またこんなところに肉塊転がしたのは誰だ?
早めに片付けろよ
976 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:27:18.17 ID:h9pwV96o
いざ東の街へ!

いざ東の街へ…?

ホントに東の街行くのか?

東の街には行ったけど

もう東の街行ったから次から別の感じのタイトルでいいや
977 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:47:13.51 ID:ECJEikDO
>>975
昨日処理したのに戻ってきただと…

>>1000になったら魔道士いらないので>>1もらってもいいですか?
978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 23:47:34.28 ID:b0VHrcAO
>>973
長男はたしか死んでて、次男が西遊記の旅でてる。
国を納めてるのは三男

せっかく南東国きたことだし西遊記のほうも見てみたいけど、そっちの物語って考えてあるのかな?
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/08(木) 23:59:55.24 ID:xC1Oju.o
〜オマケ>>540

戦士「夏だ!」

魔道士「海だーっ!!」

盗賊「…えぇと…す、スイカ割り…?」

召喚士「…と、言う事でせっかくの夏休み。海へ遊びに来ました!」

戦士「誰に話してんだ?そんな説明文みたいな……」

女「きゃーっ!!」

戦士「何だっ!?魔物か!!」

召喚士「!?」

タッタッタッタッタ…

マジシャン「お嬢さーん!遊びましょーっ!!」

王子「いやいや、こんなオッサンなんかより僕と遊ぼっ!金ならあるよーっ!」

神官「王子っ!!」

魔道士「え、えーと……」

戦士「……ほっとけ」
980 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:00:32.00 ID:.zCzAqgo


青年兵「あれ!?皆さんも来てたんですか?」

召喚士「青年兵くん!」

皇太子「本国も国軍も夏季休暇でな。大陸港の浜辺へ来たのだよ」

エリート「殿下…誰に話してるんですか?そんな説明文みたいな……」

大軍師「ふっふっふ…。皆さん、海だからってそんなにはしゃぎすぎないように…」

召喚士「だ、大軍師…さん…?」

皇太子「お前こそサングラスに浮輪に、スイカ抱えて…やるきマンマンじゃないか」

白虎長「あら?みんな元気〜?」

バンッ!!

盗賊「…はぁ、なんとか」

ドドンッ!!

占い師「さぁ、めいっぱい遊びましょうっ!」

ポヨン…

占い師「ちょっと!何よっ、この効果音!!」
981 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:00:58.01 ID:.zCzAqgo


戦士「え…えぇと……」

魔道士「もっと右ですよーっ!」

青龍先生「いやいや、左じゃ左!ひょっひょっひょ」

戦士「えぇい!この辺かっ!?」

隊長「なっちゃいねぇ…。威圧だ威圧!」

女隊員「スイカ割りッス。威圧関係ないッス」

男隊員「いけいけっ!そこだー!ヒャハハ!!」

タッタッタッタッタ…

天才「どけぇーっ!!」

戦士「……!?」

ババッ……ヒュオッ……ゴッシャアアアアァァッ!!

天才「はーっはっはっは!!スイカ討ち取ったりぃ〜!!」

召喚士「あ…あの……スイカ…」

青年兵「木端微塵で…跡形も残ってないですね…。ははっ…」
982 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:01:33.53 ID:.zCzAqgo


マジシャン「おぉ!さらさらキューティクルヘアー!あの後ろ姿は間違いなく美人!」

王子「こらっ、どけ!オッサン!僕が行くっ!!おねーさーんっ」

クルッ

南方参謀「あらぁ?ナンパ…?もうっ、仕方ないわねぇ…!!」

王子「ぎゃああああぁぁっ!!」

神官「……もう…知らん」



女王「戦士様、オイル塗ってくださる…?」

鍛冶娘「!?……せ、戦士っ!私を塗らせて…あげてもいいんだからねっ!」

南方弓長「あら、私が先よ。ね…戦士くん」

ウィッチ「戦士様…宜しければお願いしますでございます…!」

女侍「塗るだけでいいの…?アタシならもーっと凄い事……」

戦士「さ、さーて…。焼きそば買ってくらぁっ!!」

盗賊「……しまった…出遅れた」
983 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:02:24.92 ID:.zCzAqgo


召喚士「……くっ…この…」

戦士「ど、どうした、って…うわぁ!!」

青年兵「こ、この砂の城は…!?」

召喚士「いや、ついこだわっていたら…こんな大きさに…」

戦士「す…凄……あ、大きな波…」

ザッパーン

青年兵「……あらら」

召喚士「……」

戦士「ま、まぁ…また作れば……」

召喚士「…行けっ、コカトリス!」

シュイィィン…ゴオオォォ

召喚士「これでもう崩れない。ふふふ……」

戦士「召喚士…お前って奴は……」

コカトリス「…下らぬ」
984 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:03:02.65 ID:.zCzAqgo


マジシャン「魔道士ちゃん、オイル塗らないと日焼けしちゃうよ〜?」

魔道士「マジシャンさんっ。ありがとうございます!えへへ!」

マジシャン「どーれ……ぐへへ…っ」

ヌリヌリッ…ゴソゴソッ…ヌリヌリッ

魔道士「…ん……っ……はぁ……」

マジシャン「……ウヒヒ」

ビクッ!!

マジシャン「あ…あのっだな!はははっ!」

召喚士「……コカトリス」

コカトリス「…おう」

マジシャン「のおおおおぉぉーっ!!」

ゴオオォォ

召喚士「…魔道士さん、行きましょう」

魔道士「こ、これで日焼けしなくてすみますね…マジシャンさん…」
985 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:03:37.12 ID:.zCzAqgo


サモナー「みんな賑やかだねぇ」

マーメイド「そうねぇ」

サモナー「気持ちいいねぇ」

マーメイド「そうねぇ」



剣士「みんな楽しそうだねぇ」

弓使い「ふふっ。本当……」

剣士「幼女ちゃんも楽しい?」

幼女「うんっ!楽しいーっ!!」

弓使い「良かったわぁ…。ふふっ」



眼鏡「みんな楽しそうだねぇ」

犬「ワンワンッ」

眼鏡「そうか、楽しいかい。それは良かった…ふふふっ」
986 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:04:09.74 ID:.zCzAqgo


テクテクテク

バーテン「…いらっしゃい」

盗賊「……いつもの」

バーテン「あいよ」

シャカシャカシャカッ…キュポッ…トクトクッ

バーテン「……ほらよっ」

シュッ…パシッ

盗賊「……」

バーテン「かき氷…ブルーハワイ」

盗賊「……うまい」

キーン

盗賊「はうぅ…っ!あ…頭がぁ…っ!!」

バーテン「そんなに美味いか…?ふっ、我ながら自分の腕が怖いぜ…」

戦士「何やってんだ、お前…?頭なんか押さえて……」
987 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:05:10.51 ID:.zCzAqgo


召喚士「すっかり夜かぁ……」

カラコロ

エリート「!?」

戦士「おぉ…っ!」

魔道士「に、似合う…かな…っ?」

青年兵「素敵です、お二人とも…。えぇと、東方の……」

盗賊「…浴衣」

召喚士「……」

魔道士「あ、あの…っ、召喚士さん…?」

召喚士「あ、え…っ…あ!は、花火しましょう花火!!」

戦士「おっしゃ!点火〜!!」

サラマンダー「はぁ、点火。何でこんな事せなあかんの……」

シルフ「いいじゃない。たまには!」

魔道士「綺麗〜っ!!」
988 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:05:51.14 ID:.zCzAqgo
パチパチパチッ…ポトッ

盗賊「……あ」

戦士「あ、落ちちまったな…」

盗賊「……切なく…なるな」

戦士「ん…?」

盗賊「……いや…線香花火」

戦士「ああ…。そうだなぁ」

盗賊「…この先の事とか…考えると…余計」

戦士「そんな時は、みんながいるだろ…?」

盗賊「……うん」

戦士「……お、俺も…いるしなっ!」

盗賊「……え…っ?」

戦士「…何でもねぇ!行くぞっ!!」

テクテクテク

盗賊「あ…っ。……うんっ!」
989 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:06:41.09 ID:.zCzAqgo


魔道士「あー、楽しかったぁ!!」

召喚士「良かったですね、魔道士さん」

魔道士「ありがとうございますっ!えへへっ!!」

召喚士「……?」

魔道士「召喚士さんが、みんな呼んでくれたんですよねっ!」

召喚士「…バレてましたか。はははっ」

魔道士「好きですよっ」

召喚士「……へっ!?」

魔道士「召喚士さんの…そういうところ」

召喚士「……あ、ああ…はい…っ!」

魔道士「あ…っ!?……あ、あのっ…好きって言ってもそういう事ではなくっ、あの…」

召喚士「わわ、分かってます…!はい、ええ…!!」

白虎長「……あー、熱いわねぇー。グビグビ」

占い師「ほーんと、妬けちゃいますわねぇー。全く…ゴクゴクッ」
990 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:07:26.23 ID:.zCzAqgo


マジシャン「最後はデケェの打ち上げんぞーっ!!」

魔道士「手伝います!」

ウィッチ「…でございます!!」

大軍師「撃てぇーっ!!」

キュウイイィィン…ヒューン………ドオオオオォォンッ!!

召喚士「おぉーっ!!」

戦士「たーまやー…ってか!」

皇太子「さぁ、明日からはまた魔物との戦いが始まるぞ!」

エリート「1日限りの休日…でしたね」

皇太子「ああ。だがみんなも良いリフレッシュに…」

タッタッタ…ギュムーッ

白虎長「殿下ーっ!」

占い師「す、すみませんっ!この酔っ払いっ!早く行くわよ!!」

エリート「し、締まらないなぁ…。ははっ……」
991 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/07/09(金) 00:08:31.34 ID:.zCzAqgo


戦士「荷物全部持ったか?」

盗賊「…大丈夫」

魔道士「では、帰りましょうか!」

召喚士「はいっ!」

テクテクテク

召喚士「あれ…?何か忘れ物してる気が……」

魔道士「召喚士さーん!行きますよーっ!」

召喚士「あ、はーい!!」

タッタッタッタッタ



マジシャン(……おーい!!誰かーっ!!こらぁ!!)

テクテクテク

魔法剣士「…何だこの石像?

〜おしまい〜
992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:12:15.26 ID:Tz40FMwo
王子ェ…
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/09(金) 00:13:43.62 ID:.zCzAqgo
オマケでした。本編は次スレより投下致しますー

>>972
長男と騎都尉がいたところです。初めて南東国を訪れた街ですね
前回は上からぐるっと回って来たので東が最初でしたが、
今回は山脈を突っ切って来たので、西に着きました!
>>978さんのが詳細ですね!感謝感謝

西遊記は…えーと…あーそのー…

それでは、おやすみなさい!ご支援ありがとうございました!ノシ
994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:14:11.77 ID:zO8GyQDO
うおぉ〜!俺がリクエストしたやつをやって下さっているとは…

>>1よ、有難う御座います
995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:21:54.22 ID:Gxn/Azso
今日も乙っした!
ところで、いい加減戦士はもげるべきだと思うんだ
俺の王女が・・・俺の王女が・・・(´;ω;`)
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:25:41.85 ID:Gxn/Azso
女王だった・・・・・・シノウ
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:36:50.15 ID:WmExugso
1000なら行けコカの世界に行ける!!
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:46:18.51 ID:sTew1ZUo
998なら1000は無効
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:49:25.47 ID:1unMpG2o
999なら100部まで>>1は続ける
1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/09(金) 00:52:17.88 ID:WmExugso
999なら256部まで>>1は続ける
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
        /::::::::::::::::l/ /  冂
       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
スレを立てようか迷うのだが… @ 2010/07/09(金) 00:50:14.38 ID:/8wfSAAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1278604214/

A雑するスレッド @ 2010/07/09(金) 00:47:35.54 ID:4Vl8k4ko
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1278604055/

よみ・らみ・ゆったん・ヒロ・アギト・紅水晶・たんす・綾波・断の助・つっきぃ・ユリィ・あとなんか来た人全員のスレ @ 2010/07/09(金) 00:40:44.53 ID:hK4amvAo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1278603644/

オプチュウのすれっど @ 2010/07/09(金) 00:37:47.49 ID:5A4KHRsP
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1278603467/

げろ吐くなら食うな!食うならげろ吐くな! @ 2010/07/09(金) 00:37:42.84 ID:./900YQo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1278603462/


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